ページID:101267更新日:2021年9月10日
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防災新館401,402会議室 17時30分から
発表事項 発表事項以外の質問事項
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知事
山梨県は、8月20日から今月12日までの24日間を期間といたしまして、新型インフルエンザ等特別措置法に基づくまん延防止等重点措置の適用対象となって参りました。県民の皆さま、事業者の皆さまにおかれましては、この間、まん延防止等重点措置へのご協力、ご理解を賜りまして厚く御礼を申し上げます。
おかげさまをもちまして、国からは本県の感染抑制と医療提供体制ともに最大限の評価を得ることができ、このほど無事に12日をもちまして、重点措置の適用解除の運びとなりました。県民の皆さまお一人お一人、そして事業者の方々の苦しい中でのご理解とご協力によりまして、山梨という社会の力強さが発揮され、無事に感染抑制の効果に繋がったことに、改めまして御礼を申し上げる次第であります。
本県におきます直近の感染状況につきまして申し上げます。先月下旬をピークに県内の感染者数は減少しつつあり、先週2日から昨日までの1週間当たりの感染者数は267人と、重点措置の適用開始時との比較では、半数以下の水準にまで減少をいたしました。また、実効再生産数、すなわち、1人の感染者が何人に感染させているかという指標を見ますと、直近では0.72となっておりまして、減少傾向の中にあることがわかります。この数値が1を下回る限り、感染は収束に向かっていると捉えることができます。
次に、医療提供体制の状況ですが、昨日時点の病床等使用率は37%と、一時は86%までに達していた状況に比べれば、医療提供体制のひっ迫の度合いも大きく緩和しつつあり、現状程度の感染状況におきましては、医療崩壊を回避し、すべての感染者に対しまして、適切な医療を提供する見通しが立っております。これは感染拡大の勢いの減少と合わせ、この間に多くの関係者の皆さまのご尽力によりまして、病床数の積み増しと宿泊療養施設の新規開設、医療強化型宿泊療養施設の開設が大きく奏功したものと考えております。
病床数と宿泊療養施設の客室数の合計におきまして、本県は、人口10万人当たりの確保数が128.2と、現在全国第4位の高い水準を誇っております。これを稼働率も勘案すれば、実質的には全国最高水準となろうかと思います。さらに、近日中に開設を予定しております新たな施設が2施設ありますが、これが加わりますと、10万人当たり164になりまして、これで名実ともに全国最高水準の受け入れ能力を獲得することとなります。
本県におきましては、この厳しい感染状況下にありましても、これまで、医療アクセスがないまま自宅療養となる方は、1人も出しておりません。県として、この必要とする県民に必要な医療を届けられる状況を堅持するべく、これまで医療提供体制の強化に最大限のエネルギーを傾注して参りましたし、これからもそのようにして参る所存であります。
繰り返しとなりますが、重点医療機関におきます病床は、既存305床に62床を追加確保したことによりまして、現状では、人口比において全国9位の水準となっております。
宿泊療養施設の拡充につきましては、現時点において673室が確保され、同じく人口比におきまして全国5位、さらに先ほど申し上げましたとおり、近日中に新たに2施設オープンをいたしますので、これによりまして966室まで積み増し、これで全国最高水準とすべく、今最終段階の調整を行っているところであります。
加えまして、この宿泊療養施設のうち479部屋につきましては、医療強化型、すなわち臨時的医療施設として、比較的症状が軽い方への抗体カクテルなどの治療機能を発揮するものでありますが、プライバシーに配慮した個室で医療提供できる点におきまして、体育館などに開設するよりも、はるかに優れているのではないかと考えております。いわゆる野戦病院というような名称で報道されることもありますが、それと法的な位置付けは同様ではありますけれども、そちらが大部屋だとすると、山梨県の医療強化型宿泊療養施設は個室になる、このような違いだろうと思います。
