知事記者会見(令和6年4月1日月曜日)
ページID:114891更新日:2024年4月2日
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防災新館401,402会議室 15時00分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
本年度もよろしくお願いをいたします。
新しい年度が始まりまして、コロナ明けの初めての新年度となりますので、更に気合いを入れてやっていきたいと思います。
先ほど庁議及びその後の県庁職員の皆さんに対して、これまでのコロナ禍においても山梨県政は一貫して前進をし続けてきたと、その中で、様々な施策の種を蒔いて、そういう蓄積があるわけですが、その蓄積の上に、さらなる挑戦を貪欲にしていきましょうというお話をさせていただきました。
その際に、これは繰り返し言っておりますが、集合知の活用を念頭に、重視して行っていきたい。また、その集合知の活用にあたっては、聖域なき議論というものが重要であって、あらゆる行政領域を対象に、聖域なき議論をしていきたい、こういう旨をお話しさせていただきました。
また、こういうものを踏まえまして本年度の施策の方向性についてお話をしたいと思いますが、テーマごとに分けてお話をしたいと思います。
主立ったものといたしまして、まず、防災・減災に関してですが、能登半島沖地震、大変大きな教訓を私達に突きつけたものであります。
これを踏まえまして、まず、災害の初動対応の充実を図って参りたいと思います。
人工衛星なども活用いたしまして、迅速な被害状況、被害情報の収集体制を確立したいと思います。
また、災害物資の確保につきましても、必要な見直しを行っていきたいと思います。
住宅の耐震化に関しましては、啓発を強化すると同時に、補助制度を拡充したいと思います。
これら施策の進行状況を見ながら、住宅の耐震改修については、さらなる手が必要であれば、それはしっかりと講じて参りたいと思います。
富士山火山防災に関しましては、デジタルデータ或いはAIを活用いたしました避難誘導アプリの開発など、円滑な避難誘導に向けた情報通信体制を整備して参りたいと思います。
また、富士山科学研究所の機能に関しましても、しっかり拡充を図る方向で検討を進め、また、その機能を発揮できる環境の整備をしっかり進めていきたいと思います。
それと併せまして、4月に国でも体制整備が行われますので、火山研究者或いは火山防災に関する人材をいかに蓄積させるか。これは国もいよいよ本腰を入れるわけですので、山梨県もしっかり応えて対応して参りたいと思います。そうした意味で、より火山を学んだ人たちが活躍できるフィールドを広げていきたいということで、これまで富士山科学研究所で蓄積された様々なノウハウを今度は産業化、ビジネス化できないだろうかと。そうする中で、働く場の層の厚みも増やしていきたいと考えております。このような工夫を少し議論していきたいと思います。
それから、公共事業に関しましては、引き続き、事業量をしっかりと確保して、特に自然災害に対する強靱化を図るインフラ整備に重点を置いていきたいと思っています。
次に、地域経済に関してですが、先ずは働く人の賃金アップに対して、これまで以上に力を入れていきたいと思います。スリーアップ運動につきましても、おかげさまで多くの企業に参加していただいておりますが、さらに参加企業の拡大を図り、実際の賃金アップになるようにつなげていきたいと思います。
県としましても、スキルアップ、収益アップ、賃金アップのうち、一番最初はこのスキルアップの部分をしっかりと県内企業、そして、働く人が取り組めるように、やまなしキャリアアップ・ユニバーシティをさらに充実、強化させていきたいと思います。また、この点に関して今年は目に見える成果も上げるべく、取り組みを進めていきたいと考えます。
また、働く人という意味では外国人材に関しましても、日本語習得支援の充実を図りながら、特に介護分野におきましては、キャリアアップ認証制度或いは奨学金を創設いたしますので、これらがしっかりと効果を上げるように取り組みを進めていきたいと思います。
また、母国に残されたご家族向けの医療保険、これも現実の稼動になるように取り組みを進めていきたいと考えております。
そして次の課題としましては、DX、地域内発型のDXを進めていきたいと思います。
