知事記者会見(令和6年4月10日水曜日)
ページID:115050更新日:2024年4月11日
ここから本文です。
防災新館401,402会議室 11時30分から 発表事項 発表事項以外の質問事項 |
知事
まず初めに地域貢献者表彰に関してですが、この度、制度の拡充を行い、今年度からそれを適用することといたしました。
山梨県地域貢献者表彰ですが、県内各地域におきまして、複数の役職などを務め、幅広い分野で活躍された方々を対象として、令和2年度から実施をしております。
この表彰の趣旨ですが、個人に着目すれば、大変多方面で功績が大きい方であるにもかかわらず、幅広く活躍されるがゆえに、1つ1つの役職歴、これが表彰制度の対象にはならない、そういう谷間にはまってしまった事例というのがあるわけですが、そういう方々にしっかり光を当てて、さらなる地域振興に対するモチベーションを地域全体で高めていきたいということで設けているものです。
この度、この趣旨をさらに前進をさせ、制度の拡充を行いました。具体的には、県に対しまして、県民の皆様から直接推薦をしていただく、県民推薦の制度を新たに設けました。これによりまして、市町村を跨る形でご活躍された方なども対象とする道が開かれることになります。
また、「開(かい)の国」の理念のもと、外国の方も対象に加えるとともに、県外における地域振興への貢献、功績も、一定限度内で評価対象とすることといたしました。
こうした今回の制度の拡充によりまして、地域に密着し、また県民の模範として活躍されてこられた方に、さらなる光が当たることになろうかと考えております。
本件は以上でございます。
知事
次に、ヤングケアラー支援ガイドラインの改定及び令和5年度の実態調査の結果についてご報告申し上げます。
まず支援ガイドラインの改定に関してですが、ヤングケアラー、或いはそのほかご家族に寄り添い、支援を行っていくためには、家庭の状況や育った環境に左右されることなく、すべての子供が将来の希望、或いは期待を抱き、その実現に向けて挑戦できる社会をつくろうと。これが基本的な考え方となっております。
したがいまして、本県におきましては、すべての子供が夢に向かって挑戦できるやまなし、気づいてつながろう山梨コネクトヤングケアラー、これをキャッチフレーズに様々な取り組みを進めているところはご案内の通りであります。
ガイドラインですが、令和3年12月、全国に先駆けて策定をいたしましたが、今回、ヤングケアラー支援計画に基づく施策展開、或いはガイドラインを主に利用する支援者の皆様のご意見などを踏まえ、見直しを行いました。
まずその見直しの内容ですが、各市町村における連携支援の中核となるヤングケアラーコーディネーターの役割を明記いたしました。
さらにコーディネーターが連携支援に活用するヤングケアラー応援プラン、この書式例を新たに掲載するなど、支援の流れをわかりやすく、整理をしております。
これによりましてヤングケアラー、そしてご家族に対する支援の円滑化を図って参りたいと思います。
次に、実態調査ですが、昨年に引き続き、実態調査を行いまして最終的な報告書をこの度取りまとめをいたしました。
今回の調査結果ですが、ヤングケアラーが学校で大人に相談した割合は、36.3%と、前年度と比較し、6.1%増加をしております。
学校において相談しやすい体制や環境づくりが一定程度は進展をしておりますが、さらなる取り組みが必要であると認識をしております。またヤングケアラーの認知度、これは50.3%。前年と比較し、若干減少しているということであります。
この2点を踏まえても、さらなる取り組みの強化が必要ですので、先ほどのガイドラインも含めまして、関係者の皆さんと連携を密にし、取り組みを進めていきたいと思います。
記者
ヤングケアラー支援ガイドラインの改定及び調査結果の公表に関してお伺いいたします。
いわゆる団塊世代が後期高齢者となる2025年問題というものが来年控えております。
当然、ヤングケアラーの方々が増えるリスクということが増してくるかと思いますけれども、中長期的な今後支援に関して知事がお考えになっていることがあればお伺いいたします。
知事
