知事臨時記者会見(令和7年3月24日月曜日)
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防災新館401,402会議室 13時30分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
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知事
令和7年度の新たな組織体制と人員配置について、お手元にお配りした資料に沿って御説明申し上げます。
初めに新たな組織体制と人員配置に関する基本的な考え方ですが、県民一人ひとりが豊かさを実感できる山梨の実現に向けて、「ふるさと強靭化」と「『開の国』づくり」のために乗り越えるべき諸課題に正面から対峙し、解決に導くべく、必要な政策を総合的、横断的に遂行する組織体制を確立すべく改革を行い、適材適所に配置することとしております。
主なる組織改正と体制の強化についてですが、一つ目は、新規施策を切り拓く中核機能の強化であります。
地域や社会が抱える課題に正面から向き合い、その中に潜む可能性を能動的に発掘し、新たな希望を生み出していく、そのための新規施策の創出に向けた中核機能をさらに強化していくため、知事政策局を大幅に再編し、県庁の新たな司令塔として、「高度政策推進局」を設置いたします。
その中に意欲ある若手職員も抜擢し、政策立案を担う高度政策企画イニシアチブを創設いたします。
二つ目ですが、県民生活に寄り添う支援を総合的に推進する体制を構築してまいります。
全ての県民がその人生においてどのようなステージにあっても尊重され、そして支えられていく、そういう社会を築いていくため、県民一人ひとりの生活目線に寄り添い、各ライフステージをつぶさに感受し、政策のはざまに取り残される人を生み出さないようにするため、県民生活部、多様性社会・人材活躍推進局、子育て支援局を再編・強化し、「総合県民支援局」を設置いたします。
この局は、施策の包括的な推進を図るものとして、県民の皆様のライフステージに応じた各課の構成となっています。
詳細は、お手元に配布したとおりであります。
これによりまして、これまでの子育て支援、多様性社会の推進などの施策を包括的に推進し、一層の取り組みの強化に繋げてまいります。
三つ目といたしまして、新たな価値の創出と国内外へ展開する体制の構築であります。
地域の魅力を最大化し、国内外に発信するための重要プロジェクトを俯瞰的、戦略的に推進し、山梨全体が国内外で躍動することを目指す「新価値・地域創造推進局」を設置いたします。
この局は長期の展望を持って本県の新たな価値を創出し、事業化や国内外への展開を推進するための各課で構成しております。詳細は、お手元の資料を御覧いただきたいと思います。
四つ目として、県内市町村を支援する体制の強化です。
様々な地域課題を抱える小規模自治体の支援を強化していくため、現在の市町村課を市町村振興課及び財政企画室に再編いたします。
五つ目ですが、感染症対策の定着と新興感染症に備える体制の強化です。
感染症対策を専門的に担う感染症対策統括官の職を新たに設置するとともに、感染症対策センターと福祉保健部の連携を強化し、本県独自の感染症対策の継続、新興感染症への対応力の向上、医療政策分野との連携強化による一層の推進を図って参ります。
六つ目として、森林資源と自然環境関連施策を効果的に推進する体制の構築であります。
森林資源の活用と自然環境の調和を図りつつ施策を効果的に推進することと併せて、出先機関における森林及び環境関連実務の指導体制を一体的なものとして強化をしていくため、林政部と環境・エネルギー部を統合いたしまして森林環境部に再編いたします。
七つ目ですが、豊かさ共創の実現に向けた取り組み体制の強化です。
労使共創によりますスリーアップの好循環の早期実現によりまして、地域経済の活性化を図るため、県内産業界と連携してスリーアップ運動の推進、キャリアアップ支援、産業人材の育成を一体的かつ機動的に推進をしていくため、産業人材課を産業政策部に創設いたします。
八つ目、世界遺産富士山の保全と振興に向けた体制の強化につきましては、観光文化スポーツ部に富士山観光振興グループを設置いたします。
その他につきましては、お手元の資料を御覧いただきたいと思います。
次に、人事配置の特徴ですが、まず、「ふるさと強靭化」と「『開の国』づくり」に向けた新体制の構築につきまして、そのうち、公営事業管理者ですが、経験豊富で強いリーダーシップを有し、調整能力に優れた人材を登用しております。
次に、統括官、知事政策補佐官に関しましては、県政の重要課題に対しまして、部局横断的に取り組んでいただくため、部局長級及び部局次長級の統括官を設置し、それぞれの職に求められる資質能力経験を勘案して、配置しております。
部局長につきましては、これまでの成果をさらに拡大させるため、業務の継続性、業務経験を重視いたしまして、13名中6名留任、新任の7名のうち5名につきましては、該当部局の理事・次長等の経験者から登用しています。
