ページID:99717更新日:2021年5月21日
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防災新館401,402会議室 11時30分から
発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
本年3月に、本県のプロモーション全般の指針となります、「やまなし地域プロモーション戦略」を策定いたしました。県におきましては、これまでも多様な地域資源につきまして、関係者と一体でPRに取り組んできたところですが、その多様な地域資源を産出する地域そのもののブランドが確立されていなかったことから、これを策定したものであります。
戦略におきましては、地域そのものであります「やまなし」を、本県ブランドの最上位でありますコーポレートブランドに位置付けます。このブランドコンセプトは「上質な環境の提供」、キャッチフレーズは「ハイクオリティーやまなし」であります。
コーポレートブランドと、本県が有する多様な地域資源を連携させながら、ブランド価値の向上を図るための取り組みを推進していくこととしております。
そして、先ほど地域プロモーション戦略推進本部の第1回会合を開催いたしまして、この戦略推進に係る実施方針について確認したところです。
コーポレートブランドの基本的なイメージを、「上質」あるいは「稀少」「非日常」といった価値の提供とし、このイメージを全庁で共有すること。そして、統一したプロモーションの方向性として、上質なものなどに対する関心が高い消費者層に対しまして、そのイメージを訴求していくことを全体の方針といたしました。
今後、各種のプロモーションにつきまして、この方針に合致するような形で展開して参ります。
プロモーションの関連事業につきましては、地域ブランド統括官との協議制度を導入いたしまして、ブランドイメージと合致した内容の事業となっているかなどにつきまして、しっかりと精査し、グリップしていきたいと思っております。
以上の全体方針に基づいた取り組みを通じまして、「上質」などの山梨ブランドの価値が消費者あるいは企業に対し認められ、キャッチフレーズでもある「ハイクオリティーやまなし」として、本県ブランドが広く浸透することをねらいとしております。
結果、本県の豊富な地域資源の魅力、あるいは優位性が再認識され、多くの方に、山梨のものならばと思って手に取っていただけるようにしていきたいと思います。
また、一元的に庁内のプロモーション事業を統括し、最適化が図られることで、縦割りによる非効率を解消し、費用対効果の向上を図って参ります。
記者
具体的に何をやるのか、イメージが私には受け取りにくくて、コーポレートブランドとは何を指しているのかぜひ教えていただきたいです。
統括官
ブランドイメージを、階層的に3つに分けさせていただいたということでございます。その一番上の階層にコーポレートブランドという形で、企業でいえば、企業の最高位のブランドということですが、そのブランドについて「やまなし」というコーポレートブランドをつけさせていただいたということです。その下のカテゴリーに、ワインとか果樹、水というようなものが、ファミリーブランドとしてありまして、その上に「やまなし」という、ある意味冠をかぶせるというイメージでございます。
知事
一般的にブランドの階層として、個々の製品ベースのもの、それを取り巻くような、例えばワインですとか、水とかジュエリーといった製品群というか、製品の種類があります。それに関するやまなしのブランドイメージというのもあるわけです。そして、さらにそれをまとめるようなもの、山梨県全体にそれをセットするということがまずコーポレートブランドとしての「やまなし」であります。
記者
一般に、コーポレートは企業という意味ですよね。
知事
そういった分類がこの業界で使われているようです。
統括官
一般的なこのブランドピラミッドにおいて、こういう名前で階層的に分けているということで、使わせていただいているということです。
知事
専門用語です。業界用語ともいいます。
記者
つまり、山梨県全体のイメージのことをおっしゃったと考えてよくて、それにひらがなで「やまなし」という名前をつけたということでよろしいですか。
知事
はい。そのコンセプトが「上質」ということです。これを我々のイメージの源泉にして、その下のレベルとして、山梨で言えば、ブドウとか桃といった果樹もあるでしょうし、山梨の水という意味でも上質なもの、上質な果物、あるいはワインであるとか、お酒、飲み物といったものも上質というものを一つの切り口、イメージの方向性として統一しようという取り組みです。
記者
つまり山梨県が、山梨の産品とかサービスなどを県外にPRするときに、「上質な」というのを一つの概念にしていくということでしょうか。
知事
そうです。例えば、「安いです」とかいうのではなくて、「上質です」というものを一つのPRイメージづくりとして、あるいは訴え方の方向性として、統一していきましょうという取り組みです。
記者
