知事記者会見(令和6年7月18日木曜日)
ページID:116660更新日:2024年7月19日
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防災新館401,402会議室 15時30分から 冒頭説明
発表事項
発表事項以外の質問事項 |
知事
今、司会から話がありましたように、まず富士山関連で2点、お伝えをいたします。
1点目ですが、登山規制についてであります。
開山から2週間あまり経過いたしました。登山シーズンは、序盤戦を終えたところといえるでしょうか。
これまでのところ、この登山規制ですが、大きな混乱もなく、順調に実施できていると認識をしております。
現地スタッフからの報告によりますと、登山をされる皆さんの多くが規制について、あらかじめ承知をされているとのことでありました。
また、約6割の方が通行予約システムを利用されるなど、事前の取り組みが功を奏したのではないかと感じているところであります。
一方で、先の3連休ですが、一部の外国からの登山者の皆さんが登山道で仮眠或いは滞留をされているところが見られましたが、こうした心無い登山者によりまして、安全な富士登山が損なわれる事態が発生していることは、極めて遺憾であります。
こうした問題に対しましては、引き続き、粘り強く、登山者を指導していくとともに、国、地元市町村、山小屋関係者の皆さんと連携をし、有効な対策について検討し、できることはこのシーズンから実施をしていきたいと考えております。
命に関わることでありますので、こうした外国人登山者の関係する大使館にも、お力添えをお願いすることを検討して参りたいと思います。
2点目は、持続可能な富士山のための新交通システム意見交換会についてです。
ご案内の通り先月11日からこの意見交換会を開催して参りましたが、7月9日に当初予定されましたすべての日程を終了したところです。
この間合計7日間、延べ14回開催をいたしまして、54人の皆さんにご参加をいただきました。
構想に対し幅広くご意見を伺うため、休日或いは夜間にも時間を設けるなど、最大限の配慮を行ってきたところではありますが、大変残念ながら、計画していた参加者数は下回り、特に、構想に対して反対されている方の積極的な参画というのが、必ずしも十分得られなかった状況でございます。
他方で参加をしていただいた方とは、しっかりとした意見交換ができたのではないかと考えています。
そのうち、例えば信仰の対象としての富士山の再興を図る、或いは、麓から5合目までにとどまらず、富士北麓地域全体の二次交通の充実を図るべきといった、大変貴重なご意見をいただくこともできました。
また、来訪者コントロールや環境保護は理解できるが、その対策は電気バスで十分ではないかといったご意見もあったところです。
電気バスでは、来訪者コントロールができないということにつきまして、まだまだ十分ご理解をいただけていないということもよくわかったところであります。
なお、いただいたご意見の詳細につきましては今月中に県ホームページにおいて公表したいと思います。
意見交換会の今後の開催ですが、すでに3件、追加要望をいただいております。こういう声に応えて、柔軟に対応していきたいと思います。
また、先日の報道によりますと、富士山の未来を考える市民の会の報告会におきまして、構想への反対意見に加えまして、構想に対してご理解を示す意見があったものとも承知をしております。
それぞれの立場から、富士山の未来を見据えた建設的なご意見を積極的に出していただくことが大変重要であると考えておりまして、今後も引き続き様々な方々との対話を図れる、また、そういう対話を歓迎していきたいと思います。
とりわけ、富士山登山鉄道に反対する会の上文司代表さんとは、是非とも意見交換をしたいと考えておりまして、是非、この意見交換をさせていただくべくこちらから呼びかけていきたいと考えているところであります。
記者
富士山登山鉄道の関係で、反対する会の上文司代表と意見交換の場を設けたい、呼びかけたいとおっしゃいました。
知事としてはどんな議論を期待して意見交換をしたいとお考えなのでしょうか。
知事
お互い同じ問題を議論している立場として、虚心坦懐に我々何を目指していて、そのためにどうこうしようと、それに対してどういうお考えなのかというのをフェイス・トゥ・フェイスで議論することがやはり重要なコミュニケーションのあり方ではないかと思っています。
