ページID:100505更新日:2021年7月9日
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防災新館401,402会議室 11時30分から
発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
7月3日、豪雨により静岡県熱海市で大規模な土石流が発生し、多くの方がお亡くなりになられました。この場をお借りいたしまして、亡くなられた皆さまのご冥福を心からお祈り申し上げます。また、この災害で住宅が被害に遭われ、避難されている方も大勢いらっしゃいます。皆様方に対しまして、お見舞いを申し上げる次第であります。
今回被害のありました静岡県は、本年4月に開通いたしました須走道路、御殿場バイパス、あるいは9月に全面開通が予定されております中部横断道の南部区間で繋がっており、また、バイふじのくにでの連携、さらに医療機器に関しましても密接に繋がっている我が県にとりまして大変重要なパートナーでありまして、1日も早い復旧復興に向けまして、私ども山梨県といたしましても、できる限りの支援をして参りたいと思います。
今回発生いたしました災害は、土砂災害警戒区域の上流にある大量の盛り土が大雨により崩れ、大規模な土石流が起こった可能性があると専門家が指摘をされているところであります。
この災害は、私どもにとりましても他人ごとではないわけでありまして、現在、国におきましては、盛り土の緊急点検を行う方向で検討が進んでいますが、県内の同様な箇所につきまして緊急点検を行うよう、これに先立ちまして関係部局に指示をしたところであります。
緊急点検の対象箇所ですが、土砂の流出により大きな被害を及ぼす恐れのある上流域にある盛り土や太陽光発電施設など、66ヶ所の調査を実施いたします。
県、市町村の担当者、造成地の管理者などによりまして、盛り土に亀裂があるかどうか、あるいは排水口などの雨水排水施設が適正に機能しているかどうかなどにつきまして確認を行います。
実施時期は明日から、順次点検を開始いたします。今月中を目途に点検を完了したいと考えております。
また、点検時に土砂への廃棄物混入が確認された場合には、不法投棄として、廃棄物処理法に基づく厳正な対処を行います。
さらには盛り土以外にも、災害発生予防の観点から、農業用ため池につきましても緊急点検を実施いたします。これは3年前の西日本豪雨におきまして、農業用ため池が決壊し災害が発生したという事例がございます。
最後に、県民の皆さまへのお願いでありますが、県内においてもこれから雨が断続的に降り続くことが想定され、災害が発生する恐れがありますので、引き続きの警戒をよろしくお願いいたします。
まずは市町村が発表しているハザードマップで、ご自身の家が浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っているかどうかご確認をお願いいたします。その上で避難所を確認していただき、そして避難所に至る経路に関しましても、危険な場所がないか、ぜひご確認をお願いします。いざという時に速やかに避難できるよう、備えをしていただきたく思います。
また、ご自身の命を守るためには、早めに避難することが重要となって参りますので、テレビ、ラジオあるいはスマートフォンなどで、大雨に関する情報には重々留意をお願いいたします。
加えて、市町村から高齢者等避難や避難指示が発令された場合は、速やかな避難の実施をお願いいたします。
避難情報が発令されていなくても、身の危険を感じた時には、ぜひ地域で声をかけ合っていただき、早めの避難をしていただくようお願い申し上げます。
記者
緊急点検について、点検項目は何項目あるか詳しく教えていただけますでしょうか。
課長
盛り土の点検項目ですが、大まかな項目としては9項目ございます。
具体的には、盛り土の上面におけるクラック、ひび割れの有無ですとか、盛り土の安全性を確認するために排水の状況がどうなっているかも見なければいけませんので、表面排水路の目詰まりですとか、損傷の有無ですとか、大まかな区分では9項目をチェックすることになっております。
記者
今回対象となった66ヶ所は、盛り土があった場所などということだと思うのですが、こういった場所は、これまでこのような点検をしたことがあるのでしょうか。あるとすれば、直近ではいつやっているのか教えていただければと思います。
