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ページID:108320更新日:2023年3月20日
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【山梨県産業技術センタープロポーザル】
産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。
⼭梨県産業技術センターでは、令和4年度に産業技術センターものづくり支援機能強化事業(地方創生交付金)により、設備の拡充等を⾏いました。今回は、「レーザーアブレーションICP質量分析装置(LA-ICP-MS)」についてご紹介します。
■LA-ICP-MSとは
LA-ICP-MSは試料をエアロゾル*化するLA部と導入されたエアロゾルをイオン化し分析するICP-MS部から構成されます。LA部では試料表面にレーザーを照射し、そのエネルギーによりエアロゾルを発生させます(レーザーアブレーション)。エアロゾルはキャリアガスによってICP-MS部へと導かれ、高温のアルゴンプラズマによって原子化・イオン化し、後段の質量分離部で目的とするイオンを分離・検出します。LA-ICP-MSは試料をほとんど破壊することなく、微量成分を定性・定量することができます。
*エアロゾル・・・浮遊する微小な粒子と周囲の気体の混合体
■装置の特徴
本装置は固体試料への特別な前処理が不要なため、難溶解性試料などをそのまま分析できます。また、レーザーの照射範囲は表面のごく一部であるため、ほとんど非破壊での分析が可能です。さらに、微量成分を含む試料の定性・半定量分析を短時間で行えます。その他、LAでの観察像とICP-MSの分析結果を組み合わせて元素マッピングを作成する機能を備えています。ICP-MS部にはオートサンプラーが付属しているので、多数の液体試料を連続で測定できます。
■主な仕様
メーカ・型式 ︓LA部・・・Elemental Scientific LASERS社 ESL213
ICP-MS部・・・アジレント・テクノロジー(株) Agilent7900
レーザースポット径:4~110μm
最大試料サイズ(固体):W100mm×D100mm×H20mm
測定質量範囲:2~260amu
■装置の⽤途
本機器の導⼊により、主に県内の研磨・宝飾産業や機械・電子産業に関わる企業において、次のような分析が可能になります。
・宝石や鉱物、単結晶材料、金属等の固体試料の微量分析
・固体試料表面の微量元素の元素マッピング
・液体試料の微量分析
■担当からひと言
固体試料をそのまま分析できる点、他の装置では検出困難な低濃度成分の検出も可能な点が大きな長所です。まずはご相談ください。
研磨宝飾科
TEL 055-243-6111(代表)