例えば、食べ物で言うと、B級グルメの親しみやすさみたいものをアピールするのではなく、その逆で、上質で良いものをという感じになっていくのでしょうか。
知事
B級グルメ自体も上質なものがあると思います。ですので、そこはいろいろ工夫なのでしょう。上質というイメージの土俵と言うか、そこに乗って物事を訴えていくことだと思います。
記者
イメージを統一するということが今回の肝になってくると思いますが、そうすると、従来統一されていなかったのか、あるいは統一するとどういうことがあるのかどうお考えですか。
知事
必ずしもはっきり意識されていなかったのではないかと思います。例えば、施策を一つ考えるときにも、「上質」をキーワードにすると、様々違いが出てくるのではないかと思います。単に値段を下げるための施策よりは、むしろ質を高めていくような施策に重点を置こうとか、目指すべきイメージの方向性から、政策的な影響というのは出てくるだろうと思います。
知事
先月、南アルプス市の高齢者施設におきまして、新型コロナウイルス感染症に係るクラスターが発生したことは、ご承知のとおりであります。感染者は職員入所者含め35名にのぼりました。
施設におきましては、基本的な感染対策がとられていたところですが、入浴介助の場面で、職員がマスクを着用していないことや、職員が体調不良に気づかず勤務してしまったことがあったと伺っている次第であります。
そこで2点あります。
1点目は、マスク用インナーフレームの配布です。入浴介助の際に、大変な暑さあるいは湿気、汗のために、マスクが口に張り付いてしまい呼吸がしづらいということで、やむを得ず外してしまうようなこともあり得ます。他方で、感染防止を徹底するという意味では、やはりマスクの着用をずっとしていただきたいということで、このマスクのインナーフレームを高齢者施設にお配りすることにいたしました。
今週、実際に使ってみていただいて、呼吸が楽になったという評価もいただいておりますので、この評価を踏まえまして、配布をすることといたします。
それから2点目ですが、定期的な検査を実施いたします。高齢者施設におきまして、入所している方が安心して生活できるように、いち早く感染を発見し拡大を防ぐために、入所者のワクチン接種が完了するまでの間、感染が広がっていない地域も含めまして、希望する施設の職員を対象としたPCR検査を実施することといたします。
現状、すでに赤(1週間の新規感染者数が人口1万人あたり2.5人以上)の地域では、その地域内の高齢者施設の職員に対して、週1回検査をすることにしております。今回のポイントは、黄色(1週間の新規感染者数が人口1万人あたり1.5人以上)の地域はもちろんのこと、それ以外の地域に関しても、週1回、ワクチン接種が完了するまでの間は、定期的なPCR検査を希望者に対して行っていくこととし、早期発見へのさらなる体制の整備をしたいと思います。
赤の地域につきましては、もうすでに実施をしておりますが、黄色の地域につきまして来週から始めます。その他の地域に関しましては、準備ができ次第、可及的速やかにこの定期検査を実施して参りたいと思います。
記者
今回は高齢者施設ということですが、障害者施設についてはいかがでしょうか。
知事
それは大変重要な指摘でありますので、早速、前向きに検討いたします。
記者
若干細かいことですが、対象人数は何人ぐらいになりますでしょうか。
課長
入所者の方のワクチン接種が2回済むまでということで、現在、各市町村にそれぞれの施設がどのくらい進んでいるか調査しているところですので、まとまり次第、御説明したいと思います。
記者
最大何人を想定していますか。
課長
約250施設のうち入所系の施設を対象としておりまして、今、レッドゾーンで行っている施設と対象は同じになります。
記者
レッドゾーンというのは、レッドゾーンになったら(検査を)するということですよね。
課長
そうです。
記者
全県でおよそ250施設が対象であるということですね。
課長
はい、そこの職員になります。そして、ワクチン接種が済んでいない施設になります。
記者
施設での高齢者への接種は優先して進んでいると思いますが、いつ頃までの予定ですか。
課長
今のところ7月中旬と伺っておりますが、市町村の進捗状況によって変わってくるかと思っております。
記者
接種は、どこかに来てもらって接種するのでしょうか。それとも、打つ人が巡回するのでしょうか。
課長
その点も市町村、施設によって、どちらの場合もございます。かかりつけ医がその場で接種する場合もあります。ただ、施設では、ほとんどが医師が出向いて接種いたします。
記者
原則、医師が出向いて接種するようなイメージで、全施設週に1回くらいですか。
知事
それはワクチン接種のことですか。PCR検査のことですか。
記者
検査のことです。検査を定期的にやるのですよね。それが250施設ですよね。
課長
はい。
記者
7月中旬のワクチン接種終了までの間は、(検査を)やりますということですよね。
課長
はい。
記者
そのPCR検査はどこでやりますか。
課長