さらに、できる限り管理職の若年齢化を図っていくため、部局の主幹、あるいは総括課長補佐などに50歳以下の職員を積極的に登用しており、昨年に引き続きまして、2名の47歳職員を管理職に登用いたしました。
まだまだ取り組みは必ずしも十分ではないと思っておりますが、しっかりとこれは進めていきたいと思っています。
さらに、若手職員に関しましても、やる気を持って主体的に活躍できるようにしていくため、その早期登用をさらに進めてまいります。
また、若年層にとって魅力があり働きやすい職場作りも重要な課題として取り組みを進めていきたいと思います。
次に、女性職員の積極登用と職域の拡大につきましては、まず管理職ですが、部局長級に5名、部局次長級に4名の女性職員を登用しております。
男女共同参画・多様性推進課長、まなび支援課長等の重要ポストに女性職員の配置を行っております。
さらに本庁課長級以外の管理職につきましても、新規に21名の女性職員を登用しております。
これによりまして、管理職のうち女性職員の割合ですが、管理職適齢期となります50代の職員に占める女性職員の割合が21.9%となっておりますが、これに近づけるように着実に取り組みを進めてきており、今年度の15.9%に対して来年度は18.1%となり、2.2ポイントの増となっております。
加えまして、将来の管理職候補となります本庁課長補佐には、新たに20名を登用しています。
さらに、女性職員の早期のキャリア形成を図っていくため、政策形成分野や各部局間の調整を担う政策調整グループ、人事課、財政課のほか、部局幹事課の福祉保健総務課、県土整備総務課などにも中堅若手の女性職員を積極的に配置しております。
なお、女性職員の登用につきましては、強い思いを持って力を入れて進めておりますが、様々な理由によりまして中途で退職せざるを得ない女性職員が一定数いることも事実であり、なかなか一気に増やすことは難しいと改めて実感しております。
そこで管理職の候補者となる年代になっても、女性職員の割合が減らないように育児や介護、さらに御自身の健康などとの両立が図れて、働きやすい職場、そして意欲を持って働き続けられる職場づくりに引き続きしっかりと取り組みを進めていきたいと思います。
次に、現場主義を一層徹底いたします。
現場で直に接する県民のリアルな現状ですとか、生の声を本庁での政策立案に生かし、その政策を現場で検証することが、かつてなく大変重要なことになっていると考えています。
先般、私も生活保護の担当者の現場に行って、かなりリアルなお話も伺いました。また、児童相談所の皆さんの御苦労なども聞いて、机の上では分からないことが多いこともありますので、特に、厳しい県民生活の現状を踏まえて、的確な対策を打っていく上で、現場感覚はかつてなく重要になっていると認識をするところでありますが、そうした観点も踏まえまして、本庁と出先機関との交流配置などの人事交流を行っていきます。
県と市町村が連携して取り組むべき課題も多くございます。
職員を管理職等として市町村に派遣するとともに、また、技術専門職の確保が困難な市町村に対しまして、職員を派遣するなどの支援を行っていきたいと思います。
以上が説明となります。
お手元に人事発令名簿をあわせてお配りしているので御参照いただければと思います。
私からは以上です。
記者
今回の人事に限らずですけれども、行政機関の組織というのは、とかく縦割りではないかというような批判であったり、そしり、指摘がございます。
先ほどから横断的であったり、あるいは包括的、現場主義といった言葉が何度か聞かれましたけれども、改めてこういった部分について職員の方々にその意識をどういうふうに浸透させていくのか、県民目線に立った仕事の仕方というものを、隅々までどう行き渡らせていくのか、お考えがあればお伺いいたします。
知事
すべからく行政機関が縦割りの殻に閉じこもりがちなのですけれども、県民生活のリアルな現状というのは、決して縦でクリアカットに仕分けられるものではないので、我々もまさに注目し、また、寄り添うべき対象のリアルな現状に合わせるには、それぞれの部局はそれぞれの機能でしかないわけで、最終的に行政サービスとして、そういう方々に何を提供できるか、これを考える上で一つは部局横断的な組織と、それから縦割りで行政機能を担うべきところが、しっかりと連携体制を取ることが重要だと思っております。
ただ、そのいずれのセクションに配置される方も、まさに県民の皆さんの生活の今の現状に向き合うという立場の当事者意識っていうんでしょうか、そういうものを特に意識して持っていただきたいなと思うし、それは職員さんだけではなくて、もちろん私自身、そういう気持ち、あるいは臨み方を持って、この行政に向き合っていきたいと思います。
そういう仕事の仕方を職員と一緒に進めることで、思いの共有化というか、共鳴を図っていくような、そういうことを心がけていきたいなと思っています。
記者
今回、副知事人事も含めて、幹部級非常に大きな動きになったかなというふうに感じております。