まず基本はまさにご家族のケアを若い子がすること自体はこれは大変尊い行為だとは思いますが、それがゆえにご本人の様々な負担が過重になって、本当だったらもっと勉強したいのにその時間がない、或いは友人と交流をしたいのにそれができない、このような事態はぜひ避けていきたいと思っています。
そういう意味で、まず一つは、令和8年度に向けまして、介護待機ゼロ社会を作っていく、ヤングケアラーの子たちがケアをされている方は、在宅の方が多いのではないかと思いますが、そういう意味では在宅での介護をせざるをえないような状況というのは、できる限り少なくしていきたいと思います。
もちろん在宅での介護自体を否定するものでは全くありませんが、ただ在宅を余儀なくされて、その結果それが子供たちに対しても負担を求めている、こういうような状況自体はできる限り早期に解消していきたい、そのための介護待機ゼロ社会の実現は第一歩だろうと思っています。
合わせまして、これを専門家としっかり相談をしながら、できるだけまずは早期に発見をし、SOSというか、支援を求める声を上げていただく環境を早く作って、「君たちがやっていることは大変尊いことではあるのだけれども、君たちのその時間も大切なんだよ」という意識を図って、できる限り早期に社会が介入できるような対応を急いでいきたいと思います。
記者
先般、自民党派閥の政治資金問題に関して、党本部の方より、39人に対しての処分が下されました。このことに関して、知事の受けとめをお伺いいたします。
知事
その件に関しましては、先般もコメントを出した通りであります。私からなにがしか申し上げることは差し控えたいと思います。
記者
続いて関連しますが、知事御自身の政治資金収支報告書への不記載に関して、今回の処分を受けて、新たに御自身で身を処すというようなことはお考えでしょうか。
知事
この点に関しましても従来から申し上げておりますが、今回の事務処理に関する不手際については、しっかり再発することがないように、事務所体制の整備をして、透明性を最大限確保するべく、取り組んでいきたいと思います。
今、実際私たちの事務所においても、もう一度、政治資金規正法をしっかり勉強して、しっかりとした知識のもとに、事務処理の不手際、疑念が及ぶような不手際が起こらないように、皆で気をつけようと意思を確認し合って取り組みを進めています。
記者
確認ですけれども、新たに身を処すということに関しての対応は今のところないという理解でよろしいですか。
知事
どのような意味でしょうか。
記者
政治家としての身の処し方は幾つかあるかと思うんですが、二階会長に関して言えば次の選挙には出られない。或いは、党を離れるといったことも含めて今回の問題を受けた、知事御自身の対応をお考えになってることがあるかどうかお伺いします。
知事
一般論として、私どもの事例というのは、今回もろもろ処分になった事例と質的に全く異なるわけでありまして、尚且つ、総務大臣による国会答弁もありますので、そういうことを踏まえて、今後の再発防止をすることが重要だと思います。
記者
今後知事自身に対しても党本部になるのか、県連になるのかわかりませんが、処分が俎上に上ってくると思いますが、そういった処分が出されたときには知事としては受け入れるお考えでしょうか。
知事
仮定の話は差し控えたいと思います。
記者
川勝知事が本日、辞職願を提出されました。このことについて受けとめをお願いいたします。
知事
川勝知事の辞職願は本人が熟考された、その結論だろうと思いますので、政治家の出処進退はご自身が決める話であって、尊重したいと思います。
ただ、川勝知事と山梨県の関係というのは大変深い関わりも長い時間でありましたので、この機会をお借りしてご紹介したいと思います。
ご案内のとおり、静岡県と山梨県は今、大変良好な関係、富士山を囲む両県として、川勝知事のお言葉を借りれば、静岡県は表玄関で、我々山梨県はその奥座敷だと。どっちの方がいいんだとか、そういう不毛な議論はなしにして、手を打って、お互い連携をしながら、この間、富士山に関して取り組みを盛り上げていこうということで、これまで様々な事業を進めて参りました。
