ページID:99943更新日:2021年6月7日
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防災新館401,402会議室 19時30分から
発表事項 発表事項以外の質問事項
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総長
それでは直近の感染状況について、少しお話をさせていただきたいと思います。ご存知のように公表ベースでいきますと、昨日の21人から本日は47人ということで倍増しており、本県としては1日当たり最高の感染者数ということになっております。
その47人の主な要因が障害者施設でのクラスターの発生ということですが、この47人すべてがクラスターではなくて、現時点ではクラスターとして31人、その他が16人という内訳になっております。
スクリーニング検査をしているもののほとんどが、本県においても英国株に置き換わってきております。それも感染が拡大している大きな要因になっているのだろうと考えております。
それでは、感染者が複数発生した主な事例について、ご説明したいと思います。
まずメインの障害者の施設は、利用者50名、職員が44名。このうち、合わせて33名が、現時点で感染していると確認をされています。
まだ検査が済んでいない方々もおりますので、場合によってはもう少し感染者が増えていくということは考えられます。
そのほかに、最近いろいろと複数感染の事例があった中では、職場関係というものが少し目につきます。
職場関係について、観光業の施設で、本来の職員ではないのですが、外部の委託職員の方々が、お昼を一緒に食べたということで、おそらくそこが感染源だろうというものが出ております。
それから、建設業で複数の事業所の方が、一つの現場に集まって作業をされる中でも感染例が出ております。
飲食店関係では、グリーン・ゾーン認証を受けていない飲食店での感染例が出ております。
飲食店というのか少し微妙なところはあるのですが、休みの日にお店を利用してカラオケをしたグループの中から、感染が出ている例もございました。
そのほかに学生の方々が自宅で長時間会食を行って、その中で感染者が複数確認をされたという事例もございました。
それらを少しまとめて、こんなところが問題だったのではないかということについてお話しますと、変異株がほとんどのグループの中で発見されていますので、変異株が感染拡大に寄与しているだろうと思います。
そして、マスクを適切にせずにカラオケをした、会話をした、これが一つ気になるところです。
そして、いろいろ調べてみますと、どうも感染を拡大させたのが発症前のタイミングになるという例がありました。その例については、同僚の方と面と向かって非常に近いところで食事をして会話をしたことで感染を来したのではないかという例がありました。
それから、少し発熱症状があったのに勤務をして、そこで感染を広げたのではないかという例もありました。
発熱関係では、少しの発熱があったが、1日すると下がったので勤務を続けて、しばらくするとまた具合が悪くなったので検査をすると感染していたというのがわかった。そのため、発症をしてからかなり長時間の間勤務をされていたために、感染者が非常に多くなったという事例もありました。
発熱というのは、国では37.5度とよく言われるのですが、やはり平熱が低い方もいます。そういう意味では、自分の平熱をちゃんと理解していただいて、平熱より1度以上高くなると少し気をつけて、念のために医療機関を受診していただくということが必要ではないかと思います。
この感染が広がったいくつかの事例で、具合が悪くなってから受診をされるまでに、ちょっと時間を要した、先ほどの例もその中に入るのですが、そういう例がありました。そのために、タイムラグによって感染が広がったのではないかというものもありました。
それらから教訓として得られるのは、マスクはきちんとつけていただく必要がある。これは本当に一番の重要なポイントだと思います。
先ほど申し上げましたように、少し具合が悪くなった、でもすぐ良くなったというような場合に、自己判断をせず、念のために医療機関を受診していただきたいということもあります。
そして、発熱等の症状がある場合には、学校、勤務、そういうものをやめていただいて、やはり念のために医療機関を受診していただくということを、ぜひ徹底をしていただきたいと思います。
会食の場でというのも若干ありましたけれども、会食はグリーン・ゾーン認証の施設でということをお話しておりますが、それ以外の例といたしましては、自宅で会食をしたために感染が広がったという例があります。ですから、自宅で会食をされる場合は、普段から一緒にいる人ではない他人が入る場合には、距離を開けていただく、短時間にするということに注意をしていただきたいということを考えています。
ぜひ、基本的な感染対策を再度徹底していただいて、これ以上感染が拡大しないように、県民の皆さま、そして関係の事業者の方にご協力をいただきたいというのが私の感想です。
知事
先ほどの47名の感染者さんの内訳について、数字の訂正をいたします。クラスター関係の方が34名、クラスターでない方が13名というのが、藤井総長のお話の後に整理した数字ですので、この場をお借りいたしまして、私の方から訂正させていただきます。
私からは、現在の感染状況を踏まえた対策につきまして、お話をさせていただきます。
まず、クラスターが発生いたしました障害者施設におきましては、昨日、感染が判明した直後から、感染症専門医などを派遣いたしまして、ゾーニング、あるいは蔓延を防ぐための具体的な措置をしたところでございます。