この地域内発型のDXですが、これは中小企業が大半を占めるという本県の実情を踏まえまして、中小企業の皆さんが実情に合わせて普段使いできるサービスを提供する体制を構築していきたいと思います。
すでに学生さんに対するワークショップなどを通じた研修も行っているところでありますし、また、デジタルスキルを持った学生と、商工会の指導員の皆さんがペアをつくり、実際に県内の中小企業に行っていただいて、そこでのデジタルの課題を、経営状況をよくご存じの商工会の指導員さんの分析のもとで、こういう部分をデジタル化すればもっと効率上がるよね、これやってみようか、ということでスキルを持った学生さんがその課題解決に向けた取り組みをする、こういう取り組みを進めて参りたいと思います。
次に、今日から始まりましたが、物流の2024年問題に関しましては、これは安価な料金設定、あるいは劣悪な労働環境、こういう問題の根本はその過重下請け構造にも1つあります。
国においてもそれに対する取り組みを進めてくれていることと承知をしておりますが、私どもも県レベルで、できる限りの対応をとって参りたいと思います。
例えば、県内には様々な進出企業がありますが、その進出企業さんに対して、願わくは県内の運送会社さんを下請けではなく、ダイレクトに使っていただくことによって、運賃が上がるような、そんな取り組みを始めとして、県の持てるリソースを最大限活用して、低運賃をもたらすような構造の改革に切り込んでいきたいと考えております。
そして、順序があちこちいって恐縮ですが、県全体としては、次の課題として、新たな挑戦の支援を重要な旗として掲げて参りたいと思います。
これまでも本県内で実証実験を行うような場合、これを我々はテストベッドの聖地にしようということで様々な支援をして参りましたが、これから事業分野あるいは事業ステージを問わず、新たな各経済主体、或いは各県民の皆さんが新たなチャレンジをしようという場合にはそれをしっかりと応援をしていきたいと思います。
例えばサービス業の分野ですと、山梨県の美酒美食でいろいろ売り出していこうという取り組みを進めておりますが、そういう中で、三ッ星のレストランのオーナーシェフを誘致する、これも1つのやり方なのかもしれませんが、むしろ私たち山梨県としては、例えば、東京なり首都圏なりで、何年間か修行して、ようやくお店を持とうという準備が整った皆さんに、ぜひ山梨県でお店を持ってくださいと、物心ともに支援をしますと、こういう方が山梨らしいのではないかということで、我々としては新しい挑戦をするんだったら山梨だということで、あらゆる分野の新規挑戦を支援する、そういう施策を進めて参りたいと考えております。
個別分野で申し上げますと、まず、本県の主力産業であります製造業に関しましては、これまで医療機器に関しましてはメディカル・デバイス・コリドー構想を進めて参りました。本県の高い技術力をいかんなく活かしていく意味でも、県全体でファウンドリー化を目指していこうということで取り組みを進めて参りたいと思います。そこはいわゆるファブレス企業ですね、設計、デザインをするスタートアップ或いはベンチャー企業などの先進企業とタッグを組みまして、本県全体が1つのファウンドリーとしてその製造を引き受ける、こういう姿を目指して参りたいと思います。
また、水素燃料電池関連産業に関しましても、おかげさまで昨年も大変大きな関心を集めたところですが、我々としては今年取り組むべきは、まさにこの水素燃料電池関連産業の地場産業化を目指して、そこに向けて取り組みを進めて参りたいと思います。
同様に航空宇宙防衛関連産業に関しましても、医療機器或いは水素燃料電池と同様に部品材料の提供などを中心として、しっかりと本県の製造業の参入支援を行って参りたいと思います。
これら3つは、当面安定した成長が見込まれる分野でもありますので、この安定成長力を県内経済に是非ビルトインするべく、今申し上げた取り組みをしっかりと進めて参りたいと思います。
次に、観光に関しましては、観光消費総額の増加に重点をおいて参りたいと思います。県内観光関係の皆様が様々な高付加価値化の取り組みを進めてくださっており、観光の入込客数は下がっておりますが、単価は上昇してるという、ある意味望ましい方向に動いてるかと思ってます。
ただ問題は、観光消費総額が上がっているのかいうところは、しっかり調べながらいきたいと思います。デジタルの活用ですとか、或いはインバウンドのお客様が安心して滞在をしていただけるように、食に関する認証制度、ムスリムやビーガンの方ですとか、様々なルールがある方がいらっしゃいますので、そういうルールに照らして、この食材或いはこのお土産どうなんだというものがわかりやすく伝わるような、そういう工夫を県内で進めて参りたいと考えています。
