知事記者会見(令和7年4月1日火曜日)
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防災新館401,402会議室 15時00分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
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知事
それでは本年度もよろしくお願いいたします。
先ほど、庁議を開催しまして、またそれ以外にも、県庁職員の皆さんを対象に、今年1年の心構えというか、目指すべきところの共有を図る話をさせていただきました。
基本は、人口減少、或いは気候変動問題など様々な構造的な問題が継続する中で、昨今は、国内外の政治情勢が、大変、不安定化し、今までない状況に直面している。
特に、国際情勢に関しては、アメリカのトランプ大統領の政策というのは、戦後80年間のエポックメイキングというか、パラダイムシフトを惹起するような、大変、インパクトの大きいことが、現在進行形で続いていて、これら様々な影響というのは、山梨県も逃れられない中で、従来通りの延長線上で、物事を色々考えていては、これはなかなか県民の皆様に、豊かさの実感を届けるという我々の目標は達し得ない。
そういうことで、今目の前にある課題を乗り越えていくために何が必要なのか、これはしっかり自分たちで考えて、しっかりチャレンジしていこう、このチャレンジの重要性を、まずお話をさせていただきました。
特に、失敗に過度にこだわってしまうことはよろしくない、逆に失敗してもそれが経験値として蓄積されて、その検証のもとに新しい知恵を乗せていくということが必要ではないでしょうか、という話をさせていただいたことと併せまして、聖域なき議論を交わしていただきたいと。
その際には、政策論議に立場の上下なしということでありますので、ベテランも若い人も、一緒に山梨の将来、県民生活の強靱化のために何が適切なのか、これを堂々と議論をしていただきたいと、概ねこういう内容についてお話をさせていただいたところであります。
その上でこの場でお話をさせていただくのは、今年度の施策の方向性について、テーマごとにお話をさせていただきたいと思います。
まず、特に力を入れていく課題といたしましては、昨年に引き続きまして、人口減少対策がございます。
御案内の通り、この人口減少問題の原因、特に、この少子化の原因につきましては、私たちは若い人が将来に対する確信を持てない、将来展望についての確信を持てないところに大きな原因がある、このように捉えています。
従いまして、特に、それは経済面に顕著に表れてくるわけですが、私たち働き手がスキルアップをすることによって、企業の収益アップに繋がり、それが賃金アップという形で還元される、いわゆるこのスリーアップの取り組みをさらに今年、しっかりとしたものにしていきたいと考えています。
特に、中小企業が多い山梨におきましては、人材育成の共通プラットフォームとして、私どもの主催でキャリアアップユニバーシティを運営しておりますが、これについても、色々な意味で、なかなか参加しづらいという話もあるようですし、また、その内容についても更にブラッシュアップを要するとの意見があります。
様々な工夫を凝らす中で、多くの皆さんに参加していただき、スキルアップをしていただいて、賃金アップに結びつけていきたいという大運動を考えています。
今年もまた、多くの皆さん、多くの企業、そして働く皆さんと連帯しながら、取り組みを進めていきたいと思います。
併せまして、住環境に対する取り組みにも注力したいと考えています。
御案内のとおり、良好な住環境と出生率には正の相関関係があることを、おおまかな姿ですが、調査の結果から把握しています。
今年は、これを施策化して、更にブラッシュアップしていきたいと思っています。
先般、南部町とこのエリアにおける子育て世帯の良好な住環境の実現に対する連携協定を締結し、南部町を舞台に実証実験を行っていきたいと思っています。
良好な住環境があることによって、南部町は社会増減にも大きな関心があると思いますが、私どもとしては自然増減に大きな関心を寄せています。
良好な住環境があることによって子供が生まれやすくなることを実証したいと思ってます。
これを実証することで、最終的には、東京一極集中の是正にも働きかけることができるのではないかと思っています。
つまり、東京は住環境には高いコストがかかりますが、他方で山梨県を含む地方部に来れば、安価に良好な住環境が得られます。
