知事定例記者会見(令和5年8月31日木曜日)
ページID:110582更新日:2023年9月1日
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防災新館401,402会議室 11時30分から 発表事項
発表事項以外の質問事項 |
知事
今年度の山梨県民地域貢献者表彰についてですが、この表彰制度は県内の各地域におきまして、複数の役職などを務め、幅広い分野で活躍された方々を対象とするものであります。
その方個々人に着目すると、各方面で地域のために頑張ってこられた方ですが、逆に幅広く活躍されているがゆえに、一つひとつの役職歴では既存の表彰制度の対象にならない、ある意味縦割りの狭間にはまってしまっている方々がいらっしゃるわけですが、このような方々に対しまして、その功績を広く伝え、更なる地域振興に向けて多くの方々にご尽力をしていただく縁にしたいということで、令和2年度から実施をしているものであります。
今回4回目となりますが、今年度は7名の方に、この山梨県民地域貢献者表彰を受賞していただければと考えております。
いずれの方々も、役職年数の合計が19年から109年と、幅広い分野で長きにわたり、まさに地域を一手に背負ってこられた方々であり、この表彰にふさわしい方々であると考えています。
全ての方々に表彰のご了解を既にいただいておりまして、来月9月11日に表彰式を開催したいと思います。
知事
山梨県犯罪被害者等支援計画についてご報告をいたします。
ご案内のとおり、昨年12月に「山梨県犯罪被害者等支援条例」が制定されたところでございます。
この条例に基づきまして、検討会議における専門家のご意見や、パブリックコメントでのご意見を踏まえて、今般、基本的な方針や、具体的な施策を盛り込みました、犯罪被害者等支援計画を策定しました。
計画期間は令和5年度から8年度までの4年間となっております。「総合的な支援体制の整備」、「被害の回復や負担の軽減に向けたきめ細かな支援」、「理解を深め支援を広げる社会の形成」、これを施策の柱といたしまして、90の具体的な施策を盛り込んでいるところであります。
今回は1期目の計画であることから、支援の足場を固めることが重要であると考えております。
このため、関係機関の連携を強化するための「協議会」の設置ですとか、或いは個別の事案支援をより適切に行えるようにするための「サポートチーム」の設置など、「総合的な支援体制の整備」に重点を置いた内容となっております。
今後は、この計画に基づきまして、支援施策を総合的かつ計画的に推進し、被害に遭われた方々が、早期に被害から回復し、再び平穏な生活が取り戻せるよう、県としても鋭意取り組んで参りたいと思います。
なお、このうち経済的な支援につきましては、9月議会に所要の経費を計上して参りたいと考えています。
知事
昨日ですが、県立大学の子ども家庭福祉大学院につきまして、国の大学設置・学校法人審議会から、設置認可の答申がなされたところでございます。
今年3月ですが、全国で初めて県立大学に虐待に対応する専門人材を養成する大学院を設置すべく、申請を行ってきたところですけれども、これが認められる運びとなりまして、大変ありがたく思っております。
全国的に児童虐待の相談対応件数が増加しております。また、その虐待の背景に関しましても、様々多様化しておりますことから、これらに対応する職員の専門性、或いは資質の向上が極めて重要な課題となっております。
今般の答申を踏まえまして、近日中に正式な認可となろうかと思っております。
児童虐待対応等において、中心的な役割を担います専門人材の養成をしっかりと進めていくため、来年4月の開学に向けまして、県立大学とともに準備を進めていきたいと思います。
記者
県立大学の虐待の対応の大学院設置の件は、全国的に初めてということで、これから正式な認可を経てだと思うのですけれども、どのような人材を求め、履修していただきたいか、呼びかけるようなことがあれば教えてください。
知事
県立大学で既に様々な知見が蓄積されておりますので、私としては、今まさにそれに向けて頑張っている専門家の先生方の意見を踏まえて、児童虐待に対するプロフェッショナルを育てるための最適な人材というものをお招きしたいと思っております。
