ページID:100106更新日:2021年6月15日
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防災新館401,402会議室 11時30分から
発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
6月定例県議会は6月21日に招集することといたしまして、本日、招集告示を行ったところであります。
提出案件は、条例案12件、予算案3件、その他の議決案件29件などの予定であります。
条例案につきましてご説明申し上げます。
太陽光発電施設の適正管理等を強化するための、「山梨県太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例制定の件」などを提出することといたしました。
次に、6月補正予算案につきましてご説明申し上げます。
一般会計の補正予算の規模は、194億5952万5000円となっております。
主な内容をご説明いたします。
まず、新型コロナウイルス感染症対策についてですが、1点目は検査対象の拡大。喫緊の課題であります変異株への対策といたしまして、早期発見、早期治療をさらに徹底するため、4月以降検査対象を拡大しているところでありますが、今回、追加で必要となる検査費用を計上しております。
2点目のワクチン接種ですが、コロナ禍を脱するための切り札となるワクチン接種につきましては、医療機関が行うワクチン接種記録システムの登録作業を支援し、現場での負担を軽減することで接種を加速させて参ります。
こうした直接的な支援に加えまして、副反応により休業を余儀なくされた方への助成や、専門相談ダイヤルの開設時間延長などにより、県民の皆さまの不安を和らげ、接種を促進して参ります。
3点目の生活困窮者支援ですが、コロナ禍の長期化は、経済的に弱い立場の方々に様々な影響を及ぼしております。
休業などにより生活が苦しい方々に対しまして、生活福祉資金の特例貸付が十分な需要に対応できるよう、貸付原資を増額いたします。
また、雇用情勢に左右されやすいひとり親家庭を支援するため、資格取得に繋がる職業訓練への給付金制度を拡充するとともに、家賃貸付制度を創設いたします。
次に福祉人材の確保であります。
コロナ禍の長期化は、福祉の現場での人材確保にも影を落としております。特に介護、障害福祉分野におきましては、感染対策のため業務量が増えており、人手不足が深刻化していることから、他の業種からの参入が進むように、就職に必要な費用の貸付制度を創設いたします。
また、保育の分野では、保育士を目指す学生が経済的困窮を理由に退学することのないよう、修学資金の貸付制度を創設いたします。
5点目の県内経済の安定化、反転攻勢に向けた対策であります。
コロナ禍による影響を受ける事業者に対しましては、メリハリのある支援を行って参ります。
まず、宿泊施設につきましては、新たなグリーン・ゾーン認証基準に対応した感染症対策への支援を行うとともに、アフターコロナを見据えて、クオリティの高いサービスを提供するための取り組みに対して支援を行います。
また、本年4月に、日本酒の地理的表示として、山梨が指定されたことにより、本県は国内で初めて、ワインと日本酒の2種類のGIを持つ県となりましたことは、ご案内のとおりであります。
この機会をとらえまして、国内外でGI山梨の認知度を高め、消費回復に繋がるよう、プロモーションを強化して参ります。
加えまして、コロナ後の本県農業の高収益化に向けて、農産物の生育環境や栽培技術をデータ解析により見える化する、データ農業を推進して参ります。
これらの取り組みによりまして、感染拡大防止と経済活動の両立を図り、感染症に対して強靱な社会を構築して参ります。
次に、その他の主な事業についてであります。
まず、少人数教育の推進ですが、この4月から全国初となります、小学校1年生への25人学級を導入いたしましたが、その影響が及ばない市町村もあることから、こうした市町村が行う先進的で特色ある教育活動を支援し、県内全体で教育の質のさらなる向上に取り組んで参ります。
次に、管理捕獲従事者等研修施設の整備です。
