トップ > 組織案内 > 知事政策局 > 広聴広報グループ > 新型コロナウイルス感染症に関する知事からのメッセージ > 知事からのメッセージ(令和4年7月12日火曜日)
ページID:105337更新日:2022年7月15日
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初めに本県の感染状況について申し上げます。
本日公表の新規感染者数は411人となっておりまして、1日当たりの感染者数といたしましては2番目に多い水準となっております。最大限の警戒感を持って対応すべき状況であると言えるかと思います。
年代別では、10代以下が全体の4割あまりを占めておりまして、中でも保育園や幼稚園の園児、小学生が多くなっています。
一方、報道によりますと、本県よりも人口規模の小さい島根県におきましては、1200人以上の新規感染者が確認されたほか、愛媛県におきましては新規感染者数が、昨日の258人から、本日は1000人を超えるということで、1日で約4倍に拡大するなど、大変急激な感染の拡大を経験した県もございます。
山梨県におきましても、いつこのような状況になってもおかしくないと考えるべきだろうと思います。
本県の病床使用率ですが、直近では20パーセント台となっております。この水準でいきますと、例えば、今後680人の新規感染者が継続して発生した場合には、病床使用率が4日後には50パーセントを超え、10日後には現在確保している病床数を超過することとなります。
病床がひっ迫した場合には、現在の日常の回復にブレーキをかけざるをえないということになります。その目安といたしましては、皆さんお手元にお配りしております本日の医療危機メーターに掲載したシミュレーションのとおりであります。このシミュレーションにつきましては、後ほどホームページにアップする予定であります。
県といたしましては、今後の感染急拡大に備えた対策を実施して参りたいと考えます。
具体的には、オミクロン株におきましては、中等症以上は極めて少数であり、軽症がほとんどを占めていることから、感染拡大に備え、ホームケアの受け入れ能力の拡大に着手し、医療提供体制の強化を図って参ります。この旨は前回報告したとおりであります。
合わせまして感染拡大防止、重症化防止の観点から、県民の命を守る盾であり、また、医療体制の逼迫を防ぐ重要な「防波堤」であるワクチン接種を改めて強力に推進して参りたいと考える次第であります。
県民の皆様におかれましては、生活の場面に応じた適切な不織布マスクの着用、手洗いや手指消毒、換気などの感染防止対策を是非とも徹底をしていただきたいと思います。何卒よろしくお願いを申し上げます。
また、グリーン・ゾーン認証店の皆様におかれましては、後程詳しく申し上げますが、グリーンパスの実施にあたりまして、ワクチン接種状況などを確認せずとも、パーテーションを外すなど、適切に運用されていない事例が見受けられるところであります。
認証基準に沿った感染防止対策の徹底を今一度お願いを申しあげます。
それでは以下、県の取り組みを詳細に申し上げます。
まず、医療提供体制の強化についてですが、先ほど申し上げましたとおり、ホームケアの受入能力の向上に重点的に取り組んで参ります。
協力医1人当たりの受け持ち患者数の増加策といたしましては、現在、協力医お一人当たり、約15人を目処に受け持ちをしていただいておりますが、健康観察の運用を改め、協力医の先生方の負担を軽減し、より多くの患者さんを受け持っていただきたいと考えています。
具体的には、現在患者がスマートフォンを使って、1日2回システムに入力した健康状態のデータをもとに、協力医が1日2回健康観察をする運用となっておりますが、症状が軽微な方や症状が安定している方につきましては、医師のご判断により、1日1回の健康観察でも差し支えないという取り扱いに変更いたします。
また、現在は協力医自らが、患者が入力した健康状態のデータを確認して、健康観察を行っていますが、医師の指示の下、クリニックの看護師などコメディカルの職員が健康観察を行うことも可能といたします。
更に、医師が健康観察を行うに当たりまして、健康状態をシステムに入力しない患者に対する督促、これが大変大きな負担となっていることから、未入力の患者さんへの督促の連絡を県CDCが代行することといたします。
これらにつきましては、本日、関係団体、協力医の先生方にすでに通知を行ったところであります。
また、自宅療養中に容態が悪化した患者の診療につきましては、現在、協力医が重点医療機関と受診調整をし、重点医療機関において診療するケースが多くなっておりますが、今後の患者数の増加を見据え、協力医の先生方にも積極的に診療をしていただき、重点医療機関の負担を軽減していきます。
次に、協力医の拡充についてです。
協力医は、現在、開業医を中心に募っておりますが、これを病院勤務医へも拡充していく方針であり、本日、関係団体等との調整を経て、県内60病院に協力医の募集通知の発出を予定しております。
また、新規感染者数のほとんどが軽症患者とはいえ、患者数増加に伴って入院患者の増加も見込まれます。