検査は、現在と同じやり方で、唾液等を採取していただいて、それを検査機関に送っていただきます。回収することもあります。検査機関で検査して、検査結果を保健所に伝えるという流れになります。
記者
検体採取するために職員が出向かなくても大丈夫ということですね。
課長
それはございません。
記者
はい。では、後で人数がわかったら教えてください。
課長
はい。(約130施設、約4,700人)
記者
希望した施設に対して(検査する)とおっしゃっていましたが、これまでの赤の地域に対する検査の状況から考えるに、基本的には全施設が検査を希望すると考えているということでよろしいですか。
推進監
これまで赤になった地域についても検査を実施しております。最初に実施したのは南アルプス市でしたが、対象となった施設は全部希望をいただいて検査を実施しました。実は現在、上野原市が赤になっておりますけれども、検査のご案内をしたところ、すでにワクチン2回接種が終わっているところがほとんどということで、案内はしたのですが、そういったご事情から今回は希望しませんというお答えをいただいているところもございます。
知事
先日、静岡県の吉田町立吉田中学校の生徒さんから、大変素敵なプレゼントをいただきました。
これは、先月27日に静岡空港のセレモニーに出席した際に、川勝知事からいただいたものであります。
この缶バッチは、静岡県の吉田町立吉田中学校の2年生の生徒さんが、1年生の美術の時間の際に、静岡県と山梨県のコラボデザイン作品を発信しようという題材で作られた缶バッチです。
吉田中学校の、美術の四ノ宮研一先生の御指導の下、合計12時間を要するカリキュラムであったそうです。両県の魅力は何だろうという問いに対しまして、特産物あるいはご当地名物、名所、文化的な行事などにつきまして考え、生徒同士が知っている情報を出し合って共有し、それを基に、両県の繋がりやそれぞれの魅力を見つけていくというものであります。
元の作品は、A4ほどの丸いサイズの絵と伺っておりますが、出来映えが良かったということで缶バッチにしたとお聞きしております。
吉田中学校では、もともと地元の県にPRしてもらおうと、この缶バッチを静岡県に持っていったところ、川勝知事から直接私に渡しましょうということになり、お預かりをした次第であります。
静岡県吉田町立吉田中学校の生徒さんから山梨県がいただいた、この素敵な贈り物のお返しに、山梨県からも同じように何か気持ちをお返しできないか、
今、県教育委員会と共に知恵を絞っておりますので、しっかり実行に移していきたいと思います。
昨年来、「バイ・ふじのくに」ということで、様々な交流あるいは共同での取り組みを行っております。来週5月26日から、岡島百貨店で、「バイ・ふじのくに静岡の新茶&雑貨フェア」が始まりますが、この吉田中学校の生徒さんの作品の原画を、この岡島百貨店の物産フェアに展示させていただきたいと思います。また、販売員の皆様に、実際にこの缶バッジをつけていただく予定になっております。
改めまして、静岡県の吉田中学校の生徒の皆さん、そして、先生、関係者の皆様、さらには川勝知事におかれましては、このような素敵な気持ちをいただきまして、心から感謝したいと思います。また、このお気持ちに対して、今度は山梨県からもしっかりとお気持ちを返して、それが両県の教育面、文化面はもちろんのこと、様々な心の交流にまで昇華させていきたいと思っております。
記者
静岡県知事選挙が6月3日に告示されますが、現職の川勝知事は、出馬を表明した会見の中で、山梨県との連携を非常に強調されています。知事としては、どちらに知事になって欲しいということはありますでしょうか。
知事
静岡県の知事選挙です。現職の川勝知事さんも、立候補表明されています前国交副大臣の岩井さんも大変立派な方でありますので、そこは静岡県の皆様が御判断されることだろうということで、私が感想を述べるのは差し控えるべきだろうと思います。
記者
どういうお礼をお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
知事
これからいろいろアイデアを出していきたいと思います。この静岡の贈り物があまりも素敵なアイデアなので、これに負けないような、心のこもったアイデアが何かないか考えていきたいと思います。ぜひ、何かいいお知恵があったら、教えていただきたいです。
記者
山梨県のコロナ対策の効果を、台無しにする恐れがあるのが五輪開催による感染爆発が山梨県を含めた全国に広がることではないかと思います。
知事が賛同なさった二階幹事長の五輪中止選択肢発言と違って、菅総理は感染爆発ステージ4でも五輪中止とは言わず、五輪開催の可能性を示唆する国会答弁を10日の予算委員会で行っています。
これに対する受け止めと、何でも五輪を開催するという菅総理の答弁は山梨県民の命を危険にさらす恐れがあるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
知事
