ページID:101317更新日:2021年9月15日

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知事記者会見(令和3年9月14日火曜日)

防災新館401,402会議室

11時30分から

 

発表事項

発表事項以外の質問事項

知事会見0914

 令和3年9月定例県議会提出予定案件について

知事

令和3年9月定例県議会提出予定案件につきまして御説明申し上げます。

9月定例県議会は、9月21日に招集することとし、本日、招集告示を行ったところであります。

提出案件は、条例案2件、予算案4件、認定案件2件などの予定ですが、主なものとして、9月補正予算案につきまして御説明いたします。

一般会計の補正予算の規模は、187億円余となります。

今回の予算は、「感染症対策の強化」、「県民生活の再建」、「県内経済の再生」、この3本の柱からなる新型コロナウイルス対策を中心に編成したところであります。

先ず、1つ目の柱の「感染症対策の強化」についてですが、本県では、感染拡大の防止に向けまして、昨年度来グリーン・ゾーン認証制度をはじめ、様々な防御措置を講じてきましたが、今回のデルタ株はその壁を易々と乗り越えるほどの大変強力な破壊力がありました。

しかしながら、多くの県民の皆さまの御努力によりまして、先月下旬をピークに県内の感染者数は減少しつつあり、まん延防止等重点措置は終了となりましたが、依然として厳しい感染状況が続いていることには変わりはありません。

その中にありましても、本県では、医療へのアクセスがないまま自宅療養となる方はこれまで一人も出していないところであります。そして、この方針は今後も引き続き堅持して参ります。

これを実現するためには、医療提供体制の増強が必要であり、病床の追加確保、あるいは宿泊療養施設の拡充と機能強化を進めてきたところであります。

中でも、医療強化型の宿泊療養施設は、いわば臨時の野戦病院と同様の機能を発揮するものではありますが、プライバシーに配慮した個室で医療を提供できる点において遙かに優れており、現在479床を確保しております。

加えて、医師が可能と判断した方につきましては、御本人や御家族の同意のうえで、早めに自宅に戻って療養していただくこととなりますが、こうした方への退所後ケアの仕組みを構築し、24時間体制で万全のサポートを行って参ります。

また、感染抑止のために重視すべきワクチン接種につきましては、市町村などの御協力のもと全県をあげて接種スピードを加速させており、特にリスクの高い妊婦や寮生、不安を抱える受験生などには優先的な接種を進めているところであります。

高齢者の接種率は、既に約9割となっておりますが、デルタ株によるブレイクスルー感染が明らかになったことから、集団免疫の獲得に過度な期待をすることなく、重症化リスクの高い高齢者に対しましては、限りなく100%に近い接種を目指し、その命を守って参ります。

集団免疫という間接的な保護ではなく、ワクチン接種による直接的な保護を、なるべく多くの高齢者の皆さまに広げていきたいと考えている次第であります。

その上で、次なる一手といたしましては、感染者の割合が高い若年層へのアプローチも必要であると考えております。このため、抽選で食事券などを贈呈することによりまして、積極的な接種につなげて参りたいと考えます。他県の先行事例では大きな成果につながっていることから、更に接種が加速するものと期待をする次第であります。

加えて、感染者の早期発見・早期治療につながります検査体制の強化も、極めて重要なポイントであります。このため、医療機関への全自動PCR検査装置の配備を進めますとともに、ゲノム解析を着実に実施して参ります。

次に、2つめの柱「県民生活の再建」についてであります。

コロナ禍の長期化によりまして、様々な側面で県民の皆さまの生活に影響が及んでおり、これまで以上に寄り添った支援が重要であると認識しております。

先ず、休業などで収入が減り、生活が苦しい方々に対しましては、これまでも県社会福祉協議会を通じました生活福祉資金の特例貸付によりお支えをして参りましたが、コロナ禍の長期化に伴い、更なる支援が必要であることから、貸付原資を増額することといたします。

次に、コロナ禍で増加しておりますDV(ドメスティックバイオレンス)被害者への支援についてです。

コロナ禍で多くの方々がストレスを抱えるようになり、その皺寄せが立場の弱い方々に及んでおります。在宅時間の増加も伴って、DVの相談件数が大きく増加している状況であります。

DVは、被害者の心身を傷つけ、犯罪ともなり得る決して許されない行為であると考えます。このため、被害者を守るために必要となる無料法律相談、あるいは弁護士費用の助成を行うことといたしました。

次に、働く障害者の方々の工賃向上に向けた取り組みについてです。

新型コロナウイルス感染症の影響により、平均工賃が大きく落ち込んでおります。就労継続支援事業所、あるいはそこで働く障害者の方々にも大きな打撃が及んでいる次第であります。