また、農業に関しましても生産者の所得向上に引き続き、徹底してこだわって参りたいと思います。
そのため、県産農産物のブランド価値を引き上げるべく、生産・流通・販売、三位一体で高度化を進めて参りたいと思います。
生産面では、例えばデータ農業、今大きな成果を上げつつありますが、これをさらなる技術開発、普及を図って参りたいと思います。今、野菜、果物でやっていますが、これから例えば花き、お花ですとか、或いは水産或いは畜産に対しましても応用ができないか、議論をして参りたいと思います。
流通面に関しまして特筆すべきは食肉処理施設、しっかり整備に対する支援を行って参りたいと思います。
販売面は、プロモーションなどやるべきことはしっかりやっていくことはもちろんですが、特にふるさと納税の返礼品が、昨年、一昨年と大きな問題を起こし、この問題は本県のブランド価値にも大変大きな影響を及ぼしているわけですので、ここは各市町村の皆さんとしっかりとコミュニケーションをとりながら、トータルで末永く消費者に愛され続ける山梨の農産物であるように取り組みを進めていきたいと思います。
次に、県内全域の高付加価値化についてお話をしたいと思います。リニア中央新幹線、開業は延びてしまいましたが、そこに向けて今やるべきことは徹底して進めていきたいと思っています。広域の道路ネットワーク或いは地域内ネットワークの整備、さらには空港開設の可能性についても引き続き検討を進めて参りたいと思います。
併せまして富士五湖自然首都圏構想ですが、今月内に1つ、また大きなグローバルビレッジというコンソーシアムの中で具体的な取り組みが行われるところでありますが、しっかりと活動がされて、着々と成果も上がり出しておりますので、引き続き力を入れて取り組みを進めて参りたいと思います。
私たちの取り組みは、富士五湖だけではありません。県内各地バランスをとりながら、それぞれの特色を最大限引き出す形で進めて参りたいと思います。
その観点で小淵沢に関しましては、北杜市、或いは民間企業などとともに、振興検討委員会を立ち上げて、どういう形でやればより付加価値の高い地域になれるか、そこに向けて協力関係が構築をされているところでありますので、しっかり議論をして、実行フェーズに移していきたいと思います。
峡南についても同様でございます。今、「道の駅富士川」を本県の或いはこの峡南地域の、そこに行けば峡南地域の素晴らしいものが見えて、そして体験できる、ショーウィンドウとなるようなフラッグシップ道の駅にすることはできないだろうかと。これも地元の皆さんとビームスさんと連携をしながら取り組みを進めていきたいと思います。今後コストコが開業いたしますと、静岡方面から多くの皆さんが中部横断道を使って本県にいらっしゃるわけですが、コストコの往復だけで終わらせてしまうのではなくて、しっかりと山梨県、特に峡南地域の良さ、これを体感していただいて、そこから地域に足を運んでいただけるような取り組みをしていきたいと思います。
甲府地域に関しましては武田の杜、大変すばらしい場所ですので、この下の湯村温泉の再開発と合わせて、さらには昇仙峡、こういう近隣観光資源との相乗効果を図るにはどうすればいいのか、ここもしっかりと議論をして進めていきたいと思います。
経済関係の取り組みの主なものは今申し上げた通りでありますが、次に生活基盤の話といたしまして、まず、医療に関しましては、来月、いよいよ初期救急医療センターのスタートがありますので、円滑にスタートして、初期救急が持続可能なものになるように取り組みを進めていきたいと思います。
認知症の予防について、東大の酒谷さんと連携しながら実証実験をやろうということで取り組みを進めておりますが、これを目に見える形にしていきたいと思っています。
それから、電子版かかりつけ連携手帳はコロナ禍を通じまして様々活用して参りましたが、この点に関しましてもしっかりと今後におけるデータ医療の基盤となるように進めて参りたいと思いますし、また重度心身障害者の窓口の実質無料化のためのツールとしても使っておりますので、これをさらに拡大、普及を図って参りたいと思います。
介護につきましては、令和8年度までに介護待機者をゼロにするという取り組みを着実に進めて参りたいと思います。
あわせて人材の確保につきましては、先ほど外国人のところでも申し上げましたように、諸々の工夫が必要となって参りますので、現場の皆さんと相談しながら進めていきたいと思います。