オリンピックに関して、もちろん現在の感染状況も踏まえて、その上で開催を考えるということでありますから、当然それに伴ってその感染防止対策も考えられていると思います。私は詳しくないのですが、バブル方式とかいろいろあるようですけども、感染防止対策はきっちりやっていただくのが大前提なのだろうと私は思います。
記者
前提だとしても、二階幹事長は感染爆発のようなひどい状況になった場合は、五輪中止も選択肢だとおっしゃっています。前回の会見でも、知事が丸川大臣の発言を引き合いにして、感染がひどい場合は中止もあり得るという趣旨の御説明をなさいました。
一方で、菅総理は、ステージ4の感染爆発でも五輪開催の可能性を示唆しています。この政府内の食い違いはおかしいのではないかと思われないのでしょうか。
知事
私がどう思うかこの場で申し上げるのは、私の仕事の範囲を超えていると思います。ただ我々としては、感染防止対策はきっちりされるものだと信じています。当然、その感染防止対策の効果はどの程度のものか、これは専門家ではないので判断できませんが、一定程度の感染状況の中でも、そういう感染防止対策は講じられれば問題なかろうということであれば、それが一番良い結論ですが、それにもまして、さらにとんでもない状況で、誰が見ても感染防止対策は講じられたといえるけれども、それを乗り越えてしまうような、すさまじい感染状況であれば、さらなる防止対策を追加的にできないのかどうなのか、様々なことを考えて最終的に結論を出すべき人が出していくことだと思います。
記者
東京都医師会の尾崎会長は、新規感染者が1日100人以下でないと安全な五輪開催は難しいとおっしゃっています。知事も山梨県の医療関係者あるいは専門家から、同じような話を聞いていると思うのですが、五輪開催の基準についてどう思うかということと、五輪の開催によって、山梨県民に感染爆発の影響が及ぶ恐れがあるのは明らかだと思うので、菅総理或いは二階幹事長に申し出や意見交換するお考えはないのでしょうか。
知事
オリンピックが山梨県民に何らかの影響はあるのかもしれませんけども、今おっしゃるようなレベルの影響があるかどうか、しっかりとした事実が重要だと思いますので、そのことは今この場で私がお答えする能力はありません。本当にそうなのかどうか、事実に基づいて判断する必要があろうかと思います。
東京都の医師会長が何を言っているかは、私は全く承知をしておりませんので、それについては答えする能力がないと思います。良いかどうか判断する能力が私にはありません。
東京都の話は、東京都でしっかり御検討いただくべきであって、今おっしゃるように、山梨県の影響はどうなるかは我々の領域ですから、例えばCDC、それから専門の先生方と状況を見ながら、密接に意見交換はしていきたいと思います。
記者
尾崎会長は、政府の水際対策が非常に甘いとおっしゃっていて、選手とコーチはバブル方式で感染防止するとしても、海外のメディア関係者とか、スポンサー関係者は、もう全国各地を飛び回る可能性があるそうです。実際知り合いのフランス人のジャーナリストは、本国から来るフランス人記者は、五輪だけじゃなくて、各地を回って取材する計画になっているという話を聞いています。
甘い水際対策のままであれば、変異株が山梨含めて全国に広がる可能性は十分あると思うのですが、例えば、メディア関係者を県内の取材を規制するなど、県独自で水際対策を何か強化するとか、あるいは政府に申し入れるというお考えはないのでしょうか。
知事
どういう方を受け入れて、何をどこまでというのは、それは国で検討すべき方が検討していると思いますので、その詳細は承知をしていないものですから、それは当てにならないから追加的に我々の考えを申し上げるのは、まだそういう段階ではないと思います。
記者
国は、コロナに感染したオリンピック選手の専用病床の確保を医療機関に求めていくということです。先日、一部の報道でありましたが、それに対する知事のお考えをお聞かせください。
知事
我々に直接のリクエストはありませんが、例えばロードレースの選手、あるいはその関係者で、体調を崩して調べてみたらコロナだったという方があれば、県内の病院もしくは宿泊療養施設でしっかりと受け入れて治療していきたいと思います。その点については、選手の皆さんあるいは関係者の皆さんに御心配をおかけするようなことは、山梨県としてないようにするつもりです。
記者
聖火リレーが約1ヶ月後に迫っています。公道でやらなかったり無観客であったりという判断をしている県もありますが、現状、知事としてはどのような実施方法をお考えですか。
知事
もう少し感染状況を見極めないといけないと思っていますが、やる場合はできる限り公道でやるのがいいのではないかとは思っています。思ってはいますが、そこは感染状況次第です。
危惧しているのは、当たり前の話ですが、聖火リレーは聖火ランナーが走るのがメインイベントだと思いますが、その前後で大規模なスポンサーカーが、例えばノベルティグッズなどを配って、あえて人を寄せてしまうようなやり方はいかがなものかと思います。先日、各県の知事と広島で会合する機会がありましたけども、やはり皆さんそこに対して憤りを表明されて、プライベートの会話ですのでどなたかは申し上げられませんけども、危惧ですとか憤りを表明されておりました。