課長
特に近年ではこのような緊急的な調査は行っておりません。
記者
緊急的ではなくて、法律的な取り決めがあるのかわからないですが、定期的な点検はどのようにやっているのでしょうか、やっているとすれば。
課長
森林法の林地開発行為については、事業者から申請があって、それを県で審査して許可するわけですが、当然許可した箇所については、事業者の方が出した設計書、計画のとおりに施工がされているのか、通常の業務の中でそのような確認をしていることはございます。
知事
ヤングケアラーは、家庭内のデリケートな問題であることから表面化しづらく、また社会的な認知度も現時点において低いため、周囲の大人のみならず、子供自身、あるいはその家族でさえも自覚がないといった問題が指摘されております。
このため、先月、私も参加いたしまして、スクールソーシャルワーカーあるいは学校の先生方、さらに民生委員などのヤングケアラーと接する機会のある方々から、その経験に基づいたお話を伺ったところであります。
その結果、ヤングケアラーが抱えている背景には、貧困や介護、障害など多岐にわたる課題があること、また、一番悩ましい点は、深刻な問題であるとはわかっていても、これがどれほどの広がりがあるかが把握できていないということにあると、改めて認識をした次第であります。
このため、まずは実態を把握することといたしまして、今週から順次、県内の小学校6年生から高校3年生までのすべての児童生徒約5万3000人と、学校や子供食堂、民生委員など、ケアを必要とする人に関わる関係機関を対象に、実態調査を実施いたします。
また、ヤングケアラーを早期に発見し、必要な支援機関へ確実に繋いで、適切な支援を提供するということを実行していくために、介護や福祉、医療、教育などの関係者が連携する包括的な支援体制を構築いたします。
具体的には、まずは子供と接する時間が長く、早期発見が期待できる学校において、校内責任者やスクールソーシャルワーカーの役割を明確化した上で、児童や生徒の課題を校内ケース会議で共有し、必要な支援に繋げる体制を構築して参ります。
また、実態調査の結果も踏まえながら、発見から支援に至る包括的な仕組みを速やかに構築いたします。
その上で支援の実行をスタートするとともに、支援関係者、あるいは外部有識者などで構成いたします「(仮称)ヤングケアラー支援ネットワーク会議」を立ち上げ、具体的な支援体制づくり、あるいはマニュアルの作成、さらには関係者間の情報共有、意思疎通を図ることによる効果的な支援を行って参ります。
これは議会でも繰り返し申し上げておりますが、家事あるいはご家族のお世話をすることそれ自体は大変尊い行いだと思います。尊い行いですが、そういうことを一生懸命頑張っている子供が、それが故に自らの未来の可能性をなくしてしまうような事態は、我々は大人の責任として、何としても避けなければならないと考える次第であります。
今後、子供とその家族に寄り添った支援ができるように、実効性ある取り組みを推進するため、関係機関、団体と連携し、一丸となって、速やかに、支援体制の構築、そして支援の実行に移って参りたいと思います。
記者
実態調査を行って支援に繋いでいくということですが、他県では、条例を制定して支援をしていくという動きもあると思いますが、そういったことはお考えになっておられるのでしょうか。
知事
当然それも必要に応じて視野に入ってくる話ですが、子供の成長は大変早く、待ってくれないわけですので、まずは支援の実行に早く繋げることが重要だと思っております。
冒頭申し上げましたように、実態がまだわからないので調査から始めなければならない。その実態に応じた適切な支援をどう構築していくかというのは、まさにその実態に応じてやるわけですので、走りながら考えていって、全部完璧にそろってからやろうではなく、できるところからどんどん手を打って、一刻も早く支援のアクションをとっていく、これが重要なことだと思います。
その上で、諸々条例で定めることが必要もしくは有効である場合には、当然条例化を検討する必要があろうと思います。こんな順序で考えていきたいと思います。まずは支援の実行ということです。
記者
そもそもの問題として、児童自身もどのような支援を受けられるのか知らないということと、支援者自身も、どの子に支援が必要なのかがわからないという問題があると思うのですが、今回の調査で実数として数を把握するのであれば、どのような子を支援が必要なヤングケアラーとして定義をするのかという方針はありますでしょうか。