障害者福祉に関しましては、本県内は特に東部地域において、大変申し訳ないことに劣悪な状況のままでありましたが、ここを今年しっかりと解消の目途をつけるべく取り組みを進めていきたいと思います。
医療的ケア児者に関する相談センターのサテライトを都留市立病院で受けていただくことになりましたが、受入施設が不存在なわけでありますので、事業者の皆さんをしっかりバックアップして、建設の目途をつけていきたいと思います。
この他、障害のある方の就労支援、或いは所得向上も同様に取り組んで参りたいと思います。
本県は農福連携に加えまして産福連携にも力を入れておりますが、この観点で、共同受注協議会を設立し、大口受注に対応できる体制を整えていきたいと思います。
これは大変重要なポイントで、今までこれがないがゆえに、なかなかしっかりとした受注を得ることができませんでした。この協議会の中で、いろんな方が、いろんな施設で共同して、生産力を持ち寄ることで、より大きな受注を得て、そしてより多くの工賃を獲得できるような取り組みを進めて参りたいと思います。
併せて個々人に対しましては、キャリアアップ・ユニバーシティの枠組みもしっかりと対応できるように取り組みを進めて参りたいと思います。
なお、この観点でいきますと、パラスポーツセンターの開設準備はしっかりと着実に進めて参りたいと思います。
併せまして、国民スポーツ大会と全国障害者スポーツ大会のシームレスな一体開催の可能性をしっかり関係各所とご相談を申し上げながら実現に向けた歩みを進めていきたいと思います。
子供の教育に関しましては、ご案内の通り本日から小学校1年生から4年生までの25人学級がスタートをしております。5年生6年生以降どうするかは今年度中にしっかりと結論を得ていきたいと思います。
大きな課題は2つありまして、1つは財源の問題、もう1つは人員確保の問題ですが、我々としては、この課題をいかに解決すべきか、この結論を今年度中にぜひ、しっかりと得ていきたいと思います。
あわせて人数だけではなくて、教える側主体の教育から、学ぶ側主体の教育に転換を図っていきたいと思っています。こうすることで、必ずしも決められたペースで学ぶことが適切でない生徒さんもいるわけですので、そういう生徒さんにもしっかりと学ぶことの楽しさ、或いは学び甲斐を体感していただける、そういう教育が山梨で実行できるようにしていきたい。そうすることで、すべての子供の可能性をしっかりと引き出して参りたいと思います。
最後に、当面の課題といたしまして、先年来、大変大きな議論となりました県有地問題に関しましては、今現在、弁護士を通じまして賃借人側と協議を進めておりますので、しっかり協議を進めつつ、お互い納得できる結論というものを導いていくことを期待しております。
そして最後、富士山問題に関しましては、登山規制が円滑に実施されるように、デジタルの活用ですとか工夫をしながら取り組みを進めて参りたいと思います。今年初めての取り組みですので、多少の混乱はあるのかもしれませんけれども、ただ、できる限り混乱が軽微なものとなるようにベストを尽くして参りたいと思います。
登山鉄道構想はその並びでありますが、登山鉄道構想に関しましても、さらに議論を深めていきたいと思います。いろいろ課題とか、賛成論、反対論を含め、様々な課題・論点がだんだん提示されてきておりますので、そういうものをしっかりと受けとめて、できる限り、先ほど集合知の話もいたしましたが、なりうるように、取り組みを進め、適切な時期に、しっかりと判断できるように対応を進めていきたいと思います。
以上、大変駆け足になりましたが、主だった今年度の政策課題のテーマについてお話をさせていただきました。
記者
小学校1年生から4年生の25人学級に関して、先ほど財源と人員の確保というお話がありました。特に人員の確保に関しては、教育現場は非常に疲弊していて、なかなか難しい。かといって、人を単純に増やせばいいというものでは当然なくて、これが人員の確保の供給と質がトレードオフになってはならないと思うのですけれども、これを具体的にどのように対策を進められるのかということをお伺いします。
知事
大変重要な問題で、まさに今おっしゃった通りの課題というのは我々もまさに頭を悩ませてるところであります。
