知事記者会見(令和7年1月21日火曜日)
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防災新館401,402会議室 14時55分から 冒頭コメント 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
1月18日に甲府市と笛吹市に跨ります大蔵経寺山で発生いたしました林野火災につきましては、自衛隊、消防の懸命な消火活動にもかかわらず、火の勢い自体は衰えているものの、現在も消火活動が継続されているところであります。
本日、私も両市の現地指揮本部と、延焼範囲に近い三ツ石地区をお訪ねし、関係者から状況を確認してきたところであります。
まずは人的被害がないことにつきましては、まさに消防活動にご尽力、ご協力を賜りました消防本部、消防団、警察、自衛隊、そして他の都県の皆様に心から感謝を申し上げます。
12月から2月は、空気が大変乾燥し、強風により林野火災が発生しやすい時期となっております。本県におきましては、すでに昨年12月以降、4件の林野火災が発生しております。
消防隊の立ち入りが困難な場所で発生することが多いため、延焼の拡大によりまして人命や家屋などを危険にさらすことも有り得ます。
まずは山におきます火の取り扱いにつきましては、細心の注意を払っていただきたいと思います。
なお、県におきましては、人命を最優先ということで、今後さらに次の2点に注力して参りたいと思います。
まずは、避難経路、或いは避難先の確認など、避難体制、避難方法の再点検を市町村とともに進めて参りたいと思います。
特に、今回の場所は、過去繰り返し山火事が発生してるところでありますので、こうした場所を最優先としながら、集落にお住まいになる皆様の万が一の際の避難経路、避難先への確認をしっかりやっていきたいと思っております。
それから現地指揮本部が鎮火という状態に至るまで、相当程度の時間がかかってくるのが山火事の常ですが、そういう場合に備えまして、必要な物資、或いは人的応援につきましても、市町村と協議をし、現地対策本部をはじめとした現地で実際消火活動に取り組まれている方々の活動に万全を期するように、環境整備をしっかりとして参りたいと思います。
最後に、改めましてこの寒い季節の中、昼夜を問わず火災の鎮火に向けてご対応いただいております消防本部、消防団、警察自衛隊そして他都県への関係者の皆様に、心から感謝を申し上げたいと思います。
なお、東京都の小池知事からは度重なって大変ご心配と応援のメッセージをいただいておりますので、その旨も併せましてこの場でご紹介をさせていただきたいと思います。
記者
大蔵経寺山の山林火災に関してですが、火の取り扱いについて注意を、というお話がございました。
国内の山林火災に関しては「たき火」や「たばこのポイ捨て」など、人為的な原因による火災が多いということで、今回の火災の原因は、まだはっきりしていませんが、具体的にあの地域でのキャンプなどがあるかは存じ上げないのですが、こういったことに注意して欲しいというようなことがあればお伺いいたします。
知事
今回、大蔵経寺山に関しましては、笛吹側で火が発生し、甲府側の尾根を越えて移ってきて、そちらのほうに人家があったわけです。
大蔵経寺山は有名なハイキングコースでもありますので、もとより皆さんお気をつけいただいていると思いますが、乾燥時における山の中での火の取扱について、慎重を期していただきたい。
火は消したと思っても残っている場合があります。できれば火を使わないのが一番ですが、万が一火を使用した場合は、水をかけるなどして完全に消火いただき、慎重に慎重を重ねて残り火がないように確認をしていただきたいと思います。
記者
自衛隊や他府県からの応援もあるということなのですが、県として把握している消火体制を教えてください。
局長
これまでの消火活動につきまして、東京、静岡と群馬の防災ヘリ、そして自衛隊ヘリ、あと地上部隊によりまして消火活動を行っているところでございます。
記者
鎮火・鎮圧のめどについて、本日中に可能であるとか見通しなどがありましたら教えてください。
局長
昨日から上空より偵察を始めており、だんだん煙が見えなくなっている状況になってきております。本日も3時半を予定しておりますが、上空から偵察をします。
鎮圧の方向に着実に向かっておりますので、見守っていきたいと思います。
