知事記者会見(令和6年3月26日火曜日)

ページID:114776更新日:2024年3月27日

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知事定例記者会見(令和6年3月26日火曜日)

令和5年度を振り返って

知事

本日は、令和5年度最後の定例記者会見だと思いますので、この機会をいただきまして、令和5年度を振り返ってまずはお話をしたいと思います。

令和5年度ですが、ポストコロナの1年目でありまして、新型コロナにより閉塞した状況ではありましたが、着実に種をまき、そしてまた育ててきた施策が徐々に花開いた1年だったと思います。

様々具体的な案件はありますけれども、基本は知事選、知事就任以来の公約であります「ふるさとの強靱化」と「開の国づくり」を柱として各施策を実行フェーズに移行させ、相当程度の進捗があったんではないかなと考えております。

多くの県民の皆様から温かいご支援をいただきました。この場をお借りいたしまして改めて感謝を申し上げます。

2期目1年目の成果ですが、まず1点目、新たな感染症への備えに関して申し上げます。

コロナ禍の驚異は過ぎ去りましたものの、新たな感染症の発生、蔓延に備えまして、平時から医療提供体制を構築するため「山梨県感染症予防計画」を策定いたしました。感染症に対応できる病床数などの数値目標を設定しております。

また、9月までに医療提供体制を整備することとしております。本日この後16時から県立中央病院、或いは医師会などの関係者の皆さんと、感染症法に基づく医療措置協定を締結いたします。

さらには、新たな感染症蔓延の際にも、十分対応可能な備蓄システムを構築しております。マスク、ガウンなどの衛生物質7品目、合計793万4千枚につきまして、令和5年度中に、この流通備蓄の仕組みによりまして、全て調達が完了しております。

なお、この流通備蓄の体制は、全国知事会におきましても高く評価され、優秀政策賞をいただいております。

やまなし感染管理支援チーム(YCAT)について、総合計画におきましては令和6年度までに100人の養成を目標としておりましたが、5年度にすでに89人を養成済みであります。

次にグリーン・ゾーン施設登録数に関しましては、5類移行後におきましてもグリーン・ゾーン認証施設数と同数を維持しております。

平時と有事において社会全体で迅速かつ的確に切り換えられる体制を、現状におきましては維持をしているところです。

次に火山防災ですが、この火山災害に対する強靱化も着実に進捗をしております。

私が代表幹事を務めます「火山防災強化推進都道県連盟」の活動によりまして、国会の関係の皆様にも大変なご理解をいただき、そして力を合わせて、昨年6月、活火山法の改正が実現され、いよいよ研究活動の司令塔となります「火山調査研究推進本部」が4月から設置されることになります。長年これを求めて、火山を擁する都道県の願いが一歩大きく受け入れられ実現したことであります。

また、昨年10月に開設いたしました「救急安全センターやまなし(#7119)」の利用件数ですが、2月末現在、7687件に上りまして、これが電話による救急医療相談、或いは医療機関番号案内ということで、県民の皆様の安心の確保に貢献をしていると考えております。

共生社会化に向けた取り組みにつきましては、後程述べますが、女性活躍、或いは外国人の問題も含めてお話をしたいと思います。

次に介護待機者ゼロ社会に関しましては、令和8年度までに介護待機状態を解消できる見込みとなっております。県内の介護待機者を解消するために必要となります約540床につきまして、施設整備計画の中に盛り込むことで全市町村の合意をいただいております。

子どもの教育に関しましては、御案内のとおり25人学級が小学校3年生まで拡大をしておりまして、4月からは4年生まで拡大されることになっております。

また、教育長も来ていますけども、県教育委員会から学校現場へ送付する文書の半減プロジェクトに関しましても、おおよそ半分の文書削減を達成しています。

次に女性活躍に関しましては、「やまなしえるみん認定企業」ですが、令和8年度末までに110社とすることを目標としておりますが、令和5年度末時点で84社が認定されております。着実に進捗しているという認識をしております。

また、県庁における男性職員の育児休業取得ですけども、現時点におきまして、子育て支援計画を提出した38名全員が育休を取得し、うち37名が3ヶ月以上、在宅で育児を行う予定となっております。

