知事臨時記者会見(令和6年11月19日火曜日)

ページID:118322更新日:2024年11月20日

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知事臨時記者会見(令和6年11月19日火曜日)

防災新館401,402会議室

13時30分から

発表事項

発表事項以外

24119知事記者会見

カナデビア株式会社(旧日立造船株式会社)の県内進出について

知事

カナデビア株式会社、旧日立造船ですが、本県都留市に工場を新設する旨の発表がありましたので御報告いたします。

この工場は、私共の誇りますP2Gシステムの中核となります、固体高分子型水電解スタックの量産を行うことを予定しております。

このカナデビア社ですが、この装置の製造におきましては、国内トップクラスのメーカーです。

今回の工場の整備計画は、昨日公表されました経済産業省、GXサプライチェーン構築支援事業に採択されております。

この事業ですが、グリーントランスフォーメーション、GX分野の国内製造サプライチェーンを世界に先駆けて構築することを目的とするものですが、水電解装置で採択されたのは同社含め2社のみとなっております。

今回の工場誘致に向けまして、私ども山梨県、そして、地元の都留市と力を合わせまして、山梨大学、或いはネスラドなどの水素関係の研究機関の集積ですとか、交通の利便性、災害への強靱性など、山梨県の優位性、この都留の地の優位性をアピールしてきたものであります。

今回の立地の決定は、そうした努力を御理解いただいて、お越しいただいたのかと大変喜ばしく思っております。

この高分子型水電解スタックの量産工場の立地決定によりまして、私ども山梨県は、まさにこの水素の先進地としての位置付けが、大きく前進するものと考えています。

つまり、充実した研究環境が整った本県に、量産という新たなピースが加わることになります。

これによりまして、米倉山を核として重ねてきた実証が実装へと移行するスピードが加速するのではないかと期待する次第であります。

更に、そうした成果をもとに、新たな研究開発が実証を重ね、そして、更に実装と繋がっていくことに伴いまして、本県のこの水素関連の技術力が向上し、また産業の裾野も広がっていくだろうと期待する次第であります。

今回のこの新工場の建設ですが、こうした言わばエコシステムの確立に向けたマイルストーンになるだろうと考えております。

このグリーン水素製造の鍵となるのがこの水電解スタックですが、この需要は今後、更にグローバルに高まってくるだろうと予測しております。

そうした中で、この山梨県で生産されましたこの水電解スタックが、世界の脱炭素化に貢献をしていくということは、大変喜ばしく、多いに期待すべき話かと思っております。

また、併せまして、量産化によりまして価格低減効果も期待できると思っています。

この価格低減効果によりまして、このP2Gシステムの普及拡大が進み、加速され、また、本県企業を中心に、この参入意欲も高まっていくのではないかと期待する次第です。

今後、2028年度末の操業開始ということですが、そこが滞りなく実現できるように、地元の都留市としっかりと連携し、このカナデビア株式会社の取り組みをしっかりと支援して参りたいと思っております。

改めて、本県への立地を心から歓迎申し上げます。

記者

先ほど、工場誘致に向けて、地元都留市さんとともに御努力をされてきたというふうなお話がありました。

具体的にはどのような経緯をたどっているのか、お伺いできればと思います。

課長

具体的にということですけれども、事の端緒自体は、昨年の春頃、国の水素基本戦略の改定案が示されて、その中で水電解装置の生産の増強というのが謳われておりました。

日立造船さんは、水電解装置の国内トップクラスのメーカーでございますので、産業のセクションとしては、まずはそこの量産にあたって、本県企業の参入とかできませんかという話からお話させていただいていたのですが、いざ、お話をしてみると、量産段階に至ると今、大阪の築港工場というところで作っているのですけれども、なかなかそこの場所では量産はちょっとキャパシティ的にどうなのかというところがあり、量産工場の検討の余地はあるみたいな話がありまして、そこから情報収集とか重ねてきたという、事の端緒に対してそういうことで始まりました。

情報収集とか意見交換を重ねた上で、ある程度、話を進めてきたところなのですけど、知事にも実際、東京本社の方にトップセールスもしていただきましたし、同社の現地調査にも同行していただくなど、積極的にPRしていただいたところです。