狩猟全般にわたります研修施設の整備につきましては、韮崎市穂坂町の県有林内を候補地として、猟友会や韮崎市と協議を行ってきたところであります。この度、基本的な整備内容についてご理解をいただけたことから、測量に必要となる経費を計上いたします。
次に、県立八ヶ岳スケートセンターですが、県から北杜市へ無償譲渡することとなっておりますが、来年4月以降も市が施設を円滑に運営できるように、老朽化した施設の改修を行って参ります。
次に、公共事業費につきましては、国から当初予算を上回る規模の内示が得られたことから、87億円余の増額補正を行います。
最後に、その他の議決案件のうち、山中湖畔県有地にかかる損害賠償金等の支払いを求める反訴の提起につきまして、ご説明申し上げます。
富士急行株式会社では、本年3月1日付けで、県を相手に債務不存在等の確認を求める民事訴訟を提起しております。一般論といたしまして、確認訴訟において原告の主張に反論するだけでは、実質的な紛争の解決には至らないケースがあります。こうした場合に、早期に法律関係を確定させ、紛争を一挙に解決するために、同じ訴訟における手続きといたしまして、原告に対し請求を行う反訴を提起することは、ごく一般的でありまして、民事訴訟手続上、当然のものとして予定されているところであります。
今回のケースにおきましても、同社が提起した訴訟において、単に県としてその主張を否定し、棄却の判決を求めるだけでは、県の損害は回復されません。このため、同社が県に対し適正な賃料を免れたことについて、不法行為による損害の賠償、または不当利得による利得金の返還を命ずる判決を求めて、反訴を提起することといたしました。
県有地は、県民の皆さまからお預かりしている、いわば県民全体の貴重な財産であります。同社が不適正な賃料での有効性を主張することにより、適正な賃料による支払いを免れ県有地の利用を継続しているような状態は、早急に正していかなければなりません。
また、この件は、仮に1日請求が遅れれば、その分の時効が成立するため、県民の利益を最優先に考え、県民の財産を適正に管理する責務を負う県としては、早急に対応する必要があります。
今回の反訴ですが、県民がこれまで被った損害の回復を図るためのものであることと同時に、他方で、同社にとりましても、早期に法律関係が確定するため、双方にメリットがあるものと考えております。
県としては、県民の皆さまの利益を第一に考え、県の主張が認められるように、しっかりと訴訟に向き合って参ります。
記者
予算にある韮崎の管理捕獲研修施設について、今回、測量費を計上したということですが、整備までのスケジュールや全体の事業費など、分かっているものがあれば教えてください。
知事
まず、今年度は、整備予定地の調査測量を実施いたします。そのあと、施設の設計、進入路の整備、そして施設本体の整備を行いますが、これらが完成するまでは、7年から8年ぐらいと見込まれております。総事業費に関しましては、概ね16億円であります。
記者
富士急行に対する反訴についてお伺いします。反訴の請求額はいくらでしょうか。
知事
今回の反訴で請求する価額は、92億2000万円余になります。
記者
これは何年分でしょうか。
知事
不法行為に基づく損害賠償請求と、不当利得に基づく利得金返還請求の二つがございます。いずれも時効の関係で予備的にやるのですが、一つは平成13年8月から平成15年7月の2年間の不法行為に基づく損害賠償請求金額と、平成23年8月から平成25年7月の同じく2年間の、不法行為に基づく損害賠償請求金額、または不当利得を根拠とする返還請求金額の合計4年分ということで、92億2640万円を基礎とし、これに遅延損害金を加えたものが、請求内容となります。
記者
平成13年から平成15年の2年間と、平成23年から平成25年の2年間ということですけれども、間が飛んでいるのは、どういう理由があるのでしょうか。
知事
本来であれば、平成13年から20年分の総額を損害賠償請求することになりますが、今回は一部請求という形をとっております。これは、まず、訴訟手数料を最小限にしたい、また、1審判決までに要する期間を考慮し、その間の時効の進行を阻止する必要があることから、平成13年8月から15年7月までの2年間を選びまして、不法行為に基づく損害賠償請求を行います。
