知事記者会見(令和6年9月20日金曜日)
ページID:117548更新日:2024年9月24日
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防災新館401,402会議室 13時30分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
山梨県民地域貢献者表彰について受賞者が決定いたしましたのでご報告いたします。
今年で5回目になりますが、13名の方に本表彰を受けていただきます。
これは令和2年度にこの表彰を創設いたしましたが、その中で最多の受賞者数となっています。
受賞者のうち4名が女性となっておりまして、こちらも過去最多でございます。
本表彰ですが、県内の各地域におきまして複数の役職などを務め、幅広い分野で活躍された方々を対象とするものであります。
すなわち、個人に着目をすれば、多方面で功績があるにもかかわらず、幅広く活躍されていたが故に、1つひとつの役職歴では、既存の表彰制度の対象にならない方がいらっしゃいます。
このような方々に光を当て、その功績を広くお伝えすることで、更なる地域振興へつなげていこうという趣旨の表彰制度であります。
今回受賞されるいずれの方々も、役職年数の合計が16年から39年と、幅広い分野で長きに渡り、正に地域を支えてこられた方々でありまして、この表彰にふさわしい皆さんだと考えております。
なお、すべての方に受賞のご快諾をいただいておりまして、来月16日に別館正庁におきまして、表彰式を開催することとなっております。
知事
次にネパールの関係ですが、この度、ネパール政府、具体的にはネパール労働・雇用・社会保障省との間で、日本の地方自治体としては初めてとなりますが、覚書を締結いたしました。
今年5月、ネパール労働・雇用・社会保障省との間で、ネパールでの人材育成と、日本への人材の送り出しに関しまして、双方が協力して進めることに合意いたしました。
今月5日ですが、本県からネパールへ職員を派遣し、正式に覚書を取り交わしたところであります。
ご案内のとおりネパールですが、我が国と1956年に国交樹立以来、旧王室と皇室との交流ですとか、或いはODAを通じた社会インフラ整備などへの支援を我が国として行っておりまして、これに対して大変、親日的なお国柄ということで、国際場裡でも、様々日本とネパールは行動を共にしている、こういうことが多いと、こういうふうにも承っております。
本県では、ネパールの優秀な人材を受け入れていくため、ネパール日本友好協会を通じまして、まずは行政レベルでの連携強化を模索してきたところであります。
山梨に、本県に人材を継続的にお迎えするに当たりましては、来日、或いは来県前に、ネパール現地において日本語を習得するとともに、山梨県の文化、或いは習慣を学ぶ機会を設けることが大変有効であると、このように考えております。
今後、この覚書を基に、現地の日本語学校などと連携をし、山梨県の求める人材を育成する独自のプログラムと、その実施体制を作り上げ、多くの優秀な人材をお迎えしたいと考えております。
ネパールの皆さんに、山梨県を「第二のふるさと」と思っていただけるように、多文化共生の観点からも、歩みを更に進めていきたいと思います。
記者
一昨日ですが、9月定例県議会の招集を26日に開会するということを告示されたということで、今回の議会で改めて知事として注視しているポイント、今回、補正予算の方に、ケアラーの実態調査ですとか、今後の県施策に関わるような予算も計上されているかと思いますけれども、改めて重視するようなポイントについてお伺いいたします。
知事
やはり今回の議会は、これはもう前議会からお話をしておりますが、ケアラー支援、そのための調査を行う予算を補正予算に計上しておりますので、そこに関する議論、これが最重点ポイントだろうと思っています。
ご案内のとおり2025年問題は、団塊の世代すべての方々が75歳以上になられる。
現状において、これはオールジャパンでの数字ではありますけれども、働く方々の10%が働きながらご家族の介護に携わっている。
これが来年以降急激に増えるということでありますので、このまま放置しておきますと、人によっては介護離職に追い込まれてしまう。
この介護離職は先般セミナーでもありましたとおり、本当にこれから先、終わりが見えないトンネルのような状況に、場合によっては入り込んでしまう。
ただ、そこもいろんな工夫手段を社会的に講ずることで、或いはそれぞれ皆さんの意識についても少しずつ変容していくことで相当程度そういう事態は避けられるのではないだろうか。
これも先般のセミナーでもあった話ですが、まさにそこに向けて我々山梨県として、何をどういうふうにしていくことが必要なのか。
この施策を講ずるための基礎となるデータを集めるのが今回の予算ですけれども、その議論を通じまして、このケアラー支援の問題について、県議会、各議員の皆さんともしっかりと議論を交わし、共通の認識を共有し、更によりよい調査、或いは施策の組み立てに生かしていきたいと思います。
記者
少人数学級の推進に関して、昨日、検討会の方で小学校5年生以降についても、拡大をする方向でという執行部案に対しての了承がありました。
まずこのことについての知事の受け止めをお伺いいたします。
知事
まだこの問題は、更に議論を詰めるべき点が多々あろうかと思っております。
まさに教育現場の問題。