その住環境が得られることによって子供が生まれるのであれば、地方部に足りないものは働く場であり、働く場を地方に持ってくるべきだと、このようなことも理屈づけができるのではないかと考えていますので、この実証実験を重視しながら取り組みを進めていきたいと思います。
これ以外にも、ゆとりある高品質な生活環境をどのように提供するか。この点についても調査・検討・実証・実行を進め、今年はアクセルを踏んでいきたいと考えています。
次に、ケアラー支援も大変大きな課題です。
御案内のとおり2025年問題、団塊の世代のすべての皆さんが後期高齢者となられることで介護需要が爆増することが予測されています。
こうした中、山梨県におきましては、介護離職をゼロにすることを大目標に掲げ、このケアラー支援を最重要施策に位置付け、実行していきたいと思います。
昨年、9月補正で予算をいただき、調査を行った結果も出つつありますが、この調査結果を踏まえて、6月補正予算以降に本格的な事業展開を行っていきたいと考えています。
それと関連して、本日、支援情報を一元化したポータルサイトをリリースいたしました。
今後、さらにこれに生成AIも絡めていって、まだこの生成AIについてはプロ向けのものですけども、その実証を繰り返すことによって、より精度の高いものになった段階で、一般の皆さんにもアクセスできるようにしていきたいと思っています。
そういうことでまず、何か問題起きたら、開いて調べてみようとか、そういうことが可能になるでしょうし、初期の段階、リテラシーというか、その知識というのは大変重要になってきますので、この知識を得やすい環境を作っていきたいと思っています。
併せまして、地域包括支援センターとその先のマネージャーへの円滑な接続をしていきたいということで、県全体フェイス・トゥ・フェイスの相談体制をつくれないか、こういう検討も行ってきたいと思います。
或いは相談だけではなくて、いざ問題が起こったときの伴走支援、これができる体制を構築できないだろうか、こういうことも検討していきたいと思います。
次に、不登校児童生徒に対する問題というのも、大変重要な問題として位置付けていきたいと思ってます。
家族ケアは、高齢者のケアだけではなくて、子育てと一緒になるダブルケア、或いはヤングケアラーといった問題もあります。
こういう中で、その家族ケアの様相というのは様々複合的な要素から成り立っているわけですけれども、その中でもう1つ、不登校の児童生徒を抱える御家庭に関しましても、それ自体が大きな負担、家庭の負担となっていて、いつかの報道にもありましたけれども、離職をされる場合も多々あるということを大変心配しております。
従いまして、特にこの不登校問題、この児童生徒に対して、学びをどう提供するか、これはもちろん一番大きなテーマではあるんですけれども、それに加えまして、その御家庭の例えば社会的な繋がりの希薄化ですとか、貧困化ですとか、こういう問題についてもしっかりと目配りをしながら、それに対してしっかり支援していきたいと考えています。
こういう学びの機会と居場所の確保プラスその御家族を支える観点からも、フリースクールの利用料に対する助成を創設しますとともに、社会的な繋がりを回復させる施策を検討していきたい、そのためにも実態調査を行っていきたいと思っています。
それから、こういうものを公的な受け皿として「学びの多様化学校」、これも検討を加速させて速やかな実現を図るべく取り組みを進めます。
次に、防災減災、県土の強靱化に関しましては、今年度、まず避難所の対応力の向上を図ろうということで取り組みを進めていきたいと思っています。
能登半島地震の検証も然りですし、また先般、野口健さんが本県を訪れました。
彼はこの分野の専門家でもあるのですけれども、様々なアドバイスをいただきました。
そこで1つ、避難所の望ましい施設運営基準、これを確立する、グローバルスタンダードがありますので、そういうものを踏まえながら、全県でこの避難所の設置・運営基準を検討して参りたいと思います。
さらに、避難所というハードのみならず、高齢者などの要配慮者に対しまして福祉支援を行うDWATに関しましても、人員の確保、或いは実践的な支援力の強化、これを当事者の皆さんと力を合わせて、実現していきたいと思います。
併せまして、ボランティアなどの受援能力の向上に向けて、県社会福祉協議会に調整・企画機能を持たせた災害ボランティア・福祉支援センターを設置する。
これは先般の議会でも申し上げたとおりであります。
加えまして、県だけでできる限りのことはやるわけですけれども、大規模災害時に関しましては、山梨県だけでの取り組みでは対応しきれない、むしろ国家的な視点、或いは県境をまたぐボーダレスの対応が求められる場面があります。