こういうやり方は一部請求と言いまして、請求額が多額となる場合に、債権額の一部であることを明示した上で訴訟を提起し、当該一部について判決を得ることで、主張の正しさを確認しつつ、確実に紛争解決を進める手法として、ごく一般的に行われているところであります。
なお、不当利得返還請求につきましては、先ほどもこれが不法行為だということを主要な主張としておりますが、万が一、賃借権自体は存在するという裁判所の判決になった場合には、予備的に、今度は差額分についての不当利得返還請求という形で行います。不当利得返還請求は、時効が10年となっておりますので、併せて不当利得返還請求訴訟として、時効の進行を止めるために、この2年を選ぶということになります。つまり、平成23年8月から25年7月までの期間を選んで、併せて主張をするという形になっております。
記者
そうすると、もし不法行為であるということが認められたら、平成13年以降の20年分ということになるのでしょうか。
知事
はい。まず、今回の訴訟では、平成13年8月から15年7月と、23年8月から25年7月のものが対象になっていますが、いずれ13年8月以降の残余の分を請求することになります。
記者
20年間の総額だといくらになるのでしょうか。
知事
20年間の総額、20年間の消滅時効にかからず、請求ができる金額は、適正純賃料額と実際に支払われた純賃料額との差額といたしまして、概ね363億円に遅延損害金を加えた額になります。
記者
遅延損害金は、いつからの遅延損害金になるということですか。
課長
行為があった日ということになりますので、この場合は、平成13年8月からという計算になります。
記者
そうすると、20年前からの遅延損害金を、20年前のものについて払ってもらうということになりますか。
知事
おっしゃるとおりです。
記者
差額とおっしゃいましたが、92億もその差額になりますか。
知事
はい。92億も差額になります。
記者
不法行為というのは、地方自治法に基づく不法行為だということでよろしいでしょうか。
知事
地方自治法第237条2項によりまして、今般の賃貸借契約は違法無効となります。違法無効状態の中での土地の占拠は続いておりますので、これは法律上の分類でいうと、不法行為になるということです。
記者
そうすると、契約の当事者が甲と乙で、乙が富士急行だと思うのですけれども、県側の不法行為はどうなるのでしょうか。つまり契約を結んだ県の側には不法行為の責任はないのでしょうか。
知事
それによって何がしか損害が発生した場合には、それは富士急行側から県に対して、その不法行為として訴えるべき話であって、我々はそれについては現時点で把握しておりません。
記者
そうすると、不法な契約の責任は、富士急行だけにあるということでしょうか。
知事
我々が議論していますのは、本来あるべき適正な賃料額と、実際に払われた賃料額の差額が、まさに県に対して及んでいる損害になりますので、この損害を賠償してもらうということになります。
記者
差額は承知しました。その損害が生じた責任が、なぜ富士急行だけと考えておられるのでしょうか。
知事
民法の世界においては、この契約というのは違法無効だと。契約がない状態で、現状、山中湖畔県有地を占拠している。これに対する損害が発生していて、その損害を我々が求めている。
もし、同社に対して何らかの損害というものが別途あるのであれば、それは富士急行さんが県に対して、その不法行為に基づく損害賠償請求として訴えるべき話だろうと思います。異なる事案を混同して、議論することはできない。
記者
県と富士急行が結んだ契約によって、多額の損害が生じていると。
知事
県に対してですね。
記者
はい、県に対してです。それは、今の県の知事である長崎さんが、損害賠償を請求するというのは理屈があると思うのですけれども、その過去20年間にわたって、契約の当事者であった県側には責任はないのでしょうか、という質問です。
知事
いかなる責任かというのを正確にしていただかないと、なかなか論じられないところがあります。不法行為に基づく責任というのは我々にはありません。
記者
不法な契約を結んだ責任は県にはないということでしょうか。
知事
我々の立場としては県にはないということです。何がしかあるのであれば、それは富士急行が裁判において主張すべき話であって、我々が何がしかこの場所において言うべき話ではありません。