知事
親御さん、もしくはそのご家族のお世話をしている子に関しては、線引きすることなく、支援が必要な場合にはしっかりとした支援をする。支援の必要性は、ご家庭の状況に応じて千差万別だと思いますので、あらかじめ定義をして、その外縁をくっきり分けて、そこに入ってくる子は支援するが入らない子は支援しない、そういうアプローチは取るべきではないと思います。
支援が必要な子は、すべからく支援に繋げる。ですので、包括的な体制をつくって、いろんな目から見ていただいて、見落としがないようにしたいと思いますし、それに向けていろいろな人の力を借りないといけない場合があるので、様々な人に関わっていただけるような包括的な支援体制「(仮称)ヤングケアラー支援ネットワーク会議」を設置して、ここで議論しながら情報共有をし、また協力を求めていく、こういう体制を構築したいという趣旨です。
記者
ヤングケアラーについては、最近言葉として知られ始めてはきていると思うのですが、子どもが自分の問題だと認識する上で、アンケートの中でも、ヤングケアラーとはこういうものだと確認するような話があったと思いますが、今後いかにその周知をしていくかについて展望がありましたらお願いします。
知事
それは重要な問題だと思います。今回のアンケート自体も一つの周知の手段だろうと思いますし、今後、皆さんのお知恵をいただきながら適切なやり方を考えていきたいと思います。
ヤングケアラーの関係者のご意見を伺った際、自分ではわかっていても言いづらい人というのも他方にあると。もちろん、学校教育の中でそういう話をしていくというのは有力な周知のルートだとは思いますが、それだけでは多分済まないのだろうと思います。ここはこれから走りながら、より支援を必要とされる子どもに、支援が受けられるんだということ伝える道筋を見いだしていきたいと思います。
知事
本県におきましては、水素エネルギー社会の実現に向けまして、様々な施策を展開しておりますが、燃料電池自動車の普及促進も積極的に進めております。
燃料電池自動車ですが、ご承知のとおりCO2を排出しないという意味で脱炭素に大きく貢献します。それと同時に、外部に電気を供給できる機能というものがありますので、これを活用することで、災害時に動く発電所としての活用が可能になって参ります。
このことを広く県民の皆さまに周知、体験していただくために、県が所有いたします燃料電池自動車MIRAIと外部給電器をセットにいたしまして、県内の市町村、あるいは民間企業などへの貸し出しを本日から開始していきたいと思います。
貸し出し費用は無料であります。また、燃料となる水素代も県が負担するということでありますので、ぜひとも各種イベントでの展示、あるいは電源としての活用、さらには地域の防災訓練でのデモンストレーションなど、幅広い活用をお願いいたします。
先日も、X JAPANのアーティストと対談する機会がありましたけれども、かれはこの水素の燃料電池を使ってコンサートをしますということでした。感度の高い方に言わせると、やっぱり音も違ってくるということのようです。そこで使われているのがMIRAIの燃料電池ですので、まさにX JAPAN級の体験をぜひ奮って体験していただければと思います。
こうすることで、燃料電池自動車に対する理解も深めていただき、また防災時の活用にも慣れていただくことが、地域全体のレジリエンスの強化に繋がるのではないかと思います。
記者
LUNA SEA・X JAPANのSUGIZOさんだと思うのですが、どのような経緯で対談されたのか、どんな話をされたのか教えてください。
知事
自然首都圏構想研究会をやっていますが、そこの座長である東さんのご紹介です。山梨県は様々な取り組みをやっていますので、ぜひ、1回対談してくださいということでご紹介をいただきました。
SUGIZOさんはMIRAIを2台使って、それをバッテリーとしてコンサートをなさっている。もちろん彼は再生可能エネルギー自体にも大変造詣の深い方で、またご自身で実践するということで、MIRAIを使って、その燃料電池から得た電源でコンサートをされました。こんなお話を伺いました。