このため、現在フェーズ2で運用しております確保病床のフェーズの引き上げにつきまして、本日夜の専門家会議でご議論をいただくこととしております。
また、確保病床の更なる上積みを図るため、新たな重点医療機関の設定について、これは検討を始めたところでありまして、県内病院への意向確認を進めて参ります。
次に、ワクチン接種の促進について申し上げます。
現在、ワクチンを接種していただいている高齢者よりも、幼児や小学生などの入院者が多い状況となっております。これらの方々の感染が拡大した場合には、入院者がさらに増加し、医療提供体制の逼迫を招く可能性があります。
今20代から40代の方々の3回目のワクチン接種率が50%台と低迷をしております。接種対象者全体で70%ですので、大変低迷している状況だろうと思います。
今申し上げましたように感染入院患者のかなりの部分が小さいお子さんとその付き添いの親御さんという形になっております。小さいお子さんを守るためにも、是非小さいお子様を持つご家庭の皆様にはワクチンの接種を早めにしていただきたいと思います。
また、これから夏休みを前に、県外に帰省される学生・生徒の皆さんにも積極的な接種を改めてお願い申し上げたいと思います。
このため、県におきましては7月末まで大規模接種会場を設置し、若年層の接種率向上に取り組んできているところでありますが、この7月末までの期限を延長いたしまして、8月以降も引き続き大規模接種会場における接種を継続することといたします。
加えまして果樹王国山梨県でございますので、この時期大変農家の皆さんは繁忙期となっております。
この皆様に接種の機会を提供するため、今後、農協などに接種会場を設置するべく関係者と相談を始めて参りたいと思います。
また、高齢者の皆様の4回目のワクチン接種については、是非ともしっかり県を挙げて関係市町村の皆さんと力を合わせて加速をして参りたいと考えます。
市町村におかれましては、高齢者・障害者施設の入所者へのワクチン接種を優先的に取り扱っていただくよう、すでにお願いをしておりますが、県におきましても、協力医療機関の確保が難しい施設をカバーするための「巡回接種チーム」を組織し、各施設に派遣して、入所者への接種を行っていくこととしていることはすでにご報告したとおりであります。
この状況ですが、現在市町村を通じまして、「巡回接種チーム」の派遣が必要な施設の洗い出しを行っているところであります。現在までに4施設におきまして、接種チームの派遣要望があります。これらの施設とは早急にスケジュールの調整を行い、接種を進めることといたします。
今後も派遣を要望する施設には、しっかりと対応して参りますので、市町村を通じて是非とも県CDCにご連絡をいただくようにお願いをいたします。
次に、グリーン・ゾーン認証施設、認証店における感染防止対策を再度徹底していきたいと思います。
先月から、「グリーンパス事業」を実施しているところですが、認証店の中には、利用者からグリーンパス利用の申し出があれば、ワクチン接種状況などを確認せずとも、パーテーションを外すなど、若干適切とは言いがたい運用をされている事例も見受けられているところであります。
こうしたことから、再度、認証店に対しまして、グリーンパスの取り扱いも含め、認証基準に沿った感染防止対策が、現場においてしっかりと徹底されているか、再点検を行いたいと思います。
最後に、学校における感染防止対策について申し上げます。
夏休みを前に、学校における感染防止対策について是非とも注意喚起をさせていただければと思います。
各学校関係者におきましては、日頃、感染拡大防止対策に取り組んでいただきながら、教育活動を実施していただいていることに、まずもって感謝を申し上げる次第であります。
しかしながら、現在、先ほど申し上げましたように、10歳未満或いは10代の感染者及びその親御さんの世代の感染が約7割と大変多い状況となっております。
「子供たちの学びを止めないこと」
これは県として極めて重視しているところではありますが、それよりも重視しなければならないのは、子供たちの健康を守ることであります。
この上、更に感染状況が悪化していきますと、感染防止対策として夏休みの前倒しということも場合によってはお願いせざるをえない瀬戸際の状況になりかねないと考えています。
こうした事態を回避するため、学校や保護者の皆様におかれましては、今一度、感染防止対策の徹底をお願いしたいと思います。
また重ねてのお願いとなりますが、保護者の皆様でまだワクチンを打たれていない方、3回目のワクチン接種を終えていない方は、是非とも早期の接種をお願いいたします。
今月23日からいよいよ夏休みに入る学校も多いかと承知をしておりますが、子供たちにとりましては、待ちに待った夏休みであります。思い出に残る楽しい夏休みを是非とも過ごしていただきたいと思う次第です。
そのためにも、是非とも、この感染急拡大の場面におきましては、感染防止対策の改めての徹底と、ワクチン接種へのご理解ご協力を賜りますよう、お願いを申し上げます。本日私から申し上げるべきは以上であります。