トップ > 組織案内 > 知事政策局 > 広聴広報グループ > 新型コロナウイルス感染症に関する知事からのメッセージ > 知事からのメッセージ(令和4年8月10日水曜日)
ページID:105683更新日:2022年8月17日
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先ほど、新型コロナウイルス感染症関係総合対策本部会議を開き、臨時特別協力要請の発出を決定いたしました。
今回の協力要請ですが、県民の皆様に、「あらかじめの備え」と「症状に応じた適切な手段の選択」をお願いすること、また、高齢者施設や障害者施設、児童福祉施設におけるクラスター防止対策のお願いをすること、これら2本を柱としております。
以下、その背景とともに、考え方と内容をご説明申し上げます。
まず、本県の感染状況についてですが、今月3日から昨日までの1週間の新規感染者数は、8573人と過去最多を更新し、依然として感染が急拡大している状況であります。
また本日10日公表の新規感染者数ですが1569名となっており、これは過去2番目に多い数字となっております。
入院患者数も増加を続け、病床使用率は58%に達しており、重大な危機感を持って臨むべき事態と受けとめております。
本県の限りある医療資源のもと、今この瞬間におきましても感染症対応に携わる医療従事者の方々は、県民の皆様の命を守るべく、すでに限界を超えた状況のもとで奮闘をしておられます。
今こそまさに全県を挙げて、医療提供体制を堅持するための取り組みを行うことが求められているゆえんであります。
私は、山梨県知事といたしまして、必要とする人に必要な医療を届け、県民の命を守るべく、いかなる状況に対しましても、知恵の限りを尽くし、最適対応に最大限の力を注いで参ります。
これまでの体制や運用を絶対視することなく、あらゆる課題に正面から向き合い、療養されている方の声や現場の意見を踏まえ、不断に改善をして参る所存であります。
一方において、県民の皆様におかれましても、何卒、本県が置かれた状況にご理解を賜り、ぜひとも力を合わせてこの第7波を乗り切るべく、あらかじめの備えと、感染が疑われる場合にご自身にとって的確な療養のために何をすべきか、すべきことは何かの再確認をぜひともお願いしたいと存じます。
そこで初めに、県民の皆様に特にご留意いただきたいことを申し述べ、そのあと、皆様をお支えする県の具体的な対策につきましてご説明申し上げます。
まず申し上げますのは、命を守ることを最優先として、限られた医療資源を、重症化リスクの高い方々へ集中投入する必要があるということであります。
その上で、県民の皆様には、医療資源の利用につきまして、優先度の高い方に、譲れるところは譲り合うというお気持ちを持って、あらかじめの備えと、そして症状に応じた適切な手段の選択の、この2点をお願いしたいと存じます。
まず、あらかじめの備えに関してですが、県内では今、いつどこで、新型コロナウイルス感染症にかかってもおかしくない状況にあります。多くの場合は軽症以下にとどまりますが、一時的に発熱や咳などに悩まされることもあろうかと存じます。
もちろん、医療機関から処方薬を出してもらうことも可能ではありますが、症状がある中で、混み合う発熱外来で薬を処方されるまで長時間待つことは、ご本人にとりましても相当な負担になろうかと思います。
そこでまだ新型コロナウイルスに幸いにかかっておられない皆様におかれましても是非とも自分事として、感染後のこと、感染してしまった場合のことを考えていただき、急な発熱などの辛さを和らげてくれる市販の解熱薬や咳止めの備えをしていただきたいと存じます。
また、事前の備えの最たるものは、何よりもワクチン接種であります。
本県の70歳以上の入院率を調査しましたところ、4回接種を終えている方は、3回接種の場合に比べまして、重症化リスクが半分程度、2回接種の方までと比べると、9分の1程度に抑えられている、こういう結果が判明しております。
接種が可能な方は、できる限り早期に接種を終えていただきますよう改めてお願いを申し上げます。
なお、県といたしましても皆様に接種を受けていただきやすい環境づくりをさらに進めて参ります。
この点に関しましては後程改めまして具体的にご説明申し上げます。
次に、実際にコロナにかかってしまった場合や、罹患が疑われる場合は、ご自身の症状に応じた適切な手段を選んでいただきたいと思います。
県といたしましても、県民の皆様の選択肢を広げるための新たな対策を講じて参ります。
まずその一つが、健康フォローアップセンターの設置であります。
冒頭申し上げましたとおり、かつてない規模で感染が拡大しており、一部の発熱外来では診察まで長時間待たなければならなかったり、或いは受診の予約が取りにくいという状況が生じております。
こうした状況を踏まえまして、コロナへの罹患を疑う方が、速やかに検査を受け、健康観察を受けることができるよう、発熱外来での受診に代えて、抗原定性検査キットを配布し、自ら検査をしていただいた結果をもとに、陽性者の登録、健康観察などを行う「健康フォローアップセンター」を設置することといたしました。
現時点までの検討では、20代から40代の重症化リスクが低い方で、症状が出ている方や、濃厚接触者の方を対象として、インターネットによりまして検査キットを申し込み、セルフ検査の結果が陽性となった場合には、インターネット上で検査キットの陽性を確認する仕組みを想定しております。
今月下旬の開設を目指して準備を進めておりますので、20代から40代の方は、是非とも積極的に活用していただきますようお願いをいたします。