これによりまして令和5年度の育休取得率ですが、4年度の32.9%から大幅に上昇するだろうと見込んでおります。

庁内託児所の利用者数ですが、これも利用枠を拡大したことによりまして、2月末時点で昨年同時期と比較して377名御利用が増え、合計782名の方に御利用していただいております。

障害者関係ですが、農福・産福連携の推進を行って参りました。これによりまして多くの皆様が力を合わせて、就労継続支援B型事業所の平均工賃月額が、令和3年度から4年度にかけましては1268円上昇をしております。

また、障害をお持ちの方に対します医療機関における医療型短期入所事業所ですが、令和4年度までは未設置でありましたが、令和5年度に新規開設が進みまして、2つの病院で医療的ケア児者に対する対応が可能となっております。

そして、電子版かかりつけ連携手帳の電子決済モデルの推進事業、すなわち重度心身障害者の皆さんに対する実質的な窓口無料化のための実証事業ですが、令和5年9月末までに全市町村に拡大をしております。参加事業所数に関しましては、県立中央病院、そして山梨大学附属病院に加えまして、昨年7月から3つの調剤薬局で事業を実施しています。できる限り拡大をしていきたいと思っています。

外国人活躍ですが、御案内のとおり、外国人労働者に「選ばれる」山梨になるべく、奨学金制度、或いはキャリアアップ認証制度に加えまして、母国の御家族を支える医療保険制度を創設することが決定しております。

ひきこもり当事者もしくは御家族に対する支援ですが、一定の基準を満たしましたひきこもり支援活動を行う民間団体に対する県の認証を、昨年7月から行っております。3月末時点で4団体をすでに認定済みです。

犬猫の致死処分数ですが、これも多くの皆さんと力を合わせた結果です。令和元年度までは3桁だった致死処分数ですが、今年度、今年2月末時点で現状ゼロ匹となっています。

豊かさ共創社会の実現に向けた取り組みに関しましては、スキルアップ、収益アップ、賃金アップの3つの「スリーアップ運動」ですが、これに関する協議会への参加企業が300社を超えました。

また、「やまなしキャリアアップ・ユニバーシティ」は、1月からスタートしており、定員を上回る64名が参加をしておりますが、これはまだまだ滑り出しの段階であり、今後ますます充実・拡大をさせていかなければならないと思っております。

DXに関しましては、「地域内発型DX」の実現を目指しまして、これまで合計255回研修を実施し、受講者数は延べ5711名となっています。

「開の国づくり」ですけども、まず、物理的な開化につきましては、ご案内のとおり昨年4月中部横断自動車道の北部区間、長坂~八千穂間ですが、具体的なルート案が昨年7月に示されました。

また、今月には、新山梨環状道路の北部区間につきましても6年度事業化の見込みが示されまして、おそらく4月には事業化が正式に決定すると期待をしております。物理的な行き来が容易になって参ります。

国際交流の進展に関しましては、昨年9月、ベトナム・クアンビン省と姉妹友好県省を締結いたしました。

これらに伴いまして、高校生が、本県の姉妹都市の関係の高校生の皆さんと実際のフェイストゥフェイスの交流事業というものが始まっております。

水素・燃料電池に関しましては、令和4年度と比較しまして参入企業が10社増えまして91社となっています。

P2Gにつきましては御案内のとおり、2月にサントリーの白州工場で現地工事に着手をしております。

1月には、電力需給調整市場への参入を目指して、「株式会社やまなしフレキシビリティカンパニー(YFC)」を設立し、米倉山における研究成果のビジネス化を目指しております。

メディカル・デバイス・コリドーに関しましては、2月末時点で医療機器関連分野への参入企業数、令和4年度末と比較しまして11社増え、157社となっています。

一方、農業に関しましては、データ農業の技術開発が着実に進展しております。施設栽培のシャインマスカットが生産性1.5倍、キュウリに関しましては2.8倍の実績が出ております。

お花に関しましては、1月に(株)大田花きさんと、県産花きの生産振興に関する協定を締結いたしました。同社に蓄積されています様々なデータを元に今後売れ筋品目の産地普及を進めていきたいと思っています。

4パーミル・イニシアチブにつきましては、今年の2月、山梨県で全国サミットを開催いたしました。270名を超える方が参加をしてくださっています。

「テストベッドの聖地化」に向けた取り組みにつきましては、実証実験サポート事業を今年度も着実に行いまして、令和3年度からスタートしていますが、今、合計35件を支援しております。