また、鎮火につきましては、実際に山火事は完全に火が消えるということを確認するまで慎重な判断が必要になりますので、鎮圧と鎮火の間には多少時間がかかるということはございます。
記者
鎮圧については、本日中にも可能性としては高いということでしょうか。
局長
そこの見込みは確実に申し上げることはできませんが、消火の効果は確実に上がっているので、見極めていきたいというふうに思っています。
記者
鎮火まで時間を要している理由について、先ほど感想などを挙げられていましたけれども、他に何か要因として聞いているものなどがありましたら教えてください。
局長
今の山火事の出火原因というのはこれから特定するわけでございますが、枯れ草焼きとか、たき火とか、ごみの焼却、こういったものも多くございます。全国的な傾向でございます。
課長
鎮火に時間を要しているというのは、枯れ草がじわりじわりと延焼が広がっている状態なのですが、地上から上空から消火活動をしましても、枯れ草についている火というのはなかなか消えないという性質がございまして、その確認に時間がかかるというのが、本県の火事だけではなくて山林火災の特徴でございますので、鎮圧の確認が仮に今日、明日に出ても、鎮火は翌々日とか3日後とか、そういうケースがあるという意味でございます。
知事
今回も地面に積もった落ち葉が燃えながら広がっていった、このようなことだったようです。上から水をかけて落ち葉の火が見えなくなっても、落ち葉のさらに下のところに火の粉が残っていて、それをそのままにしておくと、再度燃え上がるというような恐れもありますので、現地の消防関係の皆さんはかなりそこは慎重に、鎮火宣言を出すまでは、かなり慎重にご覧になっているということを現地でご説明いただきました。
知事
物価高騰対策として、灯油助成券の配布を緊急的に実施することといたします。
原材料価格の上昇或いは円安の影響によりまして、光熱費、或いは食料品などを中心に物価が上昇し、その影響が長期化しております。
国におきましては年末に決定されました総合経済対策において、低所得者世帯支援として、今後、お住まいの市町村から住民税非課税世帯1世帯当たり3万円を基礎として、給付金が支給されることになってると承知をしております。
一方で、こういった支給に関しましては、それぞれ各市町村議会の議決を経て執行されるものでありますので、それまでの間、若干の時間が空いてしまうことがあります。
このため、各市町村議会における議決がなされ、それが実行されるまでの間のつなぎの対策といたしまして、県が生活困窮世帯の灯油の購入につきまして緊急的に助成を行います。
事業の対象となられる方は、令和6年度住民税非課税世帯、約8万3000世帯を対象としております。
灯油の助成につきましては、18リットルの灯油引換券2枚をお配りしたいと思います。
対象となられる皆様におかれましては、県のホームページから申請書をダウンロードしていただくか、または、各市町村社会福祉協議会の窓口に申請書類を備えておりますので、必要事項を記入の上、お住まいの市町村社会福祉協議会の窓口にご提出いただき、灯油引換券の交付を受けていただきたいと思います。
今後、県社会福祉協議会や市町村社会福祉協議会、県石油協同組合と協議を進めて参りますが、事業の開始は、1月中、今月中をめどに、申請書の受け付け或いは引換券の配布を始めたいと考えております。
予算規模ですが、約2億8000万円となっておりますが、全額予備費で対応したいと思います。
昨日でしょうか、大寒でありますので、これを迎えて、これからさらに一層厳しい寒さが訪れる季節になりますので、ぜひ県民の皆様の健康が守られるように県としても全力を尽くして参りたいと思います。
記者
生活困窮者への灯油助成券の配布に関してお伺いします。
今回、8万3000世帯が対象ということで、緊急的に実施されるということですが、事業の実施にあたって、当事者の方に事業が行われていることをいち早くお伝えして、アウトリーチのような形でなるべく早くご活用いただくことが重要になるかと思いますが、こういった情報発信に関して、今回の報道発表以外で何かお考えになっていることがあれば、お伺いいたします。
知事
これから様々な工夫をして参りたいと思いますが、前回もやっていますので、そういった実績のある方には、しっかりと連絡がいくようにしてまいりたいと思います。
記者