そして、本日からはDMATを派遣し、利用者の健康観察を行うとともに、施設内における療養体制を整備したところであります。
さらに、万が一、症状の重い方が発生した場合には、速やかに医療機関への入院調整を行うなど、施設内入所者の対応には万全を期して参ります。
これが現在の、施設に対する対応状況でございます。
そして、障害者施設関係ほかのクラスター化しやすい施設に対します今後の対策でありますが、大きく3点ございます。
1点目は、検査体制の抜本的な拡充です。
障害者施設につきましては、来週から、各施設において、毎週PCR検査を実施することとしておりますが、これに加えまして、各入所施設におきまして、抗原簡易キットによる検査を随時実施できるようにし、施設職員等の感染対策を強化して参ります。
次に、これは障害者施設に限った話ではありませんが、変異株を早期に特定するためのゲノム解析検査の委託を実施いたします。
先ほど、藤井総長からお話がありましたように、ほぼすべてが英国株になっておりますが、現在、本県に隣接する東京都あるいは神奈川県などを含む12都府県で、インド株が確認されております。全部で53例、首都圏では28例と承知していますが、この1週間で2倍に拡大している状況であります。さらに、国内初の新たな変異株が確認されたとの報道もあったところです。
こうした状況に鑑みまして、変異株を早期に確定し、先手対応につなげていくために、県立中央病院と山梨大学医学部附属病院の両病院に、ゲノム解析を委託することといたしました。
これによりまして、変異株の確定までに1、2週間かかっていたところですが、これが2日から3日程度と大幅に短縮することが可能になります。準備が整い次第、可及的速やかに運用を開始いたします。
なお、これに要する経費につきましては、本年度の予備費を活用して対応して参ります。
また、障害者施設をはじめ、あるいは高齢者施設もそうですが、社会の様々な場面で検査の需要が大変高まっているわけでありまして、これらに対応するべく、PCR検査機器の整備を含めて、検査能力の拡充について検討するように指示いたしました。重点病院を中心に、新たにPCR検査機器を増設いたしまして、本県の検査能力をできれば倍増する方向で議論をしています。
ただ、病院の受け手の問題もありますので、これはもう少し話が整ったところで、具体的な数字はお話したいと思いますが、各重点病院を中心に検査機器を増設させ、より多くのPCR検査ができるように、さらに進めて参りたいと思います。
対策の2つ目の柱ですが、行動規範の策定であります。
今回の障害者施設の事例を踏まえまして、発熱後、熱が下がっている場合でも、しばらくは出勤せずに自宅で様子を見る、あるいはのどの痛みなどの症状が軽度でも出勤しないといった、慎重かつ適切な判断を求める行動規範を盛り込みました、ひな形を県において作成いたしまして、障害者施設に提供し、徹底を図って参りたいと思います。
対策の3点目は、ワクチンです。
障害者施設の従業者に対するワクチン接種が、可能な限り早く確実に実施できるように、専門家や市町村、関係機関と相談しつつ、県として責任を持って体制を構築できるよう、至急検討するよう指示をしたところであります。
職域接種になるわけですが、これに関しまして、関係団体あるいは市町村と県が中心となって調整をいたしまして、可及的速やかに施設の従業者にワクチンを接種できるように働きかけ、体制を構築して参ります。
以上が障害者施設に対します対応の三本柱ですが、もう一つ、福祉施設以外の事業所に対しましても、先ほどの行動規範に関しましては、作成及び遵守の徹底を求めて参りたいと思います。
具体的には、感染者が発生している福祉施設、飲食業、ホテルなどの観光業、そして建設業、これらは最近クラスターが発生した業界になっておりますが、これらにつきましては、関係団体を通じまして、行動規範の作成を事業所に呼びかけていきたいと思います。これにつきましても同様に県がひな形を作成し、速やかに発送したいと思います。また、今申し上げた業種以外の事業所、例えば工場などにつきましても、情報提供をして参りたいと思います。
行動規範のひな形には、基本的な感染症対策のほか、これまでの感染事例を踏まえまして、例えば、当該施設の職員に加え、清掃や人材派遣等の委託業者についても、施設内での感染対策の徹底を図ること、あるいは、職員、委託業者等の施設内での飲食時や喫煙時の感染対策の徹底、例えば、なるべく少人数でマスク着用するなど、こういう考えを通じまして、各事業者の職員の感染の連鎖を防ぎ、クラスターを徹底して防ぐべく協力を呼びかけて参りたいと思います。
県民の皆様、あるいは事業者の皆様におかれましては、今般の感染拡大を踏まえまして、これまで以上に警戒感を高めていただき、感染防止対策のさらなる徹底をお願いしたいと思います。
記者
藤井総長にお伺いします。近隣都県だと、緊急事態宣言の関係で、だんだん感染者が減ってきている状況だと思うのですが、今県内で、なぜ増えてきているのかの分析を教えてください。
総長
それは大変難しいことだと思います。本部会議の時も申し上げましたけれども、5月の連休の影響は、目立ったものが山梨県内ではほとんどありませんでした。この時期になって少し増えてきているというのは、個々の感染者が増えているのではなくて、やはり、複数の感染集団が、重なって同時期に発生しているために少し増えてきています。