富士北麓地域に関しましては、富士五湖自然首都圏フォーラムの加盟団体は、令和5年度末までに39団体となりました。さらに、2つの国際コンソーシアムが誕生しております。

同じく富士山に関しますと、弾丸登山抑制の観点から条例が制定されました。時間及び人数による登山者の制限、使用料の徴収です。これらの使用料を富士山に再投資をいたしまして、シェルター整備などをしっかり行っていきたいと考えています。

以上、縷々申し上げましたけれども、多くの皆さんのそれぞれの分野で、県庁の職員はもとより、関係の皆さんに本当に御協力をいただいて、それぞれ相当程度の進捗は出していると認識をしています。

ただ、私たちの目指すところは、まだまだ先にあるものですから、なお一層、オール山梨で一丸となって取り組みを進め、将来世代も含めて県民の皆様お一人お一人が豊かさの実感に近づけるように取り組んでいきたいと思います。

記者

今年度を振り返ってのところでお伺いしたいのですけれども、先ほど知事は相当程度の進捗だと思っているというお話もありましたけれども、富士山登山鉄道構想の中間報告は、ちょっと今年度間に合わなかったというところもあるかと思うのですけれども、その進捗状況についての知事の受けとめと、新年度どう進めていきたいかという、改めて思いをお伺いできたらと思います。

知事

登山鉄道構想に関しまして、世界文化遺産たる富士山が文化遺産になるときに、我々が背負った3つの宿題、これをどう解消するかというところが出発点になっているわけですが、昨年1年間、県内外、場合によっては国外も含めまして、大変大きな議論になって、多く県民の皆さんもこの問題について、関心を高めていただいた。これは何よりも大きな進捗だったと思います。

最初のうちは、北麓地域だけの話だろうみたいなことが甲府盆地の皆さんに話をしてるときにそんな反応もいただきましたが、今や皆さん大変大きな関心を持って「富士山どうするんだ」ということを会話の中で交わしていただく。これはやはり何よりも重要な基礎、言わば県民の皆さんの理解をこれからいただいていくという意味で、大変重要な基礎ができたというふうに考えています。そういう意味では大変大きな進捗があり、先ほどお話しの技術的な話は、そういうものを見ながら、詰めるべきところは詰めていきながら、適切なタイミングで、外にお示ししていきたいと思っています。

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山梨県強靭化計画の策定について

知事

この度、南海トラフ地震、或いは富士山火山噴火、豪雨・豪雪などの大規模自然災害に備えるために、新たな「山梨県強靱化計画」の策定をいたしました。

この見直しに当たりましては、当然のことながら能登半島地震の知見を反映するとともに、国が昨年7月に「国土強靱化基本計画」の改定を行いましたので、その事項なども踏まえております。

基本的な方針におきましては、地震や火山噴火に備える「防災インフラの整備・管理」、幹線道路や電力供給網を確保する「ライフラインの強靱化」、防災リーダー養成などによる「地域防災力の向上」を政策の3本柱として掲げています。

これに加えまして、デジタル、或いは官民の連携強化を最大限生かすこともうたっているところでございます。更には、先般の能登半島地震から得られた知見をもとに、早急に対応すべき事項につきましては、令和6年度当初予算に計上し、重点的に進めてまいります。

記者

県の強靱化計画の策定について、改めて知事の総括と、能登半島地震を踏まえた知見であったりだとかいうことを今後どう生かすかを、改めてお願いします。

知事

今回の強靱化計画ですけれども、まさに様々な、すべての起こり得る災害に対して、できる限り想定外というものをなくしていく。あらかじめできる限りの準備を進めていくということで、特に能登半島地震に関しましては、大変様々なテーマが現実問題として具体的に突きつけられたということがあろうかと思っています。

具体的に突きつけられた現実的な課題に関しまして、その対応に具体的に取り組む必要があろうかと思ってます。そういう意味で、充実度は増したと思っていますし、また、今回成果指標の考え方も、県民の皆さまから見てより分かりやすくしていきたい。つまり、何年後にはどうなるのと。どうなったときに、どこまで自分は安全になるのと。こういうことをしっかり把握していただけるような数値基準を見直しました。その見直した数値基準、目標をもとに、これを実現するべく取り組みを進めていきたい。