知事

そのはるか前に、このP2Gシステムを我々進めていますけれども、実は、このシステム、スタック全体の製造能力がオールジャパンにおけるボトルネックだと思っていました。

P2Gシステムを広めるにあたっても、P2Gシステム自体の製造が間に合わないと。

こういうところで、あちこちにアピールをしても、「なかなかちょっとしばらく無理です」と、こういう話だったわけです。

そうした中で、これは政府与党各方面に働きかけて、水素のP2Gシステム自体の製造能力の底上げをしない限り、今、仮に現在の技術力が世界の最先端を走っていたとしても、早晩、国際競争に負けてしまいますよという話をしてきたわけです。

自民党の水素関係の議連ですとか、政府の皆さんに大変御理解いただいて、中核企業たる、当時は日立造船さんに是非、生産能力の増加を働きかけようと、また働きかけていただきましたし、我々からもその旨を何度も何度も日立造船さんと意見交換を重ねてきたと、こういう経緯があります。

日立造船さんも、水素社会の新たな様々な法整備もあって、当初スタンスは明らかにしてはいただけなかったわけですが、御理解いただいて、大変、英断をもって、工場の増設をしようという御決断をいただいたわけです。

そこに更に、今回のGX基金の交付金の適用対象も、紆余曲折はありましたが、日立造船さんが求めて、許容するだけの補助制度というのでしょうか、そういうものも、用意していただいたこともあって、そういう、いろんな努力を認めていただいたというのが1点と。

あとは、都留市自体の場所の優位性もありますよね。

極めて交通の利便性の良いところが、今、予定地となっていますが、そういうところに地元の都留市長さんも大変熱心に熱意を傾けていただいて、できる限りカナデビアさん、旧日立造船さんの求める工場用地としてのスペックを整えようということで地元を挙げて、コミットメントをお示ししていただいたというような経緯が積み重なって、今回の正式決定になったのではないかなと思っています。

記者

先ほどトップセールスのお話がございましたけれども、カナデビアさんの方では、どなたとお会いされたということをお伺いできますでしょうか。

知事

担当事業部長さんも然りですし、常務さんですね。その前に、社長も来られた。

社長と特別顧問がまず1回、県庁にお越しになられて、それがそもそものキックオフでしたけれども、そこで米倉山も御覧いただき、まあ改めてですね。

こういうものの製造能力が何とかなりませんかというお話をされた点では、まさに日立造船さんの最高幹部にスタート段階でお目にかかっています。

記者

もう1点お伺いしたいのですけれども、先ほど実証から実装の段階に入ったと。

つまり、実証実験からビジネスフェーズに移行しつつありますよということだというふうに思います。

産業の裾野というお話もありましたけれども、今回カナデビアさん以外で、どういった業種に知事として、工場進出も含めて働きかけていくか、そのお考えがあるかということをお伺いいたします。

どういったその他業種、他の今回のカナデビアさんとは別の企業さんで、どういう分野に、知事として、工場進出を含めて働きかけていくお考えがあるのかということをお伺いいたします。

知事

今回のこれ以外に、これ以外ですね。はい。

課長

水素燃料電池分野につきまして、やはりネスラドなどとか山梨大学の研究機関の集積というのは、やはり企業さんにとっては非常に魅力でありますし、本県の武器だと思っております。

ですから、水素燃料電池関係の企業さんには、そこの本県の魅力をアピールして、その他の企業さんにも、本県に来てもらえるように努力をしていきたいとそのように考えております。

知事

この前、カリフォルニア出張の際に連携協定を結びました企業さんは、固体高分子とまた違う方法でのグリーン水素の製造、技術も持っていて、こういうところも我々としては関心を持って山梨県内にお迎えできないか、そのようなこともこれから考えていきたいと思います。

まだまだ、黎明期には分類されると思うので、色々な水素関係のテクノロジーを持った会社さんにお越しいただき、その目処が立ったところから、どんどん量産体制の移行に繋がるように、これから働きかけていこうというのが基本的な考え方かなと思います。

