ページID:105624更新日:2022年8月10日

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知事からのメッセージ(令和4年8月3日水曜日)

メッセージ

まず本県の感染状況について申し上げます。

先月の新規感染者数は15,771名と、1か月当たりの感染は過去最多を更新いたしました。この数は、これまで最多でありました本年2月の2倍以上となっております。

また、昨日の公表後、本日11時時点までに判明している新規感染者数ですが、既に1,400名を超えており、過去最多を更新する見込みとなっております。

患者数の急激な増加に伴いまして、昨日時点の療養者数は、7,000名を超え、想像を絶する規模の感染拡大となっております。引き続き、最大限の警戒感をさらに高めていかなければならないと考えております。

これまでも申し上げて参りましたが、このような状況下におきましても、私ども山梨県といたしましては、一貫した基本方針といたしまして、必要とする人に必要な医療を届ける体制を何とか堅持し、県民の皆様の命を守り抜くということに最重点を置いているところであります。

このため、県といたしましては、医療資源の確保に努め、そして、限られた医療資源を有効活用し、医療提供体制の維持を図っていくことを最重視している次第であります。

本日までに進展を見た点につきまして、以下、ご報告いたします。

まず、病床の確保につきましては、7月22日に10床の増床を行ったところですが、県内の医療機関と、さらなる協議を進めました結果、昨日、新たに甲府共立病院、都留市立病院、上野原市立病院を重点医療機関に指定し、3病院で計28床確保いたしました。

これに伴いまして、東部地域におきましては、これまで、大月市立中央病院で20床確保していただいておりましたが、都留市立病院、そして、上野原市立病院におきましても、診療体制が整うことから、10床に変更することといたしまして、既存の399床と合わせまして417床、18床の増加となります。

受け入れ準備が整いました病院から順次受け入れを開始しております。3病院の院長先生はじめ、医療スタッフの皆様に対しまして、この場をお借りいたしまして、御礼を申し上げる次第であります。誠にありがとうございます。

次に、ホームケアの体制強化について申し上げます。

先般、新たに一宮温泉病院から4名、国立甲府病院から1名の協力医登録をいただいたところであります。既にホームケア患者の健康観察にあたっていただいております。大変有難く心から感謝を申し上げる次第です。

なお、ホームケアにおきましては、これまで医師が薬を処方する際に、休日や夜間への対応に苦慮することや、患者の自宅まで配送していただける薬局が少ないという課題があったところであります。

このため、ホームケアに対応していただいている薬局に対しまして、薬局自らが患者宅へ配達する場合の経費、或いは、休日等の調剤体制の確保に要する経費、これらを支援することといたしまして、薬を円滑に処方できる体制を確保することといたします。

次に、検査体制の強化について申し上げます。

これからお盆の期間を迎えますが、期間中は人と人との接触機会が増え、帰省先でのご高齢の親族など重症化リスクの高い方々と接触する機会も増えるものと想定しております。

このため、ゴールデンウィーク期間中と同様に、お盆の間、県内外へ帰省又は旅行する方を対象に、出発前に容易に抗原定性検査を受けていただく環境を整えることといたします。移動の拠点となりますJR甲府駅に臨時の無料検査所を設置いたします。

なお、実施期間は今月5日から18日までといたします。

無症状の方への薬局における無料検査につきましても、引き続き実施して参りますので、是非とも積極的なご利用をお願いいたします。

次に、高齢者施設等へのエアロゾル感染対策について申し上げます。

これまで、高齢者施設・障害者施設・保育所等においては、多くのクラスターが発生しているのはご案内のとおりです。

これに対しまして、感染対策の強化を図ってきたところでありますが、BA.5の感染経路は、従来の飛沫感染に加えまして、エアロゾル感染の可能性が非常に高く、これへの対策が必要であるという専門家のご意見をいただいております。

このため、今般新たに、高齢者施設・障害者施設・保育所等の換気対策を強化するため、空気清浄機やCO₂濃度測定器等の購入に対する助成制度を創設することといたします。

次に、発熱外来についてですが、感染状況は、ご案内のとおり、これまでにない規模で拡大しており、国中地域の甲府市、或いは中巨摩地区におきましては、一部の発熱外来に患者さんが集中し、大変予約が取りにくい状況が発生しております。

日々患者さんの診察にあたってくださっている発熱外来の医療関係者の皆様には、大変なご苦労をされていることは、重々承知をしているところではありますが、是非とも、かかりつけ患者さん以外の診療のご検討や、或いは、可能な限りの診療時間の延長を、是非ともお願いいたします。

また、今後、お盆期間を迎えまして、医療提供体制が一層厳しい状況に置かれることも想定されますので、発熱外来の医療機関の皆様におかれましては、地域の医療体制が確保できますよう、可能な限りのご協力を重ねてお願い申し上げます。

県といたしましても、さらなる感染の拡大に備えまして、発熱外来での受診に代えまして、抗原定性検査キットを重症化リスクの低い有症状者に配布し、医療機関の受診を待たずに健康観察できる仕組みの構築を、今検討しているところであります。