従来、得てして、実現できるものだけを数値目標にして本末が転倒しているようなケースもあったかもしれないわけですけども、今回そこは徹底的に見直して、そうじゃなくて、資源投入側の都合ではなくて、実際お住まいになる生活者の皆さんにとっての安全度がどこまで高まるか。ここをしっかり認識を共有していけるようなものにいたしましたので、これをもとに多くの県民の皆さんの御理解が進めば、またさらに、これは大変大きな資金がかかる話ですから、そういうものに対するご理解というものが進んでくるかなと。そういう意味で、県民の皆さんと行政当局の協働関係が深まることで、安全度は増してくるということに寄与するものだと思います。

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山梨県医療的ケア児支援センターサテライトの開設について

知事

本年5月、富士・東部圏域におけます医療的ケア児への支援の拠点となります「医療的ケア児支援センターサテライト」を都留市立病院に5月8日に開設することになりました。

令和4年8月ですが、医療的ケアが必要な方やその御家族からの御相談にワンストップで対応するため、国立甲府病院に「山梨県医療的ケア児支援センター」を開設したところでありますが、富士・東部地域におきましては、十分な相談体制が整っておらず、ある意味地域偏在があったわけであります。

このセンターの機能は、医療的ケアを行うことができる人材の育成に加えまして、医療、保健、福祉、教育など多分野にまたがる支援の調整なども行っているところでありますので、この地域偏在は早急に解消をすることが大きな課題となっておりました。

おかげさまをもちまして、繰り返しとなりますが、都留市立病院さんに御協力をいただきまして、同病院内にサテライトを設置をいたします。

このサテライトが中心となりまして、富士・東部地域の医療機関、或いは福祉施設、学校、保育園などと連携をいたしまして、適切な支援につなげ、医療的ケアを必要とされるお子様の健やかな成長と、そして御家族の負担軽減を図っていきたいと考える次第であります。

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山梨の夏服の愛称・シンボルマーク公募結果及び新製品の開発状況について

知事

山梨の夏服の愛称とシンボルマークに関しまして、御報告したいと思います。

御案内のとおり、この山梨の夏服ですが、昨年の7月に全国知事会や9月議会においても着用をして、広く県民の皆様のみならず、全国に御紹介をしてきたところですが、本日、全国から公募いたしました夏服の愛称、そしてシンボルマークの受賞作品と、一般販売に向けて開発を進めてきた夏服をお披露目したいと思います。

愛称とシンボルマークを全国公募いたしまして、結果、愛称に関しましては939点、シンボルマークについては132点の応募がありましたが、その中から「山梨の夏服普及促進協議会」において入賞作品を選定していただきました。

愛称の最優秀賞ですが、田辺新造さんの作品であります「かいくーる」と決定をいたしました。

また、シンボルマークに関しましては、東洋平さんからの、こちらご覧いただきます作品に決定をしております。

(モニターに投影)

現在、出願中の商標登録の結果を踏まえまして、愛称・シンボルマークとして正式に採用したいと思います。

これが襟元のブランドタグ、或いはラベルに使用するなどしていきたいと考えています。

次に、一般販売に向けた開発を進めてきた夏服ですが、県内企業4社に、女性向けのデザインも含めまして合計14パターン製作をしていただきました。

郡内地域で生産された生地を用いて、県内事業者により製作されたオール山梨というものになっています。

それぞれ特徴がありまして、夏の暑さを乗り越えるために涼しさを追求したものですとか、或いはオーガニックコットン100%、素材にこだわったものですとか、或いは宝石を研磨したボタンなど、それぞれ特色をそろえているものとなっています。

今後、各社において一般販売に向けて更にブラッシュアップを進めていただくとともに、この夏服ですが、県民の皆様に親しんで着ていただけるものとなるべく、PRをしていきたいと思います。

一般販売は6月からということであります。

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「県立高等学校における長期欠席者等を対象とした後期特別選抜」の導入について

知事

県立高等学校におきます長期欠席者等を対象とした後期特別選抜の導入について御報告いたします。県教育委員会で決定をしていただきました。

中学校で不登校などの長期欠席を経験した生徒さんですが、志望する高校で学校生活を送りたいと思っていても、中学校生活の学習評価などが入試に活用されることもあり、チャレンジしにくい側面もございました。