私みたいな素養のない人間とは違って、プロ中のプロの方ですから、その方に言わせると、やはり音が違うのだと。送電線で送られてくる電源はノイズが入るけれども、まさに生まれたての電力で楽器を鳴らすと音が違ってくるとか、そういう面白いお話を聞かせていただきました。
それがあってやるわけではもちろんないのですが、山梨県はそもそも燃料電池産業を進めましょうと頑張っている県の一つでもありますし、この燃料電池自動車が防災に有効だという意味で、いずれ燃料電池車は増えてくると思いますが、実際に電源として使う体験をしていただく良い機会になるのではないかと思いました。こういうことが、実際に災害が起きたときに、速やかに電源から電力を取ることができるようになるのではないかと考えるしだいです。
記者
新型コロナウイルスのワクチンの関係で伺いたいのですが。今週からの4週間で、県内市町村に配分されるワクチンの量が、市町村が希望した4割から半分程度になっていると思います。また、昨日示された8月の4週間での市町村の配分量を見てみますと、これも今月と同じくらいにとどまるという見通しなのですが、それに関する受けとめと、今後の市町村でのワクチン接種への影響や懸念があればいただければと思います。
知事
まず、本県の接種の状況ですが、医療関係者はほぼ終わりました。それから高齢者ですが、4日前の段階で1回目接種が約70%オーバー、それから2回目の接種をされた方が35%ということで、順調に進んではいると思います。
その上で、それ以降の一般接種の件ですが、とにかくワクチンがなければ打てないので、安定的な供給は政府の責任ですから、それはぜひやっていただきたいと思います。
市中にたまっているのではないかというご意見がありますが、それはおそらくVRSへの入力が遅くなっているといった要素も大変大きいだろうと私は思います。市町村がいたずらに抱え込んでおくべきものでもなく、そんなことをしても市町村においては意味がないと思いますので、国にはとにかく調達することに全力を挙げていただきたいと思います。
記者
東京で4度目の緊急事態宣言が発出される見込みとなっていますが、これに対する知事としての受け止めと、今後県民向けに呼びかけをされるなど、県としての対応方針等を考えていることがあれば、お聞かせいただければと思います。
知事
またかという感じです。東京都の皆さんも大変なご苦労をされているわけですけど、それだけこの新型コロナウイルスは厄介だということだと思います。これからオリンピックもありますので、大変だとは思いますが、引き続きのご尽力を心からお願いしたいと思います。
山梨県としては、最終的に宣言が発令されるのかどうなのか、それがいつまでなのかというのがまだ確定してない中で、報道ベースでしか承知しておりませんが、夏休みやお盆は観光シーズンであって、県にとりましても、経済的に重要なタイミングであります。ここで緊急事態宣言が東京都になされますと、それなりの影響は不可避なのだろうということで、大変危惧をする次第であります。
現在、県民割を行っていますが、観光庁に対しまして、それを隣接する地域同士で広げられないだろうかというお願いをしていまして、「それはしっかり前向きに検討します」とお約束をいただいていますので、その検討を早く終わらせていただいて、この状況に少しでも役立つように、国の対策は急いでいただきたいと思います。
あと、東京にしろ山梨にしろ、ワクチンをいかに行き渡らせるかということが重要でありまして、特に国には、職域接種に関しては戦略的な対応をぜひお願いしたいと思います。現在中断していて、これから再開されると信じておりますが、その再開の仕方に関して、野放図に前と同じようなやり方で早いもの順ということになると、国全体として全く適切ではないことだろうと思います。やはり人と接する機会の多いセクターをまず優先するべきだと思います。早ければいいのではなくて、人と接する機会のある人たちの集団に、まずは必要なワクチンを届けるべきだと思います。その上で、どういうセクターかというのは各地域で状況は違うでしょうから、そこは都道府県としっかり相談していただきたいです。この職域接種を戦略的にしっかりやることで、私はこれ以上の緊急事態の発令は避けられるようになってくるのではないかと思いますので、ぜひ、上から下げ渡して「はい、これでやれ」では困るわけですから、政府の賢明なご判断を心から希望する次第です。
記者
新型コロナの関係で、山梨県内の今月の感染状況のご所見をお伺いできればと思います。