障害のある方々が誇りを持って社会参画していただくためには、経済社会の中で企業と障害者の方々が共に活動できる部分を更に増やしていくことが大変重要であります。このため、事業所へのアドバイザー派遣や県内企業とのマッチングを推進し、産業と福祉の連携によります工賃向上をしっかりと進めていきたいと考えます。

これに加えまして、安定した雇用の確保に向けましては、企業間で労働力を調整する在籍型出向の活用を促進して参ります。

このほか、生活に不安を抱える外国人の方々、地域で孤立しがちな男性の介護者、更には育児の不安を抱える産後間もないお母さん方に対しましても、きめ細かに支援して参ります。

次に、3つ目の柱「県内経済の再生・反転攻勢」についてです。

休業や時短の要請に協力いただいた皆さまを中心に、事業者の皆さまには大きな負担が生じております。このマイナスを取り戻し、そして更なる跳躍につなげていくため、需要喚起策を中心とした「リカバリーメニュー」を展開し、県内経済の再生を目指して参ります。

先ず、飲食店の消費拡大に向けまして、グリーン・ゾーン認証店を対象に、実質20%割引となるキャンペーンを行って参ります。

5ヶ月間で総額10億円の予算を確保いたしまして、50億円の消費を喚起いたします。月あたりで見ますとコロナ前の飲食店の売上高の約15%に相当する規模であることから、飲食店に対する強力な支援策となると考えております。

可能な限り早期に事業を実施できるように、第一弾となります12月から来年1月の2ヶ月間は、キャッシュレス決済方式を採用し、来年2月から4月の第二弾におきましては、より幅広い世代の方が、多様な店舗で御利用いただけるように、プレミアム付き食事券方式で行いたいと考えております。

更に、より多くの県民の皆さまが安心して外食できる環境を整えていくため、運転代行事業者が行う感染症対策に対しましても助成を行って参ります。

なお、まん延防止等重点措置の適用期間中、政府の求める酒類提供の制限により、売上が落ち込みました酒類販売事業者に対しましては、国の財源を活用いたしまして、国の月次支援金に上乗せ又は対象を拡大して支援金を給付することといたします。

次に、観光業についてですが、今年はまん延防止等重点措置もありまして、夏の書き入れ時に客足が落ち込んだことから、このマイナスをこれからの秋冬の観光で回復させていきたいと考えています。

特に冬は夏と比べて観光客が少ないことから、冬のアクティビティの創出など、新たな観光資源の磨き上げを行うとともに、少人数・高付加価値の旅行需要を取り込んでいくため、県の認定基準を満たすツアーを造成・販売する旅行業者に対しまして、助成を行います。

これによって、この冬の需要喚起だけではなく、「冬も楽しめる山梨」として、中長期的な観光の底上げにもつなげていきたいと考えます。

また、コロナ禍は、県民の皆さまの心の豊かさの源である文化芸術活動にも大きなネガティブな影響を与えているところであります。

多くの県民の皆さまは、外出自粛あるいはイベント制限により、活動や発表の機会を奪われることとなりましたが、ライブハウス等の御協力をいただきながら、文化芸術活動を新しい形で再び活性化していきたいと考えます。

このため、ライブハウス等が、万全の感染防止対策を講じた上で実施するイベントの開催を支援して参ります。

なお、これは第一弾の取り組みでありまして、今後、文化芸術による地域活性化の研究に本腰を入れて着手し、予算化に向けた検討を進めて参ります。

このほか、例えばワイナリーによります新酒イベントや、商店街によります朝市など、商店街や事業者団体などが、販売促進や消費拡大につながる新たなキャンペーンあるいはイベントなどを行う場合には、1団体につき300万円を上限に支援いたします。

これらの取り組みによりまして、県内経済の回復を図って参ります。

最後に、9月補正予算におきますその他の主な事業についてであります。

1点目、男女共同参画の推進についてですが、センターのあり方に端を発し、様々な議論が活発に交わされたところであります。

本県は、男女共同参画先進県を目指していくこととし、最重要課題として取り組むため、庁内に専門の責任者を置き、また、来年度に向けまして組織強化の検討も現在進行形で進めているところであります。

しかしながら、男女共同参画を更に推進していくためには、行政だけでなく、担い手となる方々の主体的な参画が不可欠であります。このため、県として、各地域で男女共同参画に取り組む団体としっかりとした関わりを持ち、支えていくため、その活動に対する助成を行って参ります。

また、峡南地域におきます新たな活動拠点についてですが、南部町との協議の結果、旧富河中学校内に設置することで調整がつきましたので、来年度のできるだけ早い時期の開設を目指し、整備を進めて参ります。

