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ページID:93539更新日:2020年2月27日
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【山梨県産業技術センタープロポーザル】
産業技術センターをより活用していただくため、センターの研究や設備などをわかりやすく紹介します。
■木製ブリーフケースの開発 産業技術センターでは、山梨県有林から切り出されるFSC認証材を活用した「木製ブリーフケース」の開発を行い、平成17年に意匠登録(意願2017-008220)を行いました。このブリーフケースは、厚さ6mmの木製平板を4mm彫り込み、それを2枚向かい合わせで使用することにより、B4判20枚程度の書類を収納することができます。
■FSC森林管理認証制度とは? FSC森林管理認証制度は、地球的規模での環境問題の深刻化を背景に進められている、適切な森林管理を行うための取組です。世界各国の環境団体、社会・経済団体などで構成する国際的な非営利団体であるFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会:本部ドイツ)が、環境や社会、経済に配慮した適切な森林管理に関する10原則70基準を定め、この原則・基準への適合を審査・認証しています。認証した森林から生産される木材にはFSCマークを付け、差別化することで、適正な森林管理を促進の仕組みを作っています。
■開発の経緯 日本でも有数の森林環境県である山梨県は、県有林について、平成15年4月、全国に先駆けて国際的な森林認証制度であるFSC森林管理認証を取得しました。(公有林では全国で初めての認証事業体となりました)
この県有林から切り出されるFSC認証材を活用したプロダクトの製造販売を促進することは、制度の認知度の向上に機能するほか、環境や地域社会に配慮した持続可能な森づくりにつながります。※FSC認証森林としての認証面積は全国第1位(令和元年8月現在)となっています。
産業技術センターでは、山梨県においてこの活動を推進している「やまなし森の紙推進協議会」から製品開発・デザイン開発の支援要請を受け、この製品を企画しました。
企画に際しては、地元木工所と授産施設のコラボレーションがテーマとなっていたことから、加工がお互いにシェアできることは勿論のこと、そこから一歩踏み込み、エイブルアートとして使用することのできるプロダクトを目指しました。
■権利化した意匠 現在、市場に出ている木製バッグや木製ブリーフケースは、①突板と布を組み合わせ袋状にしたもの、②突板に特殊な樹脂を含浸させて柔軟性を持たせたものを縫製・接着等し袋状にしたもの、③木材を箱状に組み上げたもの…の3パターンがあります。 今回、このような既存製品との差別化を図る観点から、ブリーフケースの収納能力や機能を最小限に絞ることで、平面的な構造とし、薄板を積層することによって構成される構造としました。
その結果、外観は、コンピューター画面の“フォルダ“を思わせるアイコニックなシルエットを有する特徴的なプロダクトとなりました。一方で、このことによって、製造コストを抑えることも可能となっています。
平面的な外装はキャンバスとして設定されており、塗装はもちろんのこと、静電植毛やUVプリントなどの新しい技術による加飾、漆芸や寄木細工などの伝統工芸による加飾など、作り込みや表現、使用方法に余白を持ったプロダクトとなっています。
■担当からひと言この製品は平面的な外形であることから、レーザー加工機やUVプリンター等を用いることで、製品表面に様々な加飾表現を行うことができます。お持ちの技術や素材を組み合わせ、ブリーフケース本来の用途以外にも、ノベルティグッズやディスプレイなどにご活用ください。 デザイン技術部 |