知事
先月は、同時多発クラスターの影響で、感染者数が過去最多になったわけですが、多くの関係者のご尽力で押さえ込みができたと言っても差し支えないと思います。
従って、現状は、落ち着きを取り戻しているような状態だと思いますが、いわゆるデルタ株が県内で出ていますので、気を抜くことはまかりならぬ、むしろ警戒感を高めていく必要があろうと私は思います。そういうことで、今後、事に臨んでいきたいと思います。
いずれにしても、我が県は、早期発見、早期治療を県是として掲げており、先月は確かに大勢感染者が出ましたけれども、1日当たりの重症患者数、あるいは死者の数については、低水準で抑えることができていると思っております。引き続き、この状況を維持しながら十分な医療提供水準の確保を進めていく。早く見つけて軽いうちに対処できれば、要は重症化しないうちに治療することができれば、ご本人にとっても一番いいですし、地域全体の医療水準、医療資源にかかる負荷も低くなりますので、引き続き早期発見、早期治療、早期回復というのは、全力を尽くしていきたいと思います。
そして、何よりもワクチン接種に関しましては、まずは高齢者の皆さんへの接種を早く終わらせる。東京都も含め、実際に全国的に効果が出ていますので、これを進めることで、県全体の重症化リスクも下がるであろうと。その上で、今度は感染の拡大リスクを下げるべく、大規模接種センターで、人と接する小中高の先生や警察職員、さらには飲食店、観光関係者の皆さんにワクチンをなるべく速やかに提供できるよう尽力していきたいと思っています。
感染数も抑えながら、集団免疫ができるまで、ワクチンの普及を進めていくということが基本的なスタンスだと思いますので、その基本的なスタンスに基づいて、これからも取り組んでいきたいといった状況だと思います。
記者
緊急事態宣言が発出される中で、五輪が行われます。観客をどうするかということがとても問題になってきます。山梨県内にも会場がありますが、どうお考えでしょうか。
知事
こういう状況だったとすると、パブリックビューイングはちょっと慎重に考えるべきだと思います。会場となられる2村においては、ぜひ慎重に検討していただきたいと思います。
山梨県は会場といえども、箱があるわけではなくて道路ですので、県民の皆さまにはなるべく控えていただきたいし、万が一、行かれる場合でも、混んでいるところは避けていただくようにお願いしたいと思います。
記者
先日の聖火リレーもそうだったのですが、今の知事の「なるべく控えて欲しい」というのは、自粛の要請でしょうか。
知事
もう少し状況を検討しながらということです。
記者
まだ最終決定には至らないでしょうか。
知事
政策当局者としての、こうあった方がいいという気持ちの発露であって、正式に要請するかどうかは、もう少し議論をして決めたいと思います。
記者
(まん延防止等)重点措置や、緊急事態宣言が出ていれば、法令の縛りがあって方針を決めやすいと思います。山梨は幸いに出ていないので逆に判断が難しいと思いますが。
知事
おっしゃるとおりです。要は外出をするな、道路に出ないでくれということは、基本的人権の問題で、こういうことはなかなかはっきりと言えず、どうしても限界があるわけですし、それができないから、昨年来、苦労もあるわけです。この国の法体系の中では、今おっしゃるような法的根拠がない中で、県民の皆さんに協力のお願いをするしかないわけで、お願いをする権利というのが我々が持っている最終最後の武器なので、どういう場面でどういう形で行使するかは、これから考えていきたいと思います。
記者
パブリックビューイングは慎重に考えるべきだ、2村には慎重に考えてとおっしゃいましたけれども、この実施や形態などを決めるのは村になるのでしょうか。
知事
村です。
記者
県や組織委員会ではなく。
知事
道志村は村です。山中湖村は、組織委員会と村が決めるということです。私が承知している限りでは、道志村は中止をするということのようです。山中湖村は、人数についてどう考えるか、削減するかという議論はされているようですが、ただこういう事態になってくると、人数云々の問題ではなくて、そもそも開催するべきなのかどうなのかは、ぜひ慎重に考えていただきたいと思います。
記者
沿道については、とりあえず、なるべく控えてとしか言えないのが現状なのですね。
知事
そうですね。
記者