この拠点には、各団体がいつでも自由に使用できる活動室、そして講演や勉強会に活用できる交流室を確保するとともに、DVをはじめ様々な相談に対応することができる専用室や、体験型展示ルームを整備することとしておりまして、全体として約180平米の広さを確保いたします。もうしばらくしますと、中を下見していただけるようになるかと思いますので、その際には積極的な御参加をしていただきますよう、メディアの皆さまにはお願いを申し上げる次第であります。

性別に関わりなく、個性と能力が十分に発揮できる社会の実現を目指し、山梨の未来を切り拓いていく。この思いは、関係団体をはじめとした県民の皆さまと、県庁そして私の思いは全く一つであります。

ただいま御説明申し上げました施策は、今年度先行して実施する取り組みであります。今後は、指定管理者と県との役割分担の見直しも含めまして、更なる施策の充実を図って参りたいと考えております。

2点目、ヤングケアラーへの支援に関してです。ヤングケアラーに関しましては、当事者である子どもあるいはご家族に自覚がない場合が多く、また表面化しづらい上、深刻な悪影響を及ぼしかねない問題であります。繰り返しになりますが、子どもが御家族のケアをしたり、お家の仕事をすることは極めて尊いことではありますが、それが過度に及び、そのお子さんの学業を妨げる、人間関係を構築する友人との付き合いを妨げてしまう、こういう事態というものは放置しておけないわけでありまして、しっかり公的な関与をして、その子が人間関係づくりですとか、勉強ですとかスポーツですとか友だちとの遊びといったものに関わり合える時間を確保するべく、公的な手を差し伸べていくことを目指していきたいと思います。

このため、喫緊の対策といたしまして、ヤングケアラーに対する理解促進を図るとともに、学校現場で支援にあたりますスクールソーシャルワーカーによる相談体制を強化いたします。

3点目、モモせん孔細菌病の防除対策ですが、昨年度に引き続きまして、秋の一斉防除の経費を助成し、徹底的に封じ込めを行うことで、来春の終息宣言を目指して参ります。

次に、P2Gシステムの事業展開に関してですが、本県では、再生可能エネルギーの電力を活用いたしましてグリーン水素を製造いたしますP2Gシステムの技術開発を行って参りました。そしてこの度、本県が民間企業7社とコンソーシアムを組んで実施する事業が、国のグリーンイノベーション基金事業の第一号案件として採択されたところであります。

具体的には、P2Gシステムの大型化・低コスト化を推進するとともに、発電施設はもとより工場等での導入を視野に入れた技術開発・実証試験を行うものであります。

本年度から令和7年度までの5年間で、民間を含めました総事業費は約140億円、このうち県は21億円規模の事業を実施することとしております。これによりまして、世界の水素活用の動きをリードするとともに、本県における水素・燃料電池産業の主力産業化に向けた第一歩となることを期待しております。

先日、中部横断自動車道山梨・静岡間が全線開通をいたしましたが、その折に、静岡県の川勝知事ともしっかり話をいたしました。静岡県と共同で、水素・燃料電池産業の新しい連携軸の構築に向けました検討を進めて参りたいと考えております。

最後ですが、教員の確保対策です。少人数学級の推進は私にとりまして最重要公約でありますが、それを進めていくにあたりましては、質の高い優れた教員の確保が極めて重要となって参ります。しかしながら、教員志望者は減少傾向であり、対策が急務であります。

このため、日本学生支援機構の奨学金を利用した学生が、県内の公立小学校の教員として採用された場合、一定期間勤務することを条件に、奨学金の返還の一部を支援する制度を創設いたします。

補正予算に関する主な内容につきましては、以上であります。

記者

予算全体の中で、リカバリーメニューがどのぐらいの規模を占めているのか教えてください。

担当

20億円程度です。

記者

経済再生のアクセルを踏むのと同時に、一方でブレーキを考えなければいけないと思うのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

知事

これまで県の考え方というのは、医療提供体制の確保が土台となっていて、その医療提供体制が確保される範囲内で経済との両立を図っていくということで、今回の補正予算でもそうですけれども、まず医療提供体制の確保に最大限の資源を投下しているところであります。

これによって、最終的に6号施設まで開設できれば、その確保病床数と宿泊療養施設の部屋を合わせた数で1333になります。これは第5波、前回のピーク時、これが8月24日でしたけれども、この時の入院者数と療養者数を合わせると716名ですので、大体その数の1.86倍となります。

本県としては、医療提供体制はしっかりとした数が確保できておりますので、ここで受け入れられる限りは、生活の再建と経済の再生に力を注いでいく、アクセルを踏んでいく必要があろうと思っています。