コロナ禍のときは「バイふじのくに」という取り組みをやりまして、お互い物を買いっこして、厳しい経済状況をそれぞれ支えていこうと、こんな取り組みも行いましたし、コロナになる以前は、今、山梨県が力を入れて進めておりますメディカル・デバイス・コリドー構想に対して大変深いご理解をいただいて、静岡県はまさに医療機器に関しましては、全国ナンバーワンの生産額を誇る一大中心地ですけれども、その拠点となっております長泉町のファルマバレーと山梨県でも連携し、また、実際、連携協定も結んでおりますし、静岡県の医療機器開発に関する国の特区にも今山梨県も範囲に含めていただいて、両県でこの取り組みを進めている。これも川勝知事のご理解あっての事だろうと思って私どもとしては深く感謝をしてるところであります。
それから、もともとこういう良好な関係の一つのきっかけは、是非、この機会にご紹介をさせていただきたいんですが、私が知事に就任した直後、初めて川勝知事とお目にかかった時に、中部横断道が話題になって、当時、県負担の問題が山梨県にとっては大変大きな課題となっておりました。要は直轄負担金164億円があるということで、これをいかに解消するかは一つの大きなテーマだったわけですが、この問題をご紹介したところ、川勝知事は驚かれて、静岡県は、会社がやるので、有料道路区間ですから直轄負担金がないんですよね。
それで驚かれて、中部横断道はもちろん山梨県の道路でもあるけれども、静岡の道路でもあるんだと。にもかかわらず、山梨県だけが164億円という巨額の負担をされるということは、大変これは心苦しいというか、問題だと。そこから先はびっくりしたんですけど、そうであれば私たち静岡県がその半分を負担してもいいと。こんなようなお話を頂きました。これは知事同士の会話ですから、酒飲み話とは全然レベルが違う話で、おっしゃるのは相当な思いがあってのことだと思いますが、そんなお話もいただきました。
私からは、これは山梨でしっかり対応いたしますので、お気持ちだけいただきますと、ありがとうございますということでその話を収めましたけど、そんなような心配りも本県に対してしてくださっておられる方なので、リニアに関してはいろんな関係もありますが、全般的、トータルな静岡県と山梨県との関係においては、大変温かいお気持ちを向けていただき、おかげさまをもちまして今、山梨県と静岡県は本当に仲良く、緊密に連携をとりながら物事を進める形ができてるのではないかなと、このようなことを考えています。大変感謝しています。
記者
今の川勝知事の関連ですけれども、今、エピソードを話されましたけれども、リニアに関してはやっぱり静岡県の反対もあり、工事が進捗しなかった現実もあると思います。今日、退職願を出したということで、今回の静岡県知事のトップ交代に関して、リニア工事への影響は、どういうふうに考えておりますでしょうか。
知事
本質的な問題は、やはり静岡県の皆さんの自然環境に対する影響への懸念、これが払拭しきれていないというところにあるのではないかなと思っています。この点、要は組織同士の話でもありますので、私どもとしては、引き続き静岡県に対して、何を心配されてるのか、その心配されてる旨を沿線自治体全体で共有してくださいと、こういうことを申し上げて、その中で解決策を生み出していきたいと思います。
これはどなたが知事であろうともやるべき話ですし、これをしっかり今まで以上にアクセルを踏んでやることで、私はこの事業は進展していくことになるのではないかなと思っています。
記者
川勝知事の野菜を売ったり、牛の世話をしたり、物を作ったりとかと違い、皆様は、頭脳知性が高い人たちという発言については、知事はどのように受けとめていらっしゃいますか。
知事
そのご発言自体については大変残念に思います。
先ほどちょっとご紹介をいたしましたけれど、まさに「バイふじのくに」でやりとりをしてたのは、農産物水産物でもありますし、先ほどお話をしたファルマバレーとの連携、これもものづくりそのものですから、どう間違われたのかわかりませんが、そのご発言自体については大変残念に思っています。
少なくともこれまでの川勝知事のスタンスとは随分違うお話をされたのかなとそんな印象を受けますので、いずれにしても大変残念に思いますし、少なくとも私ども山梨県にとりましては、ものづくりも農業も極めて重要な産業ですし、その産業を担っていただいてる皆さんに対して、我々は少なくとも深い敬意、リスペクトを欠かすことはあってはならないと思っています。