知事記者会見(令和6年8月20日火曜日)
ページID:117029更新日:2024年8月21日
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防災新館401,402会議室 13時00分から 冒頭説明 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
先般の記者会見でご質問いただきました警察官の暑熱対策について報告いたします。
まず県の対策ですが、酷暑の中、門衛さんが炎天下で交通整理などの業務にあたる場合に、熱中症に繋がるリスクがあることから、県庁構内の駐車場管理を行う門衛に対しまして、可能な範囲で暑熱対策を実施したところです。
例えば、1人1台のネックファンの貸与、ファン付ベストの貸与、日よけシェード付き椅子の設置、詰め所の窓の上部に直射日光を和らげるフィルムの貼付と、こういうことを対応しております。
この他の対応につきましても、引き続き検討していきたいと思います。
なお、県警察ですが、今年の夏は連日の猛暑という緊急性に鑑み、職員個人の暑熱対策品を使用してもらう形で対応しておりますが、来年の夏以降に向けまして、現場のニーズを踏まえ、公費での整備が望まれる物品の整理、或いは装備品の改良を行うなど、中長期的な観点から検討しているということでありました。
県警察における検討結果を踏まえまして、対応していきたいと思います。
知事
次に、農業生産に関する成果の報告です。
令和5年、昨年の農業生産額及び水産業生産額の実績と、県産果実の輸出実績について発表をいたします。
まず、令和5年の農業生産額ですが、1,167億5,400万円となっておりまして、これは前年比28億6,700万円の増加となっております。
3年連続で1,100億円台に到達をいたしました。
このうち果実の生産ですが、711億3,900万円となっておりまして、これは過去最高額となりました令和4年をわずかに下回りはいたしましたが、711億円を超え、過去2番目の数字となっております。
水産業の生産額につきましては、13億6,600万円、これは対前年比7,800万円の増加であります。
以上、ひとえに、異常気象、或いは燃料、資材価格の高騰など大変厳しい状況ではありましたが、その中でも、生産者の皆様の弛まぬご努力その賜であると考えておりまして、改めてこの場をお借りいたしまして、感謝を申し上げたいと思います。
次に、県産果実の輸出実績ですが、令和5年、輸出額は約19億8,000万円、輸出量は約1,190トンとなりまして、輸出額につきましては令和4年を下回りましたが、輸出量は増加し過去最高となっております。
これは、シャインマスカットの生産量増加により、輸出量は増えましたが、コロナ禍の巣ごもり需要の落ち着き、或いは中国の景気後退などの影響によりまして、輸出額が伸び悩んだものと考えております。
一方、国全体の輸出額ですが、令和4年と比べましてモモについては10%減、ブドウは4.1%減となっておりますが、本県につきましては、モモは6.1%減、ブドウでは2.1%減という形に減少幅が抑制されております。
今後ですが、高品質な県産果実の安定供給に向けた体制を一層強化し、国内外の他産地との更なる差別化を図って参りたいと思います。
引き続き、関係者と力を合わせて、生産・流通・販売の三位一体の高度化を進めていきたいと思っております。
記者
山梨県産果実の令和5年輸出実績量についてお伺いいたします。
昨年との比較で0.1%の増ということで、輸出量、或いは輸出額についてもですけれども、若干、頭打ち感があるのかなというふうにこの数字だけだと見られるのですが、今後、この輸出を拡大する上で、もちろん、こちらの方に説明があるように、中国の景気後退と外的要因の状況はあるにせよ、拡大に向けて県としての施策や取り組みが何かあればお伺いいたします。
知事
まず1つは、より差別化をはっきりさせていくことが重要だと思っています。
例えば、シャインマスカットに関しては、味よりも大きさですとか、そういう路線を取るところもあれば、我が県の場合は、むしろ味の方を優先した作りをしていると、このように承知をしておりますが、山梨の果実がおいしいのだということをまず国内外の色々な方々に知っていただく、これが1つポイントになってくるかと思います。
そういう意味では、これまで美味しさの裏付けとなる匠の技、これを年間通じて実際取材をして、映像資料に残して、これを編集して、国内外の消費者の皆さんに見ていただいて、「なるほど、だから山梨おいしいのだな」と、或いは「これだけ手をかけているのだったらおいしいに違いない」と思っていただいて食べていただけるような、こういう取り組みをやっていきたいと思います。
また、併せまして、新品種の投入も急いでいきたいと思っています。