課長
どのような人材かということですけども、当然各現場において児童虐待において中心的な役割を果たしたり、ご自身も適切に対応できる方を育成して参りたいと思っております。
知事
最適な人材をこの大学院の先生にお招きしたいと思っております。
知事
県内企業の水素・燃料電池関連産業への参入を後押しする支援組織をやまなし産業支援機構に明日設置をいたします。「やまなし水素・燃料電池産業支援窓口」と称します。
この支援窓口ですが、中小企業支援の専門人材をコーディネーターとして配置いたしまして、市場分析や企業訪問、マッチング支援など、各企業の状況に応じました、きめ細かな伴走支援を実施して参ります。
また、パナソニックさんで燃料電池部門の責任者を務められ、現在も国際会議のメンバーとしてご活躍されていらっしゃいます、清水俊克さんをスーパーバイザーとしてお迎えいたしまして、支援の方向性などについて助言を受けることとしております。
本県にはご案内のとおり、山梨大学やFC-Cubicなど、水素・燃料電池関連産業の研究開発拠点が集積しております。
この強みを最大限活用いたしまして、県内企業が今後拡大していくであろう、サプライチェーンへの参入をしっかりと後押しをして参りたいと思います。
知事
次に、農業関係で幾つか進捗がございましたのでご報告をしたいと思います。
令和4年の農業生産額、水産業生産額の実績と県産果実の輸出実績、さらにはデータ農業の取り組みを進めておりますが、ここについても現在進行形で、大変目覚ましい成果が上がっておりますので、ご報告をしたいと思います。
まず、令和4年の農業生産額及び水産業生産額の実績についてですが、農業生産額が1138億8700万円、これは前年比103.4%、37億4500万円の増加となりました。これは、平成4年以来、30年ぶりの規模となっております。県内農業生産の好調ぶりを示すものであると理解をしております。
そしてこのうち、果実、フルーツの生産額につきましては、前年から約27億円増加をいたしまして、調査を開始した昭和29年以降、過去最高額の713億円となりました。中でも、シャインマスカットの生産量の増加、モモの生産量増加と単価の上昇によるところが大きいということとなっております。
水産業の生産額につきましては、12億8800万円、前年比113.3%、1億5100万円の増加となりました。こちらも平成10年以来の大きな数字となっております。
これらはひとえに、資材価格、燃油価格の高騰など、大変厳しい状況の中ではありますが、生産者の皆様の弛まぬご努力の結果でありまして、私ども県としまして、生産者の皆様に心からの敬意と、そして感謝を表する次第でございます。
次に、令和4年の県産フルーツの輸出実績ですが、令和4年は、20億7200万円余となりまして、20億円台の大台を突破いたしました。去年も過去最高値だったんですが、その過去最高値を更に更新をすることとなりました。
台湾における残留農薬に対する規制強化ですとか、或いは国内外の他産地との競合など、輸出環境自体は大変厳しいものでありましたが、生産者の皆さんをはじめ、JAや輸出関係事業者の皆様の弛まぬ努力が実を結びまして、現地需要を押し上げ、堅調な増加に繋がったものと考えております。
中でも、シンガポールとマレーシアで輸出額が大幅に伸びております。これは、令和4年から両国で開始いたしました、デジタルとリアルを効果的に組み合わせたプロモーションの成果が出始めたのではないかと考えております。
今後も関係者一丸となって、山梨県の農畜水産物のブランド価値の向上を図り、輸出或いは生産額自体の増加、そして生産者の所得の増加を実現できるように、しっかりと取り組んで参ります。
その生産者の所得増加に向けた取り組みの一環ですが、「データ農業」の技術開発につきまして、中間報告をしたいと思います。
令和3年度からの取り組みとなっておりますが、このデータ農業ですけれども、農産物の高品質を維持しながら、生産性の飛躍的な向上を目指す技術でありまして、現在、ハウスではシャインマスカットとキュウリで開発に取り組んでおります。
まず、シャインマスカットですが、通常は、10アール当たり大体1.3トンの収量となっておりますけれども、目標は、これを2倍に倍増しようということで2.6トンまで設定をしておりますが、現在までのところ、2トンの収量が得られるところまでやってきております。