子どものけんかをしているわけではないので、富士山の価値というものをいかに維持し、後世に継承していくかという、そういう究極の目標ではもう全く違うところがない、いわば同じ山頂に向き合っているわけですので、ある意味、仲間として、お互いの問題意識、懸念事項、創意工夫、これを意見交換することは最終目標の実現に向けて有意義ではないかと思いますので、そういうスタンスで臨んでいきたいと思います。
記者
富士山の登山規制について、知事から概ね順調というお言葉もありましたけれども、一方で、これまでずっと課題となっているゴミの問題というところがなかなか解決されていないという声を現地の従事されている方たちから聞いています。
その辺り、知事のお考えであったりとか、対策として今シーズンからやれることだったり、知事の考えを教えていただけますか。
知事
やはり五合目とかですよね。
このゴミの問題はちょっと今、状況を調べてもらっているというか、状況を把握しているところであります。
そこに向けて、ある意味、五合目イコール富士山の顔みたいな場所ですから、ここがゴミで溢れているというのは全くよろしくない話ですので、ここに対してどう向き合うか、例えば、今年どうするかは、また至急考えたいと思いますが、例えば、来年以降どうするかという話の中では、このゴミ処理費用も登山される方々の負担としてカウントするということもあり得るのではないだろうか。
つまり今の通行料の積算の中で、このゴミ処理という問題も、重要なファクターとしてカウントし、それによって登山者に負担していただいたものをもって、より綺麗なゴミのない環境のための清掃サービス実施に対して充当していきますと、こういう手段もあり得るのではないだろうかと思っておりまして、ここは少し中で、或いは関係者の皆さんと議論をしていきたいと思います。
ゴミの問題は深刻な問題だと思っておりますので、何がしか解決策を講じていきたいと思います。
記者
今回、意見交換会がこれだけ低調だった理由というのはどういうふうに分析されていますか。
知事
そこは、これからまた検証しないといけないところかとは思います。
記者
登山鉄道に関連してですが、知事が今年の初めから説明会を何回もやったときに、年度末までの中間報告、これってやっぱり1つの、構想から計画へのステップアップするための非常に重要なものだったと思うのですけども、これが年度内の3月もできなかった。
なおかつ、そのあとのいろいろな説明でも第1クオーターまでにはできるという話だったのが、もうその時期は過ぎています。
やはりこのエビデンスがない中での議論というのは、やはり構想を計画にステップアップさせていくには不十分だと思います。
なぜ、一部の、はっきり言って富士吉田の市長からすれば、何か技術的に問題があるのではないかというようなことも勘ぐっているし、あと、未来を考える会の代表の方も、何の問題があるのか興味があるというような形で話をしていますので、今の状況、中間報告の状況と報告を出すタイミングついてどういうふうに考えているか、お願いします。
知事
今のこれまでの議論の状況というものは、具体的なものについてどうこうというレベルではなくて、まず、そもそもイコモスから言われている来訪者コントロールをするべきなのか、しないべきなのか、或いはそのための手段として何がありうるのか、そのレベルの話の段階にとどまっているわけですので、決して、今おっしゃるように詳細な検証結果がなければ議論ができないようなものとは思えない。
相当手前の段階での議論をやっているのではないかなと私たちは思っています。
なので各所の私の説明に関しても、なぜそもそもこのようなことが必要なのだと、そこを重点に話しているわけで、それはイコモスからいただいた3つの宿題をしっかりとこなさない限り、世界文化遺産のステータスというのが極めて危険な状態にさらされるという、この点についてどうお考えですか、ということだと思います。
ただ、それはその手段として、そこについてのコンセンサスがまだない中で、手段としてLRTなのか、電気バスなのか、LRTについて、詳細なワイヤレス給電がどうだとか、そこは次の段階なのだろうなと私は思っていますので、その段階に移ったところでより整理された情報を出していくのが分かりやすいかと思っています。
実際、まだまだ課題については、今、追加調査してもらっているのですよね。
そういう状況なので、情報と状況が整ったところで、次の議論を出した方がより有益な議論ができると私は考えています。
記者