これに加えまして、ドクターが可能と判断し、かつご本人とご家族の同意がある方につきましては、早めに自宅に戻って療養されることも可能となっておりますが、このような方が自宅に戻った後も、24時間体制で万全のサポートを行うべく、退所後ケアの仕組みも構築しているところであります。
以上申し上げたように、県民の皆さまには、量だけではなく、提供できる医療の質におきましても、安心して療養に専念していただける体制が十分確保されております。こうした状況を踏まえまして、国に対して重点措置の解除の働きかけを行って参りましたところ、本県の感染状況と医療提供体制のバランスなどを適切にご評価いただきまして、その結果としての解除の判断が得られたものであろうと認識をしております。
次に、今回の適用解除を受けましての、当面の基本的な考え方につきまして申し上げます。
これまでも申し述べて参りましたとおり、本県における新型コロナ対策の基本方針は、一貫して「命と生活・経済の両立」の追求であります。
事業者の皆さまは、感染収束という公益上の目的によりまして、本来自由であるべき事業活動に制約を受けてこられました。こうした皆さまが、長引くコロナ禍において徐々に事業継続意欲を削がれ、希望を失いつつある状況は、実に憂慮すべき状況であろうと考えております。
本県におきます政策全般を司る私といたしましては、感染拡大防止に最優先かつ最大限の意を用いながらも、命と健康と同様に、県民お一人お一人の幸せを生み出す源泉とも言える経済への目配りも忘れることは許されません。医療提供体制に余力が生じた今のタイミングにおきましては、経済活動の回復に向け段階的に歩みを始めるべき時と判断をいたしております。
本県は「グリーン・ゾーン構想」のもと、感染症に対して強靱な社会づくりを目指し、全県を挙げて全国トップレベルの取り組みを強力に進めて参りました。
経済活動の回復は、県民・事業者が一体となって感染防止に努めてきたことの賜物であり「果実」であります。この果実を勝ち取った皆さまが、等しくその利益を享受し、明るい笑顔を取り戻すことを旨といたしまして、当面の県政の舵取りを行っていく考えであります。
県民の皆さまにお約束をいたしましたリカバリーメニューにつきましては、9月定例県議会の議を経て速やかに需要喚起を柱とする経済対策を実行に移し、経済回復の加速化と、その先の跳躍に向けて弾みをつけて参ります。この具体的な内容につきましては、改めて来週中にご報告できるかと思います。
また、大変厳しい経営状況にもかかわらず、休業や営業時間短縮にご協力をいただきました飲食店等の事業者の皆さまに対しましては、改めまして、県民を代表し御礼を申し上げる次第であります。
このお力添えに報いるためにも、迅速な支援に努め、可及的速やかに協力金が行き届くよう全力を尽くして参る所存であり、特別協力要請に係る協力金に関しましては、できれば来週から順次支給を始めていきたいと考えております。
なお、県民限定のグリーン・ゾーン宿泊割りにつきましては、現状ではまだ国が定めた事業実施基準には至っておりませんので、当面の間、再開を見送ることといたします。
また、併せまして、10月下旬に開催を予定しておりました信玄公祭り等につきましては、多くの方の来県が見込まれる首都圏において、緊急事態宣言が延長されたため、開催延期を検討せざるを得ないと考えております。
明日、10日に実行委員会を開催する予定となっております。
次に、重点措置適用解除に伴う具体的な効果につきまして申し上げます。
まず、現行の重点措置は、これをすべて廃止いたしますので、措置区域の指定はもとより、重点措置として行っている飲食店等に対する休業及び営業時間の短縮、そして、酒類提供の自粛の要請は解除となります。
飲食店以外の施設、すなわち、商業施設やイベント関連施設に対する時短につきましても、同様であります。
一方、特措法第24条9項に基づく協力要請につきましては、行動の制約を必要最小限に緩和した上で、これを11月30日までの間、継続することといたします。
特に、グリーン・ゾーン認証を受けていない飲食店等に対しましては、感染拡大防止の観点から、経過措置として期間を2週間に限定した上で、24条9項に基づく休業の要請を継続いたします。県では、こうした方々に認証を受けていただけるよう、引き続き支援を行って参りますので、これを契機に、感染防止対策を適切に行う施設として公的な認証を取得していただくことを強く推奨いたします。
次に、学校向けの協力要請について申し上げます。