そういう意味では、例えば今日も少し関係者とお話をしたんですけれども、アクティブクラスという、1クラスの人数は25人を超えるのですが、そこに先生を2人置くというやり方があります。例えば1人は新任の先生がやって、例えば定年退職されたような方に再度お願いをして、その先生が新任の先生のメンターとなりながら子供たちに2人で向き合う、このような工夫もあるんじゃないだろうかと。
それがどれぐらい実際の数字でできるかどうかはまだいろいろな検証がありますが、そのような工夫も含め、今教育委員会には研究を投げかけているところであります。
記者
一番最初にあった富士山の火山防災に関連してですけれども、先ほど知事がおっしゃったように、火山学、或いは地学を学ばれる方が非常に少なくなっていて、人員の確保が非常に困難であると。ひとえにそれは出口が、なかなか火山学も学んでも、地学を学んでも、就職では有利に働かないというところがあって、大学の中でもそういった人員確保が非常に困難であるというふうな話を聞きます。その中でビジネス化に関して今お話がありましたけれども、それについて具体的に何かお考えのことがあればお伺いしたいと思います。
知事
私どもの富士山科学研究所は、すでにいろいろとやっているのですけれども、例えば外部に対して火山防災のあり方のコンサルテーションみたいなこともされていたりとか、或いはいろいろ研修教材を作っていたりとか、様々実際のビジネス界からの需要も、お話を伺うと、かなりありそうなんですよ。
こういうものを発掘をしながら、例えば富士山科学研究所が、或いはそこにいる研究者の監修のもとに、民間企業体と一緒にそういうビジネス化を図ることができれば、そこに新しい就職口が生まれるんじゃないかと。
まさに今おっしゃるように、火山を学んでも働く場所が乏しいというのは学ぶ人にとっては大変不安なことであって、従ってその火山じゃなくて地震に行こうかとかいう話になってしまうわけですので、多くの火山を志した人たちが、いろいろな道があるので、それがすべて火山防災という形で人の移動ができれば、より働く場所として、また学ぶ対象としても、魅力的に映ってくるのかなと思います。
結論から申し上げると、富士山科学研究所でこれまで蓄積された様々なものにビジネスの光を当てて、ビジネス化になることによって結果として火山を学ぶ人の働く場所が増えるような仕組みづくりをしていきたいと考えてます。
記者
まさに本日、火山調査研究推進本部が設置されたことと、あと、富士山科学研究所の藤井所長が政策委員会の委員長に政策立案のトップとして就任されました。
この特措法の改正に取り組んできた立場としての所感を改めてお願いいたします。
知事
火山防災に対して、国のより大きなコミットメントをこれまで一貫して本県は志を同じくする都道県とともに追い求めてきたわけでありまして、そういう関係者の願いが叶って、今回、火山の調査研究所ができたということは大変喜ばしい話で、これによって先ほどのお話にも関連いたしますが、より多くの方々が火山の研究を深めていただいて、火山学の高度化が日本において実現できれば、本県の安心度というものが大きく向上するんじゃないかと思います。
また、その中で、本県の富士山科学研究所の藤井先生が重要な役割を占められるようになったということは藤井先生のご経歴からすれば当然といえば当然なんですけれども、私どもにとっては大変誇らしい話ですし、これは国が藤井先生を通じて、本県の富士山科学研究所或いは山梨県との連携をさらに深める一つの気持ちの表れかと思いますので、その気持ちをしっかり受けとめて、なお一層、我々としては富士山の火山防災はもとより、日本全体の火山防災の進展にしっかりと貢献をしていきたいと思います。
記者
先ほど知事のお話にもありましたけれども、2027年の開業の断念という考えが示されました。
そちらの要因として、南アルプストンネルの静岡工区のことが挙げられていますけれども、改めて山梨県として静岡県に求めていくこと、そして県ができることについて、知事のお考えをお伺いできますか。
知事
まず2027年が後ろ倒しになるということは予想されていたこととは言え、大変残念な話であって、私たちとしては1日も早い全線開通をさらに強力に求めていきたいと思っています。
その観点で、今ご質問の静岡県に対して本県としてどう向き合うべきかという話ですが、私たちとしては繰り返し申し上げておりますが、静岡県におかれましては、JRと国との間で静岡県が三者で議論しているわけですが、その議論の状況を山梨県も含む期成同盟会の中でしっかりと説明をしていただきたいと思います。