我々も冒頭申し上げましたが、やる場合は聖火ランナーがリレーすることがメインだと思いますので、あえて他の要素で密の状態を作って、やはり聖火リレーをやるべきでないといった判断を余儀なくされるような事態は、ぜひスポンサーの皆さんには、良識を持った御判断を願いたいと思います。
記者
県民資産創造会議が間もなく発足して、専門委員会ができるということなのですが、その構成メンバーはどのような方になるのでしょうか。
知事
県民資産創造会議は、これからそれぞれのテーマごとにメンバーを選定していきたいと思いますので、現時点では、お答えするところまでは詰まっていないと思います。
ただ、ルールを作ったり、公営企業をどうするのか、あるいは施設をどうするのかという3つのカテゴリーに分かれていますけれども、それ以外に、地域を主題に取り上げた研究会も作るべきだろうと思っています。
そういう意味で、山中湖畔の県有地に関しても、この研究会を作って、どういう方向性を導き出すのか議論したいと考えている次第であります。
つまり、何をしたいかと言うと、我々としては、この県有地訴訟が、住民訴訟とは別に始まっているところでありますけども、ただその訴訟につきましては、その訴訟の結果を尊重することは当たり前の話ですが、それも含めて、我々として0か1の結論はあまり現実的なものではないと思います。やはり100%勝って、100%負けたというところは、最終的にはどうにもならないのであればそうなのかもしれませんけれども、我々としては、この山中湖畔県有地のあり方も含めまして、ウィンウィンの関係を構築していくことが、一番望ましいだろうと考えています。
現状、山梨県としては、例えば、教育で25人の少人数学級をどの段階で学年を進めていくのか、あるいは、今、介護待機ゼロを打ち出しておりますが、これをどういうふうに実現していくのか。いずれも重要な要因は財源でありますが、この財源の確保に関して、県民の皆様からの増税という形を取るのは考えるべきではなかろうと思っています。そういう意味では、県有地も含めた県有資産の高度活用というのが、一つキーワード、切り札になってこようと思っています。
それを実行する上で、富士急行さんも含めて、一緒に投資をして、この県有地の価値を、要は収益力を上げるような取り組みを作ることはできないだろうかと考えています。県も投資するので、借りている富士急行も投資をしてください、そうする中で土地の収益力を高めることができる。高めたところで、伸びた収益力から、この裁判の結果どうなるかいい加減なことを言うつもりはありませんが、何かしら費用を我々がいただくことになる場合は、上がった収益から返していただくようなモデルも考えられると思います。さらに収益力が上がれば、それを上回るプラスというものもできて、これはまさにウィンウィンで、この土地の収益力が上がれば通常は地価が上がるわけです。我々が求めているのは、この地価と連動する形でその賃料も上げさせてくださいというシステムであり、世の中一般的なものだと思いますけども、この一般的な原則、これこそまさにその適正な対価の本質だと思いますが、この土地の収益力イコール土地の地価に連動する賃料、このメカニズムを、今回、裁判を通じて我々は訴えていくこととしております。
それができれば、投資をして土地の収益力が上がります。収益力が上がれば、地価が上がります。地価が上がれば、賃料が上がる。この中で投資の成果を、賃料の増加という形で県民に還元ができます。この還元された行き先というのは、先ほど申し上げましたように教育と介護、この基金に全額投入する。こういうエコシステムというかモデルを、何とかできないだろうかと思っています。
いじめているのではないかと言われていますが、とんでもない話です。そこは現実に即して、お金のいただき方も今申し上げたようなシステムで工夫もできると思いますし、そういう形で全関係者が力を合わせて、この県有地の価値を上げ、その上がった価値で関係者全員がウィンウィンになるシステムを私は目指したいです。
そのために、どういう方向で投資をしていくのかが、肝になってくるわけですけども、この投資の方向性を見いだすための研究会が必要ではないかと思います。これには様々なビジネス界、金融の世界も必要かもしれません。どういう方向性を目指すのか、これをもうしばらく勉強して、大まかな方向性を定めたところで、この研究会を立ち上げたいと思いますし、その研究会には、富士急行株式会社にもしっかりと参加を求めていきたいと考えている次第です。
記者
その研究会に富士急行の参加を求めるということですけれども、先日のネットメディアのインタビューの中で、富士急さんと一緒に山梨に新しい時代を拓いていきますとおっしゃっていますが、この真意をお願いします。
知事
今まさに申し上げたとおりです。この研究会を通じて、どういう方向で山中湖畔県有地の高度活用、高度利用を考えていくか、お互い知恵を出し合おうじゃないですか、その上でそこに向けまして、お互い投資をしようじゃないですか、こういう姿を作りたいと思います。