ご案内のとおり、赤いシャインマスカット、サンシャインレッドが今年ぐらいから一定量市場に出て、多くの消費者の皆さんの手に取っていただけるようになるのではないかなと期待しておりますが、こういう新しい魅力的な品種、これも更に広めることで、生産量、そして海外への輸出にもつなげていきたいと思っています。
ご案内のとおり、確かに香港ですとか、要は中国大陸というのでしょうか、そこが確かに、若干、頭打ちになっているのはご指摘のとおりだと思いますが、それに合わせて、新しい輸出先、販売先、これはしっかり開拓していきたいと思っています。
そういう意味で、これまでベトナムのマーケットを開けられないかということで、国とも一緒になりながら押し進めておりますが、門戸が開けば大変大きな市場になりますので、こういう市場開拓、或いはそれ以外の仕組みもそうですけれども、新しい販売先、これをしっかり確保していきたいと思います。
更に、消費額の拡大をさせたいということで、新しい食べ方の提案というのでしょうか、1つは県立博物館で県産果実を使ったスイーツというような提案もしておりますし、また、おそらく近日中に公表されるのではないかなと思いますが、例えば、桃の美味しい食べ方の提案も、県のメディアを活用しながら広めることで、より多く、要はフルーツ、そのうち特に山梨県のフルーツを消費していただきたいと、こんなような取り組みを進めていきたいと思っています。
記者
今お話しいただいた内容に関してなのですけど、輸出の話から少し離れていくのですが、昨年秋にシャインマスカットの値崩れがややあったような見方があります。
つまり需給のバランスが崩れていて、その需要に対して供給量が非常に多いのではないかと、結果としてここ10年来、シャインマスカットバブルというような状況が県内含めてあったわけですけれども、今お話いただいた需要の部分をどう拡大させていくか、6次化の部分も含めてですけれども、もう少しお話いただけることがあればお伺いいたします。
知事
1つは、国内マーケット自体は人口減少に伴って縮小傾向にあると、これは否定し得ないことだと思います。
従って、その海外マーケットをいかに開拓するか、ここは大きなポイントになります。
この海外マーケットの開拓につきまして、先ほど申し上げたとおりの取り組みを行っています。
それから今おっしゃった6次化というか、ひと手間加えて、より付加価値を高めていこうという取り組みに関しましては、これも先ほど触れましたが、1つはこの県産のシャインマスカットを始めとした果物を使った新しいスイーツ、これがどこまで量的に販売できるか分かりませんが、ただ、高い単価、ブランド価値の構築にも寄与すると思いますし、また、他の県、他の産地との差別化にも寄与すると思いますので、こういう山梨の果物を使ったおいしいスイーツというような商品開発というか、その取り組み、それを更にアクセルを踏んで普及させることで、ひいては山梨の果物が他とは違うスペシャルなものだという、これが正しい認識だと私はあえて言いたいですが、その正しい認識を多くの国内外の消費者の皆さんに共有していただいて、それをもって他の産地がいくら作っても山梨のものはきっちり売れると、こういう姿を目指して取り組みを進めていきたいと思います。
知事
山梨県太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例制定後、初の設置許可をいたしましたのでご報告いたします。
ご案内のとおりこの条例ですが、令和3年7月、太陽光発電の導入と、地域環境、或いは県民の安全安心な生活の両立を図ることを目的に制定されたものであります。
条例におきましては、土砂災害警戒区域などの規制区域に太陽光発電施設を設置する場合には、あらかじめ知事の許可を必要としているものであります。
今回の事業計画におきましては、予定地の一部が規制区間にあることから、県への申請があったものであります。
事業者は清水建設株式会社、予定地は大月市猿橋町桂台、太陽光発電施設の敷地面積ですが4.38ヘクタール、発電出力は約2,000キロワットとなっております。
これまでに事業者による環境影響評価の実施ですとか、或いは地域住民への説明など必要な手続きを経まして、県への申請後、有識者や大月市長への意見照会など、条例で規定された手続きがすべて完了いたしましたことから、今月13日に許可をいたしました。
なお、事業者に対しましては、周辺環境の保全に支障が生じないよう、条例に基づく維持管理を万全に行うよう指導を徹底していくことは言うまでもございません。
県では、太陽光発電を積極的に普及させていく一方で、今後とも設置規制区域での申請があった際には、慎重に審査を行い、地域環境、或いは県民の安全安心な生活の確保を最優先にして、取り組んで参りたいと思います。
記者
現地を踏んでいないのでお尋ねする形になりますが、写真を見ると桂台の山側が、住宅密集地の上部に位置するような施設になるかと思います。
地元住民の方から県に異論が寄せられている状況があるか、お尋ねいたします。
課長