また、キュウリですけども、10アール当たり、大体現状で16トンの収量がありますが、これが44トンの収量が得られる結果となっております。目標値は50トンですので、目標達成まで、いずれももう一息という状況であります。
この他、露地栽培に関しましては、シャインマスカットとナスにつきまして、篤農家の高度な栽培管理データの解析などはほぼ終了をしております。
現在、マニュアル化に着手しておりまして、完成次第、普及を図って参りたいと思います。
これら生産・流通・販売の三位一体で山梨県の産地としての力をより大きく発揮して、生産者の皆様の所得向上に、しっかりとつなげて参りたいと思います。
記者
県産果実の輸出実績ですけれども、先ほど知事も20億円の大台を突破されたということをお話されていましたけれども、改めて知事の20億円突破ということに対する受け止めと、また、今後さらに拡大する上で、知事のお考えを教えてください。
知事
この20億円ですが、4年前は6(訂正)9億円で、ここのところおかげさまをもちまして、2倍増になっているわけですが、まだまだこの20億という数字は私としては通過点に過ぎないと思っています。
今後国内市場はどうしても縮小する可能性があろうかと思っております。
それに対しまして、海外においては海外の皆さんの所得の上昇もあって、フルーツに対する需要というのは、ますます大きくなってくるだろうと思っています。
そういう意味では最終的に、この増加ペースを更に願わくば加速をさせていって、最終的にもうひと桁増やす、そういうところまで目指していきたいと思っています。
そこに向けまして、具体的に、まずはこれまでに輸出している輸出先はしっかりと大切にして、ここの皆さんにより多く買っていただけるように取り計らいながら、なお且つ、新しいマーケットを広げる努力も、これは場合によっては国と一緒にやるべき話でもありますが、しっかり取り組んでいきたいと思っています。
先ほどシンガポールとマレーシアというお話をいたしましたが、そこもこれまで香港、台湾が中心のところ、更にマレーシアは特に新しいマーケットとしてプロモーションをやっており、これは大変当たっていますし、このほかブドウでいきますと、今ベトナムとの間で政府が市場開放に向けての交渉を進めていただいておりまして、我々も地域としてそれを支援しようという取り組みを進めておりますが、こういう更なる市場の多様化を、まずはしっかりと質、量ともに図っていきたいと思っています。
あわせまして、シャインマスカットは残念ながら日本産にもかかわらず、中国なり韓国でも作っているわけですが、外国産もっと言うと、国内でも他の産地と山梨のものは違うというイメージは、実際違うと思いますが、まさにこの匠の技で作った芸術品であるというリアルな姿をしっかりと消費者の皆様にお伝えするようなプロモーション、それによりますブランド化、これをしっかり図っていって、より高い値段で、つまり我々から言わせると正当な対価で買っていただくべく取り組みを進めていきたいと考えております。
知事
最後は嬉しいイベントとともにご報告をしたいと思います。
いわゆる赤いシャイン「甲斐ベリー7」ですけれども、新たな名称を「サンシャインレッド」とすることに決まりました。
日照時間日本一の山梨で育んだブドウであること、そしてサンシャインレッドはシャインマスカットの血を受け継いだ、赤いブドウであることを表現したものでありまして、この名称は昨年11月に特許庁に出願をいたしまして、今月16日に商標登録をいただきました。
現在、海外におきましても、本県の知的財産として保護するため、商標登録を進めているところであります。
多くの皆様に愛される本県ブドウの次期主力品種とするため、市場でのPR、或いはSNSなどを活用しました、消費者への情報発信によりまして、この「サンシャインレッド」の魅力を積極的に周知していきたいと思います。
今日この場にお越しの記者の皆様にも、その一翼を担っていただきたいと思い、試食を用意しておりますので、実際に召し上がっていただいて、本当においしいと思いますので、ぜひ、そのおいしさを皆様の向こうにいらっしゃる読者の方々、或いは視聴者の皆様にお伝えいただければありがたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