令和4年12月ですが、不登校支援団体の代表者の皆様との意見交換の中で、県立高校の入学試験については、不登校の子にもチャンスが広がるような制度が必要である、こういう意見をいただいたところであります。

こういう御意見などを踏まえまして、教育委員会において議論・検討していただきました結果、新たな入試制度について、本日その対応が取りまとめられたところであります。

詳細な説明をこれから教育長さんに行っていただきたいと思いますが、この新たな入試制度ですが、自らの可能性を信じ、未来に向かって挑戦をしていく若い人を応援しようということで、ぜひよりよい制度となることを期待するものであります。

教育長

県立高等学校における長期欠席者等を対象としました後期特別選抜の導入につきまして、お手元に資料をお配りしているかと思いますので、そちらをご覧いただきながら説明をさせていただきたいと思います。

まずは、今回導入します新たな入試制度の説明の前に、今の現行の入試制度についてでございますが、現行の入試は、前期募集と呼ばれます自己推薦方式の入試と、後期募集というふうに呼んでいます学力検査の実施による入試と、大きく分けて2つの入試の方式を持っております。

今回新たな制度を導入するのは後期募集についてになります。

こちらのスライドをお手元資料の方をご覧いただければと思いますが、まず1番の現行制度のところでありますけれども、現行の後期募集では、この5教科の学力検査の成績と、中学校の生活における学習評定などが記載されました、いわゆる調査書の記録を同等に扱った上で総合判定をして合格者を決定しております。

このため、長期にわたりまして欠席などをした生徒は、中学校での学習の見とりができないということによりまして、調査書の評価が低くなり、合格者決定上、不利になる傾向がありまして、志望校を諦めざるを得ないという状況があったところであります。

そこで、2番の方向性のところでありますが、長期にわたりまして欠席などをしました生徒が、志望する高校に出願することができるよう、この調査書を用いずに、新たにこの入試制度を行うことを全ての県立高等学校で導入をすることとしたものであります。

新しい制度の概要のところでありますが、この3の(1)のところでありますけれども、対象は県内に在住の中学校3年生でありまして、次の①と②、2つのいずれにも該当する者としております。

まず、長期欠席者など、これは保健室やフリースクールへの登校によって出席扱いになっている方を含むものであります。

この長期欠席者などで、今回のこの特別選抜による出願を希望する生徒というふうになります。

加えまして、在学する中学校の校長がこの特別選抜による出願を認める者としておりまして、中学校長が事情説明書を作成して提出をしていただくことにしております。

募集人員のところにつきましては、(2)のところでありますが、第1学年におけます学級数の2分の1程度を下限としまして、各高等学校の校長が定める数を、通常の入試選抜とは別に設定をするイメージであります。

この(例)というところにありますが、左側、現行では一般選抜としまして、学力検査と調査書による試験を、例えばですが募集人員を100名と今までしていたといたします。これが新しい今回の後期特別選抜を導入することによりまして、右側になりますが、一般選抜の学力検査と調査書による選抜を募集人員を98人として、今回のこの後期特別選抜の学力検査と面接によるものを2名というふうに設定をして行うと。募集定員の全体の数は変更しないで、この枠の中で行うというものであります。

(3)のところの選抜方法ですが、学力検査と個人面接で合格者を決定をするものであります。

この学力検査は後期試験の全員が受けるものと同じ試験ということになります。

そして、学力検査では、一般選抜を参考とした合格ラインを最低点という形で設定する予定にしております。

この制度を実際に運用していくわけでありますが、(4)のその他にありますけれども、当面の間この制度につきまして、毎年度検証しまして、必要な改善を行っていくこととしたいと考えているところであります。

制度の概要は以上のとおりでありますが、次のページに今後の主なスケジュールを書いております。

本日この場で発表をさせていただきまして、教育委員会のホームページでこのことにつきましてお知らせを開始したいと思います。

そして4月に入りまして、中学生向けのリーフレットを配布をしていきたいと思っております。

制度の詳細につきましては、10月の入試実施要項、ここで公表をすることとしております。

先ほど知事の御説明にもありましたけれども、今回この新たな入試制度を導入することによりまして、長期欠席などの生徒がまた高校生活に向けて新たな気持ちでスタートできるよう、後押しができるような制度としていきたいなと思っているところです。