これまでやってきた少人数教育に対する評価をもとに、教育現場の皆さんからどういう声が上がってくるのか。
それから、あとは財政的な問題、これをどうするか。
更に言うと、そこを整えた上で、先生の確保ですよね。
教師の確保をどうやっていくか、或いは、必ずしも「よーいドン」ですべて確保できないような場合には、どういう工夫があるのか。
こういうところをしっかりと議論して、最終的にいけるかどうか、これを今後、見極めていきたいと思います。
私としては、もちろん前から繰り返し、繰り返し申し上げているように、是非とも、この少人数教育は、山梨県の子供たちの自己肯定感を高めたり、様々彼ら彼女らの、今後の人生において、大変大きなプラスの影響を及ぼし得たりするものだと思っておりますので、是非、進めたいとは思いますが、最後、そういうところの見極めをしっかりやっていきたいと思っています。
記者
今のお話にありましたけれども、やはり推進する上で、1つやっぱりネックになるのが先生の確保だと思います。
昨日も先生を確保というか、働いていただく上で方策が示されました。
例えば、アクティブ加配ですよね。
柔軟な働き方ということを提案することで教壇に立っていただけませんか。
或いは、教員免許はないけれども、子供たちを指導してもらえないかと、そういった案もあるというふうなお話がありましたけれども、現時点で結構ですので、知事として、何かこういった確保策に関して、お考えのところがあればお伺いいたします。
知事
教育委員会の皆さんとは、できる限りの工夫を柔軟に考えたらどうでしょうかと、こういうお話はさせていただいています。
今まさにお話されたように、いろんな働き方の工夫ですとか、或いはアクティブクラスと言っていますけども、クラスを25人以下に2つに分けるのではなくて、それ以上であっても先生が例えば2人いる中で、何がしか工夫ができないだろうかとか。
そこは現場のやり方と密接に関わってくると思いますので、私が直接、「ああしろ、こうしろ」というのはむしろそれが故に、逆に現場が回らなくなるようなことは困りますので、まず教育現場が先生方と生徒含め、この両者をしっかりうまく組み合わせ、快適に事業が進められるような環境を作っていくことが重要であって、そのために私が今言ったのは、柔軟に色々考えましょうと。
そういう話をさせていただいていますが、それ以上のことを言うと逆に支障が生じると困りますので、そこは差し控えているところであります。
記者
この会見の後に登山鉄道についての発表があると伺っておりますが、発表の前なのでちょっと話が微妙な感じになってしまいますけれども、今日ご発表いただける内容というものが、この登山鉄道の事業を進めていく上でどういう位置付けになるのかというあたりを知事のコメントとして一言お伺いしたいと思います。
知事
今まさに登山鉄道の議論は、ある意味これからいよいよ本番を迎えますが、正直申し上げて、これまでは9月10日に山が閉まるまでは我々としてはどうしても五合目から上の、弾丸登山の問題は、まさに命に関わってくる話でもありますので、ここに全力投球をしていたわけでありますが、それが、山が閉まりまして、これからは五合目から下をどうするか、これも1つはイコモスから突きつけられている大変大きな課題であります。
この問題に関しては、ご案内のとおり賛否両論、大変、今活発に議論が交わされているところですが、今回発表されるのは、そこに向けて我々が今、提案しております登山鉄道構想の国庫補助に基づいて行われた事業スキームのフィージビリティの話ですので、この議論をこれから行っていく上での材料になろうかと思っています。
色々な反対論の中にも、本当にこの構想が事業として回るのですか、というご懸念もありましたので、そういうことに対する一つの参考情報にはなろうかと思っています。
記者
おっしゃったのは、事業として回していく、その十分な答えが今日のご発表で、反対している方に対してもアピールする内容であるということですか。
知事
反対される方の論拠というものは幾つもあるのですけれども、そのうちの一つは事業スキームとして成り立つのですかということでありますので、その論点については、一つの目安というか、重要な情報というものが含まれているのだろうと思います。
こういう形で、どんどん論点が集約していくといいかなとは思います。
記者
この後の登山鉄道に関するレクチャーの関係なのですけども、先ほど事業化のスキームについてこの後、説明がされるということですが、一方で、議論を深める上で、総工費や開業時期を早く示していただいた方が、より議論が深まるのではないかという意見もあるのですけども、それについて、いつ頃示したいとか、またそういった声があることについてはどのように受けとめてらっしゃいますか。
知事
開業時期については、今まさにそもそもやるかどうかっていうところから、みんなで議論している話ですから、この段階で、「いついつまでに開業します」って話をしてしまうのは、その議論のやり方として、反対の立場から議論されている皆さんに対して、礼を欠くのではないかと私は思っておりますので、そう意味では、開業時期の目標というものを示すのは、まだ、時期尚早だろうと思っています。
色々な点で議論を重ねて深めるプロセスがあって、その次の段階、その先の段階の話だろうと思いますので、まだ、現状は、様々ご提示された論点について真摯に議論を交わすと、こういう段階だと理解しています。
