トップ > 組織案内 > 知事政策局 > 広聴広報グループ > 新型コロナウイルス感染症に関する知事からのメッセージ > 知事からのメッセージ(令和2年5月9日土曜日)
ページID:95283更新日:2020年6月18日
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○「「超感染症社会(やまなしグリーン・ゾーン構想)」と感染防止のための基準策定について」
山梨県は本日9日、施設における感染拡大予防ガイドライン作成に必要となります作成基準を策定致しました。これに伴い、緊急事態措置についても改訂したところでございます。
基準の詳細及び措置の内容につきましては、後ほど、担当者から詳細を御報告申し上げます。これに先立ちまして、山梨のみならず日本全体が感染症と向き合っていくべき時代を見据えた、山梨独自の「超感染症社会」への移行戦略、これを「やまなしグリーン・ゾーン構想」と呼ぶことに致しますが、これにつきまして御説明申し上げます。
2019年2月の知事就任後、初めて感染症対応を意識致しましたのは昨年に遡ります。中国国内におきましてペストが発生したとの一報を踏まえまして、本県は中国からの来県客に大きく依存する県でございますので、公衆衛生、経済対策の両面における、先手対応での感染症対策の必要性を強く意識致しました。
その段階で大変驚いた事態ではありますが、本県における医療体制の精査を行いましたところ、山梨県におきましては、これまで感染症対策として求められるべき受入環境や医療設備、更には、無きに等しかったマスク等の医療資材の備蓄など、およそ今回のような非常時に対応できる状態ではないまま推移してきておりまして、まさにゼロからのスタートを余儀なくされたところでございます。
「先手対応」「事前主義」の方針を打ち出した背景には、このような県内の状況があった次第です。とにかく新型コロナウイルス感染症の県内患者が発生する前にということで、県庁職員一丸となりまして、不眠不休でゼロベースからの体制構築に邁進致しまして、限りある予算を最大限投入してきたところでございます。
山梨大学や県立中央病院をはじめ、県下医療機関や医療従事者の皆様までが、まさに徒手空拳で、本日に至る山梨県としての感染症対応の現場をゼロから前進させてくださいました。この場をお借り致しまして、これまでの関係者の努力に感謝と敬意を申し上げます。
関係各位や県民の皆様の御努力、そして御理解の結果と致しまして、本県における新型コロナウイルス対応は、患者発生時の受け入れ病床の確保から重症化対応まで、感染制御が強く効いている状況にあると認識しております。
さらには本日までに、人口比では日本において最高水準のPCR検査実績を実現しております。山梨県におきましては重症化を未然に防ぐ「感染制御100%」を目指し、早期発見と早期治療を基本原則とする医療体制の整備・拡充を現在も推進しているところです。昨日からは、山梨大学によるドライブスルー方式の検査も始まり、山梨県が感染症対策先進県となるべくさらに前進致しました。
保健所における相談目安も、いち早く国の基準より緩和しております。より相談しやすく、検査が受けやすい環境にもなっております。PCR検査の対応能力はさらに継続的に増強させるとともに、抗体検査等との併用も視野に入れまして、「感染制御100%」に向けて、隙のない初動医療を推進する決意です。
他方で、日本全体を襲った災害級の感染拡大によって、本県における生活や経済は大きな打撃を受けております。
こうした状況下にあっても、感染拡大防止と十二分な医療体制の確立を進めると同時に、収束した後の山梨の将来において地域社会が向かうべき方向性を検討して参りました。戦後社会を振り返りますと、60年代にかけてのエネルギー革命、そして70年代における二度のオイルショック、それにより社会の構造は大分変わったわけでありますが、今回の「コロナ・ショック」もこれと同様の大きな社会構造の転換をもたらしうると認識をしております。
現時点では、なお収束が見えない段階ではありますが、我々はさらなる感染拡大の抑え込みを目指すと同時に、その先に、かつてをしのぐ跳躍を果たすため、不安と混乱の最中においても県庁内の全部署をあげ、対策の構築に注力をして参りました。
感染症の拡大をいかに終わらせるか。もちろん、それも大変重要なことでありますが、それにも増して、生活を先へと前進させ、社会全体が退くことのない前進を果たせる環境をどのようにして創り出すことができるのか。そこに責任を持つことこそ、県民の皆様の生命はもちろん、豊かさを追及する知事としての務めでもあります。
本日お示ししますガイドライン作成のための基準は、決して感染拡大を収束させるための応急措置ではなく、また、当座の状況からとりあえず抜け出すための、いわゆる「出口戦略」でもありません。
今後将来において、未知の感染症に再び見舞われたとしても、生活と経済の両輪を止めることなく前進させ続けるための、今後の山梨が目指す「超感染症社会」への移行に向けた「やまなしグリーン・ゾーン構想」をスタートさせる、これがこのガイドライン作りの意義と位置付けております。
今後想定される新型コロナウイルス感染症の第2波、第3波、更には将来にわたる未知の感染症への対応、これを余儀なくされる日がきても、県民の皆様の生命と経済を両立しうる新しい社会へ移行を進めていかなければならないと思います。
これが、まさに超感染症社会への移行戦略たる、「やまなしグリーン・ゾーン構想」に込めた私の思いでございます。
今回策定したガイドラインの作成基準につきましては、県におきまして、今月5日に緊急事態措置を発出するに当たり、措置の期間中であっても、各業界や施設などが、それぞれにおいて感染症拡大予防ガイドラインを作成していただき、これに適合する事業環境を設定していただいた場合には、休業の協力要請の対象であっても措置を個別解除し、営業再開できる方針をお示ししたところであります。今回策定しました基準は、その遵守していただくべき「最低限の条件」となるものです。
各事業者の皆様、あるいは業界団体におかれましては、今回の基準を踏まえたガイドラインを策定していただければ、県による確認作業を経たうえで、個別にガイドラインに基づく営業が再開できることになります。
ガイドラインの活用に当たりましては、感染症対応の行き届いた事業者として、コロナ感染症収束後に、販売促進や観光振興を後押しする県の各種施策とも連動できる形を視野に入れています。
また、国による緊急事態宣言が解除された後も、ガイドラインを策定された団体や事業者の皆様が、このガイドラインを将来的な社会・経済活動に生かせるように、活用策を順次拡大して参りたいと考えております。
県と致しましては、感染制御が効いた状況での社会・経済活動の早期復興を後押しするため、今後、このガイドラインの遵守に必要な設備更新や改修のための積極的な助成制度を検討して参りたいと思います。
山梨県はこの「やまなしグリーン・ゾーン構想」によりまして、今後において新型コロナウイルスと類似の感染症に見舞われた場合にも、社会・経済活動が停止や停滞することのない、「超感染症社会」へと前進・進化していくこととなります。
○「雇用調整助成金の利用のための事業者への支援について」
国では、新型コロナウイルス感染症により、事業縮小を余儀なくされた事業者が従業員に支払う休業手当に対して、雇用調整助成金を支給していますが、非常に多くの事業者からの相談や申請が集中していると聞いております。県と致しましても、雇用を維持していただくために、関係団体と連携して、事業主の皆様が円滑に受給申請できるよう、支援策を検討して参ります。近日中に詳細を発表したいと思います。