記者

先ほど説明いただいた、長期欠席者を対象にした後期特別選抜についてなんですけれども、まず、全国的に見てこれが先進的な取り組みかというところを教えていただきたいのと、もう1点、選抜方法に個人面接でというところがあるのですけれども、なかなか長期欠席の方は学校に来られない方も、通いづらい方もいる中で、この個人面接というのは今の想定だと対面によるものなのか、そこについて、もし決まっているところがありましたら教えていただきたいです。

教育長

まず、この不登校の方向けの特別選抜が全国的にどうなのかというところでありますが、私どももつまびらかに全国的な状況を把握しているわけではないのですが、全ての高等学校を対象にこのような試験を実施しているのは、愛知県と埼玉県においてすべての高校で実施してる例があるというふうに承知しています。

一部の学校だけそういった特別選抜をしているという例はちょこちょこあるようなのですが、全校を対象にしてるというところは少ないんじゃないかというふうに思っておりまして、そういう意味では、かなり全国的にも優れているのではないかというふうに言えるのかなと思っております。

それから面接のところについてですが、今のところ対面で実施をするということを考えております。

記者

不登校の生徒の入試制度についてお伺いしたいのですが、今現在の現状として、大体その対象となる、例えば今年とか或いは、昨年度でも良いですけれども、一学年どのぐらいの長期欠席の生徒がいるのか、30日以上とか、そのラインがあると思いますけれども、対象となる生徒が大体今どのぐらいいるのかということと、それから、先ほど例えば不登校生徒の特別枠を設けている2校とか3校とかという制度は隣の静岡県とかでもあるようですけれども、そうではなくて、一部の学校に限らず全校にしたという理由について、改めてお伺いしたいと思います。

教育長

県内の不登校の生徒の数ということでありますけれども、令和4年度の数字でありますが、県下中学校3年生で約450人が不登校と答えている状況であります。

記者

30日以上ということでしょうか。

教育長

そうですね、30日以上の生徒ということになります。

今回どうしてすべての学校に門戸を開いたのかというところのお尋ねでありますが、山梨県内にもいろいろな県立高校があるわけでありますが、このような希望する進学先の高校で学びたいのだけれども、調査書だとかそういうところが、もし後期入試とかに対して、なかなか受験しづらいというところがあるのであれば、それは今回、これを機会に、すべての県立高校を対象に実施をするのがいいだろうということで、今回対象はすべての県立高等学校ということにさせてもらったというところが理由となります。

記者

そうすると、これまでの現状としては、不登校の生徒というのは、どうしても後期入試で志望する際に、調査書がネックになっていて、例えば、定員割れしている学校とか或いは私立とか、定時制とかそういうふうなところを受験する割合が多いとか、そういった何かデータ的なものというのはあるのでしょうか。

教育長

大体、多くの不登校気味の生徒さんの進学先というのは通信制高校、また、その次に県立または私立の全日制の高校、そして定時制高校というふうなことであるのですが、特に全日制の県立高校に進学をしたいという生徒が不登校気味であるということで、チャンスの機会が狭められるということがあるのであれば、そこのところはまた別の仕組みというものを導入して、よりチャンスの機会を広げた方がいいんじゃないかというところが今回、広げたというところになります。

記者

今の長期欠席者の後期特別選抜入試なのですが、例えば長期休暇だけではなくて、ADHDとか、そういった症状があって、調査書はあまりいい点が取れないという状況で、特に教科によって偏りもあったりして、調査書では合格しないけども、学力的にはかなり優秀な子供っていうのがいると思うのですが、そういったところも今回含めていくのか、それについてはどうでしょうか。

教育長

今回は長期欠席者などということで、例えば保健室登校だとか、フリースクールなどに通っていて出席の扱いになってるんだけど、中学校とかに登校してないので、日頃の学校の学習状況、学校生活の状況がわからないという生徒をとりあえず対象としてるので、今御質問いただいたようなタイプの方というのは、今念頭には置いてなかったというところであります。

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発表事項以外の質問事項

信玄公祭りの開催時期等について

記者

昨日信玄公祭りが来春の開催に決まりましたけれども、その受けとめと、1年間祭りがないような状況にもなってしまうのかなと思うので、何か代替的なイベントをお考えであれば教えてください。

