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ページID:112662更新日:2024年3月14日
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【山梨県産業技術センタープロポーザル】
産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などを紹介します。
山梨県産業技術センターでは、「令和5年度産業技術センターものづくり支援機能強化事業(地方創生交付金)」により設備の拡充を行いました。今回は、整備した機器の中から「X線光電子分光分析装置(XPS)」を紹介します。
この装置は、試料にX線を照射した際に表面から数nmまでの最表面で発生する光電子のエネルギーを測定することで、試料表面に存在する元素とその結合状態を分析する装置です。例えばAl単体、Al2O3、Al(OH)3のように、結合状態が異なるAlの化合物を測定した場合、検出される光電子のエネルギーのピーク位置が異なるため、結合状態を知ることができます。またArイオンエッチングにより試料表面を数nmずつ削る度に測定することで、深さ方向での組成変化を調べることが可能です。
表面の変色や超薄膜の分析、機能性多層薄膜の深さ方向分析などに用いることが可能です。
装置の英語名(X-ray Photoelectron Spectroscopy)の頭文字をとってXPSとも呼ばれています。
メーカ・型式 | サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社・NexsaG2 |
X線源 | Alモノクロメータ |
X線照射径 | 10μm~400μm(5μmステップ) |
光電子取込方向 | 水平に配置した試料に対して鉛直 |
最大試料サイズ | 測定面60×60mm、厚さ20mm |
角度分解XPS | 最大90°まで傾斜可能 |
エッチング方式 | Arイオン(単原子/クラスター切替可能) |
中和機構 | 低エネルギー電子と低エネルギーArイオンを同時に同軸照射可能 |
本機器の導⼊により、県内の機械電子産業に関わる企業において下記用途等での活用が可能になります。
令和6年4月1日から
従来設備よりも高感度であり、測定時間が大幅に短縮されました。使いやすく高精度になったX線光電子分光分析装置(XPS)をぜひご活用ください。
工業材料科