これは、法律上の議論とは分けて議論しなければ、混同しますので、責任という言葉は、極めて幅広い話であって、損害賠償責任というものは、我々は富士急行に対して追求する立場でありますが、富士急行さんが何がしか県によってその損害を受けたということであれば、ぜひそれは法律上の主張をしていただいて、法廷の場で議論をする、冷静な法律上の議論をするということで決着がつく問題だと思います。
知事
なお、先ほど時効の話が出ましたが、平成13年時点で、1か月当たり約2.7億円が時効によって債権が消滅しております。平成23年8月ですと、大体1.5億円が1か月当たりの額として消滅するという形になっています。1日あたりですと900万円くらいです。
記者
反訴の提起は、議決が得られれば速やかに行う理解でよろしいでしょうか。
知事
議決をいただければ、速やかに行いたいと思います。
記者
適正な純賃料との差額をということなのですが、この適正な純賃料というのは県でも不動産鑑定士にいくつか鑑定を出していると思うですが、どういう考えをもとに算出しているのでしょうか。
知事
今まで出した嶋内鑑定と大河内鑑定の2つの平均値を使っています。これは、弁護士と相談した結果でございます。
知事
県の総合計画は、昨年11月に見直しを行うことを決め、以来改定作業を進めてきたところであります。
新型コロナウイルス感染症が甚大な影響を及ぼしている現状を踏まえまして、県政運営の指針である総合計画を、かかる状況に応じたものとするためのものであります。こういう計画の見直しというものは、今後の社会情勢に応じまして、適時適切に実施して参りたいと思います。
今回の見直しの方向性ですが、新たな社会ニーズあるいは行政需要への的確な対応を図ること、そして、感染症により生じました様々な社会変容を、本県が前進するための機会としてとらえるようにするべく、社会変革を進める施策を示すことにあります。
この見直しの検討過程におきましては、各部局とのディスカッションや有識者会議など、様々実施してきたわけであり、その結果、感染症関係では、山梨県CDCあるいはグリーン・ゾーン認証などを位置付けることができました。
また、二拠点居住などの施策につきましても、位置付けをしているところです。
さらには、社会変革と大きく関連いたしますDX、あるいは、特に感染症を機に起こる社会変革の裏で進行している孤立化に対する対応にも、配慮を怠ることは許されません。
このような新たな課題にも対応する施策を掲げたところであります。
6月の定例県議会においてご審議をいただいた上で、7月には改定版を決定、公表したいと考えております。
知事
大規模水害に備えまして、流域全体で、あらゆる関係者が協働して流域治水に取り組むことが必要であり、その基本的な方向性を定めたものが、今般、策定いたしました、山梨県流域治水対策推進基本方針であります。
今後、この方針に基づきまして、流域治水を推進していくものでありまして、これによって、実質我が県の流域治水がスタートすることとなります。
具体的には、まず、モデルとする小さな流域を4つ選定いたします。横川、濁川、鎌田川、新名庄川でありますが、その上で、県、国、市町村で構成する検討会を設置します。
テーマの1点目として、川の氾濫をできるだけ防ぐ、あるいは減らすための対策。
2点目として、被害対象を減少させるための対策。
そして、3点目として、被害の軽減、早期復旧復興のための対策というテーマに基づきまして、アクションプランを策定し、取り組みを加速させていきます。
さらに加えまして、本日の庁議におきまして、災害発生後のごみ処理、あるいは再度の被災防止の観点での復興対応につきましても、今後検討していくように私から指示をしたところであります。
県民の皆さまにもご理解ご協力を賜りながら、この取り組みをしっかりと推進し、県土の強靱化を図って参りたいと考えております。
知事
グリーン・ゾーン認証制度につきまして3件発表いたします。
1点目は、感染者が発生した場合の、グリーン・ゾーン認証の取扱基準の策定についてであります。
県民の皆さまに認証制度へのさらなるご理解を促すとともに、認証事業者への注意喚起を図っていくため、認証取り消し、あるいは店名公表などの基準を明確化することといたします。
今般、その新たな取扱基準を定めました。