来日して陽性が確認されたウガンダの選手と一緒に行動していた方が、ホストタウンに到着してから陽性と確認されたケースがあります。来週以降県内にも選手が続々と入ってくる中で、そのことについてどうお考えでしょうか。
知事
水際対策をしっかりやってくださいとしか言い様がないわけですが、万が一、本県に入られてから発症した場合には、その選手あるいはその関係者の一日も早い回復のために、しっかりと対応するということに尽きるのだろうと思います。これは国内外で差別することはできません。
記者
地元の住民の方も不安になることもあると思いますが、それについてはいかがでしょうか
知事
そこはオリンピックのルールの中で、外に拡散させない行動をとられるであろうと信じております。現時点で、我が県の医療提供体制には十分余力がありますので、外国から選手がやって来ることについて、必要以上に不安視する必要なないであろうと思います。
記者
先日6月定例県議会が閉会しましたが、どのようなことが印象に残っていますでしょうか。
知事
200億円を超える大型補正予算を、県議会の先生方の御尽力で可決していただきましたことはありがたいと思います。議会を通していただきましたので、一日も早く執行するということで職員皆さんにお願いをしているところです。
それ以外の案件で大きな話は、県有地問題に関する専決処分の承認です。これについては、私どもの説明に議会として御理解をいただき、専決処分の承認をしていただいたことに感謝いたします。いろいろな御意見がありますが、議会で事後承認されたということは、事前に議決があったものと全く同じ効果になるわけですから、議会には賢明な判断をしていただいたということで何ら問題のないものになっていると思います。
金額が適正であったかについて、住民監査請求もされていますが、これは機械的に日弁連の旧基準に基づいて出しており、この基準で出すということは2月議会で示された考え方に基づいていますので、我々はそれに基づいて算出しました。
訴訟額が判明不能ではないかというものは、それこそ私にとっては理解不能で、もう少し勉強してそういう話をされたらどうかと正直思います。ちゃんと数字があって、それに基づいて算出しています。しかも、本来であれば6億円のところ1億4000万円と4分の1以下の数字を出しているので、ぜひこの努力は評価していただきたいと思います。
なおかつ、1億4000万円自体が高すぎるのではないかとの意見もありますが、そのとおりだと思います。弁護士代に1億4000万円というのは、私としても、現時点でも高すぎると思います。絶対額としては大きな額でびっくりしますが、
ただ、それだけ訴訟額が巨大だということであって、その分だけ県民の利益が失われている、むしろこちらの方を県議会としてもっと議論していただきたかったと思います。
弁護士代は高いです。ただ、高い原因というのはもっと大きな話で、ぜひ木ばかり議論するのではなく、森をしっかり議論していただきたいと思います。
それから、反訴について、圧倒的多数の先生方に御理解いただいたというのはありがたいと思います。これも翻って考えますと、昨年の11月終わりに和解案を議会にお諮りしたわけですが、様々な議論の中で、反対論の大勢は裁判で白黒つけるべきだ、中立公正な裁判所で判断をもらうべきだというものでした。2回にわたって案を提出しましたが、いずれも裁判でということが、特別委員会をはじめとする議論の主流であったと認識しています。今回、その流れの中で反訴の議決が得られたわけですので、議会から議決事項の到達があり次第、速やかに反訴の提起をするよう弁護士にお願いしたいと思います。
これによりまして、本件は完全に司法の場に舞台を移すということで、中立公正な裁判官の下で、ロジックとロジックのつき合わせという作業が行われ、適切な結論が導き出されることだろうと考えています。
一部には、過去の事例を持ち出して、政治的な背景などをおっしゃっている方もいるようですが、これはとんでもない話で、常に県議会での考え方を尊重して、県議会での議論を踏まえた対応をとって、その結果司法の場で判断をしていただくということになっているので、当該論調に対しては憤りを感じています。
記者
最終日に議長の不信任決議が可決された状況について、どのようにお考えでしょうか。
知事
それについては、純粋な議会での話ですので、私が口を挟むことは差し控えたいと思います。
以上