知事

昨日決まったばかりですので、代替的なイベントをどうするかはまた今後の検討だと思いますが、ただ、いずれにしても多くの関係者の皆さんの全会一致ということでありますので、お祭りはみんなでやらないとできないわけですから、そういうふうに決まれば、次に行われる春の信玄公祭りをいかに盛り上げるか、これに皆さんの知恵を集めていきたいと思います。

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自民党・二階元幹事長の次期参院選不出馬表明について

記者

昨日自民党の二階元幹事長が次の選挙には出馬しないということを発表されましたけれども、これについての知事としての受けとめと、もしその二階さんとの間の中で一番印象深いことがあれば伺えればと思います。

知事

まず、大変衝撃を持って受けとめはしましたが、ただ、政治家の出処進退は、御本人があくまでも決めるべきところなので、諸々色々な思いは御本人にもあったと思いますが、そのご御判断を私どもとしては尊重したいと思います。

それで、様々、大変多くの思い出もありますけれども、幾つかびっくりしたことは、これはかなり前になりますけど、新経済成長戦略というものを経産大臣当時に打ち立てられたことがありました。

これは今でも続いてるんですかね。ただ、何がびっくりしたかというと、そこに予算額が書かれていたということ、これは私も財務省の主計局、予算当局で携わっておりましたが、いわゆる要求側の相手方の省庁に予算の数字を扱わせるということは、ある意味予算査定権を、その一部分を譲渡するようなものですから、これは常識的に、業界というと怒られちゃうのですけど、その世界の常識的な観点からいうともう驚天動地の荒技だったのかなと思っています。まず、それでびっくりしたことがあります。

それから、中国との関係はまさに現在においても第一人者のお一方、最も有力な日本の政治家ですが、いくつか中国で先方の要人さんと、色々と厳しいときに多く行って、その訪問がきっかけに日中関係が改善方向のベクトルになったということが何度かありましたが、そのプロセスに、ある意味歴史的な場面なのかもしれませんけども、そこに実際に立ち会わせていただいて、本当に中国の要人に対して、こちらがびっくりするくらいずばりと言うべきことをおっしゃっていたということには強い印象を受けました。

色々誹謗中傷にさらされることも中国との関係で多かったというふうには伺ってはおりますが、ただ、実際面と向かって日本の主張をしっかりとぶつけることができた数少ない方じゃないかなと私は思いました。

その時にこういうふうに言われました。外国訪問に行くと本当に朝から寝る直前まで全部面会日程が詰まっていて、それにつき合う方も疲れ果てるんですけども、御本人がある時おっしゃったのは、「いや、君たちで私と同じぐらい仕事してみなさい」と、「死んじゃうぞ」と自分でおっしゃったのは大変印象深かったと思います。

また、山梨県との関係で申し上げますと、これも経産大臣当時でしたけれども、ワイン業界の皆さんからリクエストを受けまして、ロンドンでのプロモーション活動、これをこれまでずっとやっていますが、その第1弾は経産省から補助金をつけていただいて、プロモーションして、それが今の甲州ワインのインターナショナルなブランド価値の向上に大きく寄与をしてるのかなと思ってます。

甲州ワインが国際進出を果たしたことに対して、当時の二階経産大臣が大変大きな功績を上げられたのかなと思います。

最後、個人的に申し上げますと、一期目の選挙の選挙期間中ですけれども、二階先生の奥様がお亡くなりになられたわけですが、その翌日に山梨県にお越しいただく予定になったのですけど、当然ことがことですので、御欠席は仕方ないと、むしろ今回の来県は残念ですね、とは思ってましたが、びっくりしたことにお電話いただいて、「俺行くからな」ということで実際にお越しいただいて、私は奥様もよく存じ上げておりますが、大変仲のいいご夫妻ではありましたが、にもかかわらずお越しをいただいた、本当にもうこれは心の底から感謝をしましたし、感激もしました。

そんな様々な思いを抱えています。

記者

先ほど二階さんについてのお話がありましたけど、それに関連して、昨日の会見のところで、二階さんは、二階派の会計責任者がパーティー券収入など約2億6000万円の収入を派閥の収支報告書に記載してなかったという問題にも関して、派閥の政治資金問題が政治不信を招く要因となったことに深くお詫びをすると。政治的な責任はすべて監督責任者である私自身にあるというふうなことを述べて、次回の衆院選出馬はしないというようなことを仰りましたけれども、この2億6000万円の不記載分の中には、知事ご自身の1182万円も含まれてると思いますけれども、先ほど責任は二階さんがすべて監督責任者である御自分にあるというふうに仰っていましたけれども、知事御自身としては、すべて二階さんに責任があるというふうなお考えでしょうか。