先般、この大規模災害時の外国人観光客の避難に関しまして中間報告を出して、秋までに正式な報告を出していきたいと思っておりますが、これに加えまして、本県内もしくは近隣県で、例えば南海トラフも含めて、大規模災害が発生した場合において、外国人ではない多数の一般住民の皆さんが広域避難をされることも想定されます。
その場合に、避難をされる方々をしっかりと保護していくために、山梨県と近隣県との間でどういう連携関係を進めるべきなのか、これを議論していきたいと思っています。
例えば、沿岸部に大津波が来たときに、万単位の住民の皆さんが避難をされる、それをどうやって受け入れるのか。
もちろん、その時には本県も被災をしているわけですが、その被災する中で、より厳しい状況になられた隣県の方々をどう迎え入れて、また、他県とどう協調していくか、こういうことを今まで全然検討されてこなかったのが、むしろ累卵の状況であろうかと思っておりますので、こういう検討も併せてしっかりやっていきたいと思います。
更には、災害が起こりうる要素は複合的なケースが十分想定されますので、それにあっても慌てずに、正常だって対応できるような能力を備えるべく、今年度しっかり議論を進めていきたいと思います。
なお、公共工事につきましては、引き続き防災・減災に資するインフラ整備に重点を置いて参ります。
しっかりとした事業量を確保すること、これが何よりも重要ですが、その際、今年は国土強靱化実施中期計画がまとめられる年でもありますので、そこに対して、しっかりと働きかけをして、必要な対応が行えるような資源の確保に努めていきたいと思います。
次に、県民生活の強靱化、去年を元年と位置付けまして、今年は2.0ということで一層の強化を進めていきたいと思います。
先に述べました人口減少対策、ケアラー支援、不登校の問題、これはそのうちの一環でもありますが、そこにとどまるものではありません。
例えて申し上げますと、1つは難聴と認知機能の低下、これは相関関係がございます。
従って、今年度から、補聴器の購入に対する補助制度を創設するとともに、難聴或いは補聴器に対する正しい知識の普及を進めます。
これは介護予防として、或いは御本人のクオリティーオブライフの向上のために、取り組みを進めていきたいと思っています。
併せまして、生活基盤の保障という観点から、現在、生活保護世帯の実態調査を進めています。
憲法が保障する、健康で文化的な最低限度の生活がすべての県民の皆さんに保障されている状態になっているのか、再度確認いたしまして、足らざるところをしっかり補っていきたいと思います。
先般も、生活保護に係るケースワーカーをはじめ、現場で頑張っておられる皆さんのお話を聞いて参りまして、大変難しい状況にもうすでに立ち入っている、ある意味貧困が世代を跨いで再生産されだしている状況は一刻も早く介入をしないといけないと思いますし、またやむを得ざる事情でそうなっている方々も多くいらっしゃるわけですので、そういう方々に対して、例えば脳機能障害が起こるとかそういうことは誰にでも起こり得るわけですので、そうなったとしても、山梨では安心して生活できる、この安心感をすべての県民の皆様に持っていただくべく、まさに今現状厳しい状況に置かれてる方々に対する健康で文化的な最低限度の生活、少なくともこれを保障するべく、取り組みを進めていきたいと思います。
次に、闇バイト対策に関しましては引き続き県警察本部と協力をしながら、力を入れていきたいと思います。
周知啓発はもちろんのこと、そこから間違って連絡を取ってしまって、脅されて抜け出られないような状態になっている方々に対して、いかに救済するか。
御家族も含めて、シェルター機能を有する避難場所の提供など、しっかりと守ってそこから抜け出ていけるような形を作りたいと思います。
少人数教育に関しましては繰り返し述べておりますが、今年から小学校l年生から5年生まで、来年は小学校全体が完成いたしますが、先生の確保が引き続き大きな課題であります。
ここを教育委員会、或いは現場の先生方、様々な皆さんの総力を結集して、しっかりと先生を確保し、子供たちの教育環境をよりよきものにしていきたいと思います。
次に、地域経済の強靱化に関しましては、まず水素社会でありますが、これは御案内の通り、今着実に進んでおりますが今年さらに進めていきたいと思っています。
「水素社会とは何ぞや」というのは、まだイメージが世界的どころか、共有されていない状況にありますので、山梨県として1つモデルを提示することはできないだろうか。
我々としては、P2Gシステムのメリットがあります。
小さくて、そしてマネジメントがすごくよく、安全。