現行の要請におきましては、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の関係者に対しまして、クラスを分割した授業の実施や、部活動などの制限、学校行事の延期などをお願いしているところであります。
児童生徒に、学習機会や学校活動等の機会を保障する観点から、要請緩和のタイミングを慎重に見極めて参りましたが、学校に起因する感染者数は落ち着いており、また、派生するPCR検査件数が保健所業務を圧迫する状況も薄らいでいることから、段階的な解除を視野に、まずは分割授業の実施に係る要請から解除することといたします。
ただし、学校関係者の皆さまにおかれましては、引き続き、学校活動における基本的な感染防止対策、あるいは部活動再開ガイドライン等を徹底していただくとともに、感染状況により個別に必要と判断される場合には、分散登校の実施など、適切に対応していただきますようお願いいたします。
なお、詳細につきましては、後ほど担当者からご説明申し上げます。
次に、今回のまん延防止等重点措置の適用解除に伴いまして、認証施設につきましては、13日以降は通常どおりの営業が可能となりますが、このことが再度の感染拡大への逆戻りを招かないよう万全を期する観点から、グリーン・ゾーン認証制度の運用を一部強化することといたしましたので、ご報告いたします。
1点目といたしましては、大声での会話は感染リスクを高めることから、店内のBGM音量は、45デシベル以下を目安とするようお願いいたします。
2点目といたしまして、直近の飲食店における感染連鎖事例を見ますと、従業員間の感染が多くなっていることから、従業員に対する不織布マスクの着用の義務化と利用者への推奨をお願いいたします。
これらに加えまして、いわゆるカラオケや接待を伴う飲食店につきましては、先月クラスターが2件発生したことを踏まえまして、一部運用の強化を行うこととしております。
グリーン・ゾーン認証店におかれましては、さらなるご負担をおかけすることとなりますが、お客様を守り、感染の広がりを防ぎ、ひいては、事業者の皆さまご自身の安定的な経営を守るためでありますので、何卒ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、ワクチン接種の促進について進展がありましたので、この場をお借りいたしまして、2点ご報告いたします。
1点目は、若者ワクチン接種センターの設置についてです。
県では、若年層への接種を促進するため、山梨大学医学部キャンパス内に若者ワクチン接種センターを設置し、12歳から39歳までの方を対象に、今月27日から接種を実施いたします。
約3300人を対象とし、予約は15日午前9時から開始する予定です。
2点目は、高校1、2年生に対するワクチン接種についてです。
この度、山梨大学から、新型コロナウイルスワクチンの職域接種におきまして、高校1、2年生の希望者を対象にしていただけるとのお申し出をいただきました。
先日の高校3年生を対象とした接種の申し出に引き続いての、大変ありがたいご提案でありまして、島田学長はじめ、すべての山梨大学の関係者の皆さまに改めまして厚く御礼を申し上げます。
結びとなりますが、冒頭申し上げましたように、直近の感染状況は改善の傾向が見られ、それがゆえに経済の回復に一歩踏み出すことが可能となっております。
しかしながら、現在全国的にまん延しているのは、感染力が著しく強いデルタ株でありまして、さらには、ラムダ株、あるいはミュー株など、感染力が強いとされる新たな変異株の出現にも注意を向けていく必要があります。
県といたしましては、引き続き先頭に立って、県民の皆さまの命と生活を守り抜くため、あらゆる手段を講じて参ります。
特に医療提供体制につきましては、山梨県は、今後も一層、「必要とする県民に必要な医療を届ける安心の社会」を全きものとするため、質と量の両面において継続して強化と発展に取り組んで参ります。
しかしながら同時に、感染症が人間同士の接触をきっかけとして拡がるものである以上は、県民の皆さま個々の「かからない、うつさない」という、ご自身を守り、そしてご家族を守るという共闘の意識もまた、私ども自治体の取り組みを支えてくださる大いなる力であります。
改めまして、この難局を最終的に乗り切っていくべく、すべての県民の皆さまに対しまして、その大いなる力を与えていただきますようお願いを申し上げます。