次に、県民の皆様に対しまして、何点かお願いさせていただきたいことがあります。

まず、前回の会見でもお話をいたしましたが、夜間・休日の救急外来につきまして、軽い発熱や咳、喉の痛みといった軽度の症状の方で、平日の日中に受診していただくことが可能な方は、是非とも平日の日中に、お近くの診療所、或いは検査医療機関へ受診していただきますようお願いいたします。

また、コロナに罹ったと思われる方で、救急車を呼ぶかどうか迷われる方におかれましては、是非とも119番通報される前に、まず24時間対応の「受診・相談センター」にご相談いただきたいと思います。

また、感染拡大防止のためには、先ほど申し上げましたが、エアロゾル感染対策が重要となってまいります。ウイルスを生活空間から排除していくため、こまめな空気の入れ換えを行っていただくことが大変有効であるとされています。

大変厳しい暑さが続いておりますが、30分に1回程度の換気は、是非とも徹底していただきますよう、十分なご留意をお願いいたします。

また、さらなる繰り返しになり大変恐縮ではありますが、大切なご家族、または、ご友人を守っていくためにも、生活の場面に応じた適切な不織布マスクの着用、そして、会食をされる際には、グリーン・ゾーン認証施設の利用と、その施設が定めるルールの遵守を、是非ともお願い申し上げます。

最後に、先般、全国知事会が奈良でありましたが、その際話題になりました、保健所や医療提供体制を逼迫させる全数把握につきまして、私の思うところを述べさせていただきたいと思います。

現在、新型コロナウイルスの感染者につきましては、医療機関からの届け出によりまして、その全数を保健所が把握する仕組みとなっております。

この全数把握ですが、疾病の特徴や性質が不明であり、発生数も稀少であったコロナ禍初期の段階ですとか、或いは、罹患した場合に重篤化する可能性が高いオミクロン株以前の場合は、その役割に一定の意義があったものと考えています。

しかしながら、爆発的な感染拡大が続きながら、重症者が少ないという現状、

ちなみに、本県におきましては(重症者)ゼロが続いておりますが、こういう現状を踏まえますと、医療機関や行政への多大な負担をかけてまで、現時点で全数把握を維持する必要があるのか、大いに疑問を感じるところであります。

医療機関が、全ての患者について発生届を直ちに保健所に提出することは、相当な負担となっております。

クリニックでは、1日の診療を終えた後、数多くの発生届を作成しており、医療のリソースが限られる中で、初期救急を初めとする一般診療へも大変大きな影響が及ぶことが懸念されています。

また、もちろん県にとりましても、この全数把握に要する負担というのは、大変膨大なものとなっております。

保健所におきましては、従来の保健所職員に加えまして、全庁から385人の応援体制を組み、日中から夜間にかけて患者さんへの聞き取り調査を行い、そして、患者さんの情報をシステム入力し、対策本部へ報告する作業が、連日、深夜まで及んでおります。

また、この対策本部におきましては、CDCの職員に加えまして、これも全庁から109人の応援体制を組み、保健所から報告がありました患者情報の確認、或いは、集計・登録などの作業を行っておりますが、こちらも連日、明け方から翌朝までの作業を強いられているところであります。

今申し上げましたように、全庁から約500人の応援職員を投入しているため、今後、各部局の一般行政課題への対応に対しても、大変支障が生じる可能性があり、長いこと続けるというのは、限界があると言わざるを得ないと思っています。

是非とも政府におきましては、第7波終了後ではなく、至急、従来の全数把握に代わる方策の検討をしていただきたいと強く求める次第であります。

例えば、新たな届け出の基準といたしましては、比較的重症化リスクの高い方のみを対象としてはどうだろうかと。

例えば、本県の保健所で、詳細な聞き取りを行っております「2歳未満と50歳以上の方」、さらには「中等症以上の症状がある方」などに限定されてはどうかと考える次第であります。

国による、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザとの比較データによりますと、60歳以上では、新型コロナの方が重症化率、或いは致死率ともに3倍以上高くなってはいるものの、60歳未満の方々に関しましては、重症化率・致死率ともに変わらないと、そういう結果も示されているところであります。

このことは、重症化リスクの高い方に届出対象を限定することの妥当性を裏付けるものと言えるのではないかと思います。

現在、本県におきましても、保健所職員などのギリギリの努力にもかかわらず、既に一部の患者への連絡に遅延が起こり出している、遅延が発生し出しております。全数把握の弊害が現れている、現れ出していると言わざるを得ません。

是非とも国においては、真にリスクの高い方にしっかりと必要な医療が届けられる仕組みを堅持すること、そのために、感染者の全数把握の要否は、早急に検討していただきたいと思います。

結びとなりますが、お盆期間前に第7波の勢いは依然衰えず、むしろ数的には大変大きくなっているというのは、冒頭申し上げたとおりであります。

本県といたしまして、引き続き、県を挙げて、弛みなく医療提供体制の維持・確保に取り組んで参りたいと思いますので、県民の皆様におかれましては、是非ともご理解、そしてご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
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