記者

今後、工場の建設、あと稼動に向けて、県、市としてどのような支援をしていくのかというところで、具体的な策があれば教えてください。

知事

まずは、我々、工場進出に伴って必要な道路整備もろもろ結構大きなそのプラントになりますので、それがしっかり滞りなく輸送ができるような、そういう環境整備、あとは水なんかも使うのでしたっけ。

課長

はい。

知事

水源の確保あるいは電力、もろもろの調整をしっかりサポートをして、円滑に工場立地が進むように、取り計らって参りたいと思います。

記者

ありがとうございます。

あともう1点、山梨県によるP2Gコンソーシアムで、これまでは東レさんと東電さんが大きなパートナーだったと思うのですけど、新たにカナデビアさんが、これまでも実際のパートナーとしてあったと思うのですけども、今回の工場進出が決まったことで、改めて知事のその期待感みたいなものを教えていただきたい。

知事

今、米倉山のシステムは日立造船さん、カナデビアさんが作っていただいているものを使っています。技術的には最高水準のもので、まさにそれが量産体制に入るということで、我々も一層今度は利用の方で、利用の拡大に、更に、他の自治体を含めて、連携しながら取り組みを進めて行きたいと思います。

いよいよ、エネルギーの地産地消ではないですけれども、各地にそれぞれこのP2Gシステムを置いて、そこで御近所で太陽光、あるいは風力で発電していただいた電力で、水素を造って、燃料、もしくは燃料電池の電気に変えてやるのでしょうけれども、そういう利用の普及に取り組める体制が整ってきたということなので、一層力を入れて分散型の水素製造エコシステムを広げていきたいなと思います。

記者

もし、把握されていたらなのですけれども、従業員数はおよそ100人との御予定とのことですが、地元からはどのくらい採用の予定があるか把握されていたら、教えていだければと思います。

課長

それは今後、カナデビアさんの採用であると思います。

今のところ把握はしておりませんが、創業時100人ということは、聞いております。

 

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発表事項以外の質問事項

103万円の壁の見直しについて

記者

今、特に国会の方でも話題になっている、いわゆる103万円の壁の見直しについてですけども、知事のお考えをお伺いできればと思います。

知事

103万円の壁の見直しで、それぞれ手取りを増やそうという動きは大変結構な取り組みだと思います。

それが多くの人の期待をするところだろうと思いますが、他方で、地方自治体をお預かりする身としては、これは県のみならず市町村含めた県全体でいうと、年間約287億円の減収になります。

単純計算ですが。

この減収分はしっかりと国において補填していただくといいますか、我々地方自治体に減収が及ばないように工夫してやっていただくことが最低限のやり方かなと思います。

そこまで本来は、どういうふうに地方財政に対しても影響を及ぼさないようにするのか、ここまで考えて本来は提案するのが責任ある態度だろうなと思っておりますが、その部分が、よそに丸投げというのは、ちょっといかがなものかと思います。

私も以前、地方財政に携わってきたことがありますが、地方に減収が起き、それで歳出歳入差額が生じると、地方交付税、若しくは地方財政措置によって補填するというのは原則になっています。

ただ、歳出歳入差額が法定税率、法定分を超える場合は、これまで基本的には国と地方で折半なんていうやり方でやってきましたが、これは国の政策に基づくものなので、この部分の折半というのは、それはないと、全額そこの減収分は国が財政措置を講じるべきであって、我々が臨時財政債とかそのようなものでファイナンスするというのはちょっとお門違いだろうなと思っています。

なので、本来であれば色々なやり方があると思います。

例えば、住民税はどうにもしようがありませんが、所得税で減収と増収をネットゼロにするべく、例えば、累進を上げるとか、そういう意味でより豊かな人からいただいて、控除額の引き上げの財源にするとか、或いはそのようなことも考えられるでしょうし、そういうことをやるのは基本かと思いますが、引き上げを言うのであれば、やはりそこまでやっていただきたいし、ただし、その時は、当然、地方税に空いた穴は、交付税の法定率の引き上げですとか、そういう形で、地方財政に穴が開かないようにしていただくのは、国としての最低限のマナーだと私は思いますし、そういうものを求めていきたいと思います。