手段のコンセンサスをつくることが重要だということであれば、知事の発言をこれまで聞いていると、やはりEVでは駄目で、LRTしか駄目なのだというような、かなりそういうふうなトーンに聞こえます。
その背景にあるのが、道交法では難しい。軌道法を使ってコントロールしたいというのがあるのはわかります。
そういう意味では手段の前に、コントロールの必要性についてのコンセンサスをもう一度取るということ、先ほど上文司さんとの会合というのは、そういう意味ではいいと思うのですけども、やっぱり一旦ここは手段については、取り下げる必要があるのではないかと思うのですけど、どうでしょうか。
知事
いや、それは全く理解できないですね。
EVバスは、我が国の法制上、来訪者コントロールができないわけですから、それは幾ら議論しても僕は意味がないのではないかなと思っています。
我々地方自治体にとって、法律上の枠組みというものはもう所与で与えられているものですから、与えられた枠組みの中で何をどう実現するのだと。
来訪者コントロールどうやるのですかって言ったときに、EVバスでできればいいけれども、法的根拠がないものを幾ら叫んでいたってそれはなかなか難しいのではないかなと思います。
EVバスも、バスはバスですから、全く今の状況と変わらないわけで、ただ1つ言えるのは、排気ガスという意味での環境負荷については若干良いかなぐらいですけれども、それ以外に巻き起こす問題も多々出てくるのではないかと思います。
これはこれからさらに議論をしないといけないわけですけれども。
我々もLRTありきというか、絶対LRTじゃなきゃ駄目だっていうわけでは全然ないのですけれども、他方でEVバスをご提案いただく方に関しても、来訪者コントロールをどうするのですかという、そこに対してのアイデアというか、確固とした考え、ソリューションがなければ、それは単にEVバスありきじゃないですかっていう議論、我々に対するご批判と全く同じ批判を避けられないのではないかなと思っています。
目的は、来訪者コントロールをどうするのだと、我が国の法制においてどうすれば来訪者コントロールを実現できるのですかという、ここに対する手段。
そもそもまず来訪者コントロールが必要だということに関して、コンセンサスをいただいた上で、来訪者コントロールをしないといけないのは分かったと。では、これをどう実現するのですかっていう中で、そこは我々もLRT、絶対これじゃなきゃ駄目だっていうわけでは全然ないし、他方で、EVバスをご主張される方も、EVバスじゃなければ絶対駄目だというところから出ていただいて、お互いにどうすればいいのかっていうのを今ある法制上の中で議論できれば、建設的になるのかなと思います。
目的は来訪者コントロールをどうやって実現するのですかと。
ここについての現実的な案と案をぶつけ合って、何が、どっちが、どういいのだと、こういう議論ができればいいかなと思います。
記者
登山規制の関係でお伺いします。
概ね順調の一方、3連休ではそういう場面も見られたというお話がありました。
現場でちょっと取材しているとゲートが閉まる直前に多くの外国人が入ってきちゃうっていう場面もあったというお話だったが、ある種ルールを破ってはいない中、そういう対策の難しさみたいなところを知事はどのように感じていらっしゃいますか。
知事
おっしゃる通りです。
ちょっとこれはいろいろな方と意見交換をしないといけないところですが、ゲートの閉まる時間が今のままでいいのだろうかというのはあろうかと。
4時に閉まるわけですけれども、閉まる瞬間に登った人は本当に弾丸登山にはならないのですかっていう、そこはちょっと議論しないといけないかなとも思いますし、そういう問題はあります。
山小屋をとっている方は別として、山小屋の予約もない中で、4時に来て、頂上まで行って戻って、これは弾丸登山になるのではないですかとか、こういう議論はあり得るので、この時間が本当に弾丸登山を防止する上で、適切なのか、他に何か工夫がないのかは、議論しないといけないと思っています。
併せて、せっかくの問題提起なので、もう1つあった問題が悪天候の時に、短パンとTシャツとサンダルで登ろうとされる、そういう極めて軽装で登ろうとされた方が多くいらっしゃったと、このような話も聞いています。
大変危険な状態であり、これも弾丸登山同様、それだけでも危険な状態でもありますし、特に悪天候の状況次第によっては、救援救護の2次被害というものも十分やっぱり考えなきゃいけないわけでありますので、ここに関して、そのままでいいのかと。