もちろんこれから更なる爆発的な感染がないわけではないので、そこは注意深く、感染者数あるいは医療提供余力の状況を見ながらであるのは当然のことではありますけれども、そこに差し支えがない限りは、むしろしっかりと経済活性化に力を入れるべき時だろうと考えております。

もちろん爆発的な感染がさらにあれば、これまでもそうでしたけれども、臨時特別の要請をしたり、あるいは、場合よってはまん延防止の要請をするということは十分あり得るわけです。

繰り返しになりますが、私どもの中では、医療提供体制はこの5波が来る前と比べても、格段に強化しておりますので、更にワクチンの進展も踏まえれば、そろそろ経済により重点を置き始める必要があるのではないかなと考える次第です。

記者

医療体制の強化について、PCR設備を更に増やすということでした。去年コロナ禍になってから、PCR検査を頑張って増やすということを折に触れてお話しされ、そういう政策をとってこられたと思います。例えば、民間企業で、社員が感染していないことを確かめるために民間のPCR検査を受けてもらって、それに会社がお金出すということやっているところもあると思うのですが、県民に対して、使い方を変えていこうということはお考えでしょうか。

知事

今回のPCR設備は、民間医療機関に置いていただくことをサポートすることになっています。当然コロナの(検査が)行政的に必要な場合があれば、そこにもお願いすることはもちろんあるのですけれども、それ以外の時の使い方は、その病院のご判断に任せますので、今記者さんがおっしゃるような、ビジネス目的でPCR検査が求められるような場合ですとか、そこは幅広い目的の下に使っていただければいいと思います。

例えば、お年寄りが高齢者施設に入るにあたって、PCR検査が求められるような場合もありますし、また施設から施設に移るような場合ですとか、様々な場面でPCR検査が求められるケースが多くなっていますので、なるべく県内で、身近なところで検査をしていただく方が、受ける方にとっても利便性が高い。東京に行って専門の業者さんにお願いするよりは、身近なところで対応していただければ、より利便性が高いと思いますので、そういう使い方も想定しながら、今回のPCR検査装置の導入、強化を進めていきたいと考えるところであります。

記者

今回の補正予算で、何台分になりますか。

担当

10台です。

記者

男女共同参画の推進に関して、旧富河中学校に新たな施設を作られますが、当面ぴゅあ峡南と並存ということになるのでしょうか。

知事

今一生懸命、開設の準備をしていますけれども、実際にオープンするのは来年度になってしまうので、営業期間としてはダブりません。

記者

180平米ということでしたけれども、これは他の施設との複合施設になるのでしょうか。

知事

富河中学校という廃校になった中学校の校舎があって、そこを今、南部町の方で、図書館ですとか学童保育の部屋として使うことが予定されておりますが、県が一角をお借りして、3部屋を県の新しい峡南地域の男女共同参画の拠点として位置づけるという形になります。

記者

図書館とか学童は、町の施設でしょうか。

知事

そうです。

記者

そこに県が間借りをして、県の施設として利用するということですね。

知事

県の専用施設、男女共同参画専用スペースとして借り上げて、そこに必要な設備を置いていく形です。

記者

それが来年度からということでしょうか。

知事

今一生懸命準備をしていますが、ぎりぎり急いで来年度からオープンという形になります。

記者

お話の中で、県と指定管理者の役割分担という言葉がありましたけれども、どのようなことをイメージされていますか。

知事

まず、これまでの様々な男女共同参画に関する議論を聞いていまして、県として、これまでの男女共同参画施策の推進のあり方について、大変深く反省すべきところが多いのではないかと考えています。

県の重要施策であるにもかかわらず、建物を造って指定管理者に丸投げと言われても仕方ない、そういう謗りがあっても致し方ない状態だったのではないかなと私は考えています。

やはりこの施策は重要施策ですので、限りなく直営で、県の職員が自分自身の行う事業として、しっかりと責任を持って最後まで遂行するという形に改めないといけないと思います。例えば自主事業などを見ても、何でこれが男女共同参画に繋がるのかという、正直言って私にはわからないような事業しかやっていなかったわけです。

今回の議論を通じて、我々ももう1回確認し直して、やはりこれは単に建物があって、その建物の中により多くの人が来てもらうことをもって男女共同参画の推進ですというのは、間違いだったと思います。やはり中身のある実質的な活動をしっかりと行っていく上では、極めて大きな責任を持つ県が、当事者というよりもむしろ先頭に立って、この様々な施策を、関係団体の皆さんと連絡をとって、コミュニケーションをとりながら実行していく、こういう行政のあり方に改めるべきだろうという考えがありまして、今後の設備管理のあり方、施策推進のあり方というものを、もう1回ここで見直したいと考える次第です。