その上に、今までなかった障害者施設でのクラスターが加わったために、今回、急激な増加ということになったと思いますが、そのベースには、変異株の影響が大いにあるのだろうと思っています。
記者
知事にお伺いします。今回かなり感染者が発生しておりますが、この状況を受けて、まん延防止措置の要請などは考えているのでしょうか。
知事
現在はほぼ囲い込みができていますので、市中感染が爆発的に広がっているような状況ではないと思います。ですので、そこまでの状況は必要ないのではないかと私は考えています。
記者
障害者施設について、これは入所型とか通所型とかどのようなタイプの施設か教えてください。
課長
入所の施設です。
記者
34人がクラスターということですが、これはいずれも障害者施設のクラスターということでよろしいですか。
推進監
施設以外も含めてクラスターに関係する人ということですので、申し上げた数字は施設のみではございません。
記者
この障害者施設でのクラスターの人数は何名になるのでしょうか。
推進監
現在確認されていますのが、33名でございます。
知事
今日の47名のうち、いくつかのクラスターが同時多発で起きていまして、本日公表した、47名のうち、障害者施設では32名で、この施設のクラスター関係者が2名いらっしゃって、合わせて34名です。そして、それ以外の個発が13名です。残りの1名の障害者施設の感染者は前日に発表した方になります。
記者
この障害者施設において、職員の方が何人で、入所者の方が何人かわかりますか。
推進監
感染者は、確認できているのが利用者50名のうち29名、職員44名のうち、4名です。職員につきましては、まだ検査が終わっていない方がおります。入所者、利用者につきましては50名すべて検査が終わっております。
記者
現段階で、原因はどのように考えていますか。
推進監
まだ保健所で調査に入っているところです。今日、大勢出ていることもあり、今、現地で調査をしているところですので、まだ原因が特定できておりません。
記者
対策三本柱のうちの2番目と3番目の件ですが、これはいずれも障害者施設だけが対象ですか、それとも高齢者施設などいろいろな施設も含めて考えておられますか。
知事
2番目の行動規範の策定、それから3番目のワクチンに関しては、いずれも高齢者施設も含めて考えています。
記者
では、障害者施設と高齢者施設のいずれもということですね。
知事
高齢者施設の職員は既に接種していますよね。
課長
高齢者施設の接種はかなり進んでおりますので、漏れがないか確認しております。
知事
いずれにしても、障害者施設も高齢者施設もあわせて徹底します。行動規範についても、外から施設に持ち込まないようにするにはどうすればいいのかという観点を中心に、高齢者施設も障害者施設もひな形を作って、各事業所にそれを策定していただくということを徹底していきたいと思います。
記者
対策の1点目の変異株のゲノム解析の関係ですが、中央病院と山梨大学病院に委託するということですが、すでに両病院にはそういった設備はあるということですか。
知事
はい。あります。
記者
ゲノム解析で、種類まですべて特定をするということで大丈夫ですか。
推進監
いわゆる型の特定までお願いすることになります。
記者
障害者福祉施設で感染がここまで広がってしまったのは、原因として考えられることがあるのでしょうか。
課長
この施設ですが、施設の利用者、入所者は、重度の障害をお持ちの方がほとんどということで、マスク等を着用することが非常に難しいような状況にあります。そんなことから広がっているのでないかと考えております。
記者
先ほど、ワクチンの職域接種について、速やかにとおっしゃいましたが、例えば、65歳以上のワクチン接種が終わる前にやり得るのか、制度をどのように考えているのでしょうか。
知事
職域接種等のスキームを使ってやりたいと考えています。
課長
先ほど知事の申し上げた職域接種につきましては、昨日、厚生労働省から概要が示されたところでございます。一定の要件を満たしていれば、高齢者の接種完了を待たずして並行して行うことができます。一定以上の規模ですとか、通常の接種体制に影響を与えないですとか、そういった諸処の条件があります。また、具体的なスキーム等はまだ明確に示されておりませんので、その大勢を見つつ、どのような方法でやることが結果として一番早くできるのかというところを至急検討していきたいと思います。
記者
6月21日と日付があったかと思いますが、そのタイミングでやれるように、要件を整えたいと考えていらっしゃるということですか。
知事
おっしゃるとおりです。
記者
この施設の入所者は重度の方が多かったということですが、現在の体調ですとか、今後何か対策が必要かどうか教えてください。
課長
若干酸素濃度が低いという方がいらっしゃいますが、落ち着いていると聞いております。
記者
山梨県で最多の人数になったということですが、26日、27日に聖火リレーがあります。その点に関して、対応に何か変化がありますでしょうか。
知事
聖火リレーは、これまで繰り返し述べておりますように、我々としては公道でやりたいとは思っておりますが、それも感染防止対策が大前提だと申し上げています。この基本的な考え方は変わりません。ここに来て、やはり感染防止対策の重要性は高まっておりまして、専門家と相談をしながら、感染防止対策のあり方を組織委員会にお話したいと思います。
当然、今の現状ですから、感染防止対策のレベルは以前よりは上がっていくことになろうと思いますが、具体的に何をどういうふうにするかというのは組織委員会と、CDCの専門家の先生方も含めて、ご議論いただきながら交渉していきたいと思います。
以上