トップ > 組織案内 > 知事政策局 > 広聴広報グループ > 新型コロナウイルス感染症に関する知事からのメッセージ > 知事からのメッセージ(令和5年1月11日水曜日)
ここから本文です。
まず直近の新型コロナウイルス感染症の感染状況ですが、本日公表の病床使用率51.6%と、引き続き50%を超えており、大変厳しい状況となっております。
先週6日公表の1日当たりの新規感染者数2201人と、過去最多を更新いたしましたのは、ご案内のとおりであります。
本日公表の新規感染者数は、1679人でありまして、今月5日から本日までの1週間の新規感染者数につきましては、9777人と、昨年8月中旬の第7波のピーク時を上回る、過去最高の水準となっております。まさに、感染が爆発的に増加している状況と認識しております。
クラスターの状況ですが、昨日までの2週間のクラスター発生状況を見ますと、医療機関におきましては8件、高齢者施設におきましては13件、障害者施設におきましては1件と、クラスターが頻発している状況であります。
こうした状況の中、医療機関において多数の職員やそのご家族が感染し、職員さんが、患者や濃厚接触者として勤務できないケースが頻発しており、コロナ対応のみならず、救急医療や一般医療への対応能力が著しく低下する病院も目立ってきております。
更に、冬場は、心疾患、或いは脳疾患などによる救急搬送が多くなる時期であり、加えまして、クラスターが発生した施設などから、体調が悪化し患者が搬送されるケースも増加していることから、救急の現場では、第7波以上に逼迫度合いが増している状況にあります。
受け入れの集中によりまして、医療機関の前で、患者さんを搬送してきた多数の救急車が待機するような事例や、患者を受け入れる病床に空きがないため、救急患者の搬送先が決まるまでに時間がかかる事例があるなど、救急の逼迫した状況が生じてもおります。
加えまして、昨日、県内60病院に対しまして、一般医療も含めました診療体制の現状につきまして、聞き取り調査を行いました。
県内60病院のうち、14の病院で、院内クラスターの発生や医療従事者の感染、或いは病床が埋まっていることなどから、十分な診療体制をとることができず、新型コロナ以外の様々な一般診療で、患者さんの入院を制限せざるを得ない状況が生じております。
また、コロナ以外の救急患者の受け入れにつきましても、二次救急医療機関33病院中、7病院で救急患者の受け入れを断らざるを得ない状況にあります。
また、14病院で逼迫している、或いは受け入れる余裕がなくなってきているとの回答がございました。
こうした状況につきましては、本日、山梨県医師会手塚会長や、山梨大学医学部附属病院榎本院長さんをはじめ、重点医療機関の院長先生にお越しいただいておりますので、後程ご説明いただきたいと思います。
本日ご出席をいただいております先生方をはじめ、医療従事者の皆様におかれましては、県民の命を守るため、日夜、献身的な御尽力をいただいております。
この場をお借りいたしまして、全ての医療従事者の皆様に、改めまして心からの感謝と御礼を申し上げる次第でございます。
今後の更なる感染感染の拡大によりまして、一般医療を含めた医療提供体制や救急搬送体制が一層逼迫する事態も想定されます。こうした事態を回避するためにも、県を挙げて最大級の警戒感を共有し、対処していかなければならない状況であります。
こうした状況にはありますが、「必要とする人に必要な医療を提供する」という県の基本方針を堅持すべく、私ども県といたしましても、全力を尽くして参りたいと思います。
そこで、先ほど開催いたしました、県対策本部会議におきまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法第24条第9項に基づきます、臨時特別協力要請を発出することといたしました。
この要請ですが、重症化リスクの高い方々や、真に救急医療を必要とされる方々をしっかりお守りすることを大前提とした上で、それを可能とする医療提供体制を堅持するために、県民・事業者の皆様の御協力をいただこうというものであります。
以下、その主な内容につきまして申し上げます。
まず、高齢者など重症化リスクの高い方々には、少しでも症状がある場合には、躊躇なく早期に医療機関を受診していただきたいと思います。
新型コロナウイルス感染症における抗ウイルス薬ですが、早期投与が大変効果的であり、入院リスクを下げることにも繋がりますので、重症化リスクの高い方は、早めに医療機関を受診していただくようお願いいたします。
中でも、経口抗ウイルス薬の「パキロビッドパック」ですが、重症化の抑制効果が高く、死亡率の低下が期待される薬として、昨年秋には専門家から活用促進についてのご意見をいただいたところであります。そして10月には、山梨大学、山梨県医師会と共同で研修会を開催するなど、県として積極的な普及に努めております。
この研修会以後、関係者の皆様のご理解のもと、本県におけるパキロビッドパックの活用も増加傾向にはありますが、まだまだ少ない状況であることから、一層の促進が必要であると考えております。
引き続き、重症化する方や死亡する方を少しでも減らすため、パキロビッドパックを早期に投与できるよう、高齢者など重症化リスクの高い方々には、早期の受診をお願いするとともに、医療関係者の皆様に対しましても、積極的な投与のご検討を是非ともお願いいたします。
他方におきまして、こうした医療サービスの提供を社会全体でサポートしていくため、高齢者施設や障害者施設の皆様方に2点お願いをしたいと思います。
1点目ですが、施設内で点滴や抗ウイルス薬の投与などの医療行為ができるような体制を早急に整えていただくか、それが困難な場合には、保健所に御相談いただき、地域の医療機関による療養支援の受け入れ体制を整えていただくようお願いいたします。
なお、甲府市内の施設におかれましても、県では甲府市と十分な連携を取って体制を整えておりますので、甲府市保健所へご相談いただきたいと思います。
2点目といたしまして、医療機関や保健所から、患者の退院と施設での受け入れの意向が示された場合には、速やかにその意向に沿った御対応をお願い申し上げます。
次に、県民の皆様におかれましては、発熱などの症状が出た場合は、できる限り平日・日中の受診に努めていただくようお願いします。
夜間や休日に救急車や救急外来を利用すべきかどうか迷う場合には、119番通報の前に、まずは「かかりつけ医」や「受診・相談センター」にご相談いただきたくお願いいたします。
なお、この受診・相談センターにおける体制ですが、県では、電話回線をこれまで60回線に増やし強化を図っているところですが、今後、感染者の増加により、相談件数も増加することが見込まれますので、更に30回線プラスいたしまして、合計90回線、1.5倍の増強を図って参ります。
また、甲府市受診・相談センターにおきましても、回線数を増やし、相談体制の強化を図るよう、今要請をしているところでございます。
この臨時特別協力要請の期間ですが、今月末までといたします。
県民の皆様におかれましては、「短期集中」で要請内容の実践を是非ともお願い申し上げます。大波の最中でも、医療の力で守れる命は余さずしっかりと守り抜いていけるように、格別の御理解・御協力を賜りますようお願いいたします。
なお、全国的にも感染急拡大しております。県内の全ての医療機関、或いは福祉施設など、あらゆる機関が「オール山梨」で連携して、この急場を乗り切っていきたいと思います。
県民の皆様には、医療提供体制を守り、ひいては、ご自身、或いはご家族の命と健康を守っていけるように、是非ともこの臨時特別協力要請に基づき、お力添え、ご協力を賜りますようお願いいたします。