もう1点、時期については、ご説明があったのかもしれないですが、いつ頃までを予定されているのかお伺いします。
知事
今月中にスタートをしたいと思っています。
記者
終わりの時期は決まっていますか。
課長
関係団体と協議を進めて詰めて参りたいと思います。
記者
灯油の助成についてなんですけれども、生活困窮者の方に暖かい暖房を、ということだろうと思うのですが、集合住宅によっては灯油を使う石油ストーブが禁止というような集合住宅も中にはあるかと思います。
そうなってくると暖房をするための、ガスなり電気なりということについての支援が必要になるのかなと思うのですが、そのあたりのお考えはどうでしょうか。
課長
なぜ灯油なのか、ということかと思いますが、これまでも寒波に迅速に対応するために灯油券の配布はやっておりましたので、執行できる体制が既に構築されている点と、それから一番の理由は、例えば、ガスですとか、エアコンは電気が使われます。そういったものは、止められない限りは、お金が今なくてもすぐにはストップしないわけですけれども、灯油というものは今まさにお金がないと買えないというところがあります。
また、灯油ストーブというものは、経済的にもコスパがいいので、低所得の方はよく使われているものと承知しております。
全体としては、御指摘のような懸念も承知しておりますけれども、今回緊急的な対策として、取り急ぎできるものは、灯油券の配布ということであります。
また、3月以降には市町村の生活者支援も始まりますし、全体としては大きな問題がないものと思っておりますので、取り急ぎは私どもとしてはこれまでもやってきたものと同様に灯油の配布をやらせていただくという整理をしております。
知事
大変重要なご指摘で、今財政課長が話をしましたように、灯油というものはなくなるともうその瞬間にアウトなんですが、私どもとしては合わせて電気会社、電力会社、それからガス会社、ガスを扱ってるところに対しまして、各市町村でそれぞれ議決が行われるまでの間は、問題があっても、ぜひご理解をいただき、暖房が止まることのないように協力をお願いして参りたいと思います。
記者
ガスや電気を一方的に支払いが幾らか遅れたからといって止めるなということですね。
知事
いずれ、各所で対策が出てくるでしょうし、そう意味ではぜひご協力くださいというお願いをして参りたいと思います。
知事
昨年末、インドのウッタル・プラデーシュ州に出張して参りまして、同州と互恵関係の構築に向けた基本合意書を締結して参りましたので、その旨につきまして、ご報告申し上げたいと思います。
昨年12月21日から28日までの日程でありました。
まず、ウッタル・プラデーシュ州ですが、インド最大の人口を誇る州となっております。
約2億4000万人、山梨県の約300倍の人口ですが、こちらと互恵関係の構築に向けました基本合意書を締結して参りました。
同州の首相、チーフミニスターと呼ばれていますが、このウッタル・プラデーシュ州の首相でありますヨギ首相、こちらの方は、インド全体では今モディ首相が国を率いられていますが、大変有力な後継者候補、こんなふうにも評されられている大変有力な政治家であります。
こちらのヨギ首相と会談をして参りまして、技術交流と、それから人的交流の分野における取り組みを私どもの方から提案をしたところ、大変強いご関心を示していただき、具体化をしていこうということで合意を得た次第であります。
まず、その合意の柱の1つはグリーン水素に関するものであります。
グリーン水素に関しましては、同州に限らず、インド全体で大変強い関心が示されているところであります。
後で申し上げますが、デリーから出入りしたわけですが、こちらの方で企業グループ、いわゆる財閥と言われているものですが、こういった皆さんも含め経済界の皆さんも、グリーンハイドロジェンに大変強いご関心をお持ちだということを痛感したところであります。
こうしたことを背景といたしまして、技術交流に関しましては、本県が誇りますグリーン水素技術に関する知見の共有をはじめといたしまして、P2Gシステムを活用して、州内の世界遺産でありますタージ・マハル、或いはマトゥラー、バラナシというヒンドゥー教の聖地がございますが、そういった歴史的な聖地の環境を保護する実証実験的なプロジェクトの立ち上げを提案してきたところであります。
また、富士五湖自然首都圏フォーラムにおきましては、富士グリーン水素コミュニティというコンソーシアムを組成しておりますが、このコンソーシアムに対する参加につきましても打診をしてきたところであります。