まず、公表の基準でありますが、一つは、利用者が不特定の事例につきましては、公衆衛生上の観点から、店名は公表せざるを得ませんので公表いたします。
次に、5名以上の感染者が確認された場合、すなわち、クラスターに相当する事例の場合は、事案を公表いたします。
そして、認証の取り扱いに関してですが、施設側に過失や対応の不備がある場合、改善指導を行い、同様の行為を行わない旨の誓約書を提出していただくことといたしました。いわばイエローカードであります。
そして、先ほど申し上げた誓約書に違反した場合、これは故意または重過失とみなしまして、認証を取り消し店名を公表することといたします。いわゆるレッドカードであります。
なお、この基準の施行につきましては、6月21日から施行したいと考えております。
2点目、入店管理システムの導入についてです。
先般の変異株に基づく飲食店でのクラスター事例を参考に、各店には疫学調査に資するように、来店者の氏名、連絡先を記入していただいておりました。ただ、寄せられる声の中で、個人情報の取得あるいはその管理につきまして、施設側、利用者側双方の負担あるいは不安が大きいという課題が指摘されてきたところであります。この記者会見の場でも、皆さまから同様のご指摘をいただいております。
このため今般、LINEを活用いたしました、入店管理システムを構築することといたしました。
具体的には、店舗に掲示されました専用のQRコードを利用者に読み込んでいただくことで、当該店舗で感染者が発生した場合、LINEのメッセージが利用者へ送付される仕組みのものであります。
このシステムによりまして、施設側、利用者側の負担、あるいは不安は大幅に軽減されるようになることから、速やかにシステムの構築に着手し、多くの人出が予想される夏休みまでには、運用して参りたいと考えております。
そして、3点目です。新しい認証マークに関してです。
現在、認証事業者に対しまして、変異株に対応した追加的対策をお願いしております。この対策を講じた事業者に対しましては、これまでの認証マークではなく、新たな認証マークを配布することにより、利用者が判別できるようにしたいと考えております。
ご覧のように、図案は1から5まで全部で5パターンありまして、明日から今月末までの間ですが、県民の皆さまからの投票によって、新たな認証マークを決めたいと考えております。県のホームページ上に特設ページを設けますので、ぜひ、より多くの皆さまに投票していただきたいと考えております。
記者
グリーン・ゾーン認証の新たなマークですが、これは追加対策を講じた事業者に対して付与されるとおっしゃいましたでしょうか。
知事
1年間で更新されますが、その更新の際には新しい基準のもとにやっていただくことになりますので、結果としては、更新時も全部入ります。それを前倒しでやっていただけるところも、このマークになるということになります。
記者
追加対策は変異株対策で、パーテーションなどの対策でしょうか。
知事
おっしゃるとおりです。
記者
LINEの話ですが、利用者が老若男女いる中で、LINEがどれくらい利用されていて、使っていない方もいらっしゃったりするので、そこはどのように対応されるのでしょうか。
知事
そこはやはり、今までの紙によるものと並行してやらざるを得ないかと思います。LINEはかなり一般化していると思いますが、おっしゃるように、私の母親もまだ使っていませんから、使ってない方もいらっしゃる中で、より有効な手段があれば、それも採用していきたいと思いますが、相当程度広く活用されている手段として、LINEを使ったものをやるということです。これに対応していない、これはちょっと嫌だなという方は、従来どおりの紙でやっていただければありがたいと思います。
記者
今、クラスターが同時多発していて、直近で感染者が急増しています。その中で、このグリーン・ゾーン認証の実効性というのは、今までと変わらないですか。
知事
先週の後半中心に、クラスター事例が同時多発いたしまして、これに関しては、多くの県民の皆さまに、さらなる警戒をお願いしているところです。
事案をそれぞれ分析いたしますと、飲食の場、あるいは宿泊施設の場において、従業員さんからお客さんにうつって、あるいはお客さんから従業員にうつったというようなものではないわけですので、飲食店あるいは宿泊施設に関する感染防止対策としては、有効に機能しているだろうと考えています。