二つ目は、受診・相談センターの強化であります。
県では現在、県民の皆様の不安の軽減や受診が必要な方々に対しまして、医療機関の案内を24時間対応で行う「受診・相談センター」を設置しております。
しかしながら、感染が急拡大した先月中旬以降、相談件数が増え、時間帯によっては電話が繋がりにくい状況が生じておりますことから、昨日からこれまでの6回線を12回線に倍増をして対応をしております。
また、夜間に急な発熱があり相談された方が、解熱剤の購入を希望するような場合には、夜間まで営業しているドラッグストアをご案内する対応も始めたところであります。
是非とも、処方を求めて救急車を呼ぶような対応は、どうか控えていただきたいと思います。
なお、深夜に、ご自身で解熱剤などをどうしても買いに行けない方々に対しましては、ご自宅へ配送できる仕組みの構築に向けまして、現在、関係機関と協議を進めております。話がまとまり次第ご報告したいと思います。
次に、高齢者施設、障害者施設、児童福祉施設における、クラスター防止対策の強化についてであります。
これらの施設を管理運営される事業者の皆様におかれましては、先般、県が創設いたしました、機器の導入に対する助成制度を活用し、エアロゾル感染を防ぐための効果的な換気対策を進めていただきたいと思います。
このほか、医療提供体制の強化につきまして進展があったものについてご報告をいたします。
まず、ホームケアの協力医といたしまして、先般、山梨赤十字病院から15名、甲州リハビリテーション病院から5名、大月市立中央病院から3名、上野原市立病院から2名、城東病院、甲府共立病院、三枝病院、富士川病院からは各1名の合計29名の病院勤務医の先生方にご登録をいただきました。
これによりまして現在、病院勤務の先生方の登録は46名となりました。
大変有り難く、心から感謝を申し上げる次第であります。
このほかにも協力医登録を前向きにご検討いただいている病院があると伺っております。感染拡大に早急に対応していくため、1人でも多くの病院勤務医の先生方に登録をしていただきますよう、この場をお借りいたしましてお願い申し上げます。
次に、ワクチン接種体制の強化についてです。
すでにご案内のとおり、今月に入り、県内3ヶ所で予約不要の大規模接種センターを延べ26日間設置しております。
しかしながら、日頃のお仕事或いは学業などで忙しく過ごされ、まだ3回目のワクチン接種を終えることができずにいらっしゃる方々も多いことと思います。
このため、お盆や夏休み期間中のお出かけ帰りでも、気軽に接種をしていただきますよう、大規模接種センターに夜間の接種時間帯を設けることといたしました。
明日11日の木曜日から14日の日曜日までの間、イオンモール甲府昭和会場におきまして、昼間の接種時間帯に加えて18時50分から20時20分までの間、接種時間帯を設けることといたします。
またこれ以降の日々につきましても、8月は毎週金曜日、土曜日、日曜日に夜の接種時間帯を設けることといたします。
この夜の接種時間帯では、第1回目の接種から第4回目の接種まですべての方々を受け入れますので、まだ接種を済ませていない方は、是非ともこの機会を活用していただき、できる限り早く接種をしていただきますよう、重ねてお願いを申し上げます。
最後に、臨時特別協力要請のもとでの日常の過ごし方につきまして、私の考えを申し述べたいと思います。
県民の皆様におかれましては、感染が急拡大する今の状況に対しまして、日々大変な不安を感じられているのではないかと憂慮をしております。
この度の臨時特別協力要請は、決して県民の皆様の日常生活を制限し、不便を強いることを目的とするものではありません。
感染の恐れが身近に迫る中、まずはかからないためにどうすべきか。そして、もし万が一、かかってしまったらどうすべきなのか。という、県民の皆様が最も心配し、そして実践をされてきたことを、県としても、さらに後押しをしようとするものであります。
もちろん、県民の皆様に一方的にお願いするばかりではなく、県としても、申し上げてきたような各種の支援策を用意し、皆様の適切な行動選択が可能となるように、最大限の配慮をして参る所存であります。
是非とも皆様には、今回の臨時特別協力要請を、ご自身の行動や、或いは意識を移す「鏡」として使っていただき、また、県が用意する支援策も十分にご活用いただきたいと思います。
そして、「今すべきことは何か」という積極的な心構えを再確認していただきながら、日常をお過ごしくださいますようお願いをしたいと思います。
山梨県は、医療提供体制の確保に加えまして、お1人お1人の症状に最も適した療養環境を確保すべく、療養提供体制の強化策に取り組んで参ります。
なお、合わせて申し述べます。
私の予定をしておりました米国渡航に関しましては、中止することといたします。本日の出発を予定しておりましたが、県内の感染状況が過去最悪ともいえる水準にありますことから、不測の事態に備え、対応に万全を期する観点から、誠に残念なことではありますが、取り止めといたします。
なお、私の代理といたしまして、斎藤由美知事政策補佐官を派遣することとし、ホストでありますアイオワ州の関係者の皆様には、私の意のあるところを十分に伝え、今後の友好関係の継続に支障なきよう、万全を期したいと考えております。
最後に、繰り返しとなりますが、今山梨県は未曾有の感染急拡大に直面をしております。
何としても、大切な命を守り抜く、この決意を是非とも県民の皆様とともに共有をし、そして力を合わせてこの急場を乗り切って参りたいと思います。
是非とも、皆様のより一層のご理解、ご協力を賜りますよう、何卒お願いを申し上げる次第であります。