例えば、ここは道路ではなくて、県有地ですので、例えばですよ、必ずしもその状況によって、適正でない準備不足の方の通行をお断りするようなことも、これには条例が必要かもしれませんが、このようなことも方策としては、考える必要があるのではないか。
ここはこの富士山に関係する地元市町村、それから山小屋の皆さんはじめ、皆で知恵出し合って、どうすれば危険のない状態、これを作ることが目的ですから、弾丸登山も困る、悪天候の中、軽装で登ることも困る。
そうではない安全な富士山登山づくりをしていくかは、皆で知恵を出して、その実行を考えていきたいと思います。
記者
ある意味、登山者自身のモラルも問われるような状況だと思うのですが、改めてそういう人たちに呼びかけたいことがあれば、教えてください。
知事
決して富士山は気楽に登れる楽しい山というわけではないと思います。
そこは様々登山に伴う危険があって、この危険から身を守るのは、まずは登山者ご本人だと思います。
更には、私たち、地元も万が一のことがあったときには当然その救護に向かわないといけないわけですが、その救護に向かわれる方も危険に晒してしまう、こういう恐れがあることを、重々承知をしていただいて、是非、最大限の安全な登山を図るよう心がけをしていただきたいと思います。
記者
登山鉄道の中間報告については現時点でいつ頃の公表を見込んでいるのかということをお伺いします。
統括官
今、説明会、それから意見交換会で出た意見をまとめておりまして、そういった中で、今後の方向性というのをまずしっかりと決めて、その後、報告をさせていただきたいと思っています。
記者
まだ未定ということでしょうか。
知事
まだ未定です。
我々もそんなに人数が大勢いるわけではないので、今まさに先程の5合目、弾丸登山防止、目の前にある登山の危険をいかに防ぐかというところに、かなり全集中しておりますので、少し時間をいただければと思います。
記者
もう1点、先ほどLRTありきではないと、一方で、EVありきというようなことではなかなか議論が進みませんというお話をされました。
LRTでもEVバスでもない交通手段としてどのようなものを具体的にイメージされていますか。
知事
これから議論していきます。
記者
まだ何か具体的なイメージというものがあるわけではないですか。
知事
はい。
知事
初めに、山梨県ケアラー支援推進本部の立ち上げについてです。
先程、第1回山梨県ケアラー支援推進本部の本部会議を開催いたしました。
この取り組みは、2025年に団塊の世代全ての方々が75歳以上の後期高齢者となるため、今後介護を必要とされる人の割合は、急速に大きくなると見込まれている所謂、2025年問題と言われているものであります。
これまで本県におきましては、介護待機者ゼロを目指して特別養護老人ホームの整備や介護人材の確保定着に対して、積極的に取り組んできたところであります。
一方で、家族介護の担い手は人口増を前提とした時代に比べて、より少ない人数で仕事と介護を両立していかなければならないという状況でございます。
更に加えまして、近年では晩婚化などの影響から、子育てと介護の時期が重なるという所謂ダブルケアといった課題も生じております。
また、これによりケアをするご本人、或いはご家族の生活への影響というのは大変懸念されるところであります。
これまで、本県が先進的に取り組んで参りましたヤングケアラー、或いは男性ケアラーの問題も含めまして、家族ケアのあり方というものは大変多様で複雑なものになってきていると認識しております。
これらが負担となって、県民一人ひとりの活躍が阻害される社会であってはならないと確信する次第であります。
県民の自由な選択を妨げる要因をできる限り取り除いていくことこそ、豊かさ追求において、行政が果たすべき大きな役割に他ならないと考えています。
このため、今般の本部会議におきまして、新たなケアラー支援というものは、地域の今後を決めていくもの、更には、世代を超えた大きな課題という認識のもと、県庁一丸となってスピード感を持って取り組むよう、本部長として指示をしたところであります。
今後の具体的な取り組みですが、ケアラーの負担、或いは課題把握のための調査を、9月補正予算を念頭に準備を進め、その調査結果を踏まえまして、的確な対策を速やかに講じて参りたいと思います。
加えまして、取り組みの第1弾といたしまして、8月20日にビジネスケアラーやダブルケアラーをテーマとしたセミナーを開催したいと思います。
これにより、先ずは社会全体にこの問題に対する認識を喚起していきたいと思います。