今般の障害者施設、あるいは保育園に関しては、今、関係者が総力を挙げて、この広がりの封じ込めにかかっているわけであります。極めて多数の検査をかけて、感染されている方を根こそぎ洗い出して療養施設に入っていただくと。なおかつ、今すぐ本当はできればいいのですけれども、可及的速やかに、これらの方々にワクチンを打っていただくように、今、職域接種の準備、それから、市町村さんには一般接種における優先的な取り扱いをお願いしている状況であります。
記者
コロナの関連で、先週末、聖火リレーの公道実施に関する考えをお示しいただいたと思うのですけれども、現状で、昨日の段階だと9人と、少し減ってきているような形もあるのですが、現時点で公道実施の方針というのは、どう考えていらっしゃるのでしょうか。
知事
現時点での方針というのは、今週の状況を見極めて判断しようと思います。もちろん、せっかくの世紀のオリンピックで、楽しみにされている方も多いと思いますので、できることであれば、まず公道でやりたいというのは山々なのですが、ただ、やはり最優先すべきは感染拡大の防止でありますので、ここはオリンピックの組織委員会とも一致しているところです。そういう意味で、もう少し情勢を見極めて、今週いっぱいまでには決めたいと、今申し上げることができるのは、そこまでです。
記者
男女共同参画推進センターの関係で、今日、県民生活部が議会に説明していらっしゃるかと思いますが、どういう方針でやるかについての最終的な考えは、いつ示す方向で考えていらっしゃいますか。
知事
まだ部内において、再度激しい議論を交わしているところでありまして、今後県議会も始まりますので、議会でのご議論も踏まえて、いろいろ考える必要があろうかと思います。
記者
今議会中というわけではなくて、期限を設けずにある程度話し合いを詰めていくのでしょうか。
知事
議会でのご議論が重要なお話ですので、これまで女性団体、あるいは男女共同参画推進委員会の皆さんからご意見を伺いまして、伺ったものを土台に、さらに議会とも意見交換しながら、最終決定をしていきたいと思います。
記者
男女共同参画推進センターのことについて伺います。知事は先日、女性団体との説明会で、集約ありきではないと何度かおっしゃいましたけれども、その後の男女共同参画審議会とか、本日の県議会の説明会でも、県民生活部は集約化の方針を説明しています。これはなぜでしょうか。
知事
現状において、まだ議論をしている最中であります。
他方で、現状はそのままでいいのかというところは、やはり議論の対象にはならざるを得ないと思います。今までの女性団体とのやりとりの中でも、今の形態をそのまま維持しろという意見はむしろ少なかったと認識しています。皆さんは、やはり活動の拠点としては必要で、しかもそれ専用の部室であるべきだということは異口同音におっしゃっていて、それについては、我々も「なるほどそのとおり」ということで同意をしておりますが、その実際の物理的な物のあり方として、現状の一戸建ての建物で、毎年数千万円の管理費をかけながら行うということが果たして適切なのかということが議論の対象ではあると思います。
それだけのお金があれば、むしろ、男女共同参画を推進するために必要となるその事業内容をより充実させるべきではないかと、むしろそちらが求められているのではないかという議論は一貫して続いておりまして、そこを現状の議論の進展状況のご説明も含めてという意味合いも込めて、議会ではそのようなご説明をしているところでございます。
記者
この間、県民生活部の女性団体、審議会、今日の県議会の説明をお伺いして、内容が全く一緒です。聞いていて問題設定とその解決策の理屈が合っていないとすごく思います。問題設定の一つは、意識改革が進んでいない、もう一つが新たな課題に対応する必要があるということです。例えば新たな課題というのは生活困窮とかDVとか、ジェンダー平等とか防災への女性参加というようなことを挙げているわけですが、これらの新たな問題の解決のために集約化をするという説明をされていまして、正直意味不明なのですけれども、なぜそんな理屈に合わない説明をするのか分からないのですが。
知事
