トップ > 組織案内 > 知事政策局 > 広聴広報グループ > 新型コロナウイルス感染症に関する知事からのメッセージ > 知事からのメッセージ(令和4年7月8日金曜日)
ページID:105276更新日:2022年7月12日
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はじめに、本県の感染状況につきまして申し上げますと、昨日7日公表分の新規感染者数は214名でありまして、およそ3ヶ月ぶりに200人を超える水準となりました。
また、前週から3.6倍にのぼり、感染拡大傾向が顕著となっております。
全国的にも感染が急拡大しておりまして、まさに第7波の様相を呈しております。
これは、感染力の強いオミクロン株の亜系統BA.5への置き換わりが進んでいることが主な要因と考えられます。
このBA.5でありますが、WHOによりますと、重症化リスクは既存のオミクロン株と同程度とされます。また、欧州疾病予防管理センターによりますと、BA.2と比べて感染力が強いことが指摘されています。
他方におきまして、直近の報道によりますと、東大などの研究チームでは感染力だけではなく、病原性も高い可能性があるとの見方を示しており、感染拡大と重症化リスクの両面から警戒をしなければならないと思います。
山梨県におきましても、今月4日から開始いたしました変異スクリーニングにおいて、BA.5系統の疑い例が相当程度出ております。今後の感染急拡大を厳重に警戒すべき局面にあると考えます。
他方におきまして、病床使用率は、依然として50%を大きく下回る水準で推移をしております。
以上の状況を踏まえまして、第7波を乗り越えるうえでの、本県の方針につきましてご説明を申し上げます。
ご案内のとおり、本県は2020年のコロナ禍発生当初から一貫して、生命と生活をともに守り抜くことを主眼に、医療提供体制などの構築を進めて参りました。
この結果、現状におきましては、「必要なときに必要な医療を提供する」ことができる状態を確立しており、更に引き続き不断の改善に注力をしているところであります。
県民の皆様におかれましては、本県においては、過度に萎縮することなく日常生活を送ることができる対策が講じられていることを、ぜひ改めてご理解を賜りたくお願い申し上げます。
他方におきまして、ウイルスによる感染は、人間同士が社会生活を営むうえで完全に排除することはできません。そして、感染拡大が発生することで不安が募るということは、極めて自然なことではあります。
しかしながら、私たちは、日常と生活の歩みを止めることなく、感染拡大の抑え込みを成し遂げるべく、感染の波が立ち上がる初期、今まさにこの時期、この時におきまして、皆様とともに、基本的な感染防止対策の重要性を改めて確認し合いたいと思います。
そこで先ほど、関係団体の皆様に対しましては、感染防止対策の徹底をお願いする通知を出したところであります。
以下、県民・事業者の皆様にも、3点のお願いを申し上げます。
1点目は、基本的な感染防止対策の徹底です。
県民の皆様におかれましては、生活の場面に応じた適切な不織布マスクの着用、手洗いや手指消毒などの感染防止対策を改めて徹底していただきますよう、お願い申し上げます。
特に最近は、室内の冷房効率を高めるために、換気が不十分となりがちとなっております。このことが感染拡大をもたらしているという指摘もある次第であります。
大変厳しい暑さの中ではありますが、身近な感染リスクを取り除くため、是非とも、換気の徹底には十分留意していただきたいと思います。
2点目は、グリーン・ゾーン認証施設についてです。
外食をされる場合には、感染防止対策がしっかりとられたグリーン・ゾーン認証施設のご利用をお願い申し上げます。
また、認証施設の事業者の皆様には、認証基準に沿った感染防止対策が現場においてしっかり徹底されているかどうか、改めて点検・確認をお願いいたします。
特に、パーテーション、その他若干徹底が十分でない場面もありますが、今このタイミングですので、ぜひ、この状況を乗り越えるまでは、再度徹底をしていただきたいと思います。
3点目は、ワクチン接種についてです。
まだ3回目のワクチン接種を済ませていない方につきましては、早期の接種を是非ともお願い申し上げます。
特に小さいお子さんを持つご家庭の皆様には、お子さんを守るためにも、是非とも接種をしていただきたく思います。また、これから夏休みを前に、県外に帰省される学生・生徒の皆様にも、積極的な接種をお願いしたいと思います。
なお、市町村におかれましては、高齢者・障害者施設の入所者へのワクチン接種を優先的に取り扱っていただき、4回目の接種を加速していただきますよう、重ねてお願いを申し上げます。
県といたしましても、協力医療機関の確保が難しい施設をカバーするための巡回接種チームを組織し、準備が整い次第、各施設に派遣して入所者への接種を行って参る所存であります。
最後に、医療提供体制について申し上げます。
現在の患者受入体制は、重点医療機関への入院、宿泊療養施設、ホームケアを合わせまして、1日当たり最大約3,800人が可能となっております。
これは、第6波における最大療養者数であります2,858人の1.3倍に相当する値でありまして、BA.5が従来オミクロン株の感染力の1.3倍と言われておりますので、決して余力が十分ある状況とは考えておりません。
従いまして、ホームケアの受入能力の向上を図ることといたしまして、今夜専門家会議を開催し、具体的な対応策をご議論いただきます。
具体的な対応策といたしましては、協力医1人当たりの受け持ち患者数の増加策、そして、現在、開業医を中心に協力医を募っているところですが、これを病院勤務医へも拡充していくこと、などにつきまして、県医師会の先生方や病院関係者との検討に着手をして参りたいと考えます。
合わせまして、現在一部休止をしております宿泊療養施設につきましても、再稼働に要する期間を勘案し、機動的な対応をとって参ります。
ただし、先ほど述べましたとおり、BA.5は感染力だけではなく、病原性も高いといった見解もあるため、患者の容態を慎重に見極めながら、重点医療機関の病床などにつきましても、必要に応じ、専門家の意見を踏まえ、拡充を検討して参ります。
また、高齢者の居住の場として定着しておりますサービス付き高齢者向け住宅や、認知症グループホームなどは、医療との結びつきが弱い施設もあり、こうした施設に対しましては、地域の医療機関との結びつきを促進していく手法につきましても、検討を進めて参ります。
感染拡大時の医療提供体制、いずれにしても万全を期して参りたいと思います。
最後に、県民の皆様の日常を回復し、経済を順調に回し続けるために、今が極めて大事な局面であると、重ねて申し上げたいと思います。
来たるべき感染の波を極力小さく押さえ込むべく、県民の皆様のお力添えを是非ともお願い申し上げます。
これから先のウィズコロナ時代と向き合ううえで、今回の第7波は、本県においては、コロナ禍を「不安があっても安心が勝る」大きな節目にするべきであると考えています。
是非とも、全ての県民の皆様のご理解、そしてお力添えを何卒よろしくお願い申し上げます。