今回の補正予算は、まさにその第一歩であって、県が各団体の行う男女共同参画を進めるための事業、この活動自体をしっかりと支えていく。それは物心両面と言ったら変ですけれども、資金的にお支えしながら、共に関係団体の皆さんと意見交換して知恵を絞り合いながら一緒に汗をかいていく、こういう形に転換していく第一歩の予算だと思います。

記者

先日、まん延防止措置の関連で、12店舗応じなかったところに命令を出したかと思いますが、現時点でそれ以上の措置があったのかどうか教えてください。

次長

命令を12店舗に出させてもらいまして、ただいま、過料を求める通知を裁判所に送るかどうかを検討中でございます。

記者

リカバリーメニューに関しては、この12店舗は対象にはならないのでしょうか。

知事

このリカバリーメニューは、県民の皆さまに、飲食に出かけてくださいということを促す効果があります。そうである以上は、やはり感染防止対策ができているところに限定すべきだろうと考えています。従って、グリーン・ゾーン認証を取っていただいているところに限定をさせていただく、こういう流れになっています。

今回の12社のうち、残念ながら最後までご理解をいただけなかったところに関して、グリーン・ゾーン認証を取り消しさせていただきました。ただ、今後しっかりやりますという約束をしていただければ、再度認証を取っていただく道は当然残されているわけですし、ぜひそういうふうにしていただきたいと思っております。

従って、認証が取り消しのまま、今後も感染防止対策やらない、感染防止対策をしっかりやるお約束をいただけないところは、残念ながらこのリカバリーメニューの対象にはならないということになります。

ですので、感染防止対策というのは、みんなの命を守るものですから、ぜひご理解いただいて、感染防止策を講じていただきたい。それに向けては、補助金も含めて最大限のサポートをする用意はありますので、ぜひ今後そういう行動をとっていただくようにお願いをしたいと思います。

記者

リカバリーメニューの点で一つお伺いしたいのですが、冬の観光需要の取り組みに向けたアクティビティの創出として磨き上げをしていきたいということですが、具体的に県としてどういったことを進めていくか決まっていますか。

知事

いろんなものがあろうかとは思います。これまで山梨県の観光は、冬の部分が薄かったという点は否定しがたいところがあるのではないかなと思います。ただそんな中でも、冬の山梨の魅力を楽しんでいただくために、例えば、冬の樹海のトレッキングですとか、冬のキャンプですとか、あるいはこの前少しのろしを上げましたが、アウトドアサウナの活用ですとか、そういう冬のひんやりとしながらもキリッとした冷たい空気の中で、山梨の自然をより楽しんでいただけるような新たなアクティビティを開発したい。民間事業者の皆さんのお知恵を借りながら開発して、この冬だけではなく、今後にもつなげていきたいと思います。

また、冬ならではの素材もあるでしょうから、おいしいものを開発して、メニューに組み込んでいただいた観光のあり方というものも作り上げていただきたいと思います。

そこは各旅行関係者、観光関係者の皆さまの創意工夫に期待をしたいところであります。

記者

先ほどのリカバリーメニューとの関係でお伺いします。飲食店の20%の割引など、グリーン・ゾーン認証店を支援していく形でリカバリーをしていくという施策を山梨県として取られています。今朝の私たちの新聞の山梨版にコメントを掲載したのですが、グリーン・ゾーン制度を活用して業者を支援していき、それで経済復興を図るというのであれば、その感染防止効果が実際どの程度あるのか科学的な検証が必要だという意見を行政学の研究者の方がおっしゃっています。県として、今後更にグリーン・ゾーンを推進していくにあたり、そのような科学的な検証を現在進めているのか、あるいは今後進めていくのかお伺いいたします。

知事

それよりも何よりも、我々が求めていることは、感染防止対策をやってくださいということにあって、感染防止対策をしないという論調に対しては、極めて理解しがたいものがあろうかと思います。

新聞も拝読いたしましたけれども、例えば、グリーン・ゾーンを取得していただいている方々に対しては、その取得に対して巨大な補助金を出しているわけですし、感染防止対策を飲食店が講じるというのは、食品衛生対策を講じるのとほとんど同じ意味を持つと思います。現にグリーン・ゾーン取得店では、もちろんクラスターはゼロではないわけですけれども、他と比べれば圧倒的にクラスターの発生は抑えられているわけでありまして、ためにする議論は、私は生産的ではないご議論を朝日新聞さんは展開されたのかなと思います。

記者

グリーン・ゾーンに自信を持って

知事

グリーン・ゾーンではなくて、感染防止対策をやってくださいと言っているに過ぎないわけで、それをしっかりできているかどうかというものをたまたまグリーン・ゾーンという名前を使った形で言っているだけで、その感染防止対策を進めていただくのは、このコロナ禍にあって当たり前の話だと思います。