県としまして、今後、県民誰もがケアラーになりうるという前提に立って、できることには即対応し、必要な施策は躊躇なく進めながら、介護離職ゼロ社会を何としても実現するべく、努力をしていきたいと思います。
本件に関しましては以上でございます。
記者
介護離職ゼロ社会の実現に向けてということで、今回新しい組織を立ち上げたということになりますけれども、目標である介護離職ゼロについては、もちろんこういった形でケアを担当される方の支援は必要かと思いますけれども、一方で、プロの介護職の方々をどう増やしていくか。
特に、現在問題になっていることとすれば十分な報酬が得られていない。
処遇改善が進むことによって人材確保が進み、ここに書いてあるような介護を必要とする人たちをサポートできる体制が整うはずだけれどもなかなかそこが進んでいない。
この部分については、県よりもむしろ厚生労働省の所管に当たる部分かと思いますけれど、ここの部分への県としての働きかけについて何か考えていることがあれば教えていただきたいと思います。
知事
まさにおっしゃる通りで、プロのケアをされる方の存在はこの問題の極めて重要なテーマ、重要なパーツになってくるわけであります。
その意味では、介護人材の確保に関して、その報酬体系のあり方の議論というものは、おっしゃるようにオールジャパンで必要ですし、我々山梨県は、そこに向けて先頭に立つ意気込みで国に対しても働きかけをしていきたいと思います。
記者
介護離職についてお伺いします。
いただいている資料で山梨県の介護離職率、令和4年で全国の1.9に対して3.6。
それから水準に至るまでの上がり方についても、全国に比べて急な上がり方をしていて、若干高齢化率が高いというだけでは、ちょっと説明がつかない数字じゃないかと思うのですけれども、そのあたりの知事のご所見をお伺いいたします。
知事
まさに同じ問題意識を持っています。
その原因が一体どういうところにあるのか、これしっかり調査をして、そのファクトに基づいて、対策を打っていきたいと思います。
今、現時点において、これは何が原因でどうかというのは申し上げることはできないのですけども、これはもう秋における調査の1つの大きなポイントになってくるかと思います。
記者
いただいている資料の離職者の数などを見ましても、600とか1000とか1100とか、かなり概数的な数字でもあって、この現段階のデータというものが、どれだけ厳密なものなのかという感じも若干はするのですけど、そのあたりはいかがですか。
知事
それもおっしゃる通りです。
そこを詳細に、介護離職された方はどういう方でどういう職業でどういう事情で、それにはプライバシーの問題もあるかもしれませんけども、ただできる限り詳細に、情報収集をさせていただいて、それを分析して、そういう状況に陥る人ができる限り少なくなるように、考えていきたいと思います。
記者
今後の調査に期待させていただきたいと思います。
ありがとうございます。
知事
また、是非、重要な問題提起というかご指摘だと思いますので、こういうことも調べるべきだよという話があれば、是非、アドバイスいただければありがたいです。
知事
次に、県内投資の促進に向けまして組織体制を強化したのでその旨ご報告を申し上げます。
申し上げるまでもなく、企業による投資ですが、これは企業収益、或いは新規雇用の増加など県内経済に大きな波及効果をもたらすことから、これまで県におきましても助成金制度の拡充などにより積極的に促進をしてきたところであります。
この結果、本県内におきましては、半導体、或いは医療機器関連の大企業や、サプライチェーンを構成する中小企業による積極的な投資が行われているところであります。
また、生産拠点の国内回帰が進んでおりまして、中部横断自動車道或いは東富士五湖道路など、交通アクセスが飛躍的に向上した本県にとりましては、県外からの企業誘致、その好機を迎えていると認識をしております。
この機を逃さず、県内投資の促進を強力に進めていくため、本日、組織体制の強化を図ったところです。
すなわち、投資促進を担当する知事政策補佐官を新たに設置し、経験が豊富で専門的知見を有する職員を起用いたしました。
さらに、産業政策部内に県内投資促進チームを立ち上げ、この知事政策補佐官の指揮のもと、より一層の投資促進に取り組み、本県経済の活性化を図って参りたいと考えております。
本件につきましては以上でございます。
知事
次に、県立美術館附属デザインセンターに招聘する、デザイナーの皆様が、決まりましたのでご報告したいと思います。