今回、許可申請に当たり、環境影響評価の中で住民説明会を2回実施しております。
また、大月市の意見を聞く中でも、大月市の指導要綱に基づく住民説明会を行っており、都合3回開催していますが、特段反対の意見はございませんでした。
記者
南海トラフに関して、巨大地震の警戒体制がとられました。
今回、初めて発生に備えて県としても体制を組んだというような形になりましたが、体制を組んだ上での所感と今後の課題に関してお伺いいたします。
知事
地震の発生直後に県の会議を開きまして、関係部局自体の活動の点検や関係部局が向き合っている関係団体の対応状況の確認を進めてきたところであります。
後程、詳細をご説明したいと思いますが、1つは地震というものは山梨県にとっても決して無関係ではないということを改めて多くの関係者の皆さんと確認し、緊張感を高めるという形でしっかりと準備、再点検するという意味では、良い切っ掛けになったと思います。
それぞれ、どのような対応があったのかについては、後程、説明していただきたいと思いますが、大きなテーマとして浮かび上がったのは、特に、今のシーズンは多くの観光客がいますが、例えば、富士山周辺を中心に外国人観光客がお越しになっている中で、彼らをいかに遇するか。
つまり、もし万が一、大地震があったとしたら、帰国を希望されると思いますが、そういう方々の帰国をどう支援していくかという点は、これは大問題だろうと思います。
もし南海トラフ地震が起こった場合に、例えば、羽田空港については問題ないと聞いてはおりますが、羽田空港や成田国際空港は大変な混乱になるのではないだろうか。
或いは中部国際空港や関西国際空港は、正に場合によって震源地の中心になりかねないわけですので、国際空港としては、使いづらいのでないだろうか。
そういう意味では、例えば、信州まつもと空港ですとか新潟空港といった南海トラフ地震からは離れたような場所を使ったオペレーションができないだろうか。
これについては、山梨県だけで考えてどうにもなるものではないので、私たちとしては、来る8月27日に開催される中央日本四県サミットの場で、静岡、長野、新潟の各県知事の皆さんと、問題提起させていただいた上で、協力体制が構築できないか、ご相談していきたいと思っています。
併せて、国にも入っていただいて、例えば、富士山周辺にお越しになった大勢の外国人観光客の皆さんをどのようにして母国に戻っていただくか、研究したい。
行政は、その後で、被災地の復旧復興に全力投球するわけですけれども、そのような形をしっかりと研究して、作っていく必要があろうかといった点が一番大きな問題点かなと考えています。
記者
政務についてお伺いいたします。
自民党総裁選が先ほど9月12日告示、27日投開票という日程で行われるということが正式に決定しました。
次の総裁がもちろん総理になるという形になるわけですけれども、リーダーに求める資質、或いは新総裁に期待すること、或いは総裁選を通じてどういった議論が交わされることを期待されているかという、まず大枠の話をお伺いいたします。
知事
現状において、自民党の総裁というのは、そのまま総理になられるわけですので、国政全般、様々な論点がありますが、是非、現実的な議論、更に言えば、いろんな困難ですとか、取り組みをするのに容易でない政策課題というのはあろうかと思いますが、それに臆することなくしっかり向き合った議論の展開を期待したいと思います。
その中で、特に私の立場から申し上げますと、先般、全国知事会議があったときに、人口減少問題が大変大きなテーマになったわけです。
ほぼすべての自治体が人口減少問題というのを極めて深刻に受け止め、そのための取り組みの1つとして、東京1極集中の是正というものの提案をしたわけであります。
もちろん、これには東京都の小池知事との間で大いなる議論があったわけですが、東京都知事としてはそういうことをおっしゃるのは当然、我々は想定していましたけれども、ただ、びっくりしたことは、新聞報道の中で、政府関係者がこれを揶揄するようなコメントを出されていた。
名前はどなたか分かりませんが、島根県の丸山知事がコメントされていましたが、私も衝撃を持って受け止めたコメントで、一体、政府の中で人口減少問題をどれだけ真剣に向き合っているのかと、あのコメントを出した人物はどういう人かは分かりませんが、およそ見識がない人間を政府の中枢に据えているようなことがあってはならないのだろうと思います。
少なくとも、今度の新しい自民党総裁、そして、新しく総理大臣になられる方は、この問題に真摯に真剣に向き合っていただきたいと思います。
色々と難しいことはあろうかと思いますけれども、国の存立の根本に関わる問題を、私はしっかり向き合っていきたい。
それを政府部内にも徹底するようなリーダーシップの発揮を求めていきたい。これをできる方が、是非、総理になられるといいなと思う次第であります。
記者