これらグリーン水素に関しましては、知見の共有のみならず、活用についてのルールメイキングも含めまして、今後連携して取り組みたいという旨のご発言をいただきました。
また、今回の訪問におきましては、インド中央政府の外務担当国務大臣と、新エネルギー、再生可能エネルギーをつかさどる省の事務次官の方との会談を行いました。
また、今申し上げましたように、インドにおきまして幅広くビジネスを展開する企業グループの経営者幾人かと意見交換をし、人間関係を構築してきたところであります。
繰り返しとなりますが、官民ともにインド国内におきましては、大変グリーン水素の活用に高いご関心を示されておられます。
中央政府からは技術者を山梨に派遣したいと、こういう申し出もいただきました。
私どものP2Gシステムはじめ、グリーン水素技術が大変大きな関心を持って迎えられたと思っています。
このため、インド政府の全面的なご支援もいただきながら、ウッタル・プラデーシュ州と連携をいたしまして、水素社会の実現に向け、ルールメイキングも視野に入れ、戦略的な取り組みを進めて参りたいと思います。
この点、まずは研究施設が集積しております米倉山において視察の受け入れですとか、或いは技術的な対話、技術者のミーティングを実施して参りたいと思います。
また、富士五湖自然首都圏フォーラムとも連携いたしまして、先ほど申し上げました国際コンソーシアムですが、こちらにウッタル・プラデーシュ州、或いはインドにも入っていただいて、ぜひ水素社会に関する国際的なシンポジウムについても検討して参りたいと思います。
さらには、インドにおけるグリーン水素戦略構想への参画なんかも視野に入れ、ウッタル・プラデーシュ州を含めたインドからの人材受け入れなどを通じまして、現地有力企業との協力体制の構築を図って参りたいと思います。
次に、人材交流につきましては、本県とウッタル・プラデーシュ州の大学間で、ちなみに同州はインド国内でも多くの大学が集積してる地として有名なところでありますが、こちらの大学間で包括的な学生交流プログラムですとか、或いは実習生などの人材派遣、或いは人材派遣の受け入れなどを通じまして、優秀な人材が本県の高度な精密機械製造、或いは農業の分野で貴重な経験を積む機会の創出、こういうものを提案してきたところであります。
山梨県におきましては、海外から本県にお越しいただく人材に、「第2のふるさと」と感じてもらえるような環境づくりを進めておりますが、その旨をご紹介したところ、こちらの州では、若年層が多く、能力開発や雇用創出に力を入れているということであり、積極的な連携の意向が示されたところであります。
このため、私どもといたしましては、ウッタル・プラデーシュ州から、本県企業への人材受け入れ、或いは大学間交流を進めていくために、安心してお越しいただけるよう、日本語学習或いは医療保険の加入などについて、他で行ってるような環境整備を進めていきたいと思っています。
なお、この人材派遣、受け入れも含めまして、本県とウッタル・プラデーシュ州との民間経済交流を促進していくため、民間経済界を主体とした友好協会の設立、或いはこの友好協会によります訪問団の組成について検討を始めたところであります。
次に、人的交流のもう1つの柱、観光面となっていますが、まず、インバウンド、向こうからこちらにいらしていただくこと、そしてこちらから向こうに伺うこと、それぞれについて意見交換をして参りました。
特にインバウンドに関しましては、まず山梨県を多く知っていただきたいということもありますので、今回の渡航におきましては、現地の映画関係者ともいくつか会談をして参りました。
その中で、現在、日本とインドを舞台とした映画を計画していると、そういう旨のお話もいただき、その際にはぜひ山梨県をロケ地として選んでいただけるよう依頼をし、前向きな回答をいただいたところであります。
今後、インド映画、大変大きな存在でありますが、インド映画の山梨におけるロケ誘致をしっかりとサポートしていきたいと思います。
それから、今度こちらから向こう側に行く話ですが、これはウッタル・プラデーシュ州のヨギ首相からリクエストをいただいたところであります。