記者
全国的な話になるのですが、福島の原発の処理水の海洋放出から1週間になりますが、国内では中国の観光客の団体旅行者が解禁されて間もないということもありますが、観光面とすると山梨県でキャンセルが続いていたりとか、影響が何かあったりとか、あと、全国的にも嫌がらせの電話等が公共施設にかかっているという例もありますが、そういったものを把握されているものがあるか教えてください。
知事
まず、後者の嫌がらせ電話に関しましては、県庁内でしかまだ調べていませんけども、今のところそういった事実があったという報告は受けていないということでありました。
また、全般的な特に観光に対する影響に関しましては、しっかり注視をしていく必要があろうかと思っております。
これまで中国は、特に団体旅行が解禁されていなかったわけですけども、それでも大変多くの方々に今年の夏、お越しをいただいて、それに中国の団体旅行が解禁されると、更に忙しい状況になるのかなと期待はしておりましたが、これが今実際どういう状況になるかは、もうしばらく注視をしていきたいと思っております。
他方で、今海産物が話題になっておりますが、先般、東京の大田市場にお伺いして参りましたが、大田市場の方のお話を伺うと、やはり若干香港方面で輸出に対しても弱含みの気配が出ているというお話でした。
ただ、現時点においては、例えばシャインマスカットなんかは国内の需要がかなり強いところもありますので、そういう意味では現状は乗り切れるというお話でしたので、さはさりながら状況を注視をしていきたいと思いますし、あわせて、新しいマーケットの開拓というものを我々としては急いでいきたいと思っております。
あと、全国知事会と相談ですが、我々としては福島の処理水は極めて科学的には何ら問題ない話であり、私としては中国にしっかり科学的根拠のある議論をしていただきたいと思いますし、また、不必要に不安を煽るようなことは、私はやめていただきたい、避けていただきたいと思っております。
他方で、国内で大きな苦しい思いをしておられます水産業、特に福島だけではないようですが、全国からの輸入をしないということで、厳しい状況に置かれている水産業の皆さんに、我々の地域は小さい県でありますけれども、何がしか貢献できないか、それは今、部内で議論をしているところです。
記者
コロナに関して、先週、フェーズを引き上げましたが、今日の夕方出てくる感染者の数字でまた悪い数字が出てくると思われるんですが、全国で見ても学級閉鎖が拡大してたりとか、山梨でも何件かあると聞いていますが、今のコロナの状況、特に変異株のEG.5について、どのように考えていらっしゃるかお願いします。
知事
数字も含めた全体的な状況につきましては、後程、CDCからご説明したいと思いますが、関連しまして、昨日、県医師会長さんと意見交換をさせていただく機会をいただきました。
その中で、医師会長から今のコロナの状況に対しては、大いなる危機感を示されておられまして、現時点では受診(すると)、診療所が入院先をアレンジするという形になっておりますが、これに一部時間がかかる事例があったというご報告をいただきました。
このご報告を踏まえまして、入院先を探すのにドクターの時間が取られてしまいますと、新たな患者さんを診る時間というのが割かれてしまうわけですので、我々県としては、しっかりサポートする必要があるのではないか、例えば入院先を探す困難事例に対しては、何がしか保健所、或いは県としてサポートすることはできないだろうかということを、至急、議論をして医師会長にお返ししたいと考えております。
記者
となると、今の段階でフェーズをまた引き上げるような状況にはまだ至っていないということですか。
知事
そこも最新の情報を踏まえて、専門家としっかり議論をした上で決めていきたいと思います。
対策監
先ほどご質問がありましたように、本県では今のところゲノム解析、当然しておりますが、一部他県で見られるような新たな変異株は現在のところ確認はされておりません。
引き続き、市中感染と、どのような株が流行っているのかゲノム検査をした上で、しっかりと県民の皆さんに対しても公表していきたいと考えています。