記者

ですから、その効果を検証すればよいと思うのですが。

知事

それは常に検証はしてかないといけないと思います。我々の基準が、科学的に作っているつもりではありますけれども、果たして本当に必要十分なのかというのは常に検証が必要だろうと思います。それはおっしゃるとおりです。

記者

どのような対策がより効果的なのか、県が税金を投入して対策を進めているわけですから、その政策の効果を検証すべきだとは思うのですが。

知事

それはおっしゃるとおりで、今求めている感染防止対策の基準というものが、果たしてしっかりしているものなのかどうなのかというのは常に検証が必要だろうと思います。そういう意味では、今回アルファ株が出た時にその基準というものを引き上げたわけですけども、今度は、果たしてそれが過度に及んでいないか、これもやはり常に検証をしないといけないと思います。それは先ほど産経さんのご質問でもありましたように、今後ワクチンが進んでいったときに、果たしていつまでも今のあり方をお願いし続けるのが必要最小限なのかというのは、やはり我々は常に考えないといけないと思います。

ただ、ぜひご理解いただきたいのは、県としてリカバリーメニューを講じます、飲食の需要喚起策を講じます、県民の皆さん、今まで痛んだ飲食店を盛り上げてくださいということは、飲食店に行ってくださいということにほかならないわけですが、行ってくださいと推奨する以上は安全なところではないと我々やっぱり推奨できません。

記者

そういう施策を推進しているからこそ、その安全性というのを科学的に検証して、その情報が公表されればもっと信頼性も増すし、あるいは県がその税金を投入した効果というのも明らかになります。せっかく、感染症センターも設置して、情報収集や研究も県としてやっていこうという体制になっているわけですから、どのようにやっているのか、あるいは今後やっていくのかお伺いしたいのですが。

知事

そこは、ぜひ担当にその詳細については聞いていただきたいと思いますが、感染防止対策が効果のあるものでなければならない、これはそのとおりです。そのために常に基準というものは不断の見直し、検証というのが必要になってくる、それもそのとおりだと思います。それはしっかりやってきましたし、これからもやっていくつもりです。

繰り返しになりますけど、感染防止対策は効果があるものでなければならない、これは間違いなくそのとおりです。他方で、県民の皆さん行ってくださいというお願いを県としてする以上は、やはりしっかりとした感染防止対策が講じられているところでなければなりません。これは私としては譲れない線でありまして、感染防止対策を軽視しているお店に対して、行ってくださいというわけにはいかないですし、そこはいろいろご議論があろうとも、私としてはやはり曲げられない線かなと思います。感染防止策を講じていただく上では、様々な補助金も用意しておりますし、かつ、そのグリーン・ゾーンの現地調査というのは、落とすための調査ではなくて、どうやったらこのお店の条件の中で感染防止対策を講じることができるかを一緒になって考えるプロセスでもありますので、ぜひそこはご理解をいただいて、感染防止対策をきっちりすることがお店のためでもあるし、山梨のためでもあるし、それに対するサポートは最大限のものを引き続きやっていきたいと思いますし、足りなければさらなる積み増しを十分考えていくわけでありますので、ぜひ、この構図はご理解をいただきたいと思います。

 

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 新たな宿泊療養施設の稼働について

知事

この度、5カ所目の宿泊療養施設を甲府市内に開設することといたしました。

施設は「ホテル内藤 甲府昭和」でありまして、9月22日に開設をいたします。開設にあたりまして、同ホテルを運営されているホテル内藤グループの皆さまには、多大なる御理解、御尽力を賜りまして、この場をお借りいたしまして厚く御礼申し上げる次第であります。

また、地元甲府市の皆さまをはじめ、関係いただきましたすべての皆さまに心からの感謝を申し上げます。

本施設は、最大133室での受け入れが可能となっております。これによりまして、宿泊療養施設における県全体の受入可能部屋数は、合計で806室となります。

さらに、6カ所目の施設の開設準備も進めております。これにより、合わせて966室が確保できる見通しとなっております。

これらによりまして、確保済み病床と合わせた人口10万人当たりの確保数は164となりまして、9月8日時点のデータで比較しますと、全国1位の水準となります。

県では、引き続き「必要とする県民に、必要な医療を届けられる」環境整備に努めて参りますので、改めまして御理解・御協力賜りますようお願い申し上げます。

記者

宿泊療養施設の5号施設についてお伺いしたいのですが、こちらはいわゆる医療強化型の施設になるのでしょうか、それとも通常型の施設でしょうか。

知事

こちらは通常型になります。

記者

6カ所目に関しては今検討中とのことですが、そちらに関しては医療強化型を想定しているのでしょうか。

知事

こちらも基本的には普通型です。

普通型といってもドクターのケアはしっかり確保されておりますので、今後ワクチンの進展もあって、比較的症状の軽い方々が多くなるのだとすれば、今病床が367床、そして医療強化型が479部屋ありますので、むしろ普通型が当面必要とされるのではないかという考え方になります。

