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ページID:4519更新日:2017年6月2日

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遺跡トピックスNo.0135花鳥山遺跡(はなどりやまいせき)

笛吹市の遺跡

0014経塚古墳-復元古墳-
0217経塚古墳-内部構造-
0251経塚古墳-石室の石積み-
0280経塚古墳-列石-
0396経塚古墳-八角形の意味-
0019桂野遺跡-石皿・磨石-
0100桂野遺跡-陥し穴-
0111桂野遺跡-前期土偶-
0262桂野遺跡-縄文時代前期の住居跡-
0265桂野遺跡-土器に描かれた物語-
0020四ツ塚古墳群-玉類-
0235四ツ塚古墳群-装身具-
0022狐原遺跡-墨書土器-
0433狐原遺跡-平瓶-
0059平林2号墳-副葬品-
0079平林2号墳-青銅鏡-
0102平林2号墳-ガラス玉-
0202平林2号墳-馬具類や装身具類-
0240平林2号墳-勾玉-
0337平林2号墳-勾玉-
0081身洗沢遺跡-田んぼと木製品-
0230身洗沢遺跡-プラント・オパール-
0339身洗沢遺跡-農具の今と昔-
0417身洗沢遺跡-
0427身洗沢遺跡-
0432身洗沢遺跡-弥生時代後期の木製品(クワ)
0125水口遺跡-柄鏡形敷石住居跡(1号住居跡)-
0355水口遺跡-敷石住居跡(3号住居跡)-
0135花鳥山遺跡-エゴマ種子塊-
0194花鳥山遺跡-縄文時代の食生活を知る遺物-
0199花鳥山遺跡-世界最大級の縄文土器?-
0406花鳥山遺跡-耳飾り-
0145竜安寺川西遺跡-発掘調査速報-
0155竜安寺川西遺跡-発掘調査速報2
0165竜安寺川西遺跡-発掘調査速報3
0179竜安寺川西遺跡-ミニチュア土器
0147境川中丸遺跡-発掘調査速報-
0157境川中丸遺跡-発掘調査速報-
0181境川中丸遺跡-S字状口縁台付甕-
0148一の沢遺跡-縄文時代中期の住居-
0293一の沢西遺跡-ヒトをモチーフにした土器-
0307一の沢遺跡-縄文土器-
0350一の沢遺跡-みんなで応援しよう!「ミュージアムキャラクターアワード2012」のいっちゃん-
0150稲山遺跡-発掘調査速報-
0160稲山遺跡-発掘調査速報2-
0170稲山遺跡-発掘調査速報3-
0209稲山遺跡-常滑甕-
0229稲山遺跡-
0288稲山遺跡-かわらけ-
0151三光遺跡-発掘調査速報-
0166三光遺跡-発掘調査速報5-
0171三光遺跡-発掘調査速報6-
0186三光遺跡-耳飾り他-
0173二之宮遺跡-食材をふかす道具-
0284二之宮遺跡-置きカマド-
0219亀甲塚古墳-盤龍鏡-
0264亀甲塚古墳-碧玉製管玉-
0234御坂中丸遺跡-縄文時代早期-
0275馬乗山2号墳-甲府盆地最後の前方後円墳-
0331地耕免遺跡-斎串と馬の歯-
0354中丸東遺跡-縄文時代前期の土器と古墳時代の住居跡-
0356石橋条里制遺構-古代の土地区画整理-
0371太鼓畑遺跡-調査概要-
0382六ッ長遺跡-調査概要-

 

花鳥山遺跡は甲府盆地の南側、御坂山塊北麓の丘陵・花鳥山の緩やかな斜面上にあります。山梨県内でも古くから知られていた遺跡の一つで、明治27年に発刊された『山梨懸市郡村誌』に花鳥山は古戦場として紹介されていて、槍や刀などとともに土器が出土する場所であると書かれています。

 

本格的調査は昭和23年(1次)、昭和29から30年(2次)、昭和62年(3次)の計3回行われており、昭和62年の調査では縄文時代前期(約5,000年前)の竪穴住居跡24軒、土坑33基などが発見されています。

花鳥山遺跡で見つかった竪穴状居跡

花鳥山遺跡で見つかった竪穴住居跡(縄文時代前期)

 

所在地:笛吹市御坂町竹居・八代町竹居地内

時代:縄文時代早期・前期

報告書:山梨県埋蔵文化財センター調査報告書第45集1989(平成1)年刊

山梨県埋蔵文化財センター

 縄文時代前期の住居跡から発見されたエゴマ種子

3次調査でみつかった縄文時代前期の竪穴住居跡の中からは、土器や石器などの遺物とともに、住居の床上から複数の種子が約2×1.5cm大の塊となった状態で出土しました。種子の塊を顕微鏡で詳しく観察したところ、100粒以上のエゴマの種の塊であることがわかりました。

花鳥山遺跡出土エゴマ種子の塊現生のエゴマ種子

写真左花鳥山遺跡から出土したエゴマ種子の塊

写真右現生のエゴマ種子

 

エゴマはシソ科の植物で、インドや中国中南部が原産地とされ、日本では縄文時代前期の遺跡から出土する例が多くみられることから、このころ日本に伝わったと考えられます。現在、エゴマの種子や葉は食料として用いられており、縄文人もエゴマを食していたと思われます。

 

また、種子には油性の成分が多く含まれているため、日本では菜種油が普及するまでは、エゴマから採った荏油(えあぶら)を明かり用の油として利用してきました。この荏油は灯火用だけではなく、漆の精製の際の混和剤としても利用され、平安時代の書物『延喜式』には漆器製作の際に漆の樹液と荏油を混合するという記載があり、その混ぜ合わせる割合まで規定されています。

 

縄文時代前期には、漆を使用していた例が全国で多くみられ、山梨県でも北杜市の甲ツ原遺跡や天神遺跡などから漆で文様を描いた土器が出土しています。

北杜市甲ツ原遺跡から出土した漆彩文土器

北杜市甲ツ原遺跡から出土した漆彩文土器(縄文時代前期)

 

これらの漆に荏油を使用していた確実な例は現在までみられませんが、縄文時代前期には食用としてだけでなく、漆塗りにもエゴマが使用されていたかもしれません。

 

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