何をどう議論してるのか、そこを私たちは全都道府県の目で見て、しっかりと向き合うべき問題に対しては我々もしっかり知恵を出し、そうでない問題についてはそうではないのではないでしょうかということははっきり申し上げたいと思っています。
他方、国に対しましても、もちろん多少の関与はしておりますが、そろそろ様々な政治決断をしていただく時が来ているのではないだろうかと思います。
やはり国の責任において、仮にリニア中央新幹線の工事が静岡県の皆さんに何がしか不利益を及ぼし、ご迷惑をかけるようであれば、これを国家的事業と言ってるのであれば、国がしっかりと実行実現を前提とした上で、静岡県にかけたご迷惑を国がしっかりと補填をしていくような新たな制度というものの議論を私はすべきだと思います。
そのようなことを機会があれば、国に対して話をしていきたいと思います。
記者
何点かお伺いしたいんですが、まずは先週金曜日に公表されました政治資金収支報告書の関係でズレがあったという点について事務所から公表されましたが、その点について知事の受け止めをお伺いできればと思います。
知事
まず、本件に関しましては記者の皆様に大変なご迷惑をおかけしたこと、不手際を改めてお詫びを申し上げたいと思います。
これは総点検の最中、私どももこの問題を見いだして、それの訂正を図ったところでありますが、こういう極めて初歩的な事務的なミスがないように今後しっかりと体制を整備しながら取り組みを進めていきたいと思います。
記者
続いて何点か疑問点があるのでお伺いさせていただきたいんですが、まず1点目として、今、総点検のお話もありましたけれども、1月25日の定例会見の中で、知事自身、過去の分に関してはもう問題がないというふうな趣旨の発言をされていますが、なぜ今回また発覚したのか、また、いつ発覚したのかというのをお伺いします。
知事
総点検は引き続きずっと行ってるわけでありますので、そのプロセスの中で見出したということであります。
記者
発覚した時期はいつごろになるんでしょうか。
知事
時期は総点検の最中ということだと思います。
記者
もう1つ、疑問点があるのですが、幸太郎クラブの収支報告書では、2019年に2200万円を支出したという前提のもと、その以降の翌年の繰越額などは計上されていますが、支出された額は2000万であったとすれば、銀行口座などを照合すればズレが生じるかと思うんですけども、そういったズレは生じてなかったんでしょうか。
知事
現金で管理してる部分もありますので、そういうことだと思います。
記者
当日、私どもが取材をさせていただいたときに、事務所の方からこの内容については事前に私どもは質問票で質問させていただいたんですが、その答えとして、金庫の中にいつでも、いわゆる必要なときに借りることができるお金があったというふうな趣旨の説明を受けたんですが、それは事実でしょうか。
知事
それは事実だと思います。
記者
フォーラム、ふるさと創生支部、幸太郎クラブはすべて同じ事務所、住所なんですけれども、現金で管理する際の金庫は分けていたのでしょうか。
知事
そこは帳簿上で管理をしておりますので、特に問題はないと思います。
記者
先ほどいざというときに貸し付ける現金があったということですが、この現金は、3つの団体の金庫と同じ金庫で保管されているんでしょうか。
知事
いずれにしても金庫で保管をしていたということだと思います。
記者
いつでも貸し付けられるお金っていうのは、全部で幾らあるんでしょうか。
知事
今承知をしておりません。
記者
以前、フォーラムが不記載だった1182万円に関しても金庫で保管されていたというふうに知事はおっしゃっていましたが、この1182万円が保管されていた金庫といつでも貸せるために用意された現金が保管された金庫は同じ金庫でしょうか。
知事
複数の金庫を持ってます。物理的に。
記者
フォーラムで不記載だった1182万円について、知事は帳簿で管理をしていたということをおっしゃっていますが、帳簿で管理するということは当然出し入れがあるために帳簿というものは付けられると思うんですが、フォーラムが不記載だった1182万円の現金が保管された金庫には他にどういったお金が保管されていたんでしょうか。
知事
そこは申し上げる必要があるとは考えません。
記者
最後に、こういった何かあったら使える資金というものがあったら、そこにそういった資金があれば収支報告書のずれがあっても、いくらでも調整ができてしまうのではないかなというふうに思うんですが、この辺についてはいかがでしょうか。
知事
私はそうは考えていません。