同州におきましては、お釈迦様の足跡がある仏教の聖地が幾つも存在する、こういう場所になっておりまして、ぜひ日本の皆さまには訪れて欲しいと、こんなお話もいただきましたので、そういうものの具体化に向けまして、まずは先ほど申し上げました訪問団、例えばエクスカーションなどによって行ってはどうかと、こういう検討を行うこととしております。
今後、今申し上げました方向性をもちまして、ウッタル・プラデーシュ州との具体的な連携の枠組み、或いは取り組みにつきまして、具体化を進めて参りたいと思っております。
このため、こういったことも含めまして、先方にお伺いしたときに、ヨギ首相に来日していただき、本県を訪れていただきたい、こういう要請をして参りました。
これが実現いたしますと、同首相にとりましては、初の外遊になるということでございます。
これをさらに進めていこうということで、来月、副知事を改めてウッタル・プラデーシュ州に派遣し、詳細についてさらに議論を進めていきたいと思っております。
今回、ウッタル・プラデーシュ州首相との会談の様子は現地のメディアで大変大きく取り上げられたところであります。
彼の地におきます、日本、或いは山梨県への関心の高さ、期待の高さ、これは正直申し上げて想像以上だったと、こういう思いを持っております。
インド自体、大変力強い成長をしている地でありますし、また、その中でウッタル・プラデーシュ州は大変人口も多く、活力がある地区であります。
こちらの活力をぜひ私としては山梨県に取り込んでいきたい、そうすることで、山梨県のポテンシャルというものが活きてこようと思いますし、また、そのポテンシャルをインド、ウッタル・プラデーシュ州の発展にも活かしていく、このようなことをしていきたいと思っています。
なお、インドとのお付き合いはウッタル・プラデーシュ州は現状私どもが承知してる限りは山梨が初だと思っておりますが、その他の州につきましては国内の都道府県の中で交流がありますので、インドと日本の間の地方交流をしっかりと私どもも促進するべく、貢献をして参りたいと思います。
こうした観点から、先般、静岡県をはじめ、何県かの知事さんとお目にかかってお話をする機会がありまして、その際にぜひ私ども県知事と先方の州のチーフミニスターとの間で、いわば知事会議、こういうものをやったらどうだろうかと、こんなような提案を国内のインドとの交流をお持ちの県の知事にお話をしたところ、皆さんから力強いご賛同もいただきましたので、今後、日印知事会議の実現に向けて関係自治体と連携をしていきたいと思う次第であります。
記者
今回、グリーン水素の関心が高いというようなお話がございました。
アメリカ・カリフォルニア州への訪問の際にもこういった分野に対しての関心が高いというようなご報告を頂戴しております。
活用方針については理解するのですけれども、今回ルールメイキングというようなお話がありました。具体的にはどういったことをお考えになってるのかお伺いいたします。
知事
一般的に水素社会という言葉が多用されますが、その水素社会って一体何だと、どういうものなんだというイメージを誰も持っていないというのは、カリフォルニアに行ってもそう思いましたし、インドについてもそういう印象を持ちました。
まず、来るべき、或いは我々が追求をしていくべきこの水素社会とは一体何ぞやと。こういうものをまずは意見交換、情報交換、イメージの共有、こういうものを図っていきたいと思っています。
そうした中で、来るべき水素社会とはこういう社会なんだとなったときに、それを実行するためにどういうルールが必要になるんだと。こういうところを議論していきたいと思っています。
すなわち水素社会というものはそもそもイメージしかなくて、具体的なコンテンツ、内容というものがほとんどないものなので、まず、コンテンツのイメージを共有し、そこに求められるルールとは何ぞやと。ルールがなければ進みませんので。そういうことを議論をしていく。そういうことを考えています。
記者
グリーン水素に関しては、水素の製造装置というのは中国なんかはかなりスピード感をもって生産拡大してますけども、今回、インドとの交流でウッタル・プラデーシュ州の首相の訪日、来県はいつぐらいを目指しているのか、あと、同じく経済界が中心として友好協会の設立、あと、日印知事会議の開催、これもいつぐらいを知事として目指しているのかというところを教えてください。
知事
できれば年内をめどにヨギ首相の来県が実現できたらいいと思っております。
この来県のタイミングに合わせて、様々なものが立ち上がっていくと、こんなような形が望ましいかなと思っております。