こういうことがありますので、まさに消費地に近接して配置することも十分可能でありますので、例えば、あるコミュニティーの中で、例えば屋根置きの太陽光発電で発電したものを、このP2Gシステムで水素に変えて、御家庭のボイラー燃料として提供するような、こんなシステムはできないだろうか。
その第1弾としてこれをまず農業でやってみようじゃないかということでカーボンフリー農業の具体的な実証実験に取り組んで参りたいと思います。
併せまして、今年度の終わりには、是非、この水素に関する国際シンポジウムを山梨県で開催したいと思っておりますので、そこ向けて、取り組みを進めていきたいと思います。
それから、水素について縷々申し上げましたが、御案内の通り、先般カナデビアが都留市に進出するということで、今後、そのP2G装置の組立ですとか、メンテナンス業務、こういう周辺ビジネスに、県内企業はしっかりと参加できるように、人材育成などの支援を強化して参りたいと思います。
メディカル・デバイス・コリドー構想は、おかげさまでこれも順調に進んでおりますが、今年さらにアクセルを踏んでいきたいと思います。
全県ファウンドリー化と、グローバルサプライチェーンへの参入、特に南カリフォルニアが全米においても重要な拠点となって参りますので、ここと連携できないか、模索をしていきたいと思います。
航空宇宙防衛産業に関しましても、今後マーケットの拡大が見込まれますので、私どもとしては、産業支援機構を中心に参入或いはマッチングに対する支援を強化して参ります。
地場産業も高度化を図っていきたいと思っています。
先般の議会で、地場産業に携わる意欲ある皆さんの海外留学、海外の先進地での研修、こういうものに対する給付型奨学金制度を創設いたしましたので、是非、積極的にその世界を見てきていただいて、よりよい地場産業製品の創出に向き合っていただければと思います。
そして、その他、山梨県におきましては、枠組みにとらわれない、あらゆる挑戦、そしてその実現、これを支援していきます。
今年度は、山梨中央銀行にも参加をいただいて、「やまなしソーシャルイノベーションセンター」を設立し、公共の一端を担うソーシャルビジネスに出資を行う形で、新たな官民の、協働のあり方を作っていきたいと思ってます。
また、スタートアップ企業に関しましては、この支援センターを11月に開設いたしまして、ここに様々人的交流を生み出すことによって、イノベーションの連鎖反応が起きるように目指していきたいと思っています。
食の分野も、重要課題であります。
地域の魅力に直結するわけですので、是非、若手の料理人が、山梨で店を開いていこうと思っていただけるような、エコシステムを作っていきたいと思ってます。
今、地域おこし協力隊制度を活用いたしまして、若手料理人が県内有名店で、腕を磨いていただきながら、県事業として生産者との関係を構築する、そういう意味で生産者の皆さんと料理人の方にとって顔が見える関係を構築していただいて、生産者と料理人、飲食店とのウィン・ウィンの関係を作っていきたいと思います。
デザインに関しましては、御案内の通り、昨年11月にデザインセンターを開設いたしました。モノのデザインに加えまして、デザイン思考を、是非、特に、県庁の職員、或いは行政に携わる人には、それを身につけていただきたいと思います。
すなわち、目の前にある課題の真の解、問題、論点は一体何なのか、これをあぶり出して、それをユーザーにとって、或いは受益者にとって、最適な形で提供する。こういうことを考えていくのはまさにその行政にとって求められることですので、是非、このデザイン思考を取り入れていきたいと思います。
また、山梨の文化的テロワール、これも明らかにしていきたいと思っています。
このテロワール、いわば山梨県の産業・文化を育んだ自然環境、或いは風土的な特徴、さらには人間の文化的営みや経験、歴史などの総体、つまり、山梨らしさ。
これを言語化して、或いはイメージ化して、様々な施策、或いはモノに反映をさせていきたいと思います。
各地域の高付加価値化も引き続き取り組みを進めて参ります。
道の駅富士川のフラッグシップ道の駅、そして、小淵沢エリアは先般、報告書が出ました。
武田の杜も同様であります。
このフラッグシップ道の駅につきましては、第2弾として道の駅つるをターゲットに据えて、東部地域の魅力の再発見、再発掘をして、それを多くの人に知っていただき、この地域を愛していただける方を全国津々浦々に広げることに取り組んでいきたいと思っています。
国際交流に関しましては、引き続き力を入れていきたいと思っています。
特に人材の受け入れについては、海外から来られる方々に第2のふるさとと感じていただけるように、日本語学習、或いは医療保険の加入などの整備を進めていきたいと思います。
また、今年は中国四川省と友好県省締結40周年となります。