記者
政府が重点措置を解除したことに対する受けとめと、なぜ解除されたと考えているのかお伺いします。
知事
すべての県民の皆様の多大なる我慢と、それから時短や休業要請、あるいは酒類の提供の自粛、こういう様々な営業規制に応じていただきました事業者の皆様の成果が数字として現れてきたこと、加えまして、山梨大学の関係者の皆様もそうですし、保健所あるいは重点病院、宿泊療養施設に携わる医療従事者の皆さんのご尽力、これらが混在一体となり相まって、今回の解除という成果が得られたものだと考えております。
こういう判断になりましたのは、当初段階から、医療提供体制との関係でコロナ感染拡大防止のための様々な行動規制、営業規制というものを考えていくべきだという考え方のもとに、病床数も2割増しになりましたし、宿泊療養施設に関しましては近日中にほぼ倍増する能力を確保できます。さらに質の面においても、427床という規模の医療強化型宿泊療養施設、これは今他府県でも議論されております臨時的医療施設をある意味良い形で先取りすることができておりますし、そこをはじめ各重点病院におきましても抗体カクテルですとか様々な治療が行われています。こういった感染の減少のあり方と医療提供体制水準の上昇、この二つを国が判断して今回の結果に繋がったのだろうと考えています。
記者
解除されたところと、継続になったところが、感染者数とか医療提供体制の数字がまちまちになっていると思いますが、政府が判断したラインに対してどうお考えでしょうか。
知事
そこはやはり各県それぞれの状況というのがあるのだろうと思います。例えば大都市部と比較的郊外、地方部では感染のあり方の状況も違うでしょうし、またそこでどういう医療提供体制が行われているか、どういう準備がされているかによっても違うでしょうから、最終的には個別にそれぞれの状況を判断していくという点では、今回の対応は正しいのではないかと思います。
ぜひこの場をお借りして強調しておきたいのは、我が山梨県は、今まで誰1人として医療へのアクセスないままに放置された方は出しておりませんので、すべての方に医療を提供する体制は堅持されておりますので、我々としては、そういう点をこれまでも見ていただいて、今回はしかるべき結果だろうと思います。
今の経済、あるいは生活の状況というのは、やはりこれは相当深刻に受けとめないといけない問題だろうと思います。先般も菅総理にもお話をしたところですが、我が県においてはコロナで亡くなられる方は減少傾向にあるのですけれども、他方で自殺をされる方が大変増加傾向にあるという極めて憂慮すべき状況にあります。これはおそらく長引くコロナ禍によって、人々の孤立の度合いが深まり、あるいは経済活動の停滞に基づく生活苦、こういう事態が、静かに進行していると言ったら語弊があるかもしれませんけれども、間違いなく進行している。やはり、ここに対して私としてはしっかり目を向けていかないといけない。
命と健康はもちろん最も重要ではありますけれども、やはり生活を守っていかなければならない。生活の基盤となる経済にも配慮し、しっかり守っていかなければならない。ここが大きなポイントになりますので、今回のまん延防止等重点措置の解除によって、いきなりすべてオープンにしますというわけにはもちろんいきませんが、状況を見ながら段階的に様々なものを解除し、かつてのような姿に戻していかないといけないと思います。こういう方向に向けて歩まなければならない時はもうやってきていると思います。生活、経済という面からだけ見れば遅すぎるような状況というのが、今の山梨の置かれた状況ではないかと考えておりますので、これからは感染拡大に十分気をつけながらも、やはりその範囲内でできる限りの経済の回復策に取り組んでいかなければならない。そういう意味で、今回のまん延防止等重点措置の解除は歓迎したいと思います。
記者
要請を守らなければ罰則が科せられる可能性のあるまん延防止等重点措置が、県内に適用されたのは初めてのことだと思います。それを適用してみて、実際その効果や功罪について、知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
多くの事業者の皆さまにしっかりとご協力いただきました。本当にありがたいことだと思っております。お酒の提供に関しましても、経営に大打撃を与えるものであるにもかかわらず、社会として、山梨として、感染を抑え込んでいかなければならないと、その心を一にしていただけたと思っています。それがほとんどすべての事業者の皆さんです。