お手元に今回招へいいたします4名の方々についての資料をお届けしていると思います。
まず、永井一史先生ですが、先生は多摩美術大学教授であり、また、様々な企業や商品のブランディングを手がけるとともに、デザインにより社会的課題を解決する取り組みを実践されておられます。
永井先生には、本県のデザイン施策の総合プロデューサーとして中心的な役割を担っていただきたいと思います。
そのため、CDO(チーフデザインオフィサー)に就任をしていただくこととします。
次に深澤直人先生、柴田文江先生の両先生は、日本を代表する山梨県出身のプロダクトデザイナーでございます。
また、林千晶先生ですが、デザインの視点を生かしながら、地域活性化に取り組まれ、実績を上げていらっしゃる方であります。深澤先生、柴田先生、林先生の3先生につきましては、本県のデザイン施策について、専門的見地からご支援を賜るため、デザインディレクターに就任をしていただきたいと思います。
いずれの皆様も、本県のデザインセンターの趣旨にご賛同をいただき、今回の招へいに結びついたものであります。デザインセンターの設置準備から関わっていただくため、8月1日からご就任をいただくこととしております。
デザイン分野の最先端の情報や知見を有する4名の先生方の強力なバックアップをいただきながら、11月のデザインセンターオープンに向け、着実に準備を進めて参ります。
これについては以上でございます。
記者
デザインセンターについてお伺いいたします。
今回、皆さんグッドデザイン賞の審査委員長をお務めになるような優れたデザイナーの方々が今回参加されるということになりますけれども、特に知事としてどのようなセンターのあり方というものを期待されているのか、皆さんのこれまでの経験であったり、或いはお知恵というものをデザインセンターの運営にどのように反映させていただくということを期待されているのか、その辺りの御所見をお伺いしたいと思います。
知事
まずは、そのデザイン思考というのでしょうか、行政サービスの受け手の視点に立った行政のあり方をどう構築していくか、行政のあり方自体を転換していく契機にしていきたいと思っています。
まさにデザインというのは、丸とか三角を付け加えるだけではなくて、行政でいえば、なにがしかの行政サービスを受け取る方が、一体何を真に求めていて、それを実現するためにどういう施策・ツールを組み合わせていくのか、こういうことをその受け手側の視点に立って考えていって、もろもろの施策を組み上げるような、こういう県の行政文化のあり方というものを構築していきたいと思います。
また、県の行政だけではなくて、山梨県という社会、或いは経済全体のあり方として、よりこの山梨県が持っているそのポテンシャル、可能性、潜在力をいかにより多くの人に知っていただくか、それには、我々自体も変わっていかないといけないというところもありますし、それをより多く、山梨県の真の価値を、より多くの国内外の皆さんに認識し、受け取っていただくために、我々がどう変わっていくべきなのか、どうそれをプレゼンテーションしていくべきなのか、こういうことについてご指導等いただき、様々な議論を交わすことで、山梨県に対して、本来もっともっと高い評価は当然だと思いますけれども、その真のあるべき評価というものを獲得していきたいと思っています。
記者
今のお話で聞き方がちょっと私の方も難しいなというふうに思っているのですけれど、これまで県立美術館はミレーでありルソーでありバルビゾン派の優れた作品を収集するような、国内でも非常に注目を集める機関として山梨県としては位置付けてきたかと思います。
今回、デザイナーの方を招聘されてデザインセンターを設置されるというのは、これまでのその美術館運営のあり方とは大分違う形なのかなというふうに受け止めるのですけれども、この辺りについて、聞き方が正しいかどう分からないのですけれども、知事としてお考えになることがあればお伺いしたいと思います。
知事
この美術館のあり方というものについては、見直すというか、さらに進化をさせようということでずっと議論を重ねて参りました。
つまり、確定された価値の展示だけではなくて、美術館自体が持っている審美眼とかその機能を発揮して新たな価値を生み出していこう、そういう施設にどんどん進化をしていこうということで取り組みを進めています。