従って、ご来県いただく前に、友好協会の粗々を準備をしておきまして、ご来県したときに、立ち上げができたらいいなと思いますし、そこでさらに決議をして、そのあと年内の間には訪問団で同州を訪れることができたら理想かなと思っております。
それから日印知事会議の方は、特に今私どもがご相談差し上げてるのは、静岡県、こちらはグジャラート州と交流がありますよね。和歌山県、愛媛県、岡山県、静岡県、山梨県で、今のところ話し合いを始めております。
こちらは最初は別にオンラインでもいいと思いますが、とにかく会って交流を進める形を作ることが重要だと思いますので、こちらもできる限り早い段階で実現をしたいなと思います。
知事
特定都市河川浸水被害対策法に基づきます特定都市河川などの指定につきまして発表したいと思います。
この度、本県におきましては、南アルプス市、中央市に位置いたします横川、八糸川、西川、清水川、油川、こちらを「特定都市河川」に指定をし、併せてその流域を「特定都市河川流域」に指定をすることで、流域一体となった浸水被害対策のさらなる推進を図ることといたしました。
指定の時期につきましては令和7年9月を予定しておりますが、こちらは県内初の指定となって参ります。
現在、全国におきましては、激甚化或いは頻発化する水害に立ち向かうため、国や自治体のみならず、企業、或いは住民の皆さんが協働して取り組む流域治水への取り組みが進められていると、こちらにつきましてはご案内の通りであります。
令和3年5月には法律の一部が改正されまして、指定要件が拡大されるなど、「流域治水」の実効性を高めることとされているところであります。
本県におきましては、令和4年12月に「横川流域治水対策アクションプラン」、これは県内で初めて策定をいたしまして、国、県、流域の市が協働して、流域治水対策を実践してるところであります。
今回の指定によりまして、開発などによる流出量の増加を抑制し、浸水リスクを増やさない対策を求めることができるようになって参ります。
具体的には、宅地等以外の土地で行う1,000平方メートル以上の開発などにつきましては、雨水の浸透を阻害する行為は許可が必要となって参ります。対策工事が義務づけられることとなります。
このため県では、今後流域の市と連携をいたしまして地域住民の皆様や関係事業者の皆様に対しまして、今回の指定の趣旨、或いは規制内容につきまして、しっかりと説明して参りたいと考えております。
引き続き、この流域治水対策をしっかりと行い、県民の皆様の生命・財産を守るべく取り組みを進めて参りたいと思います。
記者
現地時間で昨日になりますけれども、トランプ大統領が就任されました。
一律関税についての話がすでに出ている中で、山梨県内の半導体産業を中心にどのような影響が出るのかということが懸念されていますけれども、知事としてのトランプ大統領就任と、今後の県内経済への影響について、どのように受け止めていらっしゃるのかをお伺いいたします。
知事
まず、トランプ大統領のご就任をお祝い申し上げたいと思います。
その上で、今ご質問の関税政策がどういう形になってくるのか、それはしっかり見ないとまだわからないと思いますので、そういう状況が出てきたところで考えていきたいと思っています。
ただ、状況は厳しくなるリスクもあるんだろうなとは思っていますが、それに対してどう対応をとるのかは、国と我々とオールジャパンで向き合うべき問題だと思います。
もちろん我々も積極的に何がしか向き合って参りますが、情報を集めてどういう形で対応するのか、これから決める話ではないかと思います。
記者
就任早々、パリ協定の離脱だとか、化石燃料増産だということをおっしゃっておられるようで、この辺りのことっていうのは、山梨県の目指す水素シフトですか、この辺への与える影響というか懸念というか、何かお感じのことはありますか。
知事
パリ協定の離脱や諸々は決して順風にはならないのはご案内の通りだと思いますが、ただ、気候変動問題自体は、アメリカはどう考えようと気候変動が起きていると私たちは思いますし、そこに向けてCO2を削減し、温室効果ガスの削減というのは有効な手段だろうとも思いますし、それに向けて化石燃料に変えて水素を活用してくいうことも有効な手段だろうと思いますので、今、アメリカが仮にそっちの方向になったとしても、いずれはまたこちらに戻ってくるんじゃないかなと私は思っております。