 

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 県民栄誉賞の表彰決定について

知事

先の東京2020オリンピック・パラリンピックで日本選手が大変めざましい活躍をされたのは記憶に新しいところであります。

本県出身の選手の皆さんも大変立派な成績を挙げられまして、これが大いに地元の皆さんを勇気づけた、素晴らしい明るい希望をもたらしていただいたものだと考えております。

このような活躍をされました本県出身選手の皆さんに相応しい賞を差し上げたいと思いまして、検討いたしました結果、本県表彰の中でスポーツ文化の中では最高の栄誉である、「県民栄誉賞」をお贈りすることといたしました。

この賞は昭和63年に前例があるのみですが、これを33年ぶりに復活させまして、次の4名の選手の皆さんにお贈りしたいと考えております。

オリンピック関係では、レスリング男子フリースタイル65kg級金メダルの乙黒拓斗選手、レスリング男子グレコローマンスタイル60kg級銀メダルの文田健一郎選手、女子卓球団体銀メダルの平野美宇選手、パラリンピック関係では、男子走り高跳びで3大会連続4位、6大会連続入賞の鈴木徹選手。

いずれの選手も、披露された高い技術からは修練の積み重ねを、試合後の表情やコメントなどからはトップアスリートに宿る高潔な人格を感じることができ、県民栄誉賞に相応しい方々と考えております。

表彰の打診を申し上げましたところ、すべての選手の皆さまから受賞をご快諾いただいたところであります。

なお、日程につきましては、選手のご都合をお聞きするなどして、追ってお知らせしたいと思います。

記者

昭和63年に前例があったということですけどもそれはどなたにでしょうか。

知事

橋本聖子選手です。

記者

これは何に対するものでしょうか。

政策参事

カルガリーオリンピックのスピードスケートです。

 

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発表事項以外の質問

 自民党総裁選について

記者

自民党の総裁選が、顔ぶれが大分そろってきたというところで、先日もお伺いましたが、現時点で知事が指示する候補がいらっしゃいますでしょうか。

知事

これから本格的な政策論争が始まるでしょうし、いずれの先生も大変立派なご見識をお持ちだと思いますが、その中でも特に山梨県にとって、より良いと思われる施策を論じられる方になっていただけたらなと思います。

記者

自民党総裁選を通じて、どういった議論をして欲しいか、お考えがあればお願いします。

知事

私の立場からすると、コロナ対策どうしますかというところは、引き続き大きな関心事項になろうかと思います。今後、感染抑制の一本足打法というわけにはいかない状況になってきている。先ほどもお話をしましたが、人々の生活ですとか、経済ですとか、ここをどうやって支えていくのかという議論は、大変重要な議論だろうと思います。

あと、そこから先の地方創生をどうするのか、どういうふうに向き合っていくのかというところも関心が高いところです。

立場を離れれば、外交問題、今、世界全体が、特に日本の周辺が緊張感が高まりつつあるような感じがしておりますので、それに対してどう向き合っていくのかということも、一国民として関心を持って見守っていきたいところです。

 

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 県の協力要請と国の緩和策との関連について

記者

今回まん延防止等重点措置が解除されて、今の県の協力要請は、今、政府が検討している緩和策にかなり近い雛形になるようなものだと思うのですが、今の県の協力要請と、政府が検討している緩和策についてどういう関連性があるか、知事のご見解をお願いします。

知事

我々の取り組みは、一つのヒントになっているのではないかなとは思います。山梨県では、各飲食店に対しまして、アクリル板を置いてくださいとか換気をやってくださいとか、様々な感染防止対策を求めて、多くの事業者の皆さんがそれに応えていただいている。こういう状況は全国見回してもなかなかないわけで、90何%の飲食店さんが感染防止対策を講じているという水準まで、他のところは行ってないのだろうと思います。

そう意味で、感染防止対策をやっているがゆえに、飲食あるいは飲酒が可能だという判断を、常々政府に対して訴えてきたわけですけども、他方で、政府の方は、お店の感染防止対策もさることながら、ワクチンという人に対する感染防止対策をやることで飲食も可能になるということで、感染防止対策をしっかり講じれば飲食も可能にするという点では、おっしゃるように考え方も似ていますし、我々のこの取り組みは、先行事例として一つのヒントになっているのだろうと思います。