もちろん一部にはそうではないお考えの方もいらっしゃったようでありますが、そこに対しては毅然とした態度でしっかりとお伝えをしていきたいと思っています。
記者
実際に見回り隊みたいなものを組織しましたけれども、その結果、何らかの指導なり、罰則の適用なりを検討するような事業者がいくつぐらいあったのでしょうか。
知事
現状において12件あります。ただ、本日そこにお伺いして、最終的なお願いをしたいと思います。まだ12日までは3日間ありますので、せめてその3日間だけでも、ぜひ協力していただきたい。それを最終的に求めたいと思います。
記者
まん延防止等重点措置の解除後も、グリーン・ゾーン認証を得ていない施設に対して休業を要請します。この施設に対しての協力金はどのようにお考えですか。
局長
まん延防止等重点措置のときには2万円を用意させていただきましたが、その間、(グリーン・ゾーン認証に)エントリーしてくださっている方もございます。これからは2万円はありませんが、支援として(グリーン・ゾーン認証取得の)サポートをしていくという趣旨でございます。
知事
我々としては、グリーン・ゾーン認証を取っていただいて、営業をぜひ始めていただきたいと思います。そういうお店はもうごくわずかだと思いますが、そういうお店が認証を取ることに対して、最大限の協力をして、一刻も早く認証を取っていただきたいと思いますし、また取っていただければ、これから議会にお諮りする秋以降に向けた様々な支援策の対象となりますので、認証を取っていただくことを強く推奨します。
認証を取るということは、すなわち、感染防止対策をやっていただくということですので、感染防止対策をぜひ講じていただきたいという趣旨であります。認証が独り歩きしているわけではなくて、我々の目的はそのお店に感染防止対策をやっていただきたいということであります。デルタ株の感染力は強く、今日も感染者は31人ですから、かつての水準からすれば大変大きな数字でありますので、まだ感染防止対策を講じてないお店におかれましては、感染防止対策を講じていただいて、お客さんを守っていただき、また従業員を守っていただき、それがお店を守っていただくことに繋がるということをぜひご理解いただきたいと思います。
記者
グリーン・ゾーン認証を受けていない施設の休業要請に関してですが、県はこれまでも取得するよう要請し、優遇措置をしながらも、取得していないお店がある中で、これまでどおりの呼びかけでは限界があるのかなと思うのですが、これにどのように対応していくのでしょうか。
知事
秋以降に大規模な需要喚起策を行いますが、グリーン・ゾーン認証を取得していないお店はその対象にはなりません。その需要喚起の対象にはならないことになりますから、取得していただいた方が絶対お得ではないかと思います。
記者
信玄公祭りの延期の可能性について、これまで信玄公祭りまでにはワクチン接種を普及させて、楽しく迎えられるようにとおっしゃっていたかと思いますが、それが難しくなりそうだということについてどう受けとめていますか。
知事
信玄公祭りが伸び伸びとできるように、国全体で10月から11月にワクチン接種完了という話もされていましたので、山梨県もそれに向かって突き進んでいたわけですが、実は現時点から12日ぐらいまでが、様々な準備の関係で開催するかしないか判断をするぎりぎりのタイミングになって参ります。
今年の信玄公祭りは生誕500年も合わせて、ある意味ポストコロナというか、感染明けの象徴的なイベントになることを期待していたわけですが、残念ながらデルタ株の威力は大変強力なものであって、山梨県はまん延防止等措置が解除されましたが、引き続き東京をはじめ首都圏では大変苦しい状況が続いています。山梨県としては、信玄公の生誕も含め、より多くの皆さんと共にお祝いをしたいわけでありますので、一番多く来られる首都圏の皆様が、引き続き県境をまたげないような状況であるのであれば、信玄公にはお詫びをしながら、この一連のイベントは、春まで再度延期をさせていただくのが、我々お迎えする側にとってもプラスになると考える次第であります。
残念ですが、これから春に向けて、さらにより良いものにするべくいろいろ策を講じて参りたいと思います。
記者