35周年のときはコロナがあってほぼ何もできなかった状態でもありました。
今、国同士の関係は、若干ややこしいのかもしれませんが、こういうときこそ地方交流というのは重要性を増してくるのではないかなと思いますので、中国四川省としっかり交流をして、両県省の住民、県民の皆さんがウィン・ウィンとなるように考えていきたいと思います。
併せまして、カリフォルニア州、インドとの関係を一層深めていきたいと思います。
次に、富士山の登山規制に関しましては、通行料を4,000円に引き上げまして、これを財源として様々な、下山道へのシェルター設置ですとか、七合目救護所の開設期間延長ですとか、様々な登山者のための安全対策の充実に用いていきたいと思っています。
具体的に、今年度からは、駆け込み登山を防止するため、登山ゲートの閉鎖時間を2時間前倒しします。
また、予約通行システムを活用いたしまして、軽装登山の防止策も講じていきたいと思っています。
さらには富士山レンジャーによる登山指導、これも強化をしていきたいと思っています。
それから富士トラムですけれども、おかげさまで昨年11月、多くの議論を経て、この富士トラム構想を提案し、県内各地で説明会を開いています。
大変大きな期待をいただいているのを肌身で感じます。
特に、国中の皆さん、「あれは富士北麓の話だよ」、「私たちは関係ない」、最初にこのようなことをおっしゃる方も、「いやいや、そうではなくて、ちゃんとリニアにつなげることで、まず停車本数の増加が期待できる」。
「これ自体がまず極めて大きな効果を持ちます」。
「さらにそこから、県内2次交通の1つの骨格とすることができます」という話を差し上げると、「なるほどそれは真剣に議論する価値がありそうだね」。
このような反応をいただいておりますので、引き続き、各地でしっかり説明をして、理解を深め、また議論を喚起していきたいと思っています。
事務的には、今年は富士山における運行ルート、途中駅、車両基地など必要な施設、事業全体の採算性、或いは運営体制の構築、検討、これを迅速に行って参りたいと思います。
それに加えて、重なりますが、県内2次交通も大きな論点になって参ります。
このトラムの県内各地への延伸を見据えて、これに併せて、県全体で2次交通網をどうやって高度化するのか。
このトラムがすべてのお宅の前まで行くことはできないわけで、これが骨格になるにしても、そのあとのラストワンマイルというか、お宅までどうやっていくんですか、という場合に、例えばライドシェアですとか、或いは自動運転バス、自動運転タクシー、こういうものをしっかりと組み合わせて、いわゆるお年寄りの方でも、或いはお酒を召された方でも、しっかりお宅にたどり着き、或いは目的地にたどり着けるような、そんな交通網ができないだろうか、こういう思いを持って各地と相談をしていきたいと思っています。
併せて、リニア開業による新たな航空需要も踏まえた空港整備の可能性、これについても引き続き、さらに踏み込んだ、追加調査を行っていきたいと思います。
以上、駆け足になりましたが、多くの課題があります。
取り組むべきテーマもあります。
これを県の職員の皆さんのみならず、県議会、さらには県民の皆さんと、しっかり議論を重ねる中で形作って、間違いなく来るであろう世の中の大波を乗り越えるべく進めていきたいと思います。
私からは以上です。
記者
昨日、南海トラフ地震の新しい想定被害も出ましたけれども、知事、先ほどお話の中で、避難所の国際的な基準のところのお話がありましたが、具体的には運営基準っていうのを新しくつくっていくのか、何かこうビジョンが、その運営基準の見直しだったりとか、そういったものを事業の展開、イメージしているものだったりがあれば教えていただけますか。
知事
基本的には海外で用いられている難民避難キャンプ、これについて統一された基準がありますので、これを参考にしながら、各地でどこまで近づけるか、残念ながら今、基準がないので、それを参考にしながら、基準を考えていきたいと思います。
記者
基本的には海外で用いられている難民避難キャンプ、これについて統一された基準がありますので、これを参考にしながら、各地でどこまで近づけるか、残念ながら今、基準がないので、それを参考にしながら、基準を考えていきたいと思います。
知事
県としては、避難所ができる限り快適なものでないといけないと思います。
例えば、トイレに関して、世界基準では女性3:男性1の割合となっていますが、それすらできていない。
できる限り避難される方々のストレスを軽減し、避難所における災害関連死は論外として、その後の復旧復興にこそ多くの皆さんの力が求められると思います。