実際、今回のまん延防止措置の解除の際に、西村大臣と若干のお話をいたしましたが、飲食をどうするのだという問いかけに、我々は第三者認証、いわゆるグリーン・ゾーン認証をしっかりやっており、感染防止環境下では制約すべきでないと考えておりますのでオープンにしたいと思いますという話をしたら、それがいいのだろうというお話でもありましたので、根本的な考え方の一つとしてヒントにはなっているのではないかと思います。

記者

コロナ禍でワクチンパスポートプラスPCR検査のパッケージというのが、今後の重要な鍵になってくると思うのですけども、例えば国全体でやるということだけでなく、昨日も実際に飲食店に取材に行くと、県でやってもらえないか、そうすれば無尽もできるというような意見もあります。ある県では独自の制度を考えるということを言ってらっしゃいますが、山梨ではどうでしょうか。

知事

そこは重要な検討課題だろうと考えています。

ワクチンを打つことと、グリーン・ゾーン認証の中で求めている感染防止策をどう考えていくかということは、改めて頭を整理して議論をしないといけないだろうと思っていますし、現にその議論は内々ではしているところでありまして、我々として何か整理をする必要があると思います。

多くの皆さんにワクチン接種が進展した中で、感染するあるいは感染を防止する効果がある程度見込まれるわけですので、その場合、例えばアクリル板をどうするかとか、無尽会のようなある程度の人数でやる場合はどうかとか、そこはしっかり整理をした上で考えていきたいと思います。

 

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 アメリカ産スモモの輸入解禁について

記者

8月19日に農林水産省がアメリカ産のスモモの輸入解禁を告示した件で、県内の生産者の方から、事前に説明がなかったという話があります。

その後、県としてもいろいろ動いていらっしゃったと思いますが、こういった農水省の対応についての受け止めと、今後どういうふうに生産者への説明等を求めていくか、お考えをお聞きします。

知事

今回の農水省のスモモに対する対応というのは、意識してか無意識かを別として、やはり国における果樹農業に対するスタンスというものが如実に表されたのではないかと思っています。

これが例えば、お米の産地とか畜産とか、そういうものに関わるものだったら、多分こんなやり方はされてこなかったのではないか、事前にその産地としっかりコミュニケーションをとって、理解というか必要な対策を講じた上で市場開放が行われたのだろうと私は思います。

今回の農水省は、例えば官報に表示しているからそれでいいだろう、わかっていただろうという話ですけど、官報は見ることが前提となっているのはそうかもしれませんけれども、それはやっぱりちょっとどうなんですかと、あまりにも果樹農業というものを軽く見ているのではないかと。私は今回の件は大変残念というか、憤慨している状況だと思います。

マーケットを開くにあたっては当然影響を受けるわけですから、その影響に対してどう向き合っていくかっていうのを少し考え準備する時間というのはあってしかるべきじゃないかなと私は思います。

県を挙げて米国からのスモモの輸入を体を張って止めようなんて議論は、県内のJAの皆さんもされてないわけで、アメリカ産のものが入ってくると当然国内産とバッティングするわけですので、何がしか住み分けを考えようじゃないかと、今こういう話を農家の方々はされているわけであります。

そういう意味で、まず解禁する前に、少なくとも解禁したときにどういう種類のものが、どれぐらい入ってくるのか、それに対して国内産地としてどう向き合っていくべきなのか。価格競争力というものが米国産のものに太刀打ちできないとすれば、より高品質でかつ高付加価値の種目に変わってくる必要があるのではないか。変わっていくための改植の費用をどうするか、あるいは更なる高品質のスモモを開発していくための努力をしようじゃないかとか、そういう話を本来だったらセットであるべきだと思います。

そういうこともせずに、単純に開けましたっていうのは、これはあまりにも生産農家、山梨県に限らず、スモモを作っている方々に対して、血も涙もないというか、心が通わない血が通わない行政のあり方じゃないかなと、私はそういうふうに断言せざるをえないと思います。

これに対しましては、山梨県としても今後しっかりと申し入れをしていきたいと思いますし、またそれを通じて、国も、果樹に対してしっかり重きを置いていただくような農政のあり方に変わっていっていただきたいと、そのような提言をいずれの機会かに国に対してしていきたいと思います。

 

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 まん延防止等重点措置解除後の街の様子について

記者

昨日まん延防止等重点措置が終了して、街中でお酒を飲んでいる方もいらっしゃったと思います。知事もおそらく街中を見られたと思うのですが、その感想を一言いただけますか。

知事

これが普通の姿だと思います。アクリル板などの色々な制約はありますが、ただそこで見られる表情というものが本来あるべきお客さんの表情であって、普通の生活の回復の第一歩が昨日だったのでなはいかと私は感じました。

 

以上

 

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
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