特に、山梨生活・価値・地域創造本部という、副知事には本部長として、そこを取り仕切るというような役割が任ぜられるというふうに伺っておりますけれども、今回、新たに就任されるお二人に対して、どのような期待を持たれているのかということをお伺いいたします。
知事
これまでも知事政策局は、そういう意味ではかなり全部局を俯瞰しながら、丁寧にいろんなところで相談をしてやってきていただいたと思いますので、これからも、引き続きうまくやってほしいなと思います。そこは信頼してますので。
記者
今回、一つ気になるのは部局の名称なのですが、「高度政策推進局」という名称がちょっと気にかかっていたのですが、ある職員の方の話しを聞いてみると、「高度政策ではない部局の人間は「高度」ではないのか」と「ちょっと違うのではないのか」という意見を聞いたこともあります。
実際そういうことを意図したことではないと思いますけれども、「高度」というのはちょっと引っかかる部分があるのですが、知事がどういう思いでネーミングしたのかということと、それに対して、自分がその部局でない職員たちのモチベーションが下がるようなことがないかどうかについて、どのようにお考えかをお伺いします。
知事
ほとんどの部局の方は、それぞれ御自身が所属される部局に自信と誇りを持って臨んでいただいてると思いますので、そういう御意見はごくごく限られた話かなと思います。
名前ごときでそういうことを言うのはちょっと残念な話だとは思いますが、繰り返しになりますが、是非、御自身の部局に誇りと自信を持って向き合っていただきたい。いずれの部局の一環になるいずれの機能も、県民生活にとって極めて重要なものでありますので、そういうつまらないこと言ってる余裕があるのであれば、是非、御自身の目の前にある県民生活における課題解決に向けて思いを巡らしていただきたいなと思います。
記者
先月末に富士急ハイランドで点検中の作業員が亡くなられる事故があったと思うのですけれども、この件を受けて県の方で何か対応など考えられていたりするのでしょうか。
知事
まず、今お話のあった富士急ハイランドの事故に関しましては、私どもには事故発生直後に電話で「点検作業中に従業員が負傷した」という第一報がありました。
そして、その日の晩に「遊戯施設事故連絡票」により状況の報告を受けたという状況になっていて、そこで留まっております。
私ども県は、この遊戯施設の建築基準法への法適合性を担保する責任がありますので、これを担保するべく、去る3月19日に事故の状況や建築基準法への適合状況について、建築基準法第12条第5項に基づき報告を求めたところです。
今後、提出された報告をもとにしっかり検討し、法適合性を見極めていきたいと思っています。
記者
先日、国の方で首都圏における富士山の広域降灰の対策検討委員会の報告書がありまして、山梨県も検討会にオブザーバーで参加していて、シチュエーションによっては山梨県でも降灰がたくさん積もるというような想定がシミュレーションの中の一つにありました。
改めて、この報告書について県の受け止めと、今後、富士山の降灰対策を県内でどのように進めていくかを教えていただけますか。
知事
まず、降灰対策に関しましては、私どもが世話役をやっております火山防災強化推進都道府県連盟からの長年の要望でもありまして、今般、こういうレポートを出していただいたことは高く評価をしたいと思います。
ただ、まだまだ検討調査は始まったばかりですので、残された課題、あるいはさらにブラッシュアップすべきところを国においては引き続きやっていただきたいと思います。
県としては、初めてちゃんとしたデータというか、検討の土台となるようなものが出て参りましたので、今後降灰に対し基本は避難ということになろうかと思いますけども、降灰に向けた具体的な手順だとか、実際、富士山が噴火し、灰が落ちてきたことに対して、住民の皆さんをどう避難させるかっていうことについての具体的な検討をするというプロジェクトというか作戦を立てないといけないわけですが、それを立てるにあたって、どういう論点があるのか、まずはその論点の洗い出しをしていきたいと思っています。
例えば、避難させるにあたって、道路から除灰が必要ですけれども、その除灰は誰がやるのだとか、例えば、ブルドーザーやダンプがあるわけですけど、それはそういう段階でどれだけ確保できて、それがこう動くようにするにはどうするのだとか、こういう問題もあります。
また、灰がある程度溜まると、避難させるのも普通の乗用車ではなかなか難しかったりするので、一般の車を使う場合はSUVとかにもなるわけですけど、さらに言えば、灰と言っても大きさが噴火口からの距離に従って多分違ってくることもあると思いますんで、そういう更なる科学的なデータを求めながら、そのデータを踏まえて具体的に住民の皆さんに避難をしていただくために、どういう手順でどういうことをやっていくのか、それに対して今我々が持ってる能力だとか、資源で足りないものは何なのか。これを明らかにして、その次はそれをいかに充実すべきということを考えていきたいと思います。