記者
自民党県連の浅川幹事長に対する処分の手続きが進んでいるようですが、県連の常任顧問の知事としてはどのようにお考えですか。
知事
県連の常任顧問として申し上げますが、ここはもう少ししっかりと話し合いをしていただきたいと思います。まだ、報道レベルでしか聞いていないので、必ずしも十分な情報だと思っておりませんが、何か表彰された時に連れて行くのに声を掛けたとか掛けないとか、それで処分というのはちょっといかがなものだろうかと思います。確かに、お誘いしとけばよかったと私も思いますが、ただ、その行為に対してのその処分の重さは、明らかにその均衡を失っているのではないかと思います。それはただ単に、「次回から気をつけます」で済む話だと思います。
県議会につきましては、会派というのはそれぞれの先生方のお考えがあって分かれることは国会の中でもよくある話で、自民党の中でも幾つもの派閥が乱立して切磋琢磨をしているわけで、これ自体は決して悪いことだとは全く思っておりません。
ただ、県連としては、県議会の会派の問題と、県連の問題はまた別だと思います。会派が分かれていても、県連は団結をすればいいわけでありまして、私としては、ぜひそういう話をしていきたいと思います。分かれるという事は一方的に何か悪いようなことが言われていますけれども、一方であるはずがないわけですので、グループ分かれることは、こっちから見れば別れたのでしょうし、こっちから見ればまた別の見方があるわけですので、そこは感情的な議論というのは今後に向けてよろしくないと思います。
これから国政選挙がいよいよターゲットに入って参りますが、それに向けて、有権者の皆様に何をどう訴えていくのか、どう伝えるのかという大きなステージの話をこれからしないといけないわけでありますので、そこは、良識的な対応をお互いすべきだろうと思います。
記者
先日、弊社が、ニッケイ工業が2年前に不法投棄したポリマー汚泥が富士川の河川内に残っているのではないかということで、一定の科学実験も含めて報道させいただきました。このことに関して、我々は2年前から、河川の中に残っているのではないかということを御指摘申し上げてきたわけですが、知事として、富士川の河川環境に関して、どのように向き合っていくか考えがありましたらお聞かせいただきたい。また、この問題に関して、国が取り組んでいるプラスチック汚染問題であるという認識が知事にあるのかどうかお伺いします。
知事
まず、いろいろお答えする前に、この問題は静岡新聞さんの御努力で、今回調査結果が発表されたわけでありますけれども、県としては、まず、今回の静岡新聞さんが行った調査が事実であるとすれば、大変由々しき事態だろうとは思っております。ただ、我々としては、その責任ある行動を取っていく必要があるのは間違いないのですが、そのためには、まず事実の確認が出発点になろうかと思っております。
静岡新聞さんの調査結果もぜひ勉強させていただいて、それを我々として専門的な観点から分析したいと思っています。さらにはニッケイ工業側にも、しっかりと報告をいただかなければならないと思います。
そういうものを突き合わせて、雨畑川に不法投棄された汚泥が流れ流れて富士川に堆積しているということの因果関係は、やはり科学的に把握をしなければならないと思います。因果関係に関しては、しっかりと議論をしなければ、関係者が多いので、科学的な議論、厳密な議論が重要なことだろうと思います。
様々な手法があると思いますが、万が一因果関係があったという判断がされる場合は、これはしっかりと責任を追及する必要があろうと思います。あくまでも因果関係があった場合ですが、原状回復に向けて、元の自然を取り戻すために何をどのようにしていくのかについて、しっかりと議論をする必要があろうと思います。
今回、静岡新聞さんが、長年の取り組みの中で調査結果を公表していただいたわけですので、ぜひ私ども山梨県にも共有させていただいて、それをもとに、我々は我々の立場から、もう1回しっかりとその内容についても、科学的な分析、実地的な分析をしていかなければならないと思います。
記者
もう2年も経っているという状況がありまして、私どもは当初から指摘してきました。因果関係の話は当初からあり、山梨県として、ここでの因果関係というのは不法投棄の泥が富士川の中にあるかどうかということだと思うのですけれども。
知事
そこの事実をしっかりと厳密に言わない限り、我々の立場から根拠薄弱なまま、静岡新聞さんの調査が根拠薄弱と言っているわけではないけれども、そこは法的な問題も多分に発生するので、その検証なきままに、一方的に何か言うことは、責任ある行政の立場からはできません。
記者
その因果関係を調べる努力を2年間これまでどれくらいやってきたのかということと、知事の手元には届いてないかもしれませんけども、おそらく、担当されているところには、どういった凝集剤を1日どれくらい使っていて、どのくらい流出したのかという試算があるはずです。それに対して、どれくらい回収したのかということを見れば、河川内にあるということは、このような科学調査を新聞社がやらなくても、自ずと分かると思うのですが。
