トップ > 組織案内 > 知事政策局 > 広聴広報グループ > 新型コロナウイルス感染症に関する知事からのメッセージ > 知事からのメッセージ(令和4年11月14日月曜日)
ページID:106811更新日:2022年11月24日
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感染状況についてですが、昨日公表の病床使用率28.8%、そして、本日公表では30.6%となる見込みとなっております。グリーン・ゾーン認証におきまして「レベル2」の目安となります30%を超える状況となっております。
1日当たりの新規感染者数ですが、昨日まで9日間連続で、前週の同じ曜日を上回っております。また、昨日公表の新規感染者数、619人となっておりまして、これは、日曜日としては8月28日以来、約2か月半振りに600人以上の水準となりました。増加傾向が顕著になっております。
この増加傾向が直ちに解消されるものとは考えにくく、今週も先週同様、若しくは、それ以上の感染者数が見込まれると考えるべきでありまして、本日をもちまして、グリーン・ゾーン認証における「レベル2」に移行いたします。
認証施設の皆様には、速やかにご連絡を差し上げますので、直ちに「レベル2」の対策、すなわち、パーティションの設置、大皿料理の禁止、お酌の禁止につきまして、対応をぜひともお願い申し上げます。
クラスターの発生状況を見ますと、11月以降、昨日まで高齢者施設におきまして15件確認されております。クラスターが頻発している状況にあることから、一段と高い警戒感を持って対応すべき状況にあると認識しております。
専門家会議におきましても、新規感染者の増加は、第7波ほどではないが「早い」、そして、新規感染者の増加スピードを考慮すると、入院病床を十分に確保することが望ましい、とのご意見をいただいております。
これを踏まえまして、本日、病床フェーズにつきましては、現在の「2」から「4」に引き上げまして、病床数を387床に拡大して対応することといたします。
加えまして、これは前回の会見でも申し上げましたとおり、この冬には、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行が懸念されております。
この対応につきまして、これまで専門家会議において検討していただいて参りましたが、本日は対策の内容につきまして、県民の皆様にご報告いたします。
新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行した場合、1日当たり4900人を超える発熱患者が発生する可能性があります。
一方、県内の発熱外来を対象に、その診療能力を調査いたしましたところ、1日当たりで診療可能な患者数は約3800人という結果でありまして、従いましてこの差1100人ほどが診療を受けられない可能性が生じて参ります。
こうした事態に対しましても、県といたしまして、「必要とされる方に必要な医療を提供する」という基本原則を堅持し、「県民の命を守り抜く」ことを最重点に対策を講じていくことを、まずは申し上げたいと思います。
このための方策といたしまして、1つは、現在の医療提供体制の増強を図ります。診療能力を可能な限り拡充する一方で、無症状、或いは、軽症などで医療機関の受診が必ずしも必要がない方は、是非とも受診を控えていただくこととし、限りある医療資源を有効活用し、医療崩壊を回避して参りたいと考える次第です。
具体的には、次の「5つの柱」で対策を講じて参ります。
1つ目ですが、「外来受診・療養の流れの確立」についてです。
新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行によりまして、医療提供体制がひっ迫した場合には、「発熱外来」という限りある医療資源を、より外来受診を必要とする方に重点的に振り向けることが必要となって参ります。
このため、発熱外来につきましては、「高齢者などの重症化リスクの高い方」に優先して受診していただき、「その他の重症化リスクの低い方」につきましては、まずは新型コロナウイルスの検査キットで「セルフ検査」を行っていただくことといたします。
これを「フローチャート」で説明いたしますと、まず、発熱患者のうち、「重症化リスクの高い方」、この図でいきますと向かって左側になりますが、すなわち、(1)65歳以上の高齢の方、(2)基礎疾患のある方、(3)妊婦の方、(4)小学生以下の子どもの患者さんにつきましては、「発熱外来」の受診をお願いいたします。
その際、受診可能な医療機関がわからない場合には、「受診・相談センター」をご利用いただきたいと思います。
この発熱外来を受診していただいた結果、新型コロナウイルスが「陽性」の場合には、お医者さんのご判断により、新型コロナ治療薬、或いは、解熱鎮痛剤などの処方を受けていただき、その後、重点医療機関、宿泊療養施設、御自宅のいずれかで療養していただきます。
新型コロナウイルスが「陰性」の場合には、インフルエンザの検査を受けていただきますが、インフルエンザの検査が「陽性」である場合は、お医者さんの判断で「抗インフルエンザ薬」を処方など、症状に応じた治療を受けていただきます。
そして、新型コロナウイルス・インフルエンザともに「陰性」の場合には、症状、或いは原因に応じた適切な対応を行っていただきたいと思います。
次に、「重症化リスクの低い方」、この図でいきますと向かって右側になります。こちらはすなわち、「中学生から64歳以下の方で、かつ、基礎疾患がない方」につきましては、発熱症状が出た場合には、まずは健康フォローアップセンターで無料配付しております「検査キット」を申し込んでいただきたいと思います。このキットが御自宅に届き次第、御自身で「セルフ検査」を行っていただくようお願いを申し上げます。
