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ページID:92145更新日:2019年11月1日

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産業技術センタープロポーザル

【山梨県産業技術センタープロポーザル】

産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。

TOPIC:【設備紹介】くぼみの面積から硬さを判断する装置ー自動フォーカス微小硬さ試験機の紹介ー

■JKAの補助事業

山梨県産業技術センターは、公益財団法人JKAから、2019年度公設工業試験研究所等の設備拡充補助事業による補助金(競輪の補助金)の交付を受け、設備の拡充等を行いました。
今回は、その2機種「蛍光エックス線膜厚計」「自動フォーカス微小硬さ試験機」のうち「自動フォーカス微小硬さ試験機」についてご紹介いたします。

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■自動フォーカス微小硬さ試験機とは

自動フォーカス微小硬さ試験機は、ダイヤモンドの圧子を被試験物に対して一定の試験力で押込み、そのときにできるくぼみ(圧痕)の面積から硬さを判断する装置です。
本装置は、試料台を左右(X)方向、奥行(Y)方向に数マイクロメートルの精度で正確に移動させ、極微小荷重を付加することが可能なため、薄膜層や表面硬化層の断面硬さを測定することができます。また、あらかじめ用意したプログラムにより、試料ステージが自動で移動することで、試料表面および断面の硬さ分布を容易に測定することが可能です。

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☆自動フォーカス微小硬さ試験機HM-220D:(株)ミツトヨ

■機器の特徴

圧痕の読み取りにおいては、自動フォーカス機能および自動読み取り機能により、測定者による個体差を抑制することが可能となります。さらに試験力も2000gfの高荷重から0.05gfの低荷重まで用意され、あらゆる材料への測定が可能となります。特に0.05gfの低荷重の適用により、極薄膜の評価が可能となり、県内企業からのニーズに対応できます。

■類似機器との比較

類似した装置としては、ロックウェル硬さ試験機やブリネル硬さ試験機、ビッカース硬さ試験機があります。これらの特徴としては、試験力にキログラム単位の高荷重を付加するもので、表面層の測定というよりは、材料全体の硬さを測定する装置になります。従って、極表面層および硬さ分布を測定することは不可能です。また、もう一つの類似装置として微小押し込み硬さ試験機がありますが、数ナノメートルレベルの深さを読み取りますので、サンプル形状は薄く、表面状態は鏡面な状態であることが必須となり、大きな制約を余儀なくされます。

■機器の用途

本機器の導入により、主に県内の機械電子関連の製造業者や、成長産業分野(クリーンエネルギー、スマートデバイス、生産機器システム、医療機器)に参入を果たした製造業者、参入を目指す製造業者などが、つぎの測定を実施することが可能です。
[1]自動車部品等に用いられる焼き入れ硬化層の表面硬さ測定
[2]歯車部品の刃先部分での断面硬さ分布測定
[3]めっき部品等の極表面薄膜層および表面硬化層の測定
[4]マイクロ部品の表面微小領域硬さ測定


■今後の展開

現有機器(ビッカース硬さ試験機、ロックウェル硬さ試験機、ブリネル硬さ試験機、微小押し込み硬さ試験機)では、対応困難であった試験が可能となります。本機器については、県内企業からの要望が多く、特に成長産業分野に参入した企業を中心に、測定の相談が数多く寄せられています。本機器はこれらのニーズに対応できます。さらに、成長産業分野(クリーンエネルギー、スマートデバイス、生産機器システム、医療機器)への活用拡大も期待されます。

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■担当からひと言

企業の皆様には積極的にご活用いただきたいと思います。機器の詳細については、工業材料科までお問い合わせ下さい。

工業材料科

 

このページに関するお問い合わせ先

山梨県産業政策部産業技術センター 
住所:〒400-0055 甲府市大津町2094
電話番号:055(243)6111   ファクス番号:055(243)6110

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