知事
そもそもそこに貯まっているものについて、原因がどこかまだはっきりと決めつけられたわけではないわけなので、そこで決めつけたような議論をすることは我々の立場からはできません。しっかりと科学的に検証し、事実を確定した上で、初めてそういうことが言えるわけであって、新聞社がそういうことをおっしゃるのはもちろん一つの役目だと思いますが、我々は河川環境に関しまして常に気を使っていますけれども、我々としては、この話に関して、雨畑で不法投棄されたものが、本当に原因なのだろうか、別のところから流れている可能性一つもないのだろうか、すべてのものを厳密に調査しなければ話にならないわけです。もし、万が一、今ご指摘いただいている不法投棄以外のところが流れてきたりしているということであるとしたら、我々民間主体に対して多大な問題を起こすわけです。やはり責任ある行政というものは、まずしっかりと事実を確定して、そこからでなければ物を言えないということは御理解いただきたいし、その事実を確定するための作業はこれから始めるというのは先ほど申し上げたとおりです。
記者
どの程度の調査をなさる予定でしょうか。
知事
今後検討します。しかし、何かしら行う場合は、現在、山梨県は別の裁判を抱えていますけれども、裁判では、主張立証するに耐えうるかなり高度な調査をしなければ、世の中には通らないわけでありまして、そこは申し訳ないのですが、報道と実際に権力の行使をせざるをえない行政の慎重さには段階があることはご理解いただきたいと思います。
記者
今日の静岡新聞でも書いているのですが、このアクリルアミドというものが、紫外線によって分解されて人に危害が及ぶ恐れがあるということが指摘されています。そうすると、蓋然性がかなり高まっている状況の中で、これから方法を見つけて対処なさるということになると、そういった公害による被害が広がる恐れがあります。そういう人体の影響とか、緊急的な事態であるというご認識は知事の中にあるのでしょうか。
知事
ですので、急いでしっかり議論をするということだろうと思います。人体に影響があるかどうかもしっかり検証する必要があると我々思っていますし、ないとはもちろん言わないですけども、そこはいずれにしてもしっかりとした議論を行政として行っていく上では、根拠に基づかなければ権力は行使できません。これは、本件に限らず我々一貫した考えです。ただ、静岡新聞さんが、重要なきっかけを、御提供いただいたことについては深く感謝を申し上げます。
記者
いずれかの時点で、どういうことを具体的にいつまでやれるかということは、我々も知ることができるということでしょうか。
知事
それを含めて今後話をします。そもそも見てない新聞について、我々は答えようがないわけで、ちょっと質問の仕方としては性急じゃないかなと思います。
我々は、決して目を背けたり、そんなことは知らないと言っているわけではなくて、今申し上げましたように、静岡新聞さんの調査は重要なきっかけをいただいたということで、しかも、それが深刻な問題になる恐れがあるものだとすれば、我々としては真剣に、スピード感を持って取り組む必要があります。
ただ、それを具体的にこの段階でいつまでに出してくれますかというのはちょっと酷じゃないでしょうか。
記者
知事の問題ではないのかもしれません。もしかしたら、この問題に関して当局の担当の方が分かっていたのかもしれません。もう2年も経っているわけですから、迅速にというお言葉をいただきましたけども、もう少し急いでいただきたいと申し上げたいと思います。
知事
それはご意見として承ります。
記者
富士川の環境について、別のことをお伺いします。富士川の上流の早川で取水している、これも日軽金ですが、波木井発電所の水利権の許可が、1年前の2月頃に切れ、1年以上経過しております。
地元の自治体が川の流量の増加を望み、県もそれを受けて、国に対して、維持河川量の増量がなされるよう配慮されたいと意見を出したと聞いています。
どのぐらいの増量を望んでいて、それは何故なのかお伺いします。
知事
昔のような姿を戻したいというのは多くの皆さんに共通する話で、水量についてもそうなのだろうと思います。やはり、豊かな水をたたえた川に近い方が(いいと思いますので)、いろんな権利はあるとは思いますが、我々としてはなるべく近づけていただきたいと思います。
それに伴って、水利権の性質として更新性があり、水利権は一定期間で更新されますけども、その趣旨を踏まえれば、やはり時代に即した対応を国に求めたいと思います。それがどれぐらいかというのは、また専門家の判断になりますが、方向性としてはそういうことです。
記者
1年間許可が更新されないというのは異例の事態だと、国に取材をしたら、国もそう言っていました。このことに関して、山梨県と国の間で協議は行われていますでしょうか。
課長
水利権の許可は国の許可になっていまして、県の方から出した要望につきましても、国で調整する予定になっておりますので、それを見ながら、県として対処していこうと思っております。
記者
