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ページID:98228更新日:2021年2月5日

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産業技術センタープロポーザル

【山梨県産業技術センタープロポーザル】

産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。

TOPIC:【事業紹介】企業ニーズ対応試作開発事業4(生産性向上のためのIoT化を支援するための取得データ通知システムの開発)

■企業ニーズ対応試作開発事業

ンターでは、研究成果を円滑に企業に普及し、実用化へ繋げていくために、企業からの要望に沿って追試験・試作等を行う「企業ニーズ対応試作開発事業」を実施しています。今回、R2年度に実施している「PLCと安価な組み込みコンピュータを用いた生産性向上IoTシステムの開発」で得られた研究成果を活用し、企業のシステム開発を支援しましたので紹介します。

 

■既存の生産設備をIoTに活用

年、あらゆるモノがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)が大きな広がりを見せており、製造業においても業務の効率化や生産性向上を目的にIoTの活用が進んでいます。しかし、中小企業においては、設備のIoT化に係る費用負担や、専門知識を持った技術者の不足から、IoT化への取り組みを躊躇する企業もいます。

方、生産設備の制御に多く使用されているPLC(Programmable Logic Controller; 通称シーケンサ)は、通信インターフェースの用途が機器同士の通信や計測器等との通信に限定されており、IoTシステムの一部として活用する技術が確立されていません。

のようなことから、センターでは、既存設備であるPLCと安価な組み込みコンピュータやセンサデバイスを組み合わせることで、県内の中小企業が導入しやすい生産性向上IoTシステムを開発しました。

 

■県内のIoT化を支援

回、研究で得られた技術シーズを活用し、化粧品ブランドの「ARSOA」や食品ブランドの「BIOKURA」を展開する株式会社AOB慧央グループ(県内企業)のIoT化を支援しました。当該企業は、生産設備のIoT化に対し、数年間に渡り継続的に取り組んでおり、県内企業の中ではAI/IoTの活用におけるトップレベルの企業の一つです。県外工場における生産設備の稼働状況を遠隔地から監視するため、各種センサーで取得した生産状況データをクラウド経由でリアルタイムに可視化・表示するための要素技術の研究開発を進めており、生産現場への適用・実証も行っています。このような取り組みの中、既存の生産設備を活かして、低コストかつ短期間で新たなIoTシステムを構築、導入したいという希望があり、センターの研究に注目していただきました。

 

して、企業ニーズ対応試作開発事業を活用してセンターの技術シーズを利用し、生産設備を制御しているPLCとシングルボードコンピュータ(Wi-Fiによる無線ネットワークを含む)を連携させた、新たなIoTシステムを開発しました。開発したシステムは、PLCが持つ豊富な生産情報へのアクセスを可能とし、これまでよりも必要な情報を効率的かつ効果的に抽出でき、リアルタイムでの監視制御等が促進されました。

らに、SNS(Social Networking Service、インターネットを介して登録された特定の利用者同士が人間関係を構築できるWEB上のサービス)を活用して、可視化した生産データを共有できる遠隔監視制御システムの試作開発にも取り組みました。この新たな通知システムでは、スマートフォン等の情報端末が活用できることから、社内・社外を問わず同時に複数の端末から生産設備の状況をリアルタイムに把握できます。また、API(Application Programming Interface)が無料公開されているSNSを利用することで、開発期間を大幅に短縮し、運用経費も抑えることができました。

在、当該企業は本事業で開発したIoTシステムの試験運用を完了し、生産現場へ本格導入すべく準備を進めています。また、AIを活用した生産状況の把握・識別についても並行して進めており、将来的には、音声対話型インターフェースによるAIファクトリーの実現も構想しているそうで、さらなる生産性向上が期待されます。

企業ニーズIoT-1

IoTシステムによるシミュレーションの様子

(左はIT戦略推進室の滝口氏、中央は同田中氏)

企業ニーズIoT-2

生産状況の通知を受ける様子

(左は田中氏、右はセンター職員)

 

■担当からひと言

回、当センターが試作開発・導入についてお手伝いさせていただいたIoTシステムの特徴は、既存設備を有効活用して低コストかつ短期間で生産設備のIoT化を実現できるところにあります。しかも、極力現状の設備に変更を加えることがなく、機能の追加等が容易なため、非常に利便性の高いシステムと言えます。山梨県産業技術センターでは、これからも県内企業の課題を適切に把握し、必要な技術支援の提供に取り組んで参ります。

システム開発科

 

支援企業の概要

株式会社AOB慧央グループ

「人も自然もすこやかに、生き生きと暮らすことのできる社会」を目指し、健康・美容・食・農・医を中心とした幅広い分野におけるヘルスケア製品とサービスを展開。化粧品関連として「ARSOA」、食品関連として「BIOKURA」等のブランドを推進する。

〒408-8522梨県北杜市小淵沢町2961

TEL:0551-20-5000(代表)URL:www.aob-keioh-group.co.jp/

このページに関するお問い合わせ先

山梨県産業政策部産業技術センター 
住所:〒400-0055 甲府市大津町2094
電話番号:055(243)6111   ファクス番号:055(243)6110

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