昨日、知事と同じ二階派、二階派自体は解散という形になりますけれども、所属している小林鷹之さんが初めて立候補を表明しました。
現時点で選挙権がある立場として、どなたか心に決めていらっしゃる方がいらっしゃったら、お伺いいたします。
知事
それはこの場ではコメントを差し控えたいと思います。
まだ出揃っていないわけですし、ただ、今申し上げましたように、人口減少問題について真摯な議論を展開される方を望みたいと思います。
記者
総裁選の関係で、1つ追加でお伺いしたいのですが、今回正式に表明した方も含めて、意思を持っている方も含めて10人以上、10人程度が総裁選に立候補するのではないかと言われています。
派閥解消によってこういったことが起きたのではないかという声もありますけれども、まずこの10人以上が、そういった総裁選に臨もうという意思を示していることについて、知事としてはどのように受け止めているのかをお伺いできればと思います。
知事
大変良いことだと思います。
様々な議論が様々な観点から交わされて、その中でリーダーが選ばれるということは重要だと思いますので、あらかじめ決まった出来レースとか、そのような印象がない、真摯にかつ激しい議論が交わされることを私たちとしては期待しますので、そういう意味では、多くの方が立候補されるのは良いことだなと思います。
記者
今回の総裁選に関して言えば、政治と金に対する国民の強い不信が1つ発端になっています。
岸田首相が退陣を決められたということについても、それを一番の理由に挙げていらっしゃいました。
知事ご自身の問題に関わりますけれども、1,182万円の政治資金に関しての状況について、しかるべきタイミングでまた説明をというふうなお話をいただいていますけれども、その状況について、今どのようにお考えか、お伺いいたします。
知事
私どもとしては、詳細残らずご報告したいと思っておりますが、まず1つは刑事告発があって、それについての東京地検の捜査につきましては全面的に協力しております。
しかるべきタイミングで捜査当局の結論が出されるかと思いますが、これが出たところで、しっかりとした説明する機会を設けさせていただきまして、疑念の払拭に取り組んでいきたいと思います。
記者
1,182万円の刑事告発に関して、捜査には全面的に協力している旨の話がありました。
知事自身が東京地検から何かしらの話を聞かれたりとか、そういったことは今まであったのでしょうか。
知事
個別の状況については、検察の結論が出たところでお話したいと思いますので、ただ、今の時点では、私どもとしてこの捜査に全面的に協力をしておりますというところで、ご勘弁いただきたいと思います。
記者
前回の8月8日の会見の時に、パリオリンピックが当時まだ閉会していなかったのですけれども、その時に、メダルを取っていた文田選手と舟久保選手には県民栄誉賞を贈られるというふうなことを発表されました。
その後に、平野選手も団体で銀メダルを獲得したのですが、同じように贈られるのかどうかということを確認したい。
知事
もちろんです。
平野さんに対しても県を挙げて、お祝いの言葉と県民栄誉賞の対応を提案させていただきたいと思っています。
記者
そうすると今回は3名の方に贈られるということでよろしいでしょうか。
パリオリンピックに関しては。
知事
はい、3名です。
記者
富士登山鉄道の関係なのですけれども、先日、建設反対県民会議という団体から鉄道建設に反対する陳情書が提出されました。
今回の陳情書について、どういうふうに受け止められているのか、今後の対応も含めてお伺いできますでしょうか。
知事
まず1つは、賛成する県民会議もはるか前に組成されているわけですので、色々な県民会議が出て、この議論が多くの県民の皆さんの間で活発に交わされることを歓迎したいと思います。
そこに尽きるわけなのですけれども、我々も今回いただいたその陳情書なるものに目を通し、色々、噴火が起きた際の避難の話など、ご心配の向きが示されておりますので、そういうことも含め、大いに論点を出していただき、議論が進むことがいいかなと。
我々も然るべきときに、こういうご意見を踏まえて、これについてはこう考えますというようなことを申し上げて、更に議論が積み重なっていくようにしていきたいと思います。
記者
昨日、発表があったリニアの関係で、鈴木知事と一緒に視察をする日取りが決まったとお知らせがありました。
これまで色々経緯があったと思うのですが、改めて実現する目処が立ったというところで、受け止めを教えてください。
知事
これまでは、現場をご覧にならない中で、水が出る、出ないというお話が、県外でなされてきたわけですけれども、実際、現場を見ていただいて、今現状どれぐらいの水が出ているのかと、こういうものを目でご確認いただくことは、建設的に議論を進めていく上で、大変有意義なのではないかなと思います。
そういう意味で、今回のご視察は、今後の静岡県内における議論の進展に一定の役割を果たすのではないかと期待するところです。