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ページID:98028更新日:2021年1月18日
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【山梨県産業技術センタープロポーザル】
産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。
■JKAの補助事業
山梨県産業技術センターでは、公益財団法人JKAから2020年度公設工業試験研究所等の機械設備拡充補助事業による補助金(競輪の補助金)の交付を受け、設備の拡充等を行いました。今回は、その2機種「ワイヤ放電加工機」、「超深度顕微鏡システム」のうち、「超深度顕微鏡システム」についてご紹介します。
■超深度顕微鏡システムとは
熱処理や表面処理した製品表面の薄膜等の品質評価を行う他、微小異物の観察や破断面の解析を行う装置です。
■装置の特徴
複数のレンズ(通常レンズ、高倍率レンズ)を用いることで、通常観察から超深度観察まで幅広い視野で観察することが可能な装置です。接眼レンズ部分に画像素子を搭載しているため、観察像を液晶モニタに表示しながら作業ができます。また、通常レンズと超深度レンズをワンアクションで切換えることができ、切換の際にも視野がずれることなく、同じ観察位置のまま製品評価を続けることができます。
■類似装置との比較
類似した装置としては、金属顕微鏡やビデオマイクロ装置等の観察装置があります。これらは、金属やプラスチックの表面形状を観察することをはじめ、金属内部の組織観察や薄膜のコーティング状態の観察等が可能です。しかし、破断面観察などの凹凸の大きい試験体や極薄膜の観察には焦点深度や観察倍率が足りないため、鮮明な画像の取得は困難でした。本装置では、高倍率での観察や深度合成機能の使用により、極薄膜の観察や凹凸の大きな形状でも全ての面でピントの合った鮮明な画像が取得できます。
■機器の用途
本機器の導入により、主に県内の機械電子関連の製造業者や、成長産業分野(クリーンエネルギー、スマートデバイス、生産機器システム、医療機器)に参入を果たした製造業者、参入を目指す製造業者などが、つぎの測定を実施することが可能です。
[1]シャフト部品や歯車部品等の表面状態の観察
[2]めっき(表面処理)部品等の表面層の観察
[3]薄膜層および表面硬化層の観察
[4]破断面の観察
■今後の展開
製品の小型化や高集積化に伴い、これまでよりも微小な領域での超深度観察の需要は、ますます多くなると予想されます。本装置は高倍率レンズや深度合成機能を有するほか、真上から真横まで試料を回転させて観察することも可能であり、本県企業からの高度な要求に対応できるものと期待されます。
■担当からひと言
低倍率から高倍率まで、簡便な操作で観察が出来ます。是非ご利用ください。
工業材料科