例えば、その1つがメタバースギャラリーの取り組みですし、またそのメタバースギャラリーの中で、アーティストを発掘し、またそれを例えばふるさと納税の返礼品として活用することによって、そこでいただいた資金というものを今度また新たなアーティストの発見に再投資をしていこう、このような取り組みもすでにもう始まっているわけですし、そういう意味では、山梨県立美術館のあり方として、価値を作り出す美術館という方向性、この美術館附属のデザインセンターはその一環としての取り組みとして位置付けています。
知事
最後4点目ですが、北杜市武川町地内における産業廃棄物不適正保管事案に係る調査委員会、いわゆる第三者委員会からの提言への対応状況について、ご報告を申し上げます。
本事案そのものにつきましては、私のもとに情報が入った際、直ちに改善命令を発出するよう指示をし、刑事告発を視野に、強力な指導を進めてきたところであります。
その結果、履行期限までに木くずはすべて搬出され、適正に処分がされたところであります。
一方、この事案につきましては、第三者委員会を立ち上げ、県のこれまでの指導のあり方について検証をいただき、3月末に県の対応が不当であったとその旨のご報告をいただいたところであります。
その際、第三者委員会からのご提言として、情報共有と連携の強化など今後の改善すべき点が示されています。
県としてもこの提言を真摯に受けとめ、県に対する信頼を回復すべく、今般、廃棄物行政の新たな仕組みを構築いたしました。
まずは、平時における組織体制の強化、これに加えまして、有事における機動的な対応として、タスクフォースを設置し、迅速な解決を図ることといたしました。
また、県のマニュアルを改善いたしまして、指導手順や行政処分への切り換えの判断基準をしっかりと明確化いたしました。
さらに、許可取消、命令などの行政処分のすべてを公表することによりまして、不適正処理事案の発生を抑止して参ります。
こうした取り組みによりまして、県民の生活環境の保全を第一に、法令違反に対しましては、迅速かつ躊躇することなく、毅然とした態度で臨み、不適正処理事案の早期対応、早期解決を図って参りたいと思います。
本日、私から発表すべきは以上でございます。
記者
先日、7月7日に行われた東京都知事選についてお伺いします。
2点ほどお伺いいたします。
まず1点目ですけれども、投票率も60%を超え、すごく注目されている選挙でありましたが、一方で、投票者掲示板、ポスターの乱立問題がありました。
そういった問題に対してどう受けとめられているかということをお伺いしたい。
知事
まずポスターの問題ですけれども、ああいう事態が起こることは、私も驚きました。
私も当然選挙をする身として、本来の趣旨から外れるようなことはやっぱり控えるのがモラルというか、マナーじゃないかなって思います。
まさに有権者の皆さんに、様々な訴えをして、その審判を仰ぐという神聖な場が選挙でありますので、そのポスターの掲示板に関しても、その選挙の意味に対するリスペクトというか敬意を持ってまずは臨んで欲しいと思います。
また、そうは言っても、法制度のあり方として、今のままなんでも好き放題でいいのだろうか、表現の自由を履き違えて、表現の自由の重要性というのは当然あるにしても、この選挙ポスターに対する向き合い方としては必ずしも適正ではないのではないかということで、改善策は是非、国においてご検討いただきたいと思います。
記者
2点目ですけれども、事前の予想では、小池さんと蓮舫さんの一騎打ちになるのではないかという予想が、各マスコミ様から出ていたと思うのですが、実際蓋を開けてみると、SNS戦略を駆使し若者から支持を集めた石丸伸二氏が2位という結果になりました。
この石丸伸二氏の飛躍、今回の選挙の結果についての受けとめをお願いいたします。
知事
石丸さんは大変頑張ったというか、大変なナイスファイトをされたのではないかなと思います。
ただ、全般的な問題として、いわゆる既存のもの、既成のものに対する批判票が石丸さんに流れたのかなと思っておりますので、これは私自身も含めて、必ずしも政治のあり方として、今回石丸さんに入れた方、期待をされた方々に対して応えきれていないのではないだろうかということはしっかり顧みながら、より期待され、期待に応える政治のあり方はどうあるべきなのかというのは、しっかり考えていきたいと思います。
記者
リニアの関係でお伺いいたします。
先ほど期成同盟会が開かれまして、先般ですけれども、鈴木知事と現地視察をされたいということをおっしゃっていましたけども、この時期については、何か決まっていることがあるかどうかということをお伺いします。
知事
9月で一緒に見に行くべく調整をしているところです。