日軽金の問題に関連して、国交副大臣だった岩井茂樹さんが何か具体的な取り組みしたのでしょうか。2年前に国交省にも申し入れされて、危機感は国交省に伝わったとコメントされていますが、国交省の動き及び岩井茂樹前副大臣の具体的な動きがあったかどうかについてお伺いします。
知事
何らかおっしゃっているとは思いますが、具体的なことは、私の手元に情報がないという理由で、今、お答えする能力がありません。
記者
特に印象残っている岩井副大臣の取り組み、言動は記憶にないということでよろしいでしょうか。
知事
今、手元に情報がないので調べます。
知事
繰り返しますが、我々は川について、決して横を向いたりとかそういうものではなくて、何度も繰り返しなって恐縮ですが、行政として権力を行使する上では、やはりしっかりとした調査を我々がしなければならない。いろいろ調べて事実を確認し、その上で対応をお伝えしなければならない。ここをぜひ御理解いただきたいと思います。
静岡新聞さんは、この問題に対して大変力を入れておられて調査をして、我々もしっかりそれに対して向き合おうというのは一貫した姿勢ですし、きれいな川を取り戻したいというのは、今申し上げたとおりであります。まして、それが人体に影響を及ぼし得るのだとすれば、やはりこの問題は決して放置は許されないし、放置するつもりはないということで、これから、しっかりとした分析、事実の確認、そういう行政としてのあるべき行動をとっていきたいと思いますので、遅いと言われればそうなのかもしれませんけれども、しっかり我々も対応していきたいと思います。
記者
せっかくお言葉をいただきましたので。ありがとうございます。本当にぜひ、お願いさせていただきたいと思いますし、具体的に泥の分析などをされると今受けとめております。
知事
ぜひ静岡新聞さんには調査結果を我々にも提供していただければと思います。しっかりと学んでやることも重要なことだろうと思いますので、そこはぜひお願いいたします。
記者
ご担当の方からお問い合わせいただければ、そういったものを出せると思います。
知事
ぜひお願いします。
記者
なぜ分析したのかということですけれども、ずっと我々は言っていて、例えば峡南林務事務所の課長とか、前の環境整備課の課長などに申し上げていましたが、静岡新聞が分析して出せば、我々は動くという話をずっとされていましたので、我々として分析しました。分析に動いてくださったということはありがたいのですが、ぜひ期待していますということしか言えないです。
知事
この分析結果をしっかり勉強させていただいて、我々としてとるべきスタンスをできるだけ早く決めていきたいと思います。
記者
ぜひ書類から見ていただきたいと思います。分析の前に。
記者
先日、県内27自治体が、高齢者のワクチン接種を7月末までで完了できるという見通しを回答しました。これについての知事の受けとめと、一方で医師の調整などが課題になってくるかと思いますが、県の支援はどのように考えていらっしゃいますか。
知事
各地区医師会の会長さんに直接お目にかかって、様々なお願いやお話をさせていただきました。
ほぼ例外なく、各地区医師会の先生方は、ワクチン接種に対して極めて高い士気を持って臨まれるという大変強い印象を受けました。「知事は人材が不足しているという話をされるが、何を言っているのか。そんなこと言っている前にまずワクチンを持って来い。ワクチンを持ってくれば俺達は打ちきるぞ。」というお話をしてくださるようなところもあり、本当に各地区の医師会の先生方は、一日、あるいは一刻も早いワクチンの接種に思いを持ってくださっておられます。
我々がやるべきことは、環境整備に尽きると思います。ワクチンの確保については、これは当然に、引き続き国に対して予定どおり行ってもらうよう働きかけをしていくということがまず一番重要であります。また、突発的な事態や都合などで、接種体制に穴があくような場合は、それを何とか埋めるようなことを考えられないかということも今議論しているところです。
ここは本当に県を挙げて、総力戦で一刻も早くワクチンの接種を行っていくことで最大限尽くしていきたいと思います。
あとは、現場で起きた様々な問題はすぐに教えてください、そのことに対して、我々はすぐに色々考えて実行に移しますという話はしております。
記者
接種体制の穴を埋めるというのは、具体的にどういったことですか。
知事
例えば、予定されていたドクター等が、急遽何らかの都合で会場に行けなくなってしまうと、接種体制に穴があくわけです。このような状況において、県が医療資源を持っていれば直接応援部隊を出す、あるいはその応援部隊を出すように関係機関と調整をするなど、予約を入れて予定された方が全員打ち切れるような体制を研究していきたいと思います。
記者
国において、薬剤師のワクチン接種についても今議論が進んでいますが、それに対して、お考えをお聞かせいただけますか。
知事
もちろん、打ち手は多い方が安定性の確保という意味で重要だと思いますので、国の議論を見守って、ゴーサインが出るようであれば、改めて県内の薬剤師の先生方に御相談したいと思います。
以上