意味不明ではなくて、新たな課題に対応するためには必要な資源というのが求められます。つまり、予算です。当然、現状のままで青天井につけられれば、そんなめでたいことはないわけですが、我が県の財政上の制約というのも、確かに存在する問題としてあります。その中で、県民の皆さまからいただいた血税をいかに有効に使うかという観点では、何かを節約して、男女共同参画において必要となる行政需要に充当するということは十分あり得る考えでして、その一環として、利用率の低い、5%しか使われてないような施設を今の形のままで維持し、今の形のままで年間何千万円もの管理費を出し続けることがいいのか、むしろそのお金があれば、男女共同参画の様々な新しい課題に向けての施策の充実に充てるべきではないかという発想なので、矛盾はしていないと思います。
記者
財布の中に入っているお金が限られているので、それをどう使うかという話だと思うのですが、その新しい使い方が一切示されていないと思います。その新たな課題に対応するために県は何をやります、それにこれくらいかかります、だからとなっていないので、私は納得できないのですが、どうでしょうか。
知事
そのご指摘はまさに正鵠を得ていて、我々も来るべき議会では、そういうものを示していきたいと思います。
記者
県内の現在の感染状況ですが、先週、臨時特別協力要請を出されて、その効果はこれから先かと思うのですが、この週末も2日間で24人の感染が確認されています。その受け止めと、全国的にまだ高い状況になっている中で、改めて県民への呼びかけをお願いしたいと思います。
知事
一時に比べれば、クラスターは発生していないわけですが、本県の医療提供体制を考慮いたしますと、さらなる大規模クラスターの発生は、対応が厳しくなります。
先般の臨時特別協力要請をした時に、CDCの藤井総長からもお話がありましたように、最大限の警戒をお願いします。普段であればこれぐらい平気だと思っているくらいの熱とか、何となく調子が悪いという事態であったとしても、この20日までの間は、最大限警戒をしていただいて、ぜひ、かかりつけのお医者様にご相談をしていただきたいと思います。ちょっとした調子の悪さを無視せずに、そこに最大限敏感になって、学校、職場あるいは外出に気をつけていただきたいと思います。
併せまして、いろんなご意見はありますが、やはり家庭内感染が大変多くあります。この前のクラスターでも職場でうつったものは、ご家族に一気に連鎖していますので、特に気をつけていただきたいと思います。食事をされる時も、本来家族の間でどうなのかと思う気持ちは私も同感ではありますが、この厳しい現在の感染状況、そしてそれに対応する我が県の医療提供体制を踏まえますと、食事の時、ご家族の間でもファミリーマスクをぜひ徹底していただければと思います。
記者
コロナの関係で、先週金曜日の入院患者が100人を超えていますが、病床のフェーズの引き上げを検討されているかどうか教えてください。
知事
引き上げの検討はしておりますが、もうしばらくは様子を見たいと思っています。その理由は、コロナだけ見ると速やかに上げた方がいいと思いますが、ただ、それによって一般診療にしわ寄せが生じます。様々な病気で、1日も早い手術ですとか、治療を待ち望んでいらっしゃる患者さんも他方で大勢いらっしゃるわけですので、私どもとしては、ぎりぎりまで感染者の増加傾向を見極めて、病床フェーズの引き上げというものはぎりぎりの判断にしたいと思います。
記者
身延町下山の農家の方から、田んぼの水が濁るという指摘が出ています。身延町は富士川流域の中流ですが、下山の農家の皆さんは早川の榑坪堰堤で取水して農業用水を使っています。日軽金の導水管を経て流れてきたものを分けてもらって使っています。その田んぼの水が最近すごく濁るし、雨が止んでからなかなか元に戻ないという声があります。そのことについて、県として何か対応する考えはないでしょうか。
知事
事案をしっかり調査した上で、考えたいと思います。
記者
先日、早川の雨畑川、富士川の水質や泥の調査を行うとおっしゃいましたけど、その中に例えば入れるということはあるのでしょうか。
知事
アクリルアミドポリマーの問題とそれ以外の問題は、やはり分けて議論しないといけないと思いますので、そこをどうするかは少し検討したいと思います。
以上