知事

まずご質問の前提で、派閥の不記載の額に我々の関係のものが含まれてるというお話でしたけども、我々のものは、すべて全額記載されていると私は認識してます。

記者

知事は以前、預かり金であって寄付ではないというお話でしたけれども、であれば、例えば預かりを証明する書類とか文書とか、そういったものがもしもあれば、そんなものを提示していただければ、そんな曖昧なこともなかったのかなと思うんですが、そこら辺はいかがでしょう。

知事

この点に関しましては、まさに現在、志帥会の会計責任者の公判が行われることになっておりますので、発言を控えたいと思いますが、ただ、法律上、お金の預かり云々に関しましては、預かり証がなければ成立しないというものではありませんので、そこは一般論として申し上げておきたいと思います。

記者

二階さんがこういった形で、全て自分に責任があるということで不出馬表明されましたけれども、長崎知事御自身にとっての政治的責任について伺います。

知事

今回、処理未確定のまま保管をして、追って沙汰をするということまで保管をしていたと。ただ、その保管に関して、大変長い期間にわたってしまったということは、いらぬ疑義を招くものでありまして、今後そういうことにならないように、しっかり内部管理体制というものを徹底していきたいと思います。

記者

政治資金についてですが、そもそもこれは二階派の政治資金パーティーをめぐる資金の問題だったわけですけれども、知事が政治資金パーティーの1182万円を含めて集めたのが2019年でしたけれども、それ以後も二階派の政治資金パーティーのパーティー券を支持者に毎年売って、政治資金を集めてきたわけですが、そもそも県民の代表である知事が二階派の政治資金パーティーのパーティー券を県民の皆さんに買ってくださいというふうに依頼してきたことが、そもそもどうなのかということについて、知事という職責にいらっしゃる方が、二階派の政治資金パーティーのパーティー券を買ってくださいというふうに依頼してきたことについて、いかがなものかというふうにも思われますけど、知事のお考えとしてはいかがでしょうか。

知事

そういう御感想をお持ちなのはご自由ですけれども、全然何ら問題があるものとは認識をしておりません。

記者

今後も自民党関連の政治資金パーティーとかそういうものがあれば、二階派はなくなりますけれども、今後も政治資金パーティーのパーティー券の購入を働きかけていくというお考えでいらっしゃいますか。

知事

適時適切に判断をしていきたいと思いますが、状況を見ながらですね。ただ、それ自体が政治活動の一環であって、皆さんが報道の自由を大切にされるのと同じ理由で、政治活動の自由が保障されないといけないと思いますので、その点に御留意をいただきたいと思います。

ただ、こういう御時世の中で、多くの皆さんが疑義をもって見ている状況の中で、何がしかけじめがつかない段階で、そもそも何かするのかと言われれば、私は今そういうタイミングではない、そういう時ではないんだろうなとは思っています。

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紅麹に対する県の対応について

記者

小林製薬の紅麹の問題が今いろいろ騒がれておりますが、例えば神奈川県とかですと、県の方で注意喚起とか相談先等々をホームページとかで告知しているのですが、いわゆる紅麹の問題について、県として今後対応することが何かあるかということを確認させていただければと思います。

知事

大変重要な御指摘だと思います。早速部内で検討いたしまして、県民の皆様に健康被害が起こらないように、或いは不安を解消できるような措置を考え、講じて参りたいと思います。

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移住地希望ランキングの順位について

記者

ちょっと前になるのですが、ふるさと回帰支援センターの移住希望地ランキングで、残念ながら山梨がちょっとランクが落ちたんですけども、これまでかなりトップ3とかトップ4に入っていたのが、今回8位になってしまったんですけど、その辺の受けとめを。

一方で、逆に2位に上がった群馬は、知事がかなり盛り上がってるわけですが、これについてもできればお願いします。

知事

今回、2019年に移住地希望ランキング5位、20年2位、21年3位、22年4位、去年が8位となってしまいました。

他の地域も大変な努力をしているということで、我々もこれをきっかけに再奮起をして、また順位を上げるべく頑張っていきたいと思います。

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

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