また、地方自治体がこういう発言をすると、すぐ政府に言わされているのかとか、そういう馬鹿な議論を言う人もあるように聞いていますが、これは我々にとって極めて切実な問題ですから、当然、そのことについて、釘を刺すのは、我々としては当たり前のことでありますので、そこを飛ばしたような議論というのは、我々、地方自治体に対して極めて失礼だと思います。

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富士トラム(仮称)構想について

記者

昨日発表された富士トラム構想に関して少し確認をさせていただきたいことがあるので、昨日もお話しいただいたことになるんですけれども、中国中車、CRRCの車両或いは技術を使うかどうかということに関してなんですけれども、もちろんCRRCの技術については、世界トップレベルであるということは承知しております。

一方で、アメリカの方ではこの会社に対して投資が制限されているような状況があって、つまり国内のモビリティに関して海外の技術を利用するということに関しては、少し大げさに言えば、国の安全保障に関わるような問題であるのかなというふうにも思います。

昨日、できれば国産技術を使ったものをというふうなお話がありましたけれども、現時点でCRRCを前提に進めているわけではないということ、改めてになりますけれども、今日の発表とも少し重なるのかもしれませんが、国産、或いは山梨県内の技術も含めて活用しながら車両導入ということも含めて検討していくのかどうかということをお伺いいたします。

知事

まず1つは、CRRC社のシステムをそのまま持ってこようというわけでは全くないということはお伝えをしたいと思います。

ただ、事実としては、現状この技術を持っているのはこの1社だけというのもあるので、当然、どういう技術なのかというのは関心を持って見るわけですし、場合によって実証車両等の活用というのも否定はしませんが、最終的には我々としては、是非、国産でやっていただけたら一番いいかなと。

昨日も申し上げましたが、できればその工場も先ほどのカナデビアさんじゃないですけれども、山梨に立地したら尚良しだなということで、そういうものを期待したいと思います。

ただ、ある意味、何がしかのアレルギー的なものがあるなら、ちょっと意味が違うのではないかなとは思っていまして、実際この会社は世界最先端の環境性能技術を持っているという意味では欧米で高い評価をされている、スイスにおいてもまさにその導入の話し合いが始まっていると、このようなことも聞いています。

なので、全く連携しないとか、全く分断した中で、ということは、ちょっとどうなのとは思いますが、繰り返しになりますけれども、このCRRC社のものを直接システムとして導入することは決めていませんし、むしろ我々として望ましいのは、繰り返しになりますが、富士山に関係することですので、是非、日本のメーカーが一肌脱いでいただいて、自分のところでやるよと言っていただければありがたいし、それを山梨でやるよと言っていただいたらもう大歓迎したいと思います。

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富士山の通行料について

記者

富士山の通行料についてお伺いいたします。

昨日、静岡県側で来期の通行料を3,000円から5,000円の間で検討していくとの報道がありました。

以前、長崎知事からも通行料の値上げを視野に入れて検討していく、また、静岡県側との規制の統一を図っていきたい旨のお話がありましたが、現段階で3,000円から5,000円の幅で来期を検討していく、または具体的に幾らで検討していくといった方針が決まっておりましたら教えていただければと思います。

推進監

ただ今の質問に原課からお答えいたします。

今、地元の関係者等と協議を進めているところでございます。

静岡とは緊密に連携を図っておりまして、情報共有も、実は今日の朝もお話を向こうの課長さんとしたところです。

静岡との統一という話がございますけれども、大事なことは、それぞれ置かれている状況が違いますので、まずはそれぞれの県が、最善を尽くして計画を立てまして、しっかりと県民に対して説明できる状況を作るということだと思います。

もちろんその上で、協調を図り、統一を図れるようなことがあれば、より良いことだと思っております。

いずれ、今後も地元等と丁寧に、調整を図って参りたいと思います。

記者

それでは、現段階では3,000円から5,000円の範囲内で統一するといったことは、明言はできないということでよろしいでしょうか。

推進監

まだ決まっているものはございません。こちらの状況というか、いくら必要な経費があるかということをしっかりと示させていただいて、議論をしているという状況です。

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山梨県知事政策局広聴広報グループ 
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