今回、県外からの観光客に向けた呼びかけが削除されていますが、これから行楽シーズンが始まる中で、県外から観光で来られる方も増えることが予想されると思います。それに向けての呼びかけはありますでしょうか。
知事
まん延防止等措置の以前におきましても、ぜひ観光目的でのご来県はご遠慮くださいという話はしております。
今回文章からは落ちましたが、やはり緊急事態宣言の適用対象となっている地域の皆様には大変申し訳ないのですが、緊急事態宣言が出されている趣旨も踏まえて、我が県へ観光目的での来県は慎重に考え、できればお控えいただきたいと思います。
記者
今回の協力要請は、ウィズコロナ時代の新しいスタイルを固めたということで考えていいでしょうか。
これ以上感染が抑えられた状況となった時に、また制限を外していくということではなく、もうこれが今後の山梨での当たり前のスタイルになると位置付けていいのか、どういうふうに考えてらっしゃるかお願いします。
知事
ワクチンの接種状況にもよるかと思いますけれども、少なくとも我々として今回まん延防止等重点措置の延長を要請しなかったのは、これが例えば1桁になるまで我慢し続けるのが適切なのかという問題意識に基づいております。
医療提供体制はしっかりと余力を確保できている。こういう環境の中で他方において自殺者が増えてしまうような厳しい生活状況あるいは経済状況が続いているということであるとすれば、一定数の感染者数の存在というものは前提としながら、つまりゼロコロナではなくて、その中で他の社会的な要因には取り組んでいく必要があるだろうと。そういう意味では、まさにおっしゃるようにウィズコロナを前提とした考え方になっています。
他方で今、ワクチンの接種も最大限のアクセルを踏んで行っております。私どもの計算によれば、本県の状況でいくと大体8割台まで進めば、ブレイクスルー感染がありうるといえども、感染はワクチンによる減少が見込まれてくるということですので、ワクチンが進んでいけば、様々な要請もさらに解除し軽減していくことができるのではないか。グリーン・ゾーンの基準のあり方も、もう少し緩和していくことができるのではないか、こういうことは十分あり得るとは思っています。
記者
知事が今おっしゃったように、県民の皆さんの努力、事業者の努力があったということで、皆さんの努力の結果がこの結果だと。
知事のキャラクターや性格を考えると、あまり脳天気にはしゃぐことはできないと思いますが、13日にこの解除を喜ぶような形の取り組みみたいな動きはないのでしょうか。
例えば、夜にジョッキを傾けるといったことはないのでしょうか。
知事
そこはプライバシーもありますし、家族会議のうえ検討しないといけない話だと思います。
記者
信玄公祭りについて、来年の春となると、例年どおりの4月開催というものを見込んでいる、つまり令和3年度の開催は今のところ考えていないということでよろしいでしょうか。
知事
そこも実行委員会の皆さんとの議論ですが、やはり寒いときにやるのはちょっと大変かなと思います。
私も1回やったことがありますが、雪が降ったりすると甲冑姿は冷たいわけですので、ここはやはり春暖かくなった頃かなと思います。そうすると年度内というのは、ちょっとどうなんだろうかという思いはしますけれども、そこは実行委員会の中でどうするか、私は延期せざるを得ないと判断していますけれども本当にそれでいいのか、いつまで延期するのかというのは、もう少し皆さんと相談をして決めないといけない話だろうと思います。
記者
判断をするにあたって、緊急事態宣言のことに触れてらっしゃいますけれども、遠方の都市部からきてしまって密が発生してしまうという懸念よりは、どうせやるんだったら、感染対策を講じた上でだと思うのですが、多くの方が来ることができる状況の時にやるべきだという判断ということでよろしいですか。
知事
両方ですね。そもそも今みたいな状況においては、来られる方も、やはり緊急事態宣言が出ているから県外に出るのはやめようというご判断が当然働くでしょうし、また仮に来られたとしても、密になるのはちょっとイヤだなと思われる方もほとんどでしょうから、いらっしゃる方も我々お迎えする方も、本当に伸び伸びと信玄公の500年のご生誕を祝い、また例年の信玄公祭りをしっかり楽しんでいただき、またその波及効果というものをより大きなものとして享受できるよう、こういうことを考えた次第でありまして、そこは同じことだと思います。
以上