避難所のストレスを軽減する取り組みをすることが、その後の地域の立ち直りに大きな影響がありますので、そういうことを念頭に置きながら、避難所の基準を考えていきたいと思います。
記者
関連で1点、被害想定の受けとめについて、山梨県は内容として、大きく変わったわけではなかったというふうに認識していますが、今回の国の改訂の結果については、どういうふうに受け止めていらっしゃいますか
知事
今回は、今まで我々が想定してたものと比べると、南海トラフと言っているけれども、ある意味別の地震だと考えるべきじゃないかなと思ってます。
ですので、被害想定が山梨は300人だからよかった、という訳では全然なくて、我々としてはこれまで3000人という数字も出ていますので、この数字を重要視しながら、より大きな被害が想定されたとしても、できる限りその3000人をゼロにするような取り組みを私たちとしては力を入れていきたいと思ってます。
記者
政府の想定発表を受けて、県の方で改めて、被害の想定の作成・策定更新などを行う御予定はございますでしょうか。
課長
今回発表されたものは、あくまでも国が以前作った計画から10年経過したというものに先立って被害想定の見直しが行われてると。
本県につきましては、令和5年度に公表させていただいたものであります。
国はマクロの視点から、今回被害想定を算出していると。
我々山梨県が策定したのは、よりミクロな視点から、本県での最大規模の被害を想定しているということでございます。
今後、国の方で計画等の変更・修正等があれば、その内容も見ながら、必要があれば、また県としても対応していくと、このように考えております。
知事
よりよろしくない事態の内容が出た場合には、それを前提に考えていくということだろうと思います。
最もよろしくない事態を想定しながら、それがあっても耐え抜いていける、こういう体質を作ったことが重要ですので、より悪い想定が出たら、それに対する対処能力を高めるべく取り組みを考えて、必要な対応をしていきたいと思います。
記者
県有地について、県が鑑定を依頼した鑑定士が懲戒処分を受けたということについて、先週の金曜日に伺ったときには確認をされていないということでしたが、その後、確認されましたでしょうか。
また、受けとめも含めてお伺いできればと思います。
県有地について、県が鑑定を依頼した鑑定士が懲戒処分を受けたということについて、先週の金曜日に伺ったときには確認をされていないということでしたが、その後、確認されましたでしょうか。
また、受けとめも含めてお伺いできればと思います。
知事
今回の処分について、確認はしました。
ただ、我々としては、当該鑑定士が算出した時価というのは、いわゆるこれは自治法上、時価を出していただいた、と。
これは自治法上、適正対価で貸さないといけないことになっていて、「その適正対価とは何ぞや」と言ったら時価なんです。
基本的には、もともと裁判のプロセスにおいて、違法・無効ということを前提に議論しています。
そのために、一体幾ら損失があるんだと。
これを算出するために求めていた価格なので、我々としては時価で出すのは正しかったと思っています。
今回の鑑定士に関する問題は、形式的な瑕疵であって、内容まで否定されるものでは全くないと思っています。
内容については、今申し上げた通り、本来だったら、我々は今でも時価でやるべきだと思ってますが、それを評価するにあたって、形式に瑕疵があるので注意を受けたという問題だと思っています。
記者
現在、富士急行とは調停が進められていますが、それに対して今回のことが影響するとお考えになっていますでしょうか。
知事
全く影響しないと考えています。今、用いている不動産鑑定はまた別の鑑定士による鑑定に基づいています。
ちなみに今、行っている鑑定によると継続賃料の算定にあたっての正常賃料は12.8億円です。
現状は3.3億円となっているわけですので、今、私たちはその間の数字、いろいろ出し方あるんですけど、不動産鑑定評価に基づいた鑑定基準に基づいて継続賃料を出すやり方があります。
この継続賃料を出すのは今回の話でも違法・無効でない限り、現在の賃料が有効に存在するのであれば、継続賃料というやり方で出すということになります。
その継続賃料の出し方として、今、私たちは別の鑑定士で行ったところ、それでも約13億円という数字が出てきてます。
これはつまり時価でありまして、自治法上の適正価格ということになります。
この差額のうちのどこかから取るという形になりますが、差額のどこかを取るということは、つまり両方の水準を踏まえて、その間を取るという形になりますので、我々としては、今、不動産鑑定基準に基づいた議論を富士急行と行っているという形になります。