このセルフ検査の結果、新型コロナウイルスが「陽性」の場合には、「健康フォローアップセンター」に登録していただくことで、御自宅での療養中に体調が急変した場合でも、24時間対応で健康相談を受け付けますので、速やかにセンターに登録し、療養に入っていただくようお願いいたします。
また、セルフ検査の結果が「陰性」の場合には、受診を希望される方は、コロナが「陰性」であることを医療機関に伝えていただいた上で、「発熱外来」を受診していただき、症状や原因に応じた対応を行っていただきたいと思います。
この「外来受診・療養の流れ」を実際に機能させるためには、県民の皆様に、まずは発熱症状が出た際の受診フローを知っていただき、それに則った行動に移していただく必要があります。
現時点では、県民の皆様に、特段、発熱外来の受診を控えていただく状況にはなっておりませんが、いずれ発熱外来のひっ迫が予見されるような状況になりましたら、改めて、「受診フロー」実施のご協力をお願いさせていただくことといたします。
今後、積極的な広報を行いまして、この「外来受診・療養の流れ」への協力を呼びかけて参りますので、是非とも御理解・御協力を賜りますようお願い申し上げます。
2つ目、「相談体制の強化」であります。
県におきましては、発熱症状がある方の不安の軽減、或いは、受診が必要な方を対象といたしまして、医療機関の案内を24時間対応で行う「受診・相談センター」を開設しております。
夏の第7波では、感染が急拡大した7月中旬以降、相談件数が増え、時間帯によっては電話がつながりにくい状況が見受けられました。
この反省に基づきまして、現在の「昼間36回線・夜間12回線」を、第7波のピーク時の2倍の電話相談にも対応できるよう、「昼間60回線・夜間40回線」に拡充することといたします。
また、子どもの発熱症状につきましては、夜間・休日に小児救急に精通した看護師が相談を受け付ける「小児救急相談ダイヤル#8000」を開設しておりますので、合わせてご利用いただくようお願いいたします。
3つ目、「発熱外来の対応力強化」についてです。
本県の「発熱外来の診療・検査医療機関」につきましては、現在305医療機関を指定しておりますが、県医師会とも連携し、指定医療機関の増加、或いは、診療時間の延長など、診療能力の拡大に取り組んで参ります。
また、診療体制が手薄になります「夜間・休日」につきましては、発熱患者の増加によりまして、救急医療がひっ迫することも懸念されます。
このため、山梨大学医学部附属病院のご協力をいただき、新たに同病院内に、平日・休日を問わず夜間19時から23時まで、発熱患者を診療する「臨時発熱外来」を設置することといたしました。
山梨大学島田学長をはじめ、関係者のご尽力に、この場をお借りいたしまして、厚く御礼を申し上げます。
さらに加えまして、平日17時から翌朝9時まで、休日は24時間、発熱患者を診療する「オンライン診療センター」を新たに開設いたします。
また、年末年始には、多くの医療機関が休業することが見込まれます。
このため、年末年始の期間に開業する発熱外来や薬局を確保するため、新たな支援制度を創設することといたします。
4つ目、「コロナ陽性患者さんの療養体制の確保」についてです。
コロナ陽性者の入院医療体制につきましては、引き続き、重点医療機関におけるコロナ専用病床の確保に取り組むほか、入院患者さんの重症化を予防するため、専門家の先生方と連携し、経口抗ウイルス薬の活用促進を図って参ります。
また、県医師会のご協力をいただき、引き続き「やまなしホームケア」を運用し、コロナ陽性の自宅療養者に対する医師の健康観察を実施するとともに、コロナ陽性者が自宅療養中に体調が急変した場合に支援を行う「健康フォローアップセンター」の「健康相談窓口」、或いは、「夜間・休日のオンライン診療体制」を拡充し、自宅療養者の増加に対応して参ります。
最後に、「高齢者施設や障害者施設への支援強化」についてです。
第7波におきましては、高齢者施設や障害者施設におきましても、感染が拡大し、多くのクラスターが発生いたしました。
このため、これまで入所系の高齢者・障害者施設における感染拡大を防止するため、週1回、定期的にPCR検査を実施してきましたが、今週18日からは、通所系・訪問系の事業所などにおきましても、週3回、抗原定性検査を実施することといたしました。
また、施設で感染者が発生し、施設内で療養が必要となる場合であっても、嘱託医や専門家の医師のサポートをいただきながら、経口抗ウイルス薬の投与を進めるなど、治療に万全を図って参ります。
なお、これまで申し上げました対策のうち、夜間・休日、或いは、年末年始における診療体制の確保、受診・相談センターの拡充などに要する経費、7億8000万円余につきましては、緊急で予算を確保する必要があることから、本日付けで専決処分いたします。
次に、「山梨県新型コロナウイルス感染症関係総合対策本部」の機能の強化について申し上げます。
保健所設置市であります甲府市との連携につきましては、これまで、甲府市福祉保健部長に対策本部へのご参加をいただいてきたところでありますが、なお一層の連携強化を図っていくため、甲府市の樋口市長様に副本部長として参画をいただくことになりました。
最後に、全国的に感染が急拡大し始めております。この感染の波の高さをできるだけ低く、そして、この波の幅をできる限り狭くしていくためには、この新たな波が立ち上がっております、今まさにこの瞬間、この時期が、極めて重要な局面であると認識しております。
県民の皆様におかれましては、是非とも、基本的な感染防止対策の徹底、すなわち、マスクの着用、手指消毒、そして、換気について、是非とも徹底していただきたいと思います。
加えまして、ワクチンの接種へのご理解・ご協力をお願いいたします。
更に、感染のピークがやって来る前に、今のうちから、是非とも各ご家庭におきまして、解熱鎮痛剤の用意、或いは、抗原検査キットなどの用意をしていただきますようお願いいたします。