また、併せて、当然、普通に思うのはマスクだとかゴーグルだとか、そんなようなものも必要になりますが、これをどのように備蓄をしていくのか。これは県だけではできない場合もありますので、市町村、さらには民間の事業所と、こういうところでの役割分担をどう考えていけばいいのか、それに対する資源をどうやって補っていけばいいのか、こんなようなことも議論になってくると思います。
また、そういうものも含めて、日常の経済活動ですよね、特に企業さんの。いわゆるBCPって言うんでしょうか、企業さんがBCPを立てるにあたって、更に必要となる情報は何なのかというのを、次の段階では私達は、企業さんとコミュニケーションをとりながら、さらに課題というものをあぶり出して取り組みを進めると。
このようなことの議論をしているところですが、いずれもいつ噴火するかわからないものでもありますので、早ければ早いほどいいので、先ほど申し上げた国の更なる調査研究と同時並行で、我々としてはやるべきことをやっていきたいと思います。
記者
今日の人事からちょっと外れますが、先日の議会同意を得た副知事さんの人事ですけれども、お二人の方ということで、考え方としては業務の継続性なんかを考えると、お一人ずつっていう考え方もあるかと思うんですけれども、このお二人同時交代っていうふうにした辺りの意図と、もし差し支えなければ退任するお二人の方、どちらに転出されるのか、言って良ければ教えてください。
知事
はい、まず、現時点で副知事をお務めいただいてるお二方も、またこれから副知事をお務めいただくお二方も、いずれも大変能力の高い方々でありますが、役所の中では、人事ローテーションもありますので、そういう全体も含めて、お二人変わっていただくのはよかろうということで変わっていただきました。
御退任される方については控えたいと思いますが、県庁を御卒業されても重要な機能がいくつもありますので、是非、そこで力を振るっていただきたいと思ってます。
なので形の上で副知事は卒業していただきますが、それと同等かそれ以上に重要な、他の業務もありますので、現実はほぼ現役の延長みたいなイメージで引き続き県に御貢献を願いたいと思う次第でおります。
記者
降旗さんの方は文科省にお帰りになられるっていうことでよろしいですね。
知事
残念ながら、もう国から返してくれと言われて、これ以上引っ張るのも、御本人のこれからの長いキャリアもありますので、そこは今回の降旗さんの御栄転を心から祝福をしながらいきたいと思ってます。
記者
石破総理が新人議員に商品券を配っていたということが話題になっているところなんですけども、長崎知事は衆議院議員時代も含めて、政権側から商品券を受け取ったという御経験がおありかどうかというのと、今の問題についての受け止めをお聞かせいただければと思います。
知事
御案内のとおり、私はほぼ無所属でやっておりましたので、総理から商品券をいただけるような立場にはありませんでした。
これが一点。
それについては、私どもが直接事実を確認している話ではありませんので、ここでは何がしか申し上げるのは遠慮させていただきたいと思います。
記者
今月の10日に世界遺産の遺産協議会の作業部会が行われまして、その中で出席者の方の中から、県の検討の進め方について、多くの選択肢の中で偏った検討をしているような見え方もするというような意見もあったんですけれども、そこに関する知事としての受け止めと、今後、議論を重ねていくものだと思って、今後の検討の進め方のお考えを改めてお伺いできればと思います。
知事
世界文化遺産協議会の作業部会の話をされているのですよね。
富士トラムの議論は我々も一般的に大歓迎なんです。
今もそういうことを各地域にお伺いをして、説明をして、是非、お茶の間ですとか、あるいは無尽会、職場でも結構です。
こういう中で富士トラムがどうだとか、良いとか悪いとか言いながら、もっとこうやったらいいのではないかとこういう議論を是非してくださいというお話はしております。
お話はしておりますが、この世界文化遺産協議会というのはまさに世界文化遺産に関して、包括的保存管理計画の改定、あるいはユネスコへの報告書の提出などを議論する場であって、個別の施策について議論を求められる場ではないというところで、ちょっと場違いな議論をされたのではないかと驚いています。
なおかつ、こういうオフィシャルな場で、しかも憶測に基づくような議論が交わされたのは、大変残念としか言いようがありません。
議論するべきは、先ほど申し上げました包括的保存管理計画の改定ですとか、まさにこの作業部会というオフィシャルな場に委ねられたミッションに基づいて議論していただくのが正しいところだと思います。
したがって、今回、御指摘になられた議論は、作業部会の所掌事務を超える議論であって、大変残念な部会の運営方針だったと思いますので、我々としてはしっかり議論するべきことをちゃんと議論していただくように、この運営方法の見直しなど静岡県とも相談をさせていただきたいと思っています。
もちろんその後の雑談で御議論いただく分は全く構わないのですけど、このオフィシャルな場でそういう議論を交わすのは相応しい場ではないと、こういう趣旨です。