記者
7月末の知事会見の中で、反対される会の方とフェイストゥフェイスで話をしたいということを仰ってましたが、その後、面会の機会とか、話をするようなスケジュールとか、そういったものは進んでいるのでしょうか。
知事
今、日程の相談をしています。
記者
いつかはまだ決まっていない。
知事
先方のご都合もありますので、できるだけ早い段階でやりたいと思っていますが、今その日程の調整をしているところです。
記者
営業黒字、ランニングコストを上回る収入を得るという見通しが現状ありますでしょうか、ないでしょうか。
知事
詳細はこの後話をしますが、概ねの話でいうと成り立ち得るということだと思います。
また、逆にこの赤字がたれ流されるようなものであれば、これはちょっと私たちとしてはむしろ取るべきじゃなかろうと考えています。
記者
他の公共交通はもうほぼ赤字で、地方自治体の財政を投入している状況です。
これが悪いことではないと思うのですけれども、お聞きしたいのは、仮に、その営業赤字になった場合にも、山梨県が財政投入をするだけの価値が富士山登山鉄道にはあるとお考えなのかどうか、知事の所見をお聞かせいただきたいです。
知事
先ほどの回答と繰り返しになりますが、赤字を出し続けてやるべきものだとは私は考えていません。
記者
わかりました。
その点は他の公共交通とは違うのか。
知事
他の公共交通はまさに生活の足であって、それがないと生活ができなくなるようなものだと思うのです。
なので、公共として税金を投入して、それを支えるということも1つの選択肢になろうかと思いますが、登山鉄道に関しては、もちろん一部生活がかかってらっしゃる方はいるわけですけれども、ただ、広く一般の山梨県民の皆さんの生活がかかっているとか、そういうものとはちょっと趣が違うのかなということなので、少なくとも、今後、議論があろうかと思いますが、現段階での私の考えは、赤字に対して税金を補填してまでやるべきものではなかろうと考えています。
記者
3つ目、最後ですけれども、少々聞きにくいことなのですけども、中間報告はいつごろ出ますでしょうか。
統括官
今、技術的課題、安全性のところを確認しておりまして、それがまとまり次第、年内には、できるだけ早く出したいと考えています。
記者
12月までにはということですね。
統括官
はい。
知事
できるだけ急いでやりたいと思っていますが、うちは小さい人数で、小所帯でやっているものですから、さっき申し上げましたけど、今年の夏は、とにかく5合目から上の安全対策をどう確保するか、ここに全力投球だったものですから、その意味で遅れていて申し訳ないのですが、ちゃんとしたものを出していきたいと思っています。
記者
リニアのことで、ご承知のように17日に鈴木静岡県知事が、トンネル工事についてリニア中央新幹線の山梨工区の工事を進めるためのボーリング調査で、静岡県内でも調査を認めるということを発表されました。
このことについて、改めて知事の受け止めと、それから、この前後で、静岡県側の話でありますけれども、鈴木知事側の方から何か連絡とか、やりとりとか、山梨県側の方にあったのかどうかということについてもお伺いしたい。
知事
まずは、ボーリング調査に関しまして、山梨県内のことを静岡県に色々と言われる筋合いは全くないとは思っていますが、静岡県の中でも調査をするということについては、このリニア事業が進む重要な前提となり情報を集める行為ですので、それはゴーサインを出していただいたということについては歓迎をしたいと思います。
前から、これは山梨県内の話でもありましたけれども、三者合意、JR東海と静岡県、山梨県で合意して、一定の考え方というのは示されたわけです。
仮に、万が一、山梨県内のボーリング調査において、何がしかの悪影響が静岡県に及ぶ場合は、それに対する回復措置を講ずるということをこの三者間で合意しているわけですが、そういうところからしても、何がしかこのボーリング調査によって大きな影響があれば、静岡県とJR東海で、議論して解決することを前提に、そういうご決断になったのかなと思います。
そういう意味で、JR東海と静岡県、そして山梨県内については、我々も絡みますが、そういう関係者間での信頼関係というのは、一つひとつ積み上がってきているのかなと思います。
後半の質問について、鈴木知事との間では連絡はありませんが、事務的には来ているのですよね。
推進監
はい。
17日の午前中に連絡がありました。
知事
という状況でございます。
記者
もう1つ付随して、昨日、JR東海の方から、リニアのトンネル掘削、ボーリング調査が、県境から300メートル以内に入ったという連絡といいますか、発表がありましたけれども、これについてはどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
或いは、県として、特に注目しているところとか何かあれば、教えていただけますでしょうか。
知事
我々からすると、山梨工区に関しては、ボーリング調査を早く進めてください、というのが年来の主張でしたので、是非早く、急いで、更にスピードアップしてやっていただきたいなと思います。
記者
今週の月曜日に、不記載の問題について、市民団体が検察審査会に申し立てを行ったのですが、それについての受けとめというものを一言いただけますでしょうか。
知事
我々は色々、捜査を含めて、この問題について真摯に対応していくと、そのことに尽きると思います。