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ページID:84897更新日:2019年3月20日

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産業技術センタープロポーザル

【山梨県産業技術センタープロポーザル】

産業技術センターをより活用していただくため、担当Yが外部の方の目線を
大切にしながら、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。

 

TOPIC:【設備紹介】原因究明の基本は観察。倒立顕微鏡のご紹介。

 

今回のTOPICは、富士技術支援センターに新たに設置された「倒立顕微鏡」のご紹介です。顕微鏡といえば、小さい頃の実験でみなさまもご利用したことがあるのではないでしょうか。一般的にイメージする顕微鏡とはどのように違うのか、担当の石黒リーダーにお話を伺いたいと思います。

 

倒立顕微鏡画像


倒立顕微鏡

 

Y.石黒リーダー、これが倒立顕微鏡ですね。想像していたものと見た目から違いますね。

石黒リーダー(以下:石).はい。こちらが平成29年度に地方創生推進交付金を活用して導入した倒立顕微鏡です。

 

石.顕微鏡というこちらの正立顕微鏡が一般的ですね。正立顕微鏡はサンプルに近い側の対物レンズがサンプルの上にあり、サンプルを上から観察します。一方、この倒立顕微鏡は、サンプルの下に対物レンズがあり、サンプルを下から観察します。

Y.なるほど、そういう違いがあるんですね。では、使用するうえで、倒立顕微鏡と正立顕微鏡ではどのような違いがあるのですか。

石.観察できるサンプルの形状に違いがあります。正立顕微鏡はレンズの下にサンプルを置くため、大きさに限りがありますが、倒立顕微鏡では、レンズの上にサンプルを置くので、大きいサンプルも観察することができます。重量制限はありますけどね。例えば、織物の繊維の観察するときには、大きい生地のまま観察することができます。また、シャーレなどに入った液体中の沈殿物も観察することができます。

Y.正立顕微鏡よりも観察できるサンプルの範囲が広いんですね。他にもこの倒立顕微鏡の特徴はありますか。

石.この倒立顕微鏡は、テーブルを動かしながら連続して画像を取得できるので、一度に広範囲のサンプル画像を得られる点が便利です。また、観察範囲の中に焦点の合う位置が違うサンプルの場合でも、レンズの高さを変えながら画像を取得することで、観察範囲のすべての焦点が合った画像を得ることもできます。

例えば織物の生地を観察したとき、

奥に焦点を合わせた画像

奥の青い糸に商店を合わせると手前の白い糸がぼやけてしまいます。

手前に焦点を合わせた画像

逆に手前の白い糸に焦点を合わせると、奥の青い糸がぼやけてしまいます。

全体に焦点が合った画像

この倒立顕微鏡では、これらの画像を連続的に撮影し、すべてに焦点のあった画像を作成することができます。

 

Y.それはすごく便利ですね。企業の皆さまにもどんどん利用していただきたいですね。

石.はい。これまで以上にさまざまなサンプルを高精度に観察することができます。企業の皆さまの利用をお待ちしています。

  まとめ
 

今回は、富士技術支援センターに導入された倒立顕微鏡をご紹介しました。顕微鏡といってもさまざまな種類があり、それぞれ特徴があり、上手に使い分ける必要があります。サンプルを観察することは、トラブルの原因究明や材料開発などにおいて、もっとも基礎的な部分であり、重要な部分です。新しくなった顕微鏡は、皆さまの課題解決に大いに役立てられると思います。ぜひご利用ください。

 

 

研究員紹介

石黒輝雄(機械電子技術部素材科主任研究員)

抱負等「『まずは試してみよう』というモットーで、企業の皆様の何かしらのお役に立てればと仕事に取り組んでいます。」

 

 

このページに関するお問い合わせ先

山梨県産業政策部産業技術センター 
住所:〒400-0055 甲府市大津町2094
電